論文詳細
自然科学系
理学部
#紀要論文
Systematic paleontology of two brachiopod specimens (Karavankina sp. and Choristites sp.) from the Arakigawa Formation in the Hida Gaien belt, central Japan
- AI解説:
- 本研究は、殻をもつ化石(shelly fossils)を含む古生代層が産する中部日本の飛騨外縁帯(Hida Gaien belt)について、その古地理的な帰属(paleogeographic affinity)と地質史をめぐる不確実性が続いていることを背景としている。これまでの生物地理学的解釈は一貫していない。すなわち、森部—荒城川(Moribu–Arakigawa)地域のペルム紀腕足類(brachiopods)は、北中国ブロック(North China block)および中央アジア造山帯(Central Asian Orogenic Belt)近傍の縁辺域と結び付く、北方系—テチス系混合動物群(Boreal–Tethyan mixed fauna)の一部と見なされてきた一方、福地(Fukuji)地域のペルム紀フズリナ類(fusulinids)は、より明瞭にテチス的(Tethyan)であり、南中国ブロック(South China block)との類縁性を示唆すると解釈されてきた。著者らは、進展には堅固な分類学的基盤が必要だと主張する。というのも、腕足類に基づく古生物地理推論は、正確な同定と形態学的特徴づけに強く依存するからである。荒城川層(Arakigawa Formation)からは以前にKaravankinaとChoristitesが報告されていたが、それらの報告には形態の記載情報が欠けていた。そこで本論文の目的は体系的(systematic)であり、荒城川層からの既報2標本(Karavankina sp.およびChoristites sp.)を、外部形態と内部形態を詳細に記録して再記載し、その後の層序学的・古生物地理学的議論のより確かな基盤を提供することにある。
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自然科学系
理学部
#紀要論文
Systematic paleontology of two brachiopod specimens (Karavankina sp. and Choristites sp.) from the Arakigawa Formation in the Hida Gaien belt, central Japan
AI解説
- 背景と目的:
-
本研究は、殻をもつ化石(shelly fossils)を含む古生代層が産する中部日本の飛騨外縁帯(Hida Gaien belt)について、その古地理的な帰属(paleogeographic affinity)と地質史をめぐる不確実性が続いていることを背景としている。これまでの生物地理学的解釈は一貫していない。すなわち、森部—荒城川(Moribu–Arakigawa)地域のペルム紀腕足類(brachiopods)は、北中国ブロック(North China block)および中央アジア造山帯(Central Asian Orogenic Belt)近傍の縁辺域と結び付く、北方系—テチス系混合動物群(Boreal–Tethyan mixed fauna)の一部と見なされてきた一方、福地(Fukuji)地域のペルム紀フズリナ類(fusulinids)は、より明瞭にテチス的(Tethyan)であり、南中国ブロック(South China block)との類縁性を示唆すると解釈されてきた。著者らは、進展には堅固な分類学的基盤が必要だと主張する。というのも、腕足類に基づく古生物地理推論は、正確な同定と形態学的特徴づけに強く依存するからである。荒城川層(Arakigawa Formation)からは以前にKaravankinaとChoristitesが報告されていたが、それらの報告には形態の記載情報が欠けていた。そこで本論文の目的は体系的(systematic)であり、荒城川層からの既報2標本(Karavankina sp.およびChoristites sp.)を、外部形態と内部形態を詳細に記録して再記載し、その後の層序学的・古生物地理学的議論のより確かな基盤を提供することにある。
- 主要な発見:
