論文詳細
自然科学系
農学部
#学術雑誌論文
Replicated association of the single nucleotide polymorphism in EDG1 with marbling in three general populations of Japanese Black beef cattle
- AI解説:
- 筋肉内脂肪の蓄積は、牛脂肪交雑(beef marbling score: BMS)として評価され、脂肪交雑が高いほど食味が向上し、牛肉の品質評価に強く影響するため、牛肉生産における主要な経済形質である。これは、日本ではBMSが黒毛和種(Japanese Black beef cattle)の主要な育種目標として扱われていることから、特に重要である。著者らは以前、内皮分化スフィンゴ脂質Gタンパク質共役受容体1(endothelial differentiation, sphingolipid G-protein-coupled receptor, 1: EDG1)遺伝子における一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)であるc.-312A>Gが、大分県の黒毛和種集団においてBMSと関連し、Gアリルがより高いBMSと結び付くことを報告した。本研究は、他県の独立した一般集団においてこの関連の再現性を検証し、さらにこのSNPの遺伝子型が追加の枝肉形質(皮下脂肪厚(subcutaneous fat thickness: SFT)、枝肉重量(carcass weight: CWT)、ロース芯面積(rib eye area: REA)、バラ厚(rib thickness: RT))とも関連するかを評価することを目的とした。これらの再現検証と形質範囲の拡大により、c.-312A>Gがマーカー支援選抜(marker-assisted selection)プログラムに適用可能かを評価する意図があった。
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自然科学系
農学部
#学術雑誌論文
Replicated association of the single nucleotide polymorphism in EDG1 with marbling in three general populations of Japanese Black beef cattle
AI解説
- 背景と目的:
-
筋肉内脂肪の蓄積は、牛脂肪交雑(beef marbling score: BMS)として評価され、脂肪交雑が高いほど食味が向上し、牛肉の品質評価に強く影響するため、牛肉生産における主要な経済形質である。これは、日本ではBMSが黒毛和種(Japanese Black beef cattle)の主要な育種目標として扱われていることから、特に重要である。著者らは以前、内皮分化スフィンゴ脂質Gタンパク質共役受容体1(endothelial differentiation, sphingolipid G-protein-coupled receptor, 1: EDG1)遺伝子における一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)であるc.-312A>Gが、大分県の黒毛和種集団においてBMSと関連し、Gアリルがより高いBMSと結び付くことを報告した。本研究は、他県の独立した一般集団においてこの関連の再現性を検証し、さらにこのSNPの遺伝子型が追加の枝肉形質(皮下脂肪厚(subcutaneous fat thickness: SFT)、枝肉重量(carcass weight: CWT)、ロース芯面積(rib eye area: REA)、バラ厚(rib thickness: RT))とも関連するかを評価することを目的とした。これらの再現検証と形質範囲の拡大により、c.-312A>Gがマーカー支援選抜(marker-assisted selection)プログラムに適用可能かを評価する意図があった。
- 主要な発見:
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3つの独立集団(鹿児島、宮崎、長崎)を通して、EDG1 c.-312A>Gと脂肪交雑(marbling)との関連は、2集団で支持され、残る1集団では示唆的であった。宮崎および長崎集団では、BMSに関して遺伝子型間の統計学的に有意な差が検出され、GGホモ接合体はAAホモ接合体よりBMSが高く、ヘテロ接合体は中間であり、以前に大分で報告された加算的(additive-like)パターンと一致した。鹿児島では、BMSに対する遺伝子型効果はわずかで統計学的有意には達せず(P > 0.05)、ただしGG個体が最も高いBMSを示す傾向があった。他の枝肉形質については、このSNPはSFTに有意な影響を示さず、これは大分での先行研究と一致した。集団ごとの形質シグナルも複数検出され、長崎ではCWT、鹿児島ではREA、長崎ではRTで有意な効果が観察され、いずれもGG > AG > AAであった。有意であった場合、BMS以外の枝肉形質に対するGアリルの効果の方向は、有害というより有利に見えた。各集団の遺伝子型頻度はHardy–Weinberg平衡に適合し、Gアリル頻度は長崎では、以前に大分および同程度の県で報告された値より低かった。
- 方法論:
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本研究では、鹿児島(去勢牛489頭)、宮崎(去勢牛160頭)、長崎(去勢牛191頭)の3つの独立した黒毛和種集団を調べた。各集団は父方半きょうだい(paternal half-sib)の去勢牛後代からなり、種雄牛数はそれぞれ72、45、40頭で、種雄牛1頭あたりの去勢牛頭数はそれぞれ1–110、1–18、1–36頭であった。脂肪組織サンプルを採取し、DNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN)を用いてDNAを抽出した。EDG1におけるc.-312A>G SNPは、PCR–restriction fragment length polymorphism法によりジェノタイピングした。378-bpの増幅産物(amplicon)をMscIで消化し、アリル特異的なバンドパターン(AA: 163および215 bp、GG: 未消化の378 bp、AG: 3本)を得た。枝肉形質(BMS、SFT、CWT、REA、RT)は、日本の食肉格付制度に基づき認定格付員が測定した。著者らは生の表現型値ではなく、各形質の推定育種価(predicted breeding values)を表現型入力として用いた。育種価は、各県内で、地域の肥育去勢牛および未経産雌牛の枝肉記録を用いて別々に推定した。分散成分はMTDFREMLを用いたREMLにより推定し、育種価は単形質アニマルモデルの下でBLUPにより予測した。モデルには固定効果(性、市場年、農場)と二次の共変量(肥育期間、屠殺日齢)を含め、相加的遺伝効果はランダム効果として扱った。関連解析では、SNP遺伝子型を固定効果、種雄牛をランダム効果として含むモデルにより、遺伝子型差を評価した。
- 結論と意義:
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著者らは、EDG1 c.-312A>G SNPが一般的な黒毛和種集団においてBMSとの関連が再現されたと結論づけており、特に宮崎および長崎のデータセットで明確で、効果の方向は大分での先行所見と一致していた。鹿児島集団ではBMSに関して統計学的に有意な関連は示されなかったものの、観察された傾向は同じ遺伝子型の序列に沿っており、著者らは全体として集団をまたいだ再現性を支持するパターンであると解釈した。重要な点として、このSNPはSFTを増加させず、また他の枝肉形質(CWT、REA、RT)で関連が検出された場合には、Gアリルの効果は有利な方向(GGが最高、AAが最低、ヘテロ接合体が中間)であった。以上に基づき、先行報告と合わせて著者らは、EDG1におけるc.-312A>Gは、黒毛和種の脂肪交雑を高めることを目的とするマーカー支援選抜の実装に有用なマーカーであり、本研究で検討した枝肉形質において不利益な相関反応を示す明確な証拠はないと主張している。
- 今後の展望:
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本論文は、鹿児島県集団ではBMSに対する遺伝子型効果が統計学的に有意でなく、関連を検出する検出力(power)が不十分だった可能性があるとして、特に鹿児島集団での追加研究の必要性を指摘している。著者らはこれを県間の育種目標の違いに帰しており、鹿児島ではBMSよりもCWTが重視されているとされ、BMSに関わる量的形質遺伝子座(quantitative trait loci)がなお複数分離している可能性があり、それが利用可能なサンプルで検出されるSNP効果を希釈しうると示唆している。そのため、関連をより確定的に評価するには鹿児島でより大きなサンプルサイズが必要だとしている。より広い観点では、本研究はEDG1 c.-312A>G SNPを実用的なマーカー支援選抜の候補として位置づけており、今後の研究および育種プログラムでの検証は、多様な集団にわたる頑健性の確認と、他の枝肉形質を監視しつつBMSを高める選抜体系に組み込んだ場合の有用性評価に焦点を当てるべきだとしている。
