論文詳細
医歯学系
脳研究所
#学術雑誌論文
An Attempt of Non-human Primate Modeling of Schizophrenia with Neonatal Challenges of Epidermal Growth Factor
- AI解説:
- 統合失調症の病因は不明だが、遺伝要因と環境要因が相互作用して胎児期または新生児期の脳成熟を乱し、その後、思春期以降に機能障害として現れるとする神経発達仮説が有力になっている。この枠組みでは、妊娠・出産前後の免疫・炎症反応、特に炎症性サイトカインが、環境側の媒介因子として妥当であると考えられている。著者らは、ミクログリアに対する炎症作用と、中脳ドパミン作動性ニューロンに対する神経栄養的役割をもつサイトカインであるepidermal growth factor(EGF)に注目した。著者らの先行研究では、統合失調症の死後脳(前脳)組織におけるEGF低下とErbB1受容体発現の増加、ならびに未治療(drug-naive)患者での末梢EGFシグナルの変化が報告されている。げっ歯類では、新生児期に末梢へEGFを投与すると、統合失調症関連のエンドフェノタイプとして扱われることの多い複数の思春期以降の行動異常が生じる。しかし、統合失調症は人間の精神病理(DSM/ICD基準)で診断されるため、げっ歯類の行動には本質的な限界がある。このトランスレーショナル・ギャップを狭めるため、本研究は新生児期EGF負荷(neonatal EGF challenge)パラダイムを非ヒト霊長類(cynomolgus monkey)に適用し、後に出現する行動異常(抗精神病薬risperidoneへの感受性を含む)を特徴づけることを目的とした。
AI解説を見る
医歯学系
脳研究所
#学術雑誌論文
An Attempt of Non-human Primate Modeling of Schizophrenia with Neonatal Challenges of Epidermal Growth Factor
AI解説
- 背景と目的:
-
統合失調症の病因は不明だが、遺伝要因と環境要因が相互作用して胎児期または新生児期の脳成熟を乱し、その後、思春期以降に機能障害として現れるとする神経発達仮説が有力になっている。この枠組みでは、妊娠・出産前後の免疫・炎症反応、特に炎症性サイトカインが、環境側の媒介因子として妥当であると考えられている。著者らは、ミクログリアに対する炎症作用と、中脳ドパミン作動性ニューロンに対する神経栄養的役割をもつサイトカインであるepidermal growth factor(EGF)に注目した。著者らの先行研究では、統合失調症の死後脳(前脳)組織におけるEGF低下とErbB1受容体発現の増加、ならびに未治療(drug-naive)患者での末梢EGFシグナルの変化が報告されている。げっ歯類では、新生児期に末梢へEGFを投与すると、統合失調症関連のエンドフェノタイプとして扱われることの多い複数の思春期以降の行動異常が生じる。しかし、統合失調症は人間の精神病理(DSM/ICD基準)で診断されるため、げっ歯類の行動には本質的な限界がある。このトランスレーショナル・ギャップを狭めるため、本研究は新生児期EGF負荷(neonatal EGF challenge)パラダイムを非ヒト霊長類(cynomolgus monkey)に適用し、後に出現する行動異常(抗精神病薬risperidoneへの感受性を含む)を特徴づけることを目的とした。
- 主要な発見:
-
新生児期にEGF処置を受けたオナガザル(cynomolgus monkey)の雄3頭では、4歳まで全般的な健康状態と大まかな行動は正常に見えた。4歳で安楽死させた2頭は、組織学的検査で明らかな脳構造異常を示さなかった(データ提示なし)。残る1頭では6歳で異常行動が出現し、これは先行するげっ歯類EGF報告と比べて重度かつ異例であると記述された。具体的には、(1) 年齢をそろえた参照個体より持続時間と頻度が高い、二足歩行での円運動/回転運動の常同行動、(2) 参照個体では稀であった頻回の「Coo」発声、(3) 「alert(警戒)」または見張り様行動(直立二足で立ち、部屋を見回す)の増加、(4) 両手で両眼を叩くことに始まり、手を見つめて噛み、その後に脚のばたつきと身もがきが続く、自傷/錯乱(frenzied)の複合シークエンスで、著者らはこれを「hallucination-like(幻覚様)」と解釈した。