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医学部保健学科 医歯学系 #紀要論文
ゾレドロン酸で前処置した白血病性形質細胞様樹状細胞株PMDC11を用いたγδT細胞の効果的な誘導
- 著者名:
- 西澤 幹則, 成田 美和子, 岩谷 俊平, 大岩 恵理, 内山 孝由, 高橋 益廣
- 発行日:
- 2015-09
- 掲載誌名:
- 新潟大学保健学雑誌
- AI解説:
- 体の中には、
(じゅじょうさいぼう)という樹状 細胞 ( 体に入ってきた悪いものを捕 まえて、T細胞 に見せる細胞 で、体の免疫 システムの一部) 細胞 があります。この細胞 は、体に入ってきた悪いもの( )を抗原 ( 体にとって悪いもので、免疫 システムが攻撃 する目標 ) 捕 まえます。そして、それを というT 細胞 ( 体を守る働 きをする細胞 で、免疫 システムの重要 な部分) 仲間 に見せます。そうすることで、T細胞 が元気になり、体を守る働 きが始まります。最近 、この樹状 細胞 を使った治療 ががんに効 くかもしれないと考えられています。でも、どんながんにも効 く方法 はまだ見つかっていません。そこで、特別 な樹状 細胞 ( )を使って、がんをやっつける力がどうPMDC05 ( 特別 な種類 の樹状 細胞 で、がん治療 に使われる可能性 がある) 変 わるかを調べました。
AI解説を見る医学部保健学科 医歯学系 #紀要論文ゾレドロン酸で前処置した白血病性形質細胞様樹状細胞株PMDC11を用いたγδT細胞の効果的な誘導
AI解説
- 背景と目的:
-
本研究の背景として、樹状細胞(DC)は抗原を取り込み、MHC分子上に抗原を提示することでナイーブT細胞を活性化し、エフェクターT細胞へと誘導する重要な役割を果たしている点が挙げられます。近年、DCを用いた免疫療法は抗腫瘍効果が期待されているが、特定の腫瘍抗原が同定されていない腫瘍に対する治療法は確立されていません。そこで本研究は、白血病性形質細胞様樹状細胞株(PMDC05)を用いて、OK432およびIFN-γによる刺激がどのように細胞傷害活性および抗原提示能に影響を与えるかを解析することを目的としています。
- 主要な発見:
-
本研究での主要な発見は、OK432およびIFN-γによる刺激がPMDC05の細胞表面抗原であるTRAILおよびCCR7の発現を増強し、これにより腫瘍細胞に対する直接的な細胞傷害活性が有意に増加することが確認された点です。また、OK432およびIFN-γで刺激されたPMDC05は、サイトカイン(IL-6およびTNF-α)の産生が増加し、免疫応答を強化する可能性があることが示されました。特にTRAILは腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する能力を持ち、これがPMDC05の細胞傷害活性の一因であると考えられます。
- 方法論:
-
実験では、PMDC05細胞株をOK432およびIFN-γで刺激した後、フローサイトメトリーを用いて細胞表面抗原の発現を解析しました。また、Cytometric Bead Array(CBA)法を用いてサイトカイン産生を測定し、T2A24細胞を標的細胞とする細胞傷害性試験を行いました。細胞傷害活性はFACSを用いて測定し、得られたデータを統計解析しました。これにより、刺激されたPMDC05の細胞機能およびサイトカイン産生能の変化を詳細に評価しました。
- 結論と意義:
-
本研究の結果、OK432およびIFN-γ刺激によりPMDC05のTRAILおよびCCR7の発現が増強し、これにより腫瘍細胞に対する直接的な細胞傷害活性が向上することが示されました。また、サイトカイン産生の増加も確認され、PMDC05が強力な抗原提示細胞として機能する可能性が示唆されました。この結果は、PMDC05を用いた新たな抗腫瘍免疫療法の開発において重要な知見を提供するものであり、特に腫瘍抗原が同定されていない場合でも有効な治療法の基盤となり得ます。
- 今後の展望:
-