- 背景と目的:
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牛肉の「
(さし)」は、筋肉の中に脂肪がどれくらい入っているかを表し、数値(脂肪交雑 ( 筋肉内脂肪が網目状に入る状態のことです。見た目の「さし」を表し、食味や市場での評価に大きく影響します。) )で評価されます。脂肪交雑が高いほど、やわらかさやおいしさが良くなり、牛肉の値段や評価に大きく関わります。日本では特にBMS ( Beef Marbling Scoreの略で、脂肪交雑の程度を点数で表す指標です。点数が高いほど「さし」が多く、価値が高く評価されやすいです。) で脂肪交雑が重視され、育種(よりよい牛を増やすこと)の大きな目標になっています。黒毛和種 ( 日本で主要な肉用牛の品種で、脂肪交雑が入りやすい特徴があります。そのためBMSを上げる育種が特に重視されます。)
研究者たちは以前、 という遺伝子の中の「EDG1 ( 脂質に関係する信号を受け取る受容体に関わる遺伝子の一つです。この研究では、EDG1のDNAの違いが脂肪交雑と関係するかを調べています。) 」というc.-312A>G ( EDG1遺伝子の特定の場所で、AかGかの違いがあるSNPを指します。この研究では、Gを持つほどBMSが高い傾向があるかを確認しました。) (DNAの違い)が、BMSと関係し、Gというタイプを持つ牛ほどBMSが高いことを大分県の集団で見つけました。SNP ( DNAの塩基が1文字だけ違うタイプの個体差です。体の特徴に関わることがあり、育種で目印(マーカー)として使える場合があります。)
そこで本研究では、別の県(鹿児島・宮崎・長崎)の独立した集団でも同じ関係が成り立つかを確かめ、さらにBMS以外の (枝肉形質 ( と畜後の枝肉で測る特徴のことです。肉の価値に関わるため、育種や品質評価で重要です。) 、SFT ( Subcutaneous Fat Thicknessの略で、皮下脂肪の厚さです。厚すぎると好まれない場合もあるため、BMSと一緒に確認されます。) 、CWT ( Carcass Weightの略で、枝肉の重さです。生産量や収益に関係します。) 、REA ( Rib Eye Areaの略で、ロース芯(胸最長筋)の断面積です。肉量の目安になり、枝肉の評価に使われます。) )とも関係があるかを調べました。将来的に、このSNPが「RT ( Rib Thicknessの略で、バラの厚さ(肋の部分の厚み)です。枝肉の体格や肉付きの指標になります。) 」に使えるかを判断することも目的です。マーカー支援選抜 ( 遺伝子の目印(マーカー)を使って、望ましい形質を持ちやすい個体を選んで繁殖に利用する方法です。成長を待たずに遺伝的な見込みで選べる点が利点です。)
- 主要な発見:
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3つの県の集団をまとめて見ると、
EDG1 ( 脂質に関係する信号を受け取る受容体に関わる遺伝子の一つです。この研究では、EDG1のDNAの違いが脂肪交雑と関係するかを調べています。) とc.-312A>G ( EDG1遺伝子の特定の場所で、AかGかの違いがあるSNPを指します。この研究では、Gを持つほどBMSが高い傾向があるかを確認しました。) の関係は、2つの集団で明確に確認され、残り1つでも同じ方向の傾向が見られました。脂肪交雑 ( 筋肉内脂肪が網目状に入る状態のことです。見た目の「さし」を表し、食味や市場での評価に大きく影響します。)
宮崎と長崎では、遺伝子型によって に統計的に意味のある差があり、GGが最も高く、AAが最も低く、AGはその中間でした。これは大分県で見つかった「Gが増えるほどBMSが上がる」形と一致しました。BMS ( Beef Marbling Scoreの略で、脂肪交雑の程度を点数で表す指標です。点数が高いほど「さし」が多く、価値が高く評価されやすいです。)
鹿児島では統計的に有意とは言えませんでしたが、GGが高くなりやすい傾向はありました。