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Karavankina sp.(標本NU–B48)について著者らは、横方向に準円形〜準方形の腹殻(ventral valve;長さ38 mm、幅44 mm)で、緩やかに凹んだ輪郭と比較的細い嘴部(beak)をもつことを記載している。装飾は、後方に弱い同心円状の帯(concentric bands)と、前方に鋭く発達した房状(fringe-like)の皺(rugae)からなり、いずれも多数の棘(spines)を伴う。棘には2つのサイズ階級があるとされ、大きい棘の基部(spine base;直径約0.5 mm)は間隔が一定でなく(後方で2–3 mm、前方では局所的に0.5 mm程度まで接近)、小さい棘は大きい棘の間に五目並び(quincuncial)状の列として配列する。内部面には、筋付着部(muscle attachment)の領域と解釈される平滑な後方域が保存され、その他の部分には外部の皺に対応する鋸歯状(saw-tooth)の起伏がみられるが、軟体部(soft-part)に関連する内部構造は保存されていない。これらの所見、特にEchinoconchinaeに典型的な大・小棘の配列に基づき、標本はKaravankinaに帰属すると判断される一方、腹殻1枚のみからは種レベルの同定は不可能とされた。外観はKaravankina wagneriに類似すると述べられ、また本標本は他のKaravankina種より大型であると記載されるが、正式な種の帰属は行っていない。
Choristites sp.(標本NU–B301)については、腹殻の内型(internal mold;長さ29 mm、幅35 mm)として、顕著で強く背側へ巻き込む嘴部と、特徴的な内部構造が示される。すなわち、細長く、ほぼ平行なadminiculaが前方へ伸長し(蝶番線 hinge line から約7 mmの位置まで)、interarea付近に歯板(dental plates)を伴う。adminiculaの間には、細長い中央の閉殻筋(adductor)痕と、左右一対の涙滴形の開殻筋(diductor)痕が記載され、これらは淡い隆起で区切られる。adminiculaの外側にある放射状のスリット状溝(slit-like furrows)は、外部の肋(costae)に対応する可能性が高いと解釈される。著者らは、このような溝はChoristites(しばしば網目状または点刻状の装飾をもつ)には典型的ではないとしつつ、オーストリア産資料で類似構造が報告されていることを指摘する。Karavankina sp.と同様に、保存不良(両殻の欠如および外部形態の欠如)により種レベルの帰属は試みられないが、嘴部の湾曲とadminiculaの形態の組合せはChoristitesへの帰属を支持するとされる。年代について本論文は、両属が長い層序レンジ(石炭紀 Carboniferous から前期ペルム紀 Early Permian)をもつこと、また産地周辺の制約(例:近傍の砂岩礫から報告されたQuasifusulina、近傍の珪長質凝灰岩 felsic tuff から得られた約280 MaのジルコンU–Pb年代)からは、化石層準の確度の高い狭い年代決定ができないことを強調している。
- 方法論:
-
本研究は、先行研究で採集・報告されていた腕足類化石2点を対象とする、標本に基づく体系古生物学(systematic paleontology)の再評価である。資料は新潟大学に所蔵される2標本のみで、Karavankina sp.の腹殻(外型・内型として保存;NU–B48)1点と、Choristites sp.の腹殻内型(NU–B301)1点からなる。著者らの手法は記載的かつ比較的である。殻の輪郭、嘴部形態、装飾について詳細な形態観察を行い、標本全体サイズの測定に加えて、装飾要素の定量的記載(例:同心円状帯および皺の幅、棘基部直径、大・小棘基部の間隔と配列パターン、内部溝の幅)を提示する。内部形態については、Karavankinaでの平滑な後方域と鋸歯状起伏、Choristitesでの歯板、adminicula、筋痕域など、保存された特徴を記録し、筋痕の解釈には現生腕足類の解剖との比較を用いる。分類学的位置づけは、観察された形質組合せを、科/亜科および属レベルの診断形質・識別形質と比較することで行われる(例:EchinoconchinaeおよびKaravankinaの棘配列、Choristitesの嘴部湾曲とadminicula形態)。層序学的議論は慎重かつ間接的であり、既報の随伴化石(Quasifusulina)と、層序的に近接する凝灰岩層から公表されているジルコンU–Pb年代に依拠しつつ、種同定が未解決であることや、一部報告例の層準が不明確であることによる不確実性を明示している。
