論文詳細
その他
危機管理室
#学術雑誌論文
Use of Risk Assessment Tool for Inpatient Traumatic Intracranial Hemorrhage after Falls in Acute Care Hospital Setting
- AI解説:
- 入院患者の転倒は病院で頻繁に起こる有害事象であり、重大な害、コスト増、入院期間の延長、患者・家族の苦痛(苦情や訴訟に発展し得る)につながりうる。転倒しやすい患者を特定するために転倒リスク評価ツールが一般的に用いられているが、どの転倒が重度の身体的損傷に至るかを予測する目的で設計されたものではない。予防の観点から最も重要な標的は、転倒そのものではなく、重大な損傷を生じる転倒である。起こり得る損傷の中でも、外傷性頭蓋内出血(intracranial hemorrhage: ICH)は最も重篤な転帰の一つであり、心房細動や血栓性疾患などに対して抗凝固薬および/または抗血小板薬を使用する入院患者が多いことから、その重要性は増している可能性がある。こうした背景のもと、本研究は急性期病院の環境において、(i) 入院中の転倒後にICHが起こる頻度(prevalence)を明らかにすること、(ii) 転倒後のICHに関する患者要因のリスク因子を同定することを目的とした。
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その他
危機管理室
#学術雑誌論文
Use of Risk Assessment Tool for Inpatient Traumatic Intracranial Hemorrhage after Falls in Acute Care Hospital Setting
AI解説
- 背景と目的:
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入院患者の転倒は病院で頻繁に起こる有害事象であり、重大な害、コスト増、入院期間の延長、患者・家族の苦痛(苦情や訴訟に発展し得る)につながりうる。転倒しやすい患者を特定するために転倒リスク評価ツールが一般的に用いられているが、どの転倒が重度の身体的損傷に至るかを予測する目的で設計されたものではない。予防の観点から最も重要な標的は、転倒そのものではなく、重大な損傷を生じる転倒である。起こり得る損傷の中でも、外傷性頭蓋内出血(intracranial hemorrhage: ICH)は最も重篤な転帰の一つであり、心房細動や血栓性疾患などに対して抗凝固薬および/または抗血小板薬を使用する入院患者が多いことから、その重要性は増している可能性がある。こうした背景のもと、本研究は急性期病院の環境において、(i) 入院中の転倒後にICHが起こる頻度(prevalence)を明らかにすること、(ii) 転倒後のICHに関する患者要因のリスク因子を同定することを目的とした。
- 主要な発見:
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40~90歳の入院患者29,110人のうち、入院中に少なくとも1回転倒したのは933人(3.2%)であり、この転倒者のうち47人(5.0%)が重傷(major injuries)を負った。重傷のうち最も多かったのは末梢骨折(28例、59.6%)で、ICHは2番目に多く(11例、23.4%)認められた。ICH 11例の内訳は、硬膜外(2)、硬膜下(4)、くも膜下(4)、脳内(1)出血であり、頭蓋骨骨折を合併していた患者は1人のみであった。単変量解析では、興奮性の錯乱(agitated confusion)、STRATIFYスコア、FRAX™スコア、ならびに抗凝固薬および/または抗血小板薬の使用が、転倒後ICHと有意に関連した。ワルファリンはカイ二乗検定とlogrank検定の両方で有意な関連を示した一方、アスピリンはカイ二乗検定でのみ有意であった。多変量Cox回帰では、STRATIFYスコアとFRAX™スコアが転倒後ICHと最も密接に関連する因子として抽出された。性能比較では、FRAX™はイベント種別を通じてSTRATIFYより感度が高い傾向がある一方、特異度は低い傾向が示された。STRATIFYは転倒予測においてFRAX™より有意に良好であったが、ICHを含む重傷の検出では、成績が劣る傾向を示した。STRATIFYスコアとFRAX™スコアの相関は弱く(R=0.207, p<0.001)、両者が部分的に異なる患者リスクプロファイルを捉えていることが示唆された。著者らはまた、抗凝固薬および/または抗血小板薬を何らか使用していた転倒者では、これらの薬剤を使用していない転倒者に比べてICHが約6倍多く発生したと報告している。