今後の研究では、異なるアッセイを用いたPMDC05の遊走能試験を含むさらなる解析が必要です。また、in vivoでの実験を通じて、OK432およびIFN-γで刺激されたPMDC05の治療効果を確認することが重要です。さらに、臨床試験を通じて安全性および効果の検証を行うことで、PMDC05を用いた抗腫瘍免疫療法の実用化を目指すべきです。これにより、特定の腫瘍抗原が同定されていない腫瘍に対する新たな治療法が確立されることが期待されます。
- 背景と目的:
-
本研究の背景として、
は、体内に入ってきた異物(樹状細胞(DC) ( 体の中に入ってきた異物(抗原)を取り込み、T細胞に見せることで免疫反応を引き起こす細胞です。) )を取り込み、抗原 ( 免疫反応を引き起こす物質のことです。細菌やウイルスの一部がこれに当たります。) という部分にその抗原を貼りつけてT細胞に見せることで、T細胞を活性化し、免疫反応を引き起こす重要な役割を持っています。最近、DCを使った免疫療法ががんの治療に効果があると期待されていますが、特定のがん細胞の特徴がわかっていない場合の治療法はまだ確立されていません。そこで、この研究では、特別な種類の樹状細胞(MHC分子 ( 体内の異物(抗原)をT細胞に提示するための重要な分子です。) )を使い、PMDC05 ( 特別な種類の樹状細胞で、がん治療に使われることを期待されています。) とOK432 ( 特定の菌から作られた免疫刺激物質です。) という物質で刺激して、その細胞障害活性(がん細胞を傷つける能力)や抗原提示能(T細胞に抗原を見せる能力)がどう変わるかを調べることを目的としています。IFN-γ ( 免疫反応を強化する働きを持つ物質です。)
- 主要な発見:
-
この研究でわかったことは、
とOK432 ( 特定の菌から作られた免疫刺激物質です。) による刺激がIFN-γ ( 免疫反応を強化する働きを持つ物質です。) の細胞表面にあるPMDC05 ( 特別な種類の樹状細胞で、がん治療に使われることを期待されています。) とTRAIL ( がん細胞を細胞死に導く力を持つ分子です。) という分子の量を増やし、それによってがん細胞に対する細胞障害活性が大幅に増加することです。また、OK432とIFN-γで刺激されたPMDC05は、CCR7 ( 樹状細胞がリンパ節に移動するために必要な分子です。) やIL-6 ( 炎症や免疫反応に関与するサイトカインです。) という物質の産生が増え、免疫応答を強化する可能性があることも示されました。特にTRAILは、がん細胞を細胞死(TNF-α ( がん細胞の細胞死を引き起こすサイトカインです。) )に導く力があり、これがPMDC05の細胞障害活性の一因であると考えられます。アポトーシス ( 細胞が計画的に死ぬ現象のことです。)
- 方法論:
-
実験では、
細胞をPMDC05 ( 特別な種類の樹状細胞で、がん治療に使われることを期待されています。) とOK432 ( 特定の菌から作られた免疫刺激物質です。) で刺激した後、フローサイトメトリーという方法を使って細胞表面の分子の量を調べました。また、Cytometric Bead Array(CBA)法でIFN-γ ( 免疫反応を強化する働きを持つ物質です。) やIL-6 ( 炎症や免疫反応に関与するサイトカインです。) の量を測定し、T2A24細胞という標的細胞を使って細胞障害性試験を行いました。細胞障害活性はFACSという装置で測定し、得られたデータを分析しました。これにより、刺激されたPMDC05の機能やTNF-α ( がん細胞の細胞死を引き起こすサイトカインです。) 産生の変化を詳しく評価しました。サイトカイン ( 免疫細胞が分泌する物質で、免疫反応を調整する役割があります。)
- 結論と意義:
-
この研究の結果、