Risperidoneの効果は選択的で、常同行動の頻度は有意に低下したが(持続時間は短縮せず)、alert行動は0.10 mg/kgで参照レベルまで低下し、幻覚様シークエンスの頻度は0.1 mg/kgで低下した(ただし当該シークエンスの総持続時間は低下せず)。発声はどちらの用量でも改善しなかった。注目すべき点として、幻覚様行動は暗闇では観察されず、光への依存が示唆された。8歳時の病理組織学的検査では、新皮質、基底核、海馬において、ニューロン喪失、反応性アストロサイトーシス、ミクログリア増殖、あるいは明らかな構造変化は認められなかった。
- 方法論:
-
雄のオナガザル新生児3頭(Macaca fascicularis;410–484 g)に対し、生後14日からヒト組換えEGF(0.3 mg/kg)を皮下投与し、1日1回、合計7回または9回投与した。2頭では7回目投与後に鎮静が生じたため4日間治療を中断し(行動評価された個体はこの中断を挟んで計9日完了)、その後継続した。動物は母親とともに飼育し、その後6か月で離乳して個別飼育とし、温度(26 ± 2°C)、湿度(30–60%)、および12/12時間の明暗サイクルを管理した。日常管理として、状態確認と大まかな行動観察を行った。EGF処置群のうち2頭は4歳で病理組織学的検査のために犠牲とし(パラフィン切片4 μm;Klüver–Barrera染色およびヘマトキシリン・エオシン染色)、残る1頭は6歳で行動評価を行い、録画中に近くで飼育されていた同年齢・同性の未処置参照個体(naïve reference monkey)と比較した。行動は、観察者不在で録画した1時間動画(午後1:00–2:00)から定量化し、risperidone投与前にも追加録画を行った(投与の30日、21日、10日前)。Risperidone(Risperdal Solution)は、鼻カテーテルによる胃内投与で10日間コースを2回実施し、まず0.05 mg/kg、20日間の間隔を置いて0.1 mg/kgを投与した。行動スコアリングでは、常同行動、alert行動、発声、ならびに事前に定義した自傷/錯乱の統合シークエンス(「hallucination-like」)について頻度(および一部指標では持続時間)を数えた。データは同一個体に対する3回の独立観察から得たmean ± SEMとして示し、統計解析は一元配置ANOVAとFisher’s LSDによる事後検定で行った(P < 0.05)。
- 結論と意義:
-
著者らは、非ヒト霊長類における新生児期EGF曝露後の長期経過として、思春期以降(6歳)に顕著な行動異常が出現した単一症例を提示した。この出現時期は、人間で統合失調症の精神病理がしばしば青年期以降に現れることと整合すると著者らは論じている。著者らは、常同行動、「見えない」標的への警戒の亢進、持続的な発声、特徴的な自傷/錯乱シークエンスからなる行動クラスターを、統合失調症関連現象と関連しうるものとして解釈した。特に、risperidoneで部分的に抑制されたこと、ならびに「hallucination-like」と記述される覚醒剤誘発の霊長類モデルで報告される行動プロファイルとの類似を根拠としている。自傷/錯乱シークエンスが光に依存することから、著者らは知覚された視覚的手がかりとの関連を示唆し、両眼に関わる不快な錯視または視覚性幻覚に駆動されたかのように行動を解釈した一方で、この「目を叩く→錯乱」パターンはpsychostimulantまたはphencyclidineに基づく霊長類モデルでは報告されていないとも述べている。同時に著者らは、この推論が暫定的であることを明示しており、発声や自傷は母子分離や強いストレスでも起こりうること、慢性的なケージ飼育が寄与する可能性があることを指摘した。4歳時(2頭)および8歳時(発症個体)に肉眼的な神経病理が検出されなかったことも、主張を、組織学的方法で検出可能な構造病変ではなく行動現象学に限定する要因となっている。
- 今後の展望:
-
