特集にあたって (プロジェクト特集号 : 〈声〉とテクスト論)

背景と目的：

新潟大学コアステーション「〈声〉とテクスト論教育研究センター」は、声に関する国際的かつ学際的な研究を促進するために設立されました。このセンターは、様々な分野からなる18名の研究者によって構成されています。2020年度には、センター主催・共催の展覧会や研究会を通じて、声とテクストに関する様々な活動を展開しました。これにより、地域の文化や芸術を広めるとともに、学問的な交流を深めることを目的としています。

主要な発見：

新潟大学コアステーションでは、様々な研究活動を通じて、地域の詩人や芸術家の作品に新たな視点を提供しました。例えば、「おと・ことば・いろ・かたち」展では、新潟を拠点に活動する作家たちの作品と新潟の詩人たちの詩を展示することで、視覚芸術と文学の新しい融合を試みました。また、浅井十三郎の詩とその軌跡に関する研究会では、彼の詩誌が戦後日本の現代詩に与えた影響を再評価しました。このように、地域文化と国際的な文学ネットワークの重要性を再確認する成果が得られました。

方法論：

センターの研究活動は、展覧会や研究会を通じて行われました。「おと・ことば・いろ・かたち」展では、新型コロナウイルスの感染対策として観客を招待制とし、密集を避ける形で展示を行いました。また、詩の朗読パフォーマンスや身体表現を事前に撮影し、DVDとして上映することで安全に芸術を楽しむ工夫がなされました。研究会では、基調報告や研究報告を通じて、詩人や学者が意見交換を行い、浅井十三郎の再評価に努めました。

結論と意義：

これらの活動を通じて、新潟大学コアステーションは、地域文化の振興と国際的な学術交流の促進に寄与しました。特に、新潟の詩人や作家たちの作品を通じて、地域の文学と芸術が持つ多様な表現を紹介することができました。また、浅井十三郎の詩誌が持つ歴史的意義を再評価することで、戦後日本の詩の発展における国際的なつながりの重要性を明らかにしました。これにより、地域文化と学問の融合が進み、新たな視点からの研究が促進されました。

今後の展望：

今後、新潟大学コアステーションはさらに多様な研究活動を展開し、地域と国際の双方での交流を深めていくことが期待されます。大井数雄氏の寄贈書籍や人形劇のポスターの整理・公開を進めることで、旧ソ連・東欧諸国の文化研究がさらに発展するでしょう。また、浅井十三郎を初めとする地域の詩人の再評価を進め、彼らの作品が現代にどのように影響を与えるかを探求することが求められます。これにより、地域文化の独自性と国際的な文学ネットワークの重要性を再確認し、さらなる学術的発展を目指します。