とOK432 ( 特定の菌から作られた免疫刺激物質です。) で刺激することで、IFN-γ ( 免疫反応を強化する働きを持つ物質です。) のPMDC05 ( 特別な種類の樹状細胞で、がん治療に使われることを期待されています。) とTRAIL ( がん細胞を細胞死に導く力を持つ分子です。) の量が増え、がん細胞に対する細胞障害活性が向上することがわかりました。また、CCR7 ( 樹状細胞がリンパ節に移動するために必要な分子です。) やIL-6 ( 炎症や免疫反応に関与するサイトカインです。) の産生も増え、PMDC05が効果的なTNF-α ( がん細胞の細胞死を引き起こすサイトカインです。) 提示細胞として働く可能性が示されました。この結果は、PMDC05を使った新しいがん治療法の開発に役立つ重要な情報を提供しています。特に、がん細胞の特徴がわかっていない場合でも効果的な治療法になるかもしれません。抗原 ( 免疫反応を引き起こす物質のことです。細菌やウイルスの一部がこれに当たります。)
- 今後の展望:
-
今後の研究では、
の動きや他の方法を使ったさらなる分析が必要です。また、生体内での実験を通じて、PMDC05 ( 特別な種類の樹状細胞で、がん治療に使われることを期待されています。) とOK432 ( 特定の菌から作られた免疫刺激物質です。) で刺激されたPMDC05の治療効果を確認することが重要です。さらに、臨床試験で安全性と効果を検証し、PMDC05を使ったがん免疫療法の実用化を目指すべきです。これにより、がん細胞の特徴がわかっていない場合でも新しい治療法が確立されることが期待されます。IFN-γ ( 免疫反応を強化する働きを持つ物質です。)
- 何のために?:
-
体の中には、
(じゅじょうさいぼう)という樹状 細胞 ( 体に入ってきた悪いものを捕 まえて、T細胞 に見せる細胞 で、体の免疫 システムの一部) 細胞 があります。この細胞 は、体に入ってきた悪いもの( )を抗原 ( 体にとって悪いもので、免疫 システムが攻撃 する目標 ) 捕 まえます。そして、それを というT 細胞 ( 体を守る働 きをする細胞 で、免疫 システムの重要 な部分) 仲間 に見せます。そうすることで、T細胞 が元気になり、体を守る働 きが始まります。最近 、この樹状 細胞 を使った治療 ががんに効 くかもしれないと考えられています。でも、どんながんにも効 く方法 はまだ見つかっていません。そこで、特別 な樹状 細胞 ( )を使って、がんをやっつける力がどうPMDC05 ( 特別 な種類 の樹状 細胞 で、がん治療 に使われる可能性 がある) 変 わるかを調べました。
- 何が分かったの?:
-
この研究でわかったことがあります。
というPMDC05 ( 特別 な種類 の樹状 細胞 で、がん治療 に使われる可能性 がある) 細胞 を、 とOK432 ( 細胞 を元気にする物質 で、がん治療 の一環 として使われる) というものを使って元気にします。すると、がんをやっつける力が強くなりました。また、IFN-γ ( インターフェロンガンマという名前の物質 で、免疫 システムを元気にする) やIL-6 ( インターロイキン6という物質 で、体の守る力を強くする) というTNF-α ( 腫瘍 壊死 因子 アルファという物質 で、体の守る力を強化する) 物質 も増 えて、体を守る力が強くなりました。特 に、 というものががんをやっつけるのにとても大事だということです。TRAIL ( 腫瘍 細胞 を死滅 )
- どうやったの?:
-
まず、
というPMDC05 ( 特別 な種類 の樹状 細胞 で、がん治療 に使われる可能性 がある) 細胞 に とOK432 ( 細胞 を元気にする物質 で、がん治療 の一環 として使われる) を使いました。そして、そのIFN-γ ( インターフェロンガンマという名前の物質 で、免疫 システムを元気にする) 細胞 にどんな変化 があるかをフローサイトメトリーという方法 で調べました。次に、 やIL-6 ( インターロイキン6という物質 で、体の守る力を強くする) というTNF-α ( 腫瘍 壊死 因子 アルファという物質 で、体の守る力を強化する) 物質 の量 をCytometric Bead Array(CBA)という方法 で測 りました。最後 に、T2A24という細胞 を使って、がんをやっつける力をFACSという装置 で調べました。
- 研究のまとめ:
-