本論文は次のステップとして再現を最重要課題とし、複数個体で再現性を評価しなければならないと明確に述べている。また、EGF処置群2頭は、欠損がより早期に現れるという誤った想定のもとで4歳時に犠牲となり、後発の異常が出現する前に前駆徴候は検出されなかったことから、より良い縦断的モニタリングの必要性も示唆されている。したがって著者らの枠組みでは、非ヒト霊長類で新生児期EGF負荷後の行動転帰の発生率、出現時期、ばらつきを評価するために、思春期以降の観察期間を延長する研究が必要となる。さらに、観察された行動がEGF曝露の特異的帰結なのか、それとも偶発的あるいはストレス/飼育環境に関連する影響なのかを明確にすることが不可欠であるとも述べており、著者らは代替説明を排除していない。総じて、著者らは本報告を、統合失調症のサイトカイン基盤の非ヒト霊長類モデリングに対する幅広い関心を喚起するものとして位置づけており、妥当性が確立された霊長類モデルを決定的に提示するものではないとしている。
- 背景と目的:
-
は、はっきりした原因がまだ分かっていない病気です。ただ最近は、遺伝の影響と環境の影響が組み合わさって、赤ちゃんがお腹の中にいる時期や生まれた直後の脳の発達がうまくいかなくなり、その結果が思春期以降に問題として表れる、という考え方が有力です。統合失調症 ( 考えや気持ち、現実のとらえ方が乱れやすくなる精神疾患で、幻覚や妄想、意欲の低下などが起こることがあります。原因は一つに決まらず、体質と環境の組み合わせが関係すると考えられています。)
この考え方では、妊娠や出産の前後に起こる体の や炎症反応が、環境側の影響として重要だと考えられています。特に「免疫反応 ( 体を細菌やウイルスなどから守る仕組みで、必要に応じて体内でさまざまな物質を出して戦います。強すぎたり長引いたりすると体や脳に影響することがあります。) 」と呼ばれる、炎症に関わる物質が注目されています。サイトカイン ( 免疫に関わる細胞などが出す、細胞同士の連絡に使われる物質です。体の状態を変える力があり、脳の発達や働きにも関係することがあります。)
研究者たちは、そのサイトカインの一つである に注目しました。EGFは、脳の免疫細胞(EGF ( Epidermal Growth Factorの略で、もともとは細胞の成長を促す因子として知られています。脳では免疫細胞に影響を与えたり、神経細胞の働きを支える役割があるとされています。) )に炎症の影響を与えたり、脳の神経細胞の成長や働きを支えたりする性質があるとされています。過去の研究では、統合失調症の人の脳ではEGFが少ないことや、EGFを受け取るミクログリア ( 脳の中にいる免疫担当の細胞です。異物や傷害に反応して炎症を起こすことがあり、脳の発達や病気にも関わると考えられています。) が増えていること、さらに薬をまだ使っていない患者さんの血液でもEGFの働きに変化があることが報告されていました。受容体 ( 細胞が外からの物質(信号)を受け取るための「受け口」のようなタンパク質です。受容体の量が変わると、同じ物質でも効き方が変わることがあります。)
また、ネズミでは、生まれた直後にEGFを体に投与すると、思春期以降に行動の異常が出ることが知られています。ただし、統合失調症は人間では診断基準にもとづいて判断する病気なので、ネズミの行動だけでは限界があります。
そこでこの研究では、ネズミで行われてきた「新生児期にEGFを投与する方法」を、 というサルに行い、成長後にどんな行動の変化が出るのか、そして抗精神病薬オナガザル ( 研究で使われることの多いサルの一種です。英語ではcynomolgus monkeyと呼ばれ、実験で人間に近い反応を調べたいときに用いられます。) で変化が抑えられるのかを調べることを目的にしました。リスペリドン ( 統合失調症などで使われる抗精神病薬の一つです。幻覚や妄想などの症状を弱める目的で用いられ、動物モデルの妥当性を確かめる手がかりにもなります。)
- 主要な発見:
-
新生児期に
を投与されたEGF ( Epidermal Growth Factorの略で、もともとは細胞の成長を促す因子として知られています。脳では免疫細胞に影響を与えたり、神経細胞の働きを支える役割があるとされています。) の雄3頭は、4歳までは健康状態も大きな行動も一見ふつうでした。4歳で検査のために安楽死させた2頭は、脳の形に目立つ異常が見つかりませんでした。オナガザル ( 研究で使われることの多いサルの一種です。英語ではcynomolgus monkeyと呼ばれ、実験で人間に近い反応を調べたいときに用いられます。)