- 結論と意義:
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本論文の主要な貢献は、荒城川層における歴史的に報告されてきた腕足類2産出について、詳細な形態記録を提示し、属レベル(KaravankinaおよびChoristites)でより妥当性の高い分類学的帰属を可能にすると同時に、なぜ現時点で種レベル同定が正当化されないのかを明確にした点にある。この明確化は重要である。なぜなら、飛騨外縁帯をめぐる古生物地理やテレーン史(terrane-history)の議論はしばしば化石分布に依存してきたにもかかわらず、これら腕足類の先行報告には分類学的信頼性を評価するために必要な記載的基盤が欠けていたからである。本研究は、Karavankinaにおける大・小棘基部の規則的出現、Choristitesにおける特徴的に長く細いadminiculaと巻き込む嘴部といった診断的形質を示すことで、これら化石をより広範な総合(syntheses)に用いるための証拠基盤を強化する。同時に著者らは重要な制約も強調する。すなわち、両属は層序レンジが長く、さらに正確な層準や随伴化石同定に関する現時点の不確実性があるため、この事例ではKaravankinaもChoristitesも年代を厳密には拘束しない。したがって結論は意図的に保守的であり、産出は上部石炭紀(Upper Carboniferous)〜下部ペルム紀(Lower Permian)の区間と整合的ではあるものの、化石だけでは飛騨外縁帯をめぐる一般的な古地理論争を解決しないとされる。
- 今後の展望:
-
著者らは、主として本研究で特定された限界を通じて、今後の進展に必要な要件を示している。より決定的な層序対比には追加の化石証拠と、化石と現地性(in situ)の層準とのより明確な対応づけが必要である。というのも、年代指標の一部(例:Quasifusulina)は供給源不明の近傍の砂岩礫に由来し、また両腕足類属はいずれも広い期間にわたって産するからである。生物地理推論をより強固にするために必要な種レベル同定には、より保存の良い、より完全な資料が求められ、特にChoristitesとKaravankinaについて、腹殻・背殻の両方、ならびに内部・外部形態の両方を含む標本が必要である。また本論文は、近傍の珪長質凝灰岩から報告された約280 MaのジルコンU–Pb年代のような独立した年代層序(chronostratigraphic)制約と、古生物学データを統合することの価値を示唆しつつも、年代測定層準が近いことが自動的に化石含有層の年代を確定するわけではない点を認めている。総じて本研究は、厳密な分類、層序の制御、異なる化石群間の比較を組み合わせた、飛騨外縁帯の古地理に関する将来のより統合的な議論に向けた基礎作業として、体系的記載を位置づけている。
- 背景と目的:
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この研究は、中部日本の「
」という地域にある、飛騨外縁帯 ( 中部日本にある地質帯の名前で、古生代の地層や化石が見られます。いくつかの「別々の成り立ちの地塊」が集まってできた可能性があり、昔どこにあったのかを考える手がかりになります。) の地層(とても昔の地層)について調べたものです。ここでは古生代 ( 地球の歴史の中でとても古い時代の区分で、約5億年前から約2億5千万年前ごろまでを指します。今回の研究の地層はこの時代にできます。) が見つかりますが、その地層が昔どの地域とつながっていたのか(どんな場所にあったのか)について、意見が分かれていてはっきりしていません。殻をもつ化石 ( 殻など硬い部分が残りやすい生き物の化石のことです。地層の年代や昔の環境を考える材料になります。)
たとえば、森部―荒城川地域で見つかった のペルム紀 ( 古生代の終わりごろの時代で、約2億9900万年前から約2億5200万年前ごろです。今回の議論に関わる重要な時代です。) の化石は、北中国や中央アジアに近い場所の生き物と関係があると考えられてきました。一方で、福地地域で見つかったペルム紀の腕足類 ( 二枚の殻をもつ海の生き物で、見た目は貝に似ますが別のグループです。古生代に多く、化石が多いので地層の比較に役立ちます。) は、南中国に近い海の生き物に似ていると考えられてきました。フズリナ類 ( 米粒のような形をした微小な化石(有孔虫の仲間)で、石灰岩などからよく見つかります。地層の年代を推定するのに役立つことがあります。)