- 方法論:
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本研究は、新潟大学病院(810床の大学教育病院)において、2006年4月~2010年3月の入院を対象に実施した後ろ向き解析である。コホートには40~90歳の全入院患者が含まれた(n=29,110;696,365 patient-days)。この年齢制限は、FRAX™がこの範囲を対象としているために設定された。患者背景変数(例:人口統計、身体計測、過去の骨折、喫煙・飲酒歴、処方、併存疾患、入退院日)は病院情報システムから抽出した。転倒リスクは5項目に基づくSTRATIFYで評価し、>2を高リスクとした。骨粗鬆症性骨折リスクはFRAX™で定量化し(日本人集団における主要骨粗鬆症性骨折の10年確率)、用いた。注目した薬剤曝露には、転倒の「原因(culprit)」となり得る薬剤と、出血リスクを高める薬剤(抗凝固薬/抗血小板薬)が含まれた。出血傾向の検査マーカーは、一貫して入手可能ではなかったためモデル化しなかった。転倒と損傷は、自主的な患者安全インシデント報告に加え、放射線記録および診療録レビューから同定した。アウトカムは患者単位(重傷あり/なしの転倒者)で解析した。重傷はWHOの患者安全における害(harm)カテゴリーに基づいて定義し、CTで診断されたICHおよび画像で確認された骨折を含めた。統計解析は、(1) カイ二乗検定とステップワイズ選択を用いた多重ロジスティック回帰、および(2) time-to-event法(Kaplan–Meier、logrank、ステップワイズ選択を用いた多変量Cox回帰)を組み合わせ、カットオフ評価としてROC解析(Youden index、感度/特異度、AUC)を用いた。有意水準はp<0.05とした。
- 結論と意義:
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本研究は、入院患者全体では転倒後ICHはまれである一方、転倒者における転倒関連重傷の中では相当な割合を占めた(重傷の23.4%)と結論づけた。既知の転倒関連因子(例:STRATIFYスコア、興奮性の錯乱)と、抗凝固薬/抗血小板薬治療の寄与が単変量解析およびロジスティック解析で確認されたことに加え、中心的かつ予想外の結果は、FRAX™スコア高値が転倒後ICHと有意に関連したことであった。著者らは、この関連は(ICH症例で頭蓋骨骨折がまれであることから)頭蓋骨の脆弱性では説明しにくく、またFRAX™と出血傾向との直接的な関連によっても説明しにくいと論じている。その代わりに、FRAX™は、FRAX™の計算から転倒関連変数が明示的に除外されているにもかかわらず、STRATIFYが捉える特徴とは異なる可能性のある「転倒しやすい患者」サブグループを同定している可能性がある、と解釈した。FRAX™は骨密度データなしでも実用的に適用でき、民族差に調整されているため、本研究の所見は、急性期医療環境における転倒後の重篤な転帰リスクを層別化する追加的アプローチの可能性を示唆する。一方で、予測性能はアウトカムの種類によって異なり、研究デザインとサンプルサイズによる限界のため、証拠は依然として限定的であることも認められている。
- 今後の展望:
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著者らは、今後の研究課題を規定する複数の制約を強調している。コホートはFRAX™の枠組みにより40~90歳に限定されており、この範囲外への一般化可能性が制限される。前向きの検証コホートは用いられておらず、解析は後ろ向きで単施設で実施されたため、再現性は不確かである。最も重要なのは、転倒後ICH症例数が少ない(11人)ことであり、データセットを開発用とテスト用に分割できず、著者らが述べる「適切な統計モデル」の構築ができなかった点である。したがって著者らは、より大規模なサンプルと他の急性期病院での研究により、観察された関連—とりわけ転倒後ICHとFRAX™の関連、およびFRAX™とSTRATIFYの補完性—が再現され、臨床的に意味のあるリスク層別化のための堅牢な予測モデリングを支持し得るかどうかを検討する必要があると結論している。
- 背景と目的:
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入院中の患者さんが転ぶことは病院でよく起こる事故で、けがによる健康被害だけでなく、治療費が増えたり入院が長引いたり、患者さんや家族のつらさ(苦情や裁判につながることもあります)を生む可能性があります。
病院では「転びやすさ」を調べる道具( )を使うことが多いですが、「転んだあとに重いけが(特に命に関わるけが)になるか」を予測するために作られたものではありません。予防で本当に大事なのは、転ぶこと全部をゼロにするよりも、重いけがにつながる転倒を減らすことです。転倒リスク評価ツール ( 患者さんが転びやすいかどうかを点数などで判断する道具です。転倒予防の対象となる患者さんを見つけるために使われます。)
重いけがの中でも、 はとても危険です。外傷性頭蓋内出血 ( 転倒などの衝撃が原因で、頭の中で出血が起きることです。命に関わったり後遺症が残ったりすることがあり、早い発見と対応が重要です。) などで血を固まりにくくする薬(心房細動 ( 心臓のリズムが乱れて脈が不規則になる病気です。血栓ができやすく脳梗塞の原因になるため、抗凝固薬が使われることがあります。) や抗凝固薬 ( 血液が固まるのを抑えて血栓を防ぐ薬です。病気の予防に役立つ一方、転倒などで出血が起きると止まりにくくなる危険があります。) )を使っている入院患者さんが多いため、転倒後の頭の出血はより重要な問題になっています。抗血小板薬 ( 血小板の働きを弱めて血栓をできにくくする薬です。脳梗塞や心臓の病気の予防に使われますが、出血のリスクが上がることがあります。)
そこでこの研究は、 で、入院中の転倒後に頭蓋内出血がどれくらい起きるのか、そしてどんな患者さんに起きやすいのかを調べました。急性期病院 ( 手術や救急など、病気の「治り始めの時期」に集中して治療をする病院です。患者さんの状態変化が大きく、事故予防が重要になります。)
- 主要な発見:
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40〜90歳の入院患者29,110人のうち、入院中に1回以上転倒した人は933人で、割合は3.2%でした。転倒した人のうち47人(5.0%)が重いけがをしていました。
重いけがで一番多かったのは手足などの骨折( )で28例(59.6%)でした。次に多かったのが頭蓋内出血(末梢骨折 ( 体の中心(胴体)ではなく、手足などで起こる骨折です。転倒で起こりやすい代表的な重傷です。) )で11例(23.4%)でした。頭蓋内出血の内訳は、ICH ( intracranial hemorrhageの略で、日本語では頭蓋内出血です。研究では転倒後の重いけがの代表として扱われています。) 2例、硬膜外出血 ( 脳を包む膜のうち硬膜の外側に血がたまる出血です。急に悪化することがあるため注意が必要です。) 4例、硬膜下出血 ( 硬膜の内側に血がたまる出血です。高齢者では軽い外傷でも起こることがあり、症状が遅れて出ることもあります。) 4例、くも膜下出血 ( 脳の表面に近い部分で出血が起こる状態です。強い頭痛などが出ることがあり、重症化することがあります。) 1例でした。頭の骨(頭蓋骨)の骨折を一緒に起こしていた人は1人だけでした。脳内出血 ( 脳の中の血管が破れて脳の内部に出血することです。場所によって麻痺などの症状が出ます。)
1つずつ要因を比べる分析では、興奮して混乱した状態、 スコア、STRATIFY ( 入院中の転倒しやすさを5つの項目で点数化する評価法です。転倒予防の対象を見つけるのに使われます。) スコア、そしてFRAX ( 骨粗しょう症による骨折が今後10年間に起こる確率を、年齢や生活習慣などから計算する方法です。骨密度がなくても使える点が実用的です。) や抗凝固薬 ( 血液が固まるのを抑えて血栓を防ぐ薬です。病気の予防に役立つ一方、転倒などで出血が起きると止まりにくくなる危険があります。) の使用が、転倒後の頭蓋内出血と関係していました。薬では、ワルファリンは明確に関連が見られ、アスピリンも一部の分析で関連が見られました。抗血小板薬 ( 血小板の働きを弱めて血栓をできにくくする薬です。脳梗塞や心臓の病気の予防に使われますが、出血のリスクが上がることがあります。)
