論文詳細
教育学部
#紀要論文
教職生活を通して得る教員の学びの分析
- AI解説:
- 本研究は、教職経験による教員の授業観や学習観の変容を明らかにしようとするもので、教職経験の積み重ねが教員の考え方や価値観にどのような影響を与えるかを探求することを目的としています。従来の研究では、教育実習生と熟練教師の授業や学習状況の違いに注目したものが多く、熟練教師のほうが児童生徒との対話や発言の促進に積極的であることが示されています。本研究では、教員養成学部の卒業生を対象に質問紙調査を行い、教員としての取り組みや教職経験を通じて得られる喜びや困難を整理し、教職経験年数の長短による違いや共通性を確認することを目指しています。
AI解説を見る
教育学部
#紀要論文
教職生活を通して得る教員の学びの分析
AI解説
- 背景と目的:
-
本研究は、教職経験による教員の授業観や学習観の変容を明らかにしようとするもので、教職経験の積み重ねが教員の考え方や価値観にどのような影響を与えるかを探求することを目的としています。従来の研究では、教育実習生と熟練教師の授業や学習状況の違いに注目したものが多く、熟練教師のほうが児童生徒との対話や発言の促進に積極的であることが示されています。本研究では、教員養成学部の卒業生を対象に質問紙調査を行い、教員としての取り組みや教職経験を通じて得られる喜びや困難を整理し、教職経験年数の長短による違いや共通性を確認することを目指しています。
- 主要な発見:
-
調査結果から、教員の教職経験の長短により、大切にしていることや学びの内容に違いが見られることがわかりました。経験年数の浅い教員は、自身の授業力向上や基盤的な教職スキルに対する不安を抱えている一方、経験年数が増すにつれて、子供の多様性理解や個別対応の重要性を学び、子供の成長を支える授業づくりに重点を置くようになることが確認されました。また、教職生活を通じて感じる喜びや楽しさについても、教員自身の楽しさから子供の成長や満足感を感じる喜びへの変化が見られました。
- 方法論:
-
本研究では、教育学部家庭科教育専修を卒業した62人を対象に質問紙調査を実施しました。調査項目は、「基本情報」「職務に対する意識」「教職に対する充実感や課題」「やりがいや課題、仕事を続ける上での要望や期待」の4つの内容で構成され、自由記述も含まれています。質問紙は2020年4月に郵送され、8月末までの回答を対象としました。回答データは統計処理し、自由記述はKH-coderを用いてテキスト分析を行いました。
- 結論と意義:
-
本研究の結果、教職経験の長短に関係なく、教員が子供を大切に考えていることが確認されました。教職経験を重ねる中で、授業づくりの中心が自分自身のスキル向上から子供の成長支援に移行していく様子が明らかになりました。また、教職生活を通じて感じる喜びや楽しさの内容が変化し、子供の成長に対する嬉しさや教師としての学びを深めていることが確認されました。この結果は、教員養成のあり方や教職経験を積む中での支援の重要性を示しています。
- 今後の展望:
-
今後は、今回の調査結果をもとに、教職経験を通じて得られる学びや課題についてのさらなる分析を進めるとともに、教職生活の中で直面する困難や課題についても深掘りして報告する予定です。また、教職経験年数の長短による違いだけでなく、男女の教員が感じる職業と家庭の両立に関する課題についても考察を進め、ジェンダー・バイアスやライフイベントの影響についても検討していく必要があります。さらに、前回調査との比較を通じて、長期的な教職経験の積み重ねがどのように影響を与えるかについても深めていく予定です。
- 背景と目的:
-
この研究は、学校の先生が経験を積むことで授業や生徒に対する考え方がどう変わるかを調べることを目的としています。前の研究では、教育実習生とベテランの教師の違いを主に調べていましたが、この研究では
が長いか短いかという違いに注目して、先生たちがどんなふうに授業を進めたり生徒との関わり方を変えているのかを探ります。教育学部を卒業した先生たちにアンケートを行い、教職に対する考え方や、喜びや困難を整理して、教職経験の年数による違いや共通点を見つけるのが目的です。教職経験 ( 先生が学校で教える仕事を続けている期間のことです。経験を積むほど、生徒との関わり方や授業の進め方が変わってくることが多いです。)
- 主要な発見:
-
アンケートの結果、教職の経験年数が短い先生は、自分の授業スキルに対する不安を持っていることがわかりました。しかし、経験を積むにつれて、生徒の多様性や個別対応の重要性を学び、生徒の成長を支える授業作りに重きを置くようになります。また、教職生活を通じて感じる喜びも変わり、先生自身の楽しみから、生徒の成長や満足感に喜びを感じるようになることがわかりました。
- 方法論:
-
この研究では、教育学部家庭科教育専攻を卒業した62人にアンケートを送りました。アンケートの内容は、「基本情報」「職務に対する意識」「教職に対する充実感や課題」「仕事を続ける上での要望や期待」の4つの項目で構成されています。アンケートは2020年4月に送られ、8月末までに返送されたものが対象とされました。回答データは