とOK432 ( 細胞 を元気にする物質 で、がん治療 の一環 として使われる) を使うと、IFN-γ ( インターフェロンガンマという名前の物質 で、免疫 システムを元気にする) のPMDC05 ( 特別 な種類 の樹状 細胞 で、がん治療 に使われる可能性 がある) とCCR7のTRAIL ( 腫瘍 細胞 を死滅 ) 量 が増 えました。そして、がんをやっつける力が強くなりました。また、 やIL-6 ( インターロイキン6という物質 で、体の守る力を強くする) もTNF-α ( 腫瘍 壊死 因子 アルファという物質 で、体の守る力を強化する) 増 えて、体を守る力が強くなりました。この結果 は、新しいがんの治療 法 を見つけるのに役立ちます。特 に、どんながんにも効 く方法 が見つかるかもしれません。
- これからどうする?:
-
これからは、
のPMDC05 ( 特別 な種類 の樹状 細胞 で、がん治療 に使われる可能性 がある) 働 きをもっとよく調べます。また、体の中での実験 も行います。そして、本当に安全で効果 があるかを確認 します。PMDC05を使った治療 法 が、どんながんにも効 くようになると良 いですね。
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医歯学系 大学院医歯学総合研究科(歯) #紀要論文
ケイ酸カルシウム系覆髄材のラット皮下への移植による生体活性とバイオミネラリゼーション能力の評価
- 著者名:
- 日向 剛
- 発行日:
- 2016-07
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- AI解説:
最近 、歯の治療 に使う が体に材料 ( 歯の治療 に使う特別 なもの) 良 い影響 を与 えることがわかりました。これらの材料 は、昔からある治療 用の材料 よりも効果 があると言われています。でも、どうやって体に良 い影響 を与 えるのかは、よくわかっていません。そこで、どんなふうに体の中で動くのか調べることにしました。
AI解説を見る医歯学系 大学院医歯学総合研究科(歯) #紀要論文ケイ酸カルシウム系覆髄材のラット皮下への移植による生体活性とバイオミネラリゼーション能力の評価
AI解説
- 背景と目的:
-
近年、ケイ酸カルシウム系歯内療法用材料(例えばMineral Trioxide Aggregate, MTA)は、硬化体から放出されるCa2+やOH-のイオンが生体機能性を示すことが知られています。このため、従来の水酸化カルシウム製剤と比較して、直接覆髄法において同等以上の臨床成績が報告されています。しかし、これら材料の生体内での挙動に関する知見は未だ不十分です。本研究の目的は、異なるケイ酸カルシウム系覆髄材をラットの背部皮下組織に埋入し、結合組織と接する材料表面における析出物の微細構造と組成を観察・分析することです。さらに、結合組織と材料界面におけるカルシウムとリンの分布を分析し、これら材料の生体活性とバイオミネラリゼーション能力を検討します。
- 主要な発見:
-
各種ケイ酸カルシウム系覆髄材の表面には、類球形の析出物が生成されました。析出物の径は経時的に増大する傾向を示し、特にWhite ProRoot MTA群では約10µmに達しましたが、試作覆髄材群では約5µm、TheraCal LC群では約3µmと異なる結果が見られました。これにより、各材料のカルシウムとリンの含有量や放出量の違いが析出物の径に影響を与えていることが示唆されました。EPMA分析によって、これら析出物がカルシウムおよびリンを主成分とすることが確認され、結合組織と材料の界面においてもカルシウムとリンの高濃度領域が一致して観察されました。
- 方法論:
-
本研究では、White ProRoot MTA、TheraCal LC(光硬化型ケイ酸カルシウム系覆髄材)および日本歯科薬品の試作覆髄材を使用しました。これらの材料を滅菌PTFEチューブに練和し、4週齢のWistar系雄性ラットの背部皮下組織内に埋入しました。移植後1、2、4週で移植体を摘出し、カコジル酸緩衝2.5%グルタルアルデヒド固定液で固定しました。走査電子顕微鏡(SEM)で材料表面の析出物の微細構造を観察し、波長分散型マイクロアナライザー(EPMA)で組成分析を行いました。さらに、結合組織と材料の界面におけるカルシウムとリンの分布についてもEPMAによるマッピング分析を実施しました。