残る1頭では、6歳になってから強い異常行動が現れました。内容は主に次のようなものでした。
1つ目は、二足でくるくる回り続けるような、同じ動きをくり返す行動が増えたことです。
2つ目は、「Coo」という鳴き声を何度も出すことが増えたことです。
3つ目は、二足で立って部屋を見回すような、強い警戒行動が増えたことです。
4つ目は、両手で両目を叩くところから始まり、手を見つめて噛み、その後に脚をばたつかせてもがく、という自傷と錯乱のような一連の行動が見られたことです。研究者はこれを「幻覚のようなものに反応している可能性がある」と解釈しました。
を与えると、くるくる回る行動は回数が減りました。警戒行動も、ある量では比較対象のサルと同じ程度まで下がりました。「リスペリドン ( 統合失調症などで使われる抗精神病薬の一つです。幻覚や妄想などの症状を弱める目的で用いられ、動物モデルの妥当性を確かめる手がかりにもなります。) 」とされた一連の行動も回数は減りましたが、起きている合計時間はあまり変わりませんでした。一方、鳴き声は薬を使っても改善しませんでした。幻覚様 ( 実際には存在しない刺激があるかのように反応しているように見える状態を指す言い方です。ただし本当に幻覚があるかは、動物では確かめにくいという限界があります。)
また重要な点として、「幻覚様」の行動は暗い状態では見られず、光があるときに起きやすい可能性が示されました。
8歳で脳を詳しく調べても、神経細胞が減っている、強い炎症の跡がある、といった分かりやすい異常は見つかりませんでした。
- 方法論:
-
雄の
新生児3頭に、生後14日からヒトのオナガザル ( 研究で使われることの多いサルの一種です。英語ではcynomolgus monkeyと呼ばれ、実験で人間に近い反応を調べたいときに用いられます。) (0.3 mg/kg)を皮下に注射し、1日1回で合計7回または9回投与しました。途中で2頭に強い眠気が出たため、いったん4日間中断してから続けました。EGF ( Epidermal Growth Factorの略で、もともとは細胞の成長を促す因子として知られています。脳では免疫細胞に影響を与えたり、神経細胞の働きを支える役割があるとされています。)
サルは最初は母親と一緒に育て、6か月で離乳してからは1頭ずつ飼育しました。温度や湿度、昼夜のサイクルを管理し、毎日、体調確認と大まかな行動観察を行いました。
EGFを投与された2頭は4歳で脳の検査を行いました。残りの1頭は6歳で行動を詳しく調べ、同じ年齢・同性でEGFを投与していないサルと比較しました。観察者がいない状態で1時間の動画を撮影し、特定の行動(回転行動、警戒行動、鳴き声、自傷と錯乱の一連行動)を回数などで数えました。
その後、 を10日間ずつ2回(量を変えて)与え、薬の前後で行動がどう変わるかを比べました。リスペリドン ( 統合失調症などで使われる抗精神病薬の一つです。幻覚や妄想などの症状を弱める目的で用いられ、動物モデルの妥当性を確かめる手がかりにもなります。)
- 結論と意義:
-
この研究は、新生児期に
を投与されたサルのうち1頭で、思春期以降にあたる6歳になってから目立つ行動異常が出た例を示しました。研究者は、この「成長してから症状が出る」というタイミングが、人間のEGF ( Epidermal Growth Factorの略で、もともとは細胞の成長を促す因子として知られています。脳では免疫細胞に影響を与えたり、神経細胞の働きを支える役割があるとされています。) が青年期以降に現れやすいことと合う可能性があると述べています。統合失調症 ( 考えや気持ち、現実のとらえ方が乱れやすくなる精神疾患で、幻覚や妄想、意欲の低下などが起こることがあります。原因は一つに決まらず、体質と環境の組み合わせが関係すると考えられています。)
また、いくつかの異常行動がまとまって現れ、さらにその一部が抗精神病薬で弱まったことから、統合失調症に関係する現象とつながる可能性があると考えました。
ただし、脳の検査で分かりやすい異常が見つからなかったことや、鳴き声や自傷は強いストレスや飼育環境でも起こりうることから、研究者自身も「統合失調症のモデルだ」と断定はしていません。
- 今後の展望:
-