また、皮下脂肪厚( )にはこのSFT ( Subcutaneous Fat Thicknessの略で、皮下脂肪の厚さです。厚すぎると好まれない場合もあるため、BMSと一緒に確認されます。) のはっきりした影響は見られませんでした。一方で、県によっては枝肉重量(SNP ( DNAの塩基が1文字だけ違うタイプの個体差です。体の特徴に関わることがあり、育種で目印(マーカー)として使える場合があります。) )、ロース芯面積(CWT ( Carcass Weightの略で、枝肉の重さです。生産量や収益に関係します。) )、バラ厚(REA ( Rib Eye Areaの略で、ロース芯(胸最長筋)の断面積です。肉量の目安になり、枝肉の評価に使われます。) )で遺伝子型の差が見つかり、その場合もGGが高く、AAが低く、AGが中間でした。つまり、BMS以外でも影響があるときは、Gが不利というより有利に働く可能性が示されました。RT ( Rib Thicknessの略で、バラの厚さ(肋の部分の厚み)です。枝肉の体格や肉付きの指標になります。)
さらに、各集団の遺伝子型の出方は に合っており、Gの割合は長崎でやや低めでした。ハーディ ワインベルグ平衡 ( 集団の中で遺伝子型の割合が、理論的に期待される割合と大きくずれていない状態です。データが偏っていないかの確認に使われます。)
- 方法論:
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鹿児島489頭、宮崎160頭、長崎191頭の
去勢牛を調べました。これらは同じ父牛を持つ半きょうだい関係の個体群を含みます。黒毛和種 ( 日本で主要な肉用牛の品種で、脂肪交雑が入りやすい特徴があります。そのためBMSを上げる育種が特に重視されます。)
脂肪組織からDNAを取り出し、PCRと制限酵素を使う方法で のEDG1 ( 脂質に関係する信号を受け取る受容体に関わる遺伝子の一つです。この研究では、EDG1のDNAの違いが脂肪交雑と関係するかを調べています。) を判定しました。c.-312A>G ( EDG1遺伝子の特定の場所で、AかGかの違いがあるSNPを指します。この研究では、Gを持つほどBMSが高い傾向があるかを確認しました。)
(枝肉形質 ( と畜後の枝肉で測る特徴のことです。肉の価値に関わるため、育種や品質評価で重要です。) 、BMS ( Beef Marbling Scoreの略で、脂肪交雑の程度を点数で表す指標です。点数が高いほど「さし」が多く、価値が高く評価されやすいです。) 、SFT ( Subcutaneous Fat Thicknessの略で、皮下脂肪の厚さです。厚すぎると好まれない場合もあるため、BMSと一緒に確認されます。) 、CWT ( Carcass Weightの略で、枝肉の重さです。生産量や収益に関係します。) 、REA ( Rib Eye Areaの略で、ロース芯(胸最長筋)の断面積です。肉量の目安になり、枝肉の評価に使われます。) )は日本の食肉格付のルールに基づき格付員が測定しました。解析では、生の測定値ではなく「RT ( Rib Thicknessの略で、バラの厚さ(肋の部分の厚み)です。枝肉の体格や肉付きの指標になります。) 」を使い、統計モデルで遺伝子型による差を評価しました(遺伝子型は推定育種価 ( その牛が子にどれだけ良い形質を伝えられそうかを、記録や血縁情報から統計的に推定した値です。環境の影響を減らして遺伝の力を見やすくします。) 、父牛は固定効果 ( 性別や飼育農場など、あらかじめ影響があると考えてモデルに入れる要因です。遺伝子型の差を公平に比べるために使います。) として扱うなど)。ランダム効果 ( 父牛など、集団の中で偶然のばらつきとして扱う要因です。血縁の影響を調整するのに役立ちます。)
- 結論と意義:
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のEDG1 ( 脂質に関係する信号を受け取る受容体に関わる遺伝子の一つです。この研究では、EDG1のDNAの違いが脂肪交雑と関係するかを調べています。) は、一般的なc.-312A>G ( EDG1遺伝子の特定の場所で、AかGかの違いがあるSNPを指します。この研究では、Gを持つほどBMSが高い傾向があるかを確認しました。) 集団でも黒毛和種 ( 日本で主要な肉用牛の品種で、脂肪交雑が入りやすい特徴があります。そのためBMSを上げる育種が特に重視されます。) との関係が再現され、とくに宮崎と長崎で明確でした。鹿児島では有意ではないものの、同じ方向の傾向が見られたため、県をまたいでも同様の関係がある可能性が高いと考えられます。BMS ( Beef Marbling Scoreの略で、脂肪交雑の程度を点数で表す指標です。点数が高いほど「さし」が多く、価値が高く評価されやすいです。)