- 結論と意義:
-
ケイ酸カルシウム系覆髄材をラットの皮下組織に移植した結果、結合組織と接した材料表面にリン酸カルシウム結晶様構造物が析出することが示されました。この結果は、ケイ酸カルシウム系材料が生体内でカルシウムイオンを放出し、生体機能性を発揮することを示しています。各材料の析出物の形状の違いは、材料の組成やカルシウム放出量の違いに起因していると考えられます。これにより、材料の選択や改良において重要な情報を提供することができると考えられます。
- 今後の展望:
-
今後の研究では、より詳細な生体内での動態解析を行うことが重要です。特に、長期間の観察や他の動物モデルを用いた研究を通じて、ケイ酸カルシウム系材料の長期的な生体活性やバイオミネラリゼーション能力を評価することが求められます。また、臨床応用を視野に入れた研究を進め、材料の改良や新たなケイ酸カルシウム系材料の開発を目指すことが必要です。これにより、歯内療法の治療成績を向上させ、患者のQOL向上に寄与することが期待されます。
- 背景と目的:
-
最近、ケイ酸カルシウム系の歯の治療用材料(例えばMineral Trioxide Aggregate, MTA)は、治療後に体に良い影響を与えることが知られています。これらの材料は、従来の水酸化カルシウム製剤と比べて、
で同じかそれ以上の効果があると報告されています。しかし、これらの材料が体の中でどのように動くのかについてはまだよくわかっていません。そこで、この研究では、異なる種類の直接覆髄法 ( 歯の内部を直接覆う治療法で、歯髄(歯の神経など)を保護します。) をラットの背中の皮膚の下に埋め込み、その表面にできる物質の構造や成分を観察・分析し、材料の生体活性とケイ酸カルシウム系材料 ( ケイ酸カルシウムという化合物を主成分とする材料で、歯の治療に使われます。) 能力を調べることを目的としています。バイオミネラリゼーション ( 生体内で鉱物が作られる現象のことです。)
- 主要な発見:
-
異なる
の表面には、丸いケイ酸カルシウム系材料 ( ケイ酸カルシウムという化合物を主成分とする材料で、歯の治療に使われます。) (せきしゅつぶつ)ができました。これらの析出物は時間とともに大きくなり、特にWhite ProRoot MTAでは約10µmに達しましたが、試作材料では約5µm、TheraCal LCでは約3µmでした。これにより、各材料のカルシウムとリンの含有量や放出量の違いが析出物の大きさに影響していることがわかりました。EPMA分析によって、これらの析出物がカルシウムとリンを主成分としていることが確認されました。また、結合組織と材料の境目にもカルシウムとリンが多く含まれていることがわかりました。析出物 ( 材料の表面にできる固体の物質のことです。)
- 方法論:
-
この研究では、White ProRoot MTA、TheraCal LC、そして日本歯科薬品の試作材料を使用しました。これらの材料を滅菌したPTFEチューブに入れ、4週齢のオスのWistarラットの背中の皮膚の下に埋め込みました。埋め込み後1週間、2週間、4週間で材料を取り出し、グルタルアルデヒドという液で固定しました。その後、走査電子顕微鏡(SEM)で材料表面の
の構造を観察し、EPMAで成分分析を行いました。また、結合組織と材料の境目におけるカルシウムとリンの分布についてもEPMAで分析しました。析出物 ( 材料の表面にできる固体の物質のことです。)
- 結論と意義:
-
ケイ酸カルシウム系の材料をラットの皮下組織に移植すると、材料の表面にリン酸カルシウムの結晶ができることがわかりました。この結果から、
が体内でカルシウムイオンを放出し、生体に良い影響を与えることが示されました。材料によってできるケイ酸カルシウム系材料 ( ケイ酸カルシウムという化合物を主成分とする材料で、歯の治療に使われます。) の形状が異なるのは、材料の成分やカルシウムの放出量の違いによるものと考えられます。これにより、材料の選択や改良において重要な情報が得られると考えられます。析出物 ( 材料の表面にできる固体の物質のことです。)