著者たちは、こうした議論を進めるには、化石を「正確に同定し、形をきちんと記録すること」が土台として必要だと考えました。荒城川層からは以前にKaravankinaとChoristitesという腕足類が報告されていましたが、形の説明が不足していました。そこで本研究では、過去に報告された2つの標本を、外側と内側の形まで詳しく観察して、記録し直すことを目的にしました。
- 主要な発見:
-
Karavankina sp.(標本NU–B48)は、
の殻のうち腕足類 ( 二枚の殻をもつ海の生き物で、見た目は貝に似ますが別のグループです。古生代に多く、化石が多いので地層の比較に役立ちます。) が1枚だけ残っていました。形は横に広い丸〜四角に近い形で、表面には腹殻 ( 腕足類の殻のうち、上下の一方(一般に大きめの側)を指します。今回の標本は腹殻だけが残っているものが中心です。) や、前の方には房のように目立つしわがあり、たくさんの同心円状の帯 ( 殻の中心から外側へ広がる輪のような模様です。種類によって発達の仕方が違い、比較に使えます。) が付いていました。棘には大きいものと小さいものがあり、小さい棘が大きい棘の間に規則的に並ぶ特徴が見られました。こうした特徴はKaravankinaに合うため属としてはKaravankinaと判断できましたが、腹殻1枚だけでは種まで決めるのは無理だと結論づけました。棘 ( 殻の表面に生えるとげ状の構造です。大きさや並び方が属や亜科の特徴になることがあります。)
Choristites sp.(標本NU–B301)は、腹殻の「内側の型」が残っていて、外側の模様などは分かりにくい状態でした。ただし、 が強く巻き込む形や、内部に細長い板状の構造(嘴部 ( 殻の後ろ側にある突き出した部分です。曲がり方や大きさが分類の手がかりになります。) など)が見られ、筋肉が付いていた跡も確認できました。これらの組合せはChoristitesの特徴と合うため、属としてはChoristitesに入ると判断しました。しかし、標本の保存が不十分で、種までの同定はできませんでした。adminicula ( 腹殻の内側にある細長い板状の構造で、歯板から前方へ伸びます。Choristitesを見分ける重要な特徴の一つです。)
また、KaravankinaとChoristitesはどちらも見つかる時代の幅が広いこと、周辺の情報(別の化石や年代測定)にも不確かさがあることから、この2つの化石だけで年代を細かく決めるのは難しいと述べています。
- 方法論:
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この研究は、すでに採集されて大学に保管されていた
化石2点を、改めて詳しく調べ直すものです。対象はKaravankina sp.の腕足類 ( 二枚の殻をもつ海の生き物で、見た目は貝に似ますが別のグループです。古生代に多く、化石が多いので地層の比較に役立ちます。) 1点と、Choristites sp.の腹殻腹殻 ( 腕足類の殻のうち、上下の一方(一般に大きめの側)を指します。今回の標本は腹殻だけが残っているものが中心です。) 1点だけです。内型 ( 殻そのものではなく、殻の内側にできた「型」が石として残ったものです。殻が失われても内部の形を読み取れることがあります。)
著者たちは、殻の輪郭、 の形、表面の模様、嘴部 ( 殻の後ろ側にある突き出した部分です。曲がり方や大きさが分類の手がかりになります。) の大きさや並び方などを細かく観察し、数値(幅や間隔など)も測って記録しました。さらに、殻の内側に残った構造(棘 ( 殻の表面に生えるとげ状の構造です。大きさや並び方が属や亜科の特徴になることがあります。) や筋肉の跡など)も観察し、現生の腕足類の体のつくりと比べながら、どの部分が筋肉の跡なのかを解釈しました。歯板 ( 殻をかみ合わせる部分を支える板状の構造です。属によって形が違い、分類の決め手になることがあります。)
分類は、観察できた特徴の組合せを、すでに知られている属や亜科の特徴と比べて行いました。年代については、近くで報告された別の化石や、 中のジルコン年代などを参考にしつつも、不確実な点をはっきり示して慎重に扱っています。凝灰岩 ( 火山灰が固まってできた岩石です。年代測定に使える鉱物を含むことがあり、地層の年代を考える助けになります。)
- 結論と意義:
-
この研究の一番大きな成果は、荒城川層で昔から報告されていた2つの