重要なのは、この が皮下脂肪厚(SNP ( DNAの塩基が1文字だけ違うタイプの個体差です。体の特徴に関わることがあり、育種で目印(マーカー)として使える場合があります。) )を増やすとは言えず、さらに他のSFT ( Subcutaneous Fat Thicknessの略で、皮下脂肪の厚さです。厚すぎると好まれない場合もあるため、BMSと一緒に確認されます。) で差が出た場合もGが有利な方向(GGが高い)に働いていた点です。以上から、c.-312A>Gは枝肉形質 ( と畜後の枝肉で測る特徴のことです。肉の価値に関わるため、育種や品質評価で重要です。) を高めるための脂肪交雑 ( 筋肉内脂肪が網目状に入る状態のことです。見た目の「さし」を表し、食味や市場での評価に大きく影響します。) に役立つ候補であり、今回見た範囲では明確な不利益は確認されませんでした。マーカー支援選抜 ( 遺伝子の目印(マーカー)を使って、望ましい形質を持ちやすい個体を選んで繁殖に利用する方法です。成長を待たずに遺伝的な見込みで選べる点が利点です。)
- 今後の展望:
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鹿児島で統計的に有意な結果が出なかったのは、サンプル数や集団の事情により、差を見つける力が足りなかった可能性があります。研究者たちは、県によって育種で重視する形質が違い(鹿児島は
より枝肉重量を重視する傾向)、BMSに関わる遺伝的な要因が集団内に多く残っていると、1つのBMS ( Beef Marbling Scoreの略で、脂肪交雑の程度を点数で表す指標です。点数が高いほど「さし」が多く、価値が高く評価されやすいです。) の効果が見えにくくなる場合があると考えています。SNP ( DNAの塩基が1文字だけ違うタイプの個体差です。体の特徴に関わることがあり、育種で目印(マーカー)として使える場合があります。)
そのため、鹿児島ではより大きなサンプルで追加研究が必要です。また今後は、より多様な集団で確かめながら、他の への影響も監視しつつ、実際の選抜に組み込んだときに本当に役立つかを評価していくことが求められます。枝肉形質 ( と畜後の枝肉で測る特徴のことです。肉の価値に関わるため、育種や品質評価で重要です。)
- 何のために?:
-
牛肉には、白いあぶらがまざります。
これを「 」とよびます。さし ( 牛肉の赤い肉の中に見える白いあぶらのことで肉のやわらかさやおいしさに関係 するため牛のよさを見分けるのに大事)
さしが多いほど、やわらかいです。
そして、おいしくなりやすいです。
さしの多さは、 という数で見ます。BMS ( 牛肉のさしの多さを数で表すきまりで数が大きいほどさしが多いとされ牛肉の品質 を比 べるのに重要 )
日本では で、さしが大事です。黒毛和牛 ( 日本で育てられている牛の種類 の名前でさしが入りやすいことで知られ高い品質 の牛肉づくりでよく使われる)
よりよい牛をふやす目標 にもなります。
前の研究で、 というEDG1 ( 牛の体の中のはたらきに関 わる遺伝子 の名前でこの遺伝子 のちがいがBMSと関係 するかを調べる目じるしになる) を見ました。遺伝子 ( 体のせいしつを決める設計図 のような情報 で親から子に受けつがれ体の形や肉の特徴 にも関係 する)
遺伝子 には、ちがいがあることがあります。
そのちがいを、 とよびます。SNP ( 遺伝子 の文字が1か所だけちがうことを表す言葉でその小さなちがいが体の性質 のちがいにつながることがあるため調べる)
EDG1のちがいの一つが、BMSと関係 しました。
Gというタイプの牛は、BMSが高めでした。
そこで、べつの県でも確 かめます。
鹿児島、宮崎、長崎の牛で調べます。
BMSいがいの体の形も、調べます。
このしるしが、牛えらびに使えるか見ます。
- 何が分かったの?:
-
3つの県をまとめて、
結果 を見ました。
のちがいとEDG1 ( 牛の体の中のはたらきに関 わる遺伝子 の名前でこの遺伝子 のちがいがBMSと関係 するかを調べる目じるしになる) は、BMS ( 牛肉のさしの多さを数で表すきまりで数が大きいほどさしが多いとされ牛肉の品質 を比 べるのに重要 ) 関係 がありました。
2つの県では、はっきりわかりました。
もう1つの県でも、同じ流れが見えました。
宮崎と長崎では、差 がはっきりしました。