- 今後の展望:
-
今後の研究では、さらに詳しい体内での動きを解析することが重要です。特に、長期間の観察や他の動物を使った研究を通じて、
の長期的な効果を評価する必要があります。また、臨床応用を見据えた研究を進め、材料の改良や新しいケイ酸カルシウム系材料の開発を目指すことが求められます。これにより、歯の治療成績を向上させ、患者の生活の質を向上させることが期待されます。ケイ酸カルシウム系材料 ( ケイ酸カルシウムという化合物を主成分とする材料で、歯の治療に使われます。)
- 何のために?:
-
最近 、歯の治療 に使う が体に材料 ( 歯の治療 に使う特別 なもの) 良 い影響 を与 えることがわかりました。これらの材料 は、昔からある治療 用の材料 よりも効果 があると言われています。でも、どうやって体に良 い影響 を与 えるのかは、よくわかっていません。そこで、どんなふうに体の中で動くのか調べることにしました。
- 何が分かったの?:
-
違 う の表面に、小さな丸いものができました。この丸いものは時間がたつと大きくなります。材料 ( 歯の治療 に使う特別 なもの) 特 にWhite ProRoot MTAという材料 では大きくなり、他の材料 よりも大きいです。これは材料 に含 まれている やカルシウム ( 骨 や歯を強くするためにとても大事な成分 ) のリン ( 歯や骨 を作るために必要 な成分 ) 量 が影響 しています。これらの が丸いものを作ることがわかりました。成分 ( 材料 の中に入っている特別 なもの)
- どうやったの?:
-
この研究では、3
種類 の を使いました。それぞれの材料 ( 歯の治療 に使う特別 なもの) 材料 を小さなチューブに入れて、ラットの背中 の皮膚 の下に埋 めました。そして、1週間、2週間、4週間後に材料 を取り出し、特別 な液 で しました。その後、固定 ( 材料 をある場所にしっかりと留 めること) で電子 顕微鏡 ( とても小さなものを詳 しく見るための特別 な顕微鏡 ) 観察 し、 を成分 ( 材料 の中に入っている特別 なもの) 分析 しました。
- 研究のまとめ:
-
研究の
結果 、 が体の中で材料 ( 歯の治療 に使う特別 なもの) とカルシウム ( 骨 や歯を強くするためにとても大事な成分 ) を放出し、小さな丸いものを作ることがわかりました。リン ( 歯や骨 を作るために必要 な成分 ) 材料 によって丸いものの形や大きさが違 うのは、 やカルシウムの放出成分 ( 材料 の中に入っている特別 なもの) 量 が違 うからです。この結果 は、どの材料 を使うか選 ぶときに役立ちます。
- これからどうする?:
-
これからの研究では、もっと長い期間の
観察 や、他の動物を使った研究が必要 です。これにより、 がどのように体に材料 ( 歯の治療 に使う特別 なもの) 良 い影響 を与 えるか、もっと詳 しくわかります。そして、新しい材料 を作ることができるかもしれません。そうすれば、歯の治療 がもっと良 くなり、患者 さんの生活も良 くなるでしょう。
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医歯学系 大学院医歯学総合研究科(歯) #学位論文
学童期検診における開口量および開閉口時顎関節音の縦断的調査
- 著者名:
- 鈴木 英弘
- 発行日:
- 2018-03-23
- AI解説:
- あごの
は、食べたり話したりするときに大事な部分です。でも、関節 ( 骨 と骨 がつながっている部分。例 :腕 や足の関節 。体を動かすために重要 な役割 を果 たします。) 成長 しているときのあごの動きや問題は、まだよくわかっていません。あごの関節 の問題についてのデータは病院でたくさんありますが、広く調べたものは少ないです。そこで、新潟県の小中学生を対象 に、10年間かけてあごの動きや音を調べました。
AI解説を見る医歯学系 大学院医歯学総合研究科(歯) #学位論文学童期検診における開口量および開閉口時顎関節音の縦断的調査