複数の要因をまとめて考える分析では、STRATIFYスコアとFRAXスコアが、転倒後の頭蓋内出血と特に強く関係する要因として選ばれました。FRAXは見逃しにくい( が高い)傾向がある一方で、誤って高リスクと判断しやすい(感度 ( 本当はリスクが高い人を、見逃さずに「高い」と判定できる割合です。高いほど見逃しが少なくなります。) が低い)傾向がありました。STRATIFYは転倒そのものの予測は得意でしたが、頭蓋内出血を含む重いけがを見つける点では弱い傾向がありました。特異度 ( 本当はリスクが低い人を、誤って「高い」と判定しない割合です。高いほど無駄な警戒が減ります。)
また、STRATIFYとFRAXの点数の似ている度合いは弱く、2つは少し違うタイプの「リスクのある患者さん」を見ている可能性が示されました。さらに、抗凝固薬や抗血小板薬を使っていた転倒者では、使っていない転倒者より頭蓋内出血が約6倍多かったと報告されています。
- 方法論:
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新潟大学病院で、2006年4月〜2010年3月に入院した40〜90歳の全患者29,110人を対象に、過去の記録を調べる形で行った研究です。40〜90歳にしたのは、
がこの年齢を対象にした仕組みだからです。FRAX ( 骨粗しょう症による骨折が今後10年間に起こる確率を、年齢や生活習慣などから計算する方法です。骨密度がなくても使える点が実用的です。)
年齢や体格、過去の骨折、生活習慣、処方薬、持病、入退院日などを病院の情報システムから集めました。転倒リスクは (5項目)で評価し、点数が2より大きい場合を高リスクとしました。骨折リスクはFRAXで計算し、日本人の「今後10年間に起こりうる主要なSTRATIFY ( 入院中の転倒しやすさを5つの項目で点数化する評価法です。転倒予防の対象を見つけるのに使われます。) の確率」として使いました。骨粗しょう症性骨折 ( 骨がもろくなって、軽い転倒などでも起こりやすくなる骨折です。高齢者の健康や生活に大きく影響します。)
薬については、転倒の原因になりうる薬と、出血しやすくする薬( ・抗凝固薬 ( 血液が固まるのを抑えて血栓を防ぐ薬です。病気の予防に役立つ一方、転倒などで出血が起きると止まりにくくなる危険があります。) )に注目しました。出血しやすさを示す検査値は、全員分がそろっていなかったため分析に入れませんでした。抗血小板薬 ( 血小板の働きを弱めて血栓をできにくくする薬です。脳梗塞や心臓の病気の予防に使われますが、出血のリスクが上がることがあります。)
転倒とけがは、病院内の安全報告に加えて、画像検査の記録や診療録の確認で見つけました。重いけがはWHOの患者安全の基準に基づき、 で確認された頭蓋内出血や、画像で確認された骨折などを含めました。統計解析では、いくつかの方法を組み合わせて、どの要因が関係するかや、点数の区切り方の性能(CT ( コンピュータ断層撮影という画像検査で、体の中を輪切りのように詳しく見られます。頭蓋内出血の診断にとても重要です。) ・感度 ( 本当はリスクが高い人を、見逃さずに「高い」と判定できる割合です。高いほど見逃しが少なくなります。) など)を評価しました。特異度 ( 本当はリスクが低い人を、誤って「高い」と判定しない割合です。高いほど無駄な警戒が減ります。)
- 結論と意義:
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入院患者全体で見ると、転倒後の頭蓋内出血は多くはありませんでした。しかし、転倒した人が負った重いけがの中では、頭蓋内出血は大きな割合(23.4%)を占めていました。
転倒に関係すると知られている要因( スコアや興奮して混乱した状態)や、STRATIFY ( 入院中の転倒しやすさを5つの項目で点数化する評価法です。転倒予防の対象を見つけるのに使われます。) ・抗凝固薬 ( 血液が固まるのを抑えて血栓を防ぐ薬です。病気の予防に役立つ一方、転倒などで出血が起きると止まりにくくなる危険があります。) の使用が関係することは確認されました。さらに重要で意外だったのは、骨折リスクを示す抗血小板薬 ( 血小板の働きを弱めて血栓をできにくくする薬です。脳梗塞や心臓の病気の予防に使われますが、出血のリスクが上がることがあります。) スコアが高いことが、転倒後の頭蓋内出血と関係していた点です。FRAX ( 骨粗しょう症による骨折が今後10年間に起こる確率を、年齢や生活習慣などから計算する方法です。骨密度がなくても使える点が実用的です。)
ただしその理由は単純ではなく、頭蓋骨骨折がほとんど無かったため「頭の骨が弱いから」とは言いにくく、またFRAXが直接「出血しやすさ」を表すとも言いにくいと考察されています。代わりにFRAXは、STRATIFYとは違う特徴を持つ「転びやすい集団」や「重いけがにつながりやすい集団」を見つけている可能性があると解釈されました。