この研究で最も大事なのは、同じ結果が別の個体でも再現できるかどうかです。今回は3頭中1頭だけで強い異常が見られたため、偶然や環境要因の可能性も残ります。
また、4歳で検査に回された2頭は、もっと早く異常が出るだろうという予想にもとづいていましたが、実際には6歳で出たため、思春期以降まで長く追いかけて観察する必要があることも示されました。
今後は、発生する割合、症状が出る時期の違い、個体差を確かめる研究が必要です。さらに、その行動が による影響なのか、ストレスや飼育環境など別の原因なのかをはっきりさせることが重要だと述べられています。EGF ( Epidermal Growth Factorの略で、もともとは細胞の成長を促す因子として知られています。脳では免疫細胞に影響を与えたり、神経細胞の働きを支える役割があるとされています。)
- 何のために?:
-
は、統合失調症 ( 考え方や感じ方がうまくまとまらなくなり、現実 とちがうように感じたり、生活がむずかしくなったりすることがある病気です。いつ起きやすいかや原因 を調べることが、治療 や助け方につながるので大事です。) 原因 がまだはっきりしません。
でも今は、いくつかの原因 が重なると考えます。
たとえば、 と遺伝 ( 親から子へ体の特徴 が伝 わることです。病気になりやすさも関係 することがあり、原因 を考えるときに重要 になります。) 環境 のえいきょうです。
赤ちゃんのころの脳 の育ち方も関係 します。
お母さんのおなかの中の時期も大事です。
生まれてすぐの時期も大事です。
そのあと、思春期ごろに困 りごとが出ます。
体には、ばい菌 から守るしくみがあります。
これを、 といいます。免疫 ( 体に入ってきたばい菌 やウイルスなどから体を守るはたらきのことです。強く働 きすぎると体に別 の変化 を起こすことがあるため、研究で注目されます。)
免疫 が強くはたらくと、 が起きます。炎症 ( けがや病気のときに、赤くなったり熱 をもったりはれたりする体の反応 です。体を守る反応 ですが、起き方によっては体や脳 に影響 することがあるので大事です。)
炎症 は、赤くなったり熱 をもったりです。
その炎症 が、脳 にえいきょうするかもしれません。
というサイトカイン ( 免疫 の細胞 どうしが合図を送るために出す物質 で、炎症 を強めたり弱めたりします。体の中の反応 を動かす役目があり、病気との関係 を調べる手がかりになります。) 物質 が注目されています。
サイトカインは、炎症 に関 わります。
研究者は、 というEGF ( 体の中で細胞 の成長 や修理 を助ける物質 の一つです。脳 の細胞 や脳 の働 きに関係 する可能性 があるため、統合失調症 とのつながりがあるか調べています。) 物質 も見ました。
EGFは、脳 の細胞 を助けると考えられます。
脳 のそうじ役の細胞 にも関 わります。
過去 の研究で、EGFが少ない人もいました。
そのため、EGFが関係 するか調べます。
ネズミでは、赤ちゃんにEGFを入れると、
大きくなって変 な行動が出ることがあります。
でも、ネズミだけでは分からないこともあります。
そこで、サルでも確 かめることにしました。
大きくなった後の行動を見ます。
薬でおさえられるかも調べます。
- 何が分かったの?:
-
赤ちゃんのとき
を入れたEGF ( 体の中で細胞 の成長 や修理 を助ける物質 の一つです。脳 の細胞 や脳 の働 きに関係 する可能性 があるため、統合失調症 とのつながりがあるか調べています。) 雄 のサルは3頭です。
4歳 までは、見た目は元気でした。
4歳 で調べた2頭の脳 は、形はふつうでした。
のこり1頭は、6歳 で強い変化 が出ました。
同じ動きを何度もくり返しました。
二本足で、くるくる回り続 けました。
「クー」という声を、何度も出しました。
二本足で立ち、部屋を見回しました。
まわりをとても警戒 しているようでした。
目をたたき、手をかむ行動もありました。
そのあと、足をばたつかせてもがきました。
研究者は、こわい見え方に反応 かもと考えました。
という薬をあげました。リスペリドン ( 統合失調症 などで使われることがある薬の名前です。症状 に似 た行動が薬でどれくらい変 わるかを見ることで、病気との関係 を考える材料 になります。)
くるくる回る回数は、へりました。