AI解説
- 背景と目的:
-
顎関節は人体の中で特に複雑な構造と機能を持つ関節の一つであり、咀嚼や発音に重要な役割を果たしています。しかしながら、成長発育期における顎関節の動きや異常に関する一定の見解は十分に得られていません。また、顎関節症の発症年齢や関節円板の位置異常に関するデータは臨床統計に基づくものが多く、疫学調査が不足している状況です。そこで、本研究では新潟県内の小学校および中学校生徒を対象に、10年間にわたり顎運動機能の変化を長期的に調査し、学童期における顎運動の経年的変化や顎関節音の発現状況を明らかにすることを目的としました。
- 主要な発見:
-
研究の結果、開口量と身長には相関関係が認められず、男女ともに小学校4年生以降、身長が増加しても開口量の増大はほとんど見られませんでした。顎関節音の初発は小学1年生から認められ、中学2年生以降に急増する傾向が見られました。また、顎関節音の継続性に関しては、一過性が49.0%、2年以上の継続が28.3%、再発が18.9%で、一過性が多いものの、継続と再発を合計すると同数程度になり、症状の不安定さが示唆されました。
- 方法論:
-
調査は新潟県の小学校2校および中学校1校に在籍する学童・生徒を対象に行われました。2002年から2011年までの10年間にわたり、定期的に学校検診を実施し、問診および触診を通じてデータを収集しました。調査対象は上下顎中切歯の萌出が完了している小学校4年生から中学校3年生までの408名、および小学1年生から中学校3年生まで継続して診査可能であった133名としました。各学年ごとに開口量、顎関節音、顎運動時痛の有無を記録し、経年的にデータを分析しました。
- 結論と意義:
-
本研究により、成長期における顎関節運動の変化について新たな知見が得られました。開口量が身長増加に対してほとんど変わらないこと、そして顎関節音の発現が小学1年生から認められ、中学2年生以降に急増する傾向が明らかになりました。また、顎関節音の継続性や再発率についても一過性が多い一方で、継続や再発するケースも少なくないことが示されました。これにより、学童期の顎関節症状は必ずしも治療を要するものではないことが示唆され、今後の学校歯科健診における顎関節音の判断基準の確立に寄与することが期待されます。
- 今後の展望:
-
本研究の成果を基に、学童期における顎関節症状の長期的予後に関するさらなる研究が求められます。特に、顎関節音の発現年齢や継続性、再発に影響を与える要因についての詳細な解析が必要です。また、精神的ストレスや社会的因子が顎関節症状に与える影響についても明らかにすることで、より効果的な予防・治療法の確立が期待されます。さらに、学校歯科健診の実施方法や評価基準の標準化を進め、全国規模でのデータ収集と解析を行うことで、学童期の顎関節健康の維持・向上に貢献することが目指されます。
- 背景と目的:
-
は体の中でも特に複雑な関節の一つで、食べ物をかんだり話したりするのに重要な役割を果たします。ですが、成長期の顎関節の動きや問題についてはまだよくわかっていません。また、顎関節症という病気の発症年齢や関節のズレについては、病院でのデータが多く、広い範囲で調べたものは少ないです。そこで、新潟県内の小中学生を対象に、10年間かけて顎の動きや顎関節の音の変化を調べることにしました。顎関節 ( 顎の動きを支える関節で、食べ物をかんだり話したりするのに重要です。)
- 主要な発見:
-
研究の結果、身長が伸びても、口を開ける量(開口量)はほとんど増えないことがわかりました。
の音は小学1年生から始まり、中学2年生以降に急に増える傾向がありました。また、顎関節の音が一時的に出ることが多いですが、長く続いたり再発することも少なくないことがわかりました。顎関節 ( 顎の動きを支える関節で、食べ物をかんだり話したりするのに重要です。)
- 方法論:
-
新潟県の小学校2校と中学校1校の生徒を対象に、2002年から2011年までの10年間、定期的に学校で検査を行いました。対象は、小学校4年生から中学校3年生までの408名と、小学1年生から中学校3年生まで継続して診察できた133名です。開口量、