の牛が、いちばんBMSが高いです。GG ( 遺伝子 のタイプのあらわし方の一つで同じしるしが2つそろっている状態 をさしBMSが高くなりやすいかを見るために使う)
の牛が、いちばんBMSがAA ( 遺伝子 のタイプのあらわし方の一つで同じしるしが2つそろっている状態 をさしBMSが低 くなりやすいかを見るために使う) 低 いです。
の牛は、そのまん中でした。AG ( 遺伝子 のタイプのあらわし方の一つでちがうしるしが1つずつある状態 をさしGGやAAと比 べてまん中になりやすいかを見るために使う)
これは前の県の結果 と、同じでした。
鹿児島では、はっきりと言えませんでした。
でも、GGが高くなりそうな感じはありました。
皮の下のあぶらの厚 さは、差 が出ませんでした。
でも県によっては、ほかの形に差 が出ました。
たとえば、肉の重さなどです。
そのときも、GGが高くなりやすいです。
AAは低 く、AGはまん中でした。
Gは、ふりになるより、とくにゆうりかもです。
Gの出方は、だいたい自然 なかたちでした。
長崎では、Gのわりあいが少し低 めでした。
- どうやったの?:
-
鹿児島で489
を調べました。頭 ( 牛の数を数えるときの言い方で研究で何匹 調べたかを正しく伝 えるのに必要 )
宮崎で160頭を調べました。
長崎で191頭を調べました。
どれも の、おすで調べました。黒毛和牛 ( 日本で育てられている牛の種類 の名前でさしが入りやすいことで知られ高い品質 の牛肉づくりでよく使われる)
同じお父さん牛の兄弟も、ふくまれます。
あぶらの組から、 を取り出しました。DNA ( 遺伝子 のもとになる体の中の情報 でこれを取り出して調べることでどんな遺伝子 のタイプかがわかる)
特別 な方法 で、 のタイプを調べました。遺伝子 ( 体のせいしつを決める設計図 のような情報 で親から子に受けつがれ体の形や肉の特徴 にも関係 する)
などの形を、BMS ( 牛肉のさしの多さを数で表すきまりで数が大きいほどさしが多いとされ牛肉の品質 を比 べるのに重要 ) 専門 の人がはかりました。
日本の にそって、はかっています。きまり ( 決まったルールや方法 のことで同じやり方で測 ると県がちがっても結果 を公平に比 べられるため大事)
その後、計算した数を使って比 べました。
遺伝子 タイプで、ちがいがあるか見ました。
- 研究のまとめ:
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のちがいは、EDG1 ( 牛の体の中のはたらきに関 わる遺伝子 の名前でこの遺伝子 のちがいがBMSと関係 するかを調べる目じるしになる) とBMS ( 牛肉のさしの多さを数で表すきまりで数が大きいほどさしが多いとされ牛肉の品質 を比 べるのに重要 ) 関係 しました。
とくに宮崎と長崎で、はっきりしました。
鹿児島でも、同じ流れが見えました。
県がちがっても、同じかもしれません。
大事なのは、皮の下のあぶらが増 えにくい点です。
ほかの形で差 が出ても、 が高めでした。GG ( 遺伝子 のタイプのあらわし方の一つで同じしるしが2つそろっている状態 をさしBMSが高くなりやすいかを見るために使う)
だから、このしるしは牛えらびに使えそうです。
今回のはんいでは、大きなふりは見えませんでした。
- これからどうする?:
-
鹿児島で
差 が出にくいわけが考えられます。
調べた 数が、足りないかもしれません。頭 ( 牛の数を数えるときの言い方で研究で何匹 調べたかを正しく伝 えるのに必要 )
県で大事にする目ひょうが、ちがうこともあります。
鹿児島は、肉の重さを大事にしがちです。
そのため、 のちがいが見えにくいかもです。BMS ( 牛肉のさしの多さを数で表すきまりで数が大きいほどさしが多いとされ牛肉の品質 を比 べるのに重要 )
だから鹿児島では、もっとたくさん調べます。
これから、いろいろな牛でも確 かめます。
ほかの形へのえいきょうも、見つづけます。
ほんとうに役立つか、じっさいの牛えらびで見ます。
- 著者名:
- Sukegawa Shin, Miyake Takeshi, Takahagi Youichi, Murakami Hiroshi, Morimatsu Fumiki, Yamada Takahisa, Sasaki Yoshiyuki
- 掲載誌名:
- BMC research notes
- 巻:
- 3
- ページ:
- 66-1 - 66-3
- 発行日:
- 2010-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/30612