警戒 する行動も、ある量 でへりました。
こわがるような行動も、回数はへりました。
でも、その行動をする時間はあまり同じでした。
「クー」という声は、薬でもへりませんでした。
暗いときは、こわがる行動が見られませんでした。
明るいときに起きやすいかもしれません。
8歳 で脳 をくわしく見ても、大きな はなしでした。異常 ( ふつうとちがう状態 のことです。脳 などに分かりやすい異常 があるかないかで、原因 の考え方が変 わるため大事です。)
- どうやったの?:
-
雄 の赤ちゃんサル3頭に を入れました。EGF ( 体の中で細胞 の成長 や修理 を助ける物質 の一つです。脳 の細胞 や脳 の働 きに関係 する可能性 があるため、統合失調症 とのつながりがあるか調べています。)
生まれて14日目から始めました。
皮ふの下に注射 しました。
1日1回で、7回か9回行いました。
2頭は、とてもねむくなりました。
そこで4日休んでから、また続 けました。
最初 は、お母さんといっしょに育てました。
6か月で、おっぱいをやめました。
そのあと、1頭ずつ育てました。
部屋の温度や明るさをととのえました。
毎日、体調と行動をかんたんに見ました。
2頭は4歳 で、脳 の検査 をしました。
1頭は6歳 で、行動をくわしく調べました。
同じ年れいの別 のサルとも比 べました。
人がいない状態 で、1時間の動画をとりました。
回る、警戒 する、鳴くなどを数えました。
そのあと薬を、10日ずつ2回あげました。
薬の前と後で、行動の変化 を比 べました。
- 研究のまとめ:
-
この研究では、3頭のうち1頭で
変化 が出ました。
変化 は、6歳 になってから目立ちました。
あとから症状 が出る点が大事だと考えました。
人の も、統合失調症 ( 考え方や感じ方がうまくまとまらなくなり、現実 とちがうように感じたり、生活がむずかしくなったりすることがある病気です。いつ起きやすいかや原因 を調べることが、治療 や助け方につながるので大事です。) 若 いころに出やすいからです。
いくつかの変 な行動が、まとめて出ました。
そして、その一部は薬で弱くなりました。
そのため、関係 があるかもしれないと言えます。
でも、脳 に分かりやすい は見つかりません。異常 ( ふつうとちがう状態 のことです。脳 などに分かりやすい異常 があるかないかで、原因 の考え方が変 わるため大事です。)
また、強い でもストレス ( こわいことやつらいことなどで心や体に負担 がかかることです。ストレスでも似 た行動が出ることがあるので、原因 を見分けるために大事です。) 似 た行動は出ます。
だから研究者は、 はしていません。断定 ( これが正しいと決めつけて言い切ることです。研究では、まだ確 かでないことを言い切らない姿勢 が重要 になります。)
- これからどうする?:
-
いちばん大事なのは、同じ
結果 が出るかです。
今回は、3頭中1頭だけが強く変 わりました。
たまたまの可能性 も残 ります。
環境 のちがいのえいきょうも考えます。
4歳 で調べた2頭は、早く変化 が出る予想でした。
でも、実際 は6歳 で出ました。
だから、長い間見つづける必要 があります。
これから、出る割合 も調べる必要 があります。
いつ出るかのちがいも調べます。
なぜそのサルだけだったかも調べます。
がEGF ( 体の中で細胞 の成長 や修理 を助ける物質 の一つです。脳 の細胞 や脳 の働 きに関係 する可能性 があるため、統合失調症 とのつながりがあるか調べています。) 原因 か、 がストレス ( こわいことやつらいことなどで心や体に負担 がかかることです。ストレスでも似 た行動が出ることがあるので、原因 を見分けるために大事です。) 原因 かも確 かめます。
- 著者名:
- Sakai Miwako, Kashiwahara Masafumi, Kakita Akiyoshi, Nawa Hiroyuki
- 掲載誌名:
- Journal Addiction Research & Therapy
- 巻:
- 5
- 号:
- 1
- ページ:
- 1000170-1 - 1000170-5
- 発行日:
- 2014-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/31606