の音、顎の動きを調べました。顎関節 ( 顎の動きを支える関節で、食べ物をかんだり話したりするのに重要です。)
- 結論と意義:
-
この研究で、成長期の
の動きについて新しい知見が得られました。身長が伸びても開口量はほとんど変わらないこと、顎の音が小学1年生から始まり、中学2年生以降に急に増えることがわかりました。また、顎関節の音が一時的に出ることが多い一方で、長く続いたり再発することも少なくないことが示されました。この結果から、学童期の顎関節の症状は必ずしも治療が必要ではないことがわかりました。今後の学校歯科健診での判断に役立つと期待されます。顎関節 ( 顎の動きを支える関節で、食べ物をかんだり話したりするのに重要です。)
- 今後の展望:
-
この研究を基に、学童期の
の症状の長期的な経過についてさらに研究が必要です。特に、顎の音の出る年齢や、続くか再発する要因について詳しく調べる必要があります。また、ストレスや社会的な要因が顎関節に与える影響も明らかにすることで、より効果的な予防や治療法が確立できると期待されます。さらに、全国規模でのデータ収集と解析を行い、学童期の顎関節の健康を守るための基準を作ることが目指されます。顎関節 ( 顎の動きを支える関節で、食べ物をかんだり話したりするのに重要です。)
- 何のために?:
-
あごの
は、食べたり話したりするときに大事な部分です。でも、関節 ( 骨 と骨 がつながっている部分。例 :腕 や足の関節 。体を動かすために重要 な役割 を果 たします。) 成長 しているときのあごの動きや問題は、まだよくわかっていません。あごの関節 の問題についてのデータは病院でたくさんありますが、広く調べたものは少ないです。そこで、新潟県の小中学生を対象 に、10年間かけてあごの動きや音を調べました。
- 何が分かったの?:
-
この研究で、身長が
伸 びても口を開ける量 はあまり増 えないことがわかりました。また、あごの音は小学1年生から出始めて、中学2年生くらいで急に増 えます。あごの音は一時的 に出ることが多いですが、長く続 いたり、また出ることも少なくないです。
- どうやったの?:
-
新潟県の小学校2校と中学校1校で、2002年から2011年まで10年間、
定期的 に検査 をしました。対象 は、小学校4年生から中学校3年生までの408名と、小学1年生から中学校3年生まで診察 できた133名です。口を開ける量 やあごの音、あごの動きを調べました。
- 研究のまとめ:
-
この研究で、
成長 期のあごの動きについて新しいことがわかりました。身長が伸 びても口を開ける量 はほとんど変 わらないこと、あごの音が小学1年生から出始めて、中学2年生以降 に急に増 えることがわかりました。また、あごの音が一時的 に出ることが多いけれど、長く続 いたり することも少なくないです。この再発 ( 一度治 った病気や症状 が再 び現 れること。例 :風邪 が再度 ひどくなること。) 結果 から、学童期のあごの の問題は、関節 ( 骨 と骨 がつながっている部分。例 :腕 や足の関節 。体を動かすために重要 な役割 を果 たします。) 必 ずしも治療 が必要 ではないことがわかりました。これが今後の学校歯科健診 に役立つと期待されます。
- これからどうする?:
-
この研究をもとに、学童期のあごの
の関節 ( 骨 と骨 がつながっている部分。例 :腕 や足の関節 。体を動かすために重要 な役割 を果 たします。) について、もっと症状 ( 病気やけがなどのときに現 れる体の状態 のこと。例 :熱 や咳 、痛 みなど。) 詳 しく調べる必要 があります。特 に、あごの音が出る年齢 や続 く理由を詳 しく調べたいです。また、ストレスや社会的 な要因 があごの関節 に与 える影響 も調べます。それによって、もっと効果的 な予防 や治療 方法 を見つけられると期待されます。さらに、全国規模 でデータを集めて、学童期のあごの健康 を守るための基準 を作ります。
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