化石について、形の情報を詳しく記録し直し、「属レベルではより確かに」KaravankinaとChoristitesに分類できるようにした点です。同時に、なぜ今の資料では「種レベルの同定ができないのか」も明確にしました。腕足類 ( 二枚の殻をもつ海の生き物で、見た目は貝に似ますが別のグループです。古生代に多く、化石が多いので地層の比較に役立ちます。)
これは重要です。なぜなら、 が昔どこにあったのかという議論は化石に頼ることが多いのに、これまでの報告は形の説明が足りず、信頼性を評価しにくかったからです。飛騨外縁帯 ( 中部日本にある地質帯の名前で、古生代の地層や化石が見られます。いくつかの「別々の成り立ちの地塊」が集まってできた可能性があり、昔どこにあったのかを考える手がかりになります。)
ただし、この2属は出現する時代の幅が長く、産出した層準の情報にも不確実さがあるため、今回の化石だけで年代をきっぱり決めたり、大きな古地理の論争を解決したりすることはできない、という限界も示しています。
- 今後の展望:
-
よりはっきりした結論を出すには、追加の化石と、「どの地層のどの位置から出たのか」をもっと確実に対応づける調査が必要です。特に、種まで同定するには、保存状態が良く、
と背殻の両方がそろい、外側と内側の特徴が分かる標本が求められます。腹殻 ( 腕足類の殻のうち、上下の一方(一般に大きめの側)を指します。今回の標本は腹殻だけが残っているものが中心です。)
また、 のような年代測定は重要な手がかりになりますが、年代を測った層が近いからといって、化石を含む層の年代が自動的に確定するわけではない点にも注意が必要だとしています。今後は、厳密な分類、地層の位置情報、別グループの化石との比較を組み合わせて、ジルコンU–Pb年代 ( 鉱物ジルコンに含まれるウランと鉛の割合から岩石ができた年代を推定する方法です。化石とは別の手段で年代の手がかりを与えます。) の昔の姿をより総合的に議論していくことが大切だとまとめています。飛騨外縁帯 ( 中部日本にある地質帯の名前で、古生代の地層や化石が見られます。いくつかの「別々の成り立ちの地塊」が集まってできた可能性があり、昔どこにあったのかを考える手がかりになります。)
- 何のために?:
-
この研究は、日本の中部を調べました。
場所は、「 」という所です。飛騨 外縁 帯 ( 日本の中部にある、とても古い岩石や地層 が集まった地域 の名前です:研究でどこを調べたのかを示 す大事な地名で:ここが昔どこにあったかを考える手がかりになります)
とても昔の をくわしく見ました。地層 ( 長い時間をかけて土や砂 などが積 み重なってできた層状 の地面や岩のことです:化石がどのくらい昔のものかや当時の環境 を考える基本 になります)
その地層 から、貝がらの が出ます。化石 ( 昔の生き物の体やあとが石の中に残 ったものです:昔の海や陸 の様子や生き物の分布 を調べる証拠 になります)
でも、その地層 が昔どこにあったか、
まだはっきりしていません。
ある場所の化石は、北中国に近い、
生き物とにていると言われました。
べつの場所の化石は、南中国に近い、
海の生き物ににていると言われました。
筆者たちは、まず化石の形を、
正しくたしかめるのが大事だと考えました。
前に見つかった化石は、
形の説明 が足りませんでした。
そこで、2つの化石をよく見て、
外と内の形を記録 し直しました。
- 何が分かったの?:
-
1つ目は、
というKaravankina ( 化石の形の特徴 で分けた生き物の仲間 の名前です:名前が分かると他の地域 や時代の記録 と比 べられて昔の場所の推定 に役立ちます) 仲間 です。
おなか側 の殻 が、1まいだけ残 りました。
形は、横に広い丸や四角っぽい形です。
表には、わっかのようなしまが見えます。
前の方には、目立つしわもあります。
それに、たくさんのとげがありました。
大きいとげと、小さいとげがあり、
小さいとげが間にそろっていました。
だから、Karavankinaだと考えられます。
でも、殻 が1まいだけなので、
くわしい名前までは決められません。
2つ目は、 というChoristites ( 化石の形の特徴 で分けた生き物の仲間 の名前です:同じ仲間 がどこで見つかるかが分かると地層 の比較 に使えます) 仲間 です。
これは、殻 の内がわの型 が残 りました。
外のもようは、分かりにくい状態 です。
口の近くが、くるっと巻 く形でした。
内がわに、細長い板のような形もあります。
さらに、筋肉 がついたあとも見えました。
これらは、Choristitesの特徴 に合います。
でも、こわれている所が多く、
くわしい名前までは決められません。