し、自由記述は統計処理 ( アンケートや調査のデータを数学的に分析することで、共通の傾向や特徴を見つける方法です。) を行いました。テキスト分析 ( 自由記述などの文章データを整理して、どんなことが書かれているかを詳しく調べる方法です。)
- 結論と意義:
-
この研究から、
が長くても短くても、先生たちは生徒を大切に考えていることが確認されました。経験を重ねる中で、授業作りの中心が自分自身のスキル向上から、生徒の成長支援に移っていくことがわかりました。また、教職生活を通じて感じる喜びが、生徒の成長や教師としての学びに変わっていくことが確認されました。この結果は、教師の育成方法や教職経験を積む中での支援の重要性を示しています。教職経験 ( 先生が学校で教える仕事を続けている期間のことです。経験を積むほど、生徒との関わり方や授業の進め方が変わってくることが多いです。)
- 今後の展望:
-
今後は、今回の調査結果をもとに、
を通じて得られる学びや課題についてさらに分析を進めていきます。また、男女の先生が感じる職業と家庭の両立に関する課題についても考察し、ジェンダー・バイアスやライフイベントの影響についても検討していく必要があります。さらに、前回の調査とも比較して、長期的な教職経験がどのように影響を与えるかについて深めていく予定です。教職経験 ( 先生が学校で教える仕事を続けている期間のことです。経験を積むほど、生徒との関わり方や授業の進め方が変わってくることが多いです。)
- 何のために?:
-
この研究では、先生が教える
経験 が増 えると、授業 や生徒 への考え方がどう変 わるかを調べます。前の研究では、教育実習生(新しい先生)とベテランの先生の違 いを見ました。今回は、教える年数がどれくらいかで見ます。
- 何が分かったの?:
-
アンケートの
結果 、教える経験 が少ない先生は、授業 に不安 を感じています。でも、経験 を積 むと、個々 の生徒 に対応 することが大事だとわかります。また、先生の喜 びも変 わります。自分の楽しみから、生徒 の成長 を見る喜 びに変 わります。
- どうやったの?:
-
この研究では、教育学部を
卒業 した62人にアンケートを送りました。アンケートは「基本 情報 」「仕事への意識 」「授業 の満足感 や課題 」「仕事を続 ける上での希望 」の4つの項目 があります。アンケートは2020年4月に送り、8月末 までに返送されたものを使いました。結果 は統計 で整理し、自由記述 はテキストで分析 しました。
- 研究のまとめ:
-
この研究から、
経験 が長くても短くても、先生たちは生徒 を大事にしていることがわかりました。経験 を積 むと、授業 の中心が自分のスキルから、生徒 の成長 支援 に移 ります。また、先生の喜 びも生徒 の成長 や学びに変 わります。この結果 は、先生の育成 方法 や支援 の重要性 を示 しています。
- これからどうする?:
-
今後は、今回の
結果 をもとに、教える経験 で得 られる学びや課題 をもっと調べます。また、男女の先生が仕事と家の両立についてどう感じるかを考えます。 (男女のジェンダー・バイアス ( 男の人と女の人で不公平 な扱 いをすること) 不公平 )や (人生の出来事)のライフイベント ( 人生で起こる大事な出来事(結婚 や出産 など)) 影響 も見ます。前の調査 とも比 べて、長い教える経験 がどう影響 するかも調べます。
- 著者名:
- 高木 幸子
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編
- 巻:
- 14
- 号:
- 1
- ページ:
- 101 - 114
- 発行日:
- 2021-10
- 著者による要約:
- 教員となった後の喜びややりがい,起こりうる課題やそれらへの対応を視野に入れて,教員養成段階の教育課程を考えることができれば,教員になった後の教職生活をより充実したものにすることができる。本研究は,教員養成課程を経て教員となった後の経験によって,どのような教師の喜びや課題意識が生まれるのか,また,教職経験により何を学んだと感じているのかを明らかにすることを目的とする。そのために,2004~2019年に教員養成学部を卒業した62人を対象に質問紙調査を行い,卒業後の年数や分析対象者の条件をそろえた33人を分析対象者として回答データをテキスト分析した。その結果,教職経験の長短に関係なく,学びの中心に子供の存在があり,教師自身が教職に必要な事柄を身に付けることへの注力から,子供の多様さの理解や個別の対応へと具体的な取り組みへの広がりなどが確認された。今後は,他の調査項目についても分析を進め,本研究の考察を深めていきたい。
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000164
一覧へ戻る
検索ページトップへ戻る