FRAXは骨密度のデータがなくても計算でき、国や民族の違いにも対応しているため、 で重い転倒事故のリスクを分けて考える追加の方法になりうることが示されました。一方で、結果には限界もあり、証拠はまだ十分とは言えないことも述べられています。急性期病院 ( 手術や救急など、病気の「治り始めの時期」に集中して治療をする病院です。患者さんの状態変化が大きく、事故予防が重要になります。)
- 今後の展望:
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この研究は40〜90歳に限られているため、それ以外の年齢に当てはまるかは分かりにくいです。また、未来に向けて患者さんを追いかける研究(前向き研究)ではなく、1つの病院で過去の記録を調べた研究なので、他の病院でも同じ結果になるかは未確定です。
特に大きな問題は、転倒後の頭蓋内出血が11人と少なく、予測モデルをしっかり作って検証するのが難しかった点です。今後は、より大人数で、別の でも調べ直し、急性期病院 ( 手術や救急など、病気の「治り始めの時期」に集中して治療をする病院です。患者さんの状態変化が大きく、事故予防が重要になります。) と頭蓋内出血の関係や、FRAXとFRAX ( 骨粗しょう症による骨折が今後10年間に起こる確率を、年齢や生活習慣などから計算する方法です。骨密度がなくても使える点が実用的です。) を組み合わせる意味が本当にあるのかを確認する必要があります。STRATIFY ( 入院中の転倒しやすさを5つの項目で点数化する評価法です。転倒予防の対象を見つけるのに使われます。)
- 何のために?:
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病院に入っている人は、ころぶことがあります。
ころぶと、けがをしてつらくなります。
お金がよけいにかかったりします。
入院が長くなることもあります。
家族も心配してしまいます。
病院では、ころびやすさを点数で見ます。
でも、重いけがになるかは分かりにくいです。
大事なのは、重いけがをへらすことです。
とくに、頭の中の出血はとても危険 です。
血が止まりにくい薬の人もいます。
その人は、出血がこわくなります。
そこでこの研究は、病院で調べました。
ころんだあと、頭の出血が出るか見ました。
どんな人に多いかも調べました。
- 何が分かったの?:
-
40〜90さいの人を29,110人調べました。
入院中にころんだ人は933人でした。
割合 は100人中、約 3人です。
ころんだ人のうち、重いけがは47人でした。
重いけがは、100人中、約 5人です。
いちばん多い重いけがは、骨折 でした。
手や足の骨折 が28人でした。
次に多いのは、頭の中の出血でした。
頭の中の出血は11人でした。
頭の中の出血にも、いろいろあります。
頭の骨 が折 れた人は、1人だけでした。
まわりのことが分からず、興 ふんする人は、
頭の出血と関係 がありました。
点数のしくみも、関係 がありました。
という点数があります。STRATIFY ( 病院で患者 がころびやすいかを「点数」で見積 もるしくみの名前です。いくつかの質問 に答えて合計点を出し、点が高いほど「ころぶ危険 が高い」と考えます。ころびそうな人を早く見つけて、予防 につなげるために重要 です。)
という点数もあります。FRAX ( これから10年のあいだに骨折 しそうな確率 を計算する点数のしくみの名前です。年れいなどの情報 から計算でき、骨折 の危険 が高い人を見つけるのに使われます。骨折 や重いけがをへらす対策 を考えるために重要 です。)
血が止まりにくい薬も関係 がありました。
は、ワルファリン ( 血がかたまりにくくなる薬の名前です。血のかたまりをできにくくして病気を防 ぎますが、ころんだりぶつけたりすると出血が止まりにくくなることがあります。頭の出血などの危険 と関係 するため重要 です。) 関係 がはっきりしました。
も、少しアスピリン ( 血がかたまりにくくするはたらきもある薬の名前です。痛 み止めとしても知られますが、病気を防 ぐ目的 で使うこともあります。出血が増 えることがあるので、けがの重さに関係 しうる点が重要 です。) 関係 がありました。
いろいろまとめて考えると、
STRATIFYとFRAXが大事でした。