また、この2つの仲間 は、
見つかる時代のはばが広いです。
そのため、この2つだけで、
の地層 ( 長い時間をかけて土や砂 などが積 み重なってできた層状 の地面や岩のことです:化石がどのくらい昔のものかや当時の環境 を考える基本 になります) を細かく決めにくいです。年代 ( 地層 や化石ができた時代や古さのことです:いつの出来事かをそろえて比 べるために必要 です)
- どうやったの?:
-
この研究は、大学に
保管 されていた、
2つの を調べ直しました。化石 ( 昔の生き物の体やあとが石の中に残 ったものです:昔の海や陸 の様子や生き物の分布 を調べる証拠 になります)
調べたのは、殻 が2点だけです。
筆者たちは、形やもよう、とげを、
ていねいに観察 しました。
幅 や間かくなども、数で測 りました。
殻 の内がわの形も見ました。
歯のような部分や、筋肉 のあとです。
今の の体のつくりとも腕足類 ( 貝に似 た殻 をもつ海の生き物のグループ名です:体のつくりを手がかりに化石のどの部分が何かを判断 しやすくなります) 比 べて、
どこが筋肉 のあとか考えました。
は、見えた分類 ( 見た目の特徴 を比 べて生き物を仲間 分けし名前を決めることです:間違 った分類 だと昔の場所や年代の推定 もずれてしまうため重要 です) 特徴 を、
知られている仲間 の特徴 と比 べました。
は、近くの化石や、年代 ( 地層 や化石ができた時代や古さのことです:いつの出来事かをそろえて比 べるために必要 です) の石の、火山灰 ( 火山の噴火 で出た細かい灰 が積 もってできた層 のことです:同じ火山灰 層 を見つけると地層 の時代を比 べる手がかりになります)
年れいの測 り方も参考 にしました。
ただし、分からない所は、
分からないとしっかり書きました。
- 研究のまとめ:
-
いちばんの
成果 は、2つの の形を、化石 ( 昔の生き物の体やあとが石の中に残 ったものです:昔の海や陸 の様子や生き物の分布 を調べる証拠 になります)
くわしく記録 し直したことです。
そして、仲間 の名前なら、
前よりたしかに言えるようにしました。
同時に、なぜ種 の名前まで、
決められないかもはっきりしました。
これは大事です。
昔どこにあったかの話は、
化石が手がかりになるからです。
でも前の報告 は、形の説明 が少なく、
信 じてよいか決めにくかったのです。
ただし、この化石だけでは、
をきっぱり決められません。年代 ( 地層 や化石ができた時代や古さのことです:いつの出来事かをそろえて比 べるために必要 です)
大きななぞも、すぐには解 けません。
その限界 も、はっきり示 しました。
- これからどうする?:
-
もっとはっきりさせるには、
さらに を集める化石 ( 昔の生き物の体やあとが石の中に残 ったものです:昔の海や陸 の様子や生き物の分布 を調べる証拠 になります) 必要 があります。
そして、どの のどの場所から出たかを、地層 ( 長い時間をかけて土や砂 などが積 み重なってできた層状 の地面や岩のことです:化石がどのくらい昔のものかや当時の環境 を考える基本 になります)
もっと正しくたしかめる必要 があります。
種 の名前まで決めるには、
こわれていない がほしいです。標本 ( 研究のために集めて保存 した化石などの実物です:他の人が確 かめたり追加 で調べたりできる根拠 になります)
おなか側 と背中 側 の殻 がそろい、
外と内の特徴 が分かるものです。
石の年れいを測 る方法 も大事です。
でも、近くの地層 を測 っただけで、
化石の地層 の年れいが、
自動で決まるわけではありません。
これからは、正しい と場所の分類 ( 見た目の特徴 を比 べて生き物を仲間 分けし名前を決めることです:間違 った分類 だと昔の場所や年代の推定 もずれてしまうため重要 です) 情報 、
ほかの化石との比 べ方を合わせて、
昔の を考えることが大切です。飛騨 外縁 帯 ( 日本の中部にある、とても古い岩石や地層 が集まった地域 の名前です:研究でどこを調べたのかを示 す大事な地名で:ここが昔どこにあったかを考える手がかりになります)
- 著者名:
- Suzuki Keisuke, Shiino Yuta
- 掲載誌名:
- Science reports of Niigata University. (Geology)
- 巻:
- 35
- ページ:
- 1 - 11
- 発行日:
- 2020-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000003
