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自然科学系 農学部 #紀要論文

進化戦略と数値積分を利用した微分モデルパラメータの最適化

AI解説:
自然科学の分野では、システムの現象を記述するために微分方程式(微分モデル)が多用されます。しかし、微分モデルの解を直接得ることは難しく、現象データに対するモデルの適合が困難です。これを解決するために、数値積分を用いた進化戦略アルゴリズムを導入し、微分モデルのパラメータを最適化する手法を提案しました。この手法は、動物の成長や泌乳期の乳量データに適用し、その有効性を検証することを目的としています。
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著者名:
板野 志郎, 坂上 清一, 小野 ほのか, 亀山 亜美, 大和田 章生, 長谷川 賢治, 田中 繁史, 山城 秀昭, 吉田 智佳子
掲載誌名:
新潟大学農学部研究報告
巻:
73
ページ:
13 - 19
発行日:
2021-02
著者による要約:
自然科学で対象とされるシステムの現象は、微分方程式(微分モデル)で記述されることが多い。しかしながら、微分モデルの解である方程式は得られないことが多く、現象データにモデルを当てはめることを困難にしている。本研究では、進化戦略のアルゴリズムを適用して微分モデルの数値積分を繰り返すことにより、微分モデルを最適化する手法を提示した。工程として、微分モデルのパラメータを正規分布上で変異させて数値積分し、現象データにより適応したパラメータを選択する。この変異と選択の1回の処理を1世代とし、任意の世代数で処理を繰り返すことにより適切なパラメータを探索する。本手法を評価するため、牛の成長と泌乳期乳量のデータにそれぞれGompertzモデルとWoodモデルを当てはめた。両モデルを微分した方程式に本推定法で当てはめた結果と、両モデルに直接Gauss–Newton法で当てはめた結果を比較した。結果として、本推定法を3万世代実施することにより、両モデルともに、Gauss–Newton法で当てはめたものと同程度の精度でほぼ同じパラメータ値を示した。これらのことは、本推定法が微分モデルのパラメータ推定に有効であることを示唆している。ただし、本推定法の精度は世代数とパラメータ変異に利用する正規分布の変動幅に影響を受けることに留意する。
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