FRAXは見つけやすいが、まちがえやすいです。
STRATIFYは、ころぶ予想は得意 です。
でも、重いけがを見つけるのは弱めです。
薬をのむ人は、頭の出血が多めでした。
のまない人より、約 6ばい多いと出ました。
- どうやったの?:
-
新潟大学病院の
記録 を調べました。
2006年4月〜2010年3月の記録 です。
40〜90さいの人を調べました。
が、この年れいのしくみだからです。FRAX ( これから10年のあいだに骨折 しそうな確率 を計算する点数のしくみの名前です。年れいなどの情報 から計算でき、骨折 の危険 が高い人を見つけるのに使われます。骨折 や重いけがをへらす対策 を考えるために重要 です。)
年れいや体の大きさを集めました。
前の骨折 や、生活のことも見ました。
のんでいる薬や、病気も見ました。
入院した日や、退院 した日も見ました。
ころびやすさは で見ました。STRATIFY ( 病院で患者 がころびやすいかを「点数」で見積 もるしくみの名前です。いくつかの質問 に答えて合計点を出し、点が高いほど「ころぶ危険 が高い」と考えます。ころびそうな人を早く見つけて、予防 につなげるために重要 です。)
5つのしつもんの点数です。
点数が2より大きいと、高いとしました。
骨折 しやすさはFRAXで計算しました。
これは、10年で骨折 しそうな割合 です。
薬は2つに注目しました。
ころびやすくなる薬です。
血が止まりにくくなる薬です。
血の検査 は、みんな分がそろいませんでした。
だから、今回は使いませんでした。
ころんだことは、安全の報告 で見つけました。
などの写真のCT ( 体の中を写真のようにくわしく調べる検査 の名前です。頭の中の出血など、外から見えないけがを見つけるのに使います。重いけががあるか確 かめるために重要 です。) 記録 も見ました。
医しゃのメモも読んで確 かめました。
重いけがは、世界のきまりで決めました。
- 研究のまとめ:
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みんなの中では、頭の出血は多くありません。
でも、重いけがの中では、わりと多いです。
重いけがの約 4分の1が頭の出血でした。
ころびやすい点数や、混乱 も関係 しました。
血が止まりにくい薬も関係 しました。
それに加 えて、 が高い人もFRAX ( これから10年のあいだに骨折 しそうな確率 を計算する点数のしくみの名前です。年れいなどの情報 から計算でき、骨折 の危険 が高い人を見つけるのに使われます。骨折 や重いけがをへらす対策 を考えるために重要 です。) 関係 しました。
ただ、理由はかんたんではありません。
頭の骨 が折 れた人は、ほとんどいません。
だから、頭の骨 が弱いだけではなさそうです。
FRAXは、出血しやすさの点数でもありません。
FRAXは、別 のタイプの危 ない人を、
見つけているかもしれません。
FRAXは、骨 のデータがなくても計算できます。
国がちがっても使えるしくみです。
そのため、役に立つかもしれません。
でも、まだはっきりした証 こは足りません。
- これからどうする?:
-
この研究は40〜90さいだけです。
ほかの年れいで同じかは分かりません。
1つの病院だけの記録 でした。
ほかの病院でも同じかは、まだです。
頭の出血は11人で、数が少ないです。
そのため、しっかりした予想が作りにくいです。
これからは、もっと大人数で調べます。
ほかの病院でも、また確 かめます。
と頭の出血のFRAX ( これから10年のあいだに骨折 しそうな確率 を計算する点数のしくみの名前です。年れいなどの情報 から計算でき、骨折 の危険 が高い人を見つけるのに使われます。骨折 や重いけがをへらす対策 を考えるために重要 です。) 関係 を見ます。
FRAXと を合わせる意味も見ます。STRATIFY ( 病院で患者 がころびやすいかを「点数」で見積 もるしくみの名前です。いくつかの質問 に答えて合計点を出し、点が高いほど「ころぶ危険 が高い」と考えます。ころびそうな人を早く見つけて、予防 につなげるために重要 です。)
- 著者名:
- Toyabe Shin-ichi
- 掲載誌名:
- Global Journal of Health Science
- 巻:
- 4
- 号:
- 3
- ページ:
- 64 - 71
- 発行日:
- 2012-05
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/26647
