論文詳細

人文社会科学系 法学部 #紀要論文

20世紀60年代における米中関係の再検討

AI解説:
本稿の目的は、1960年代初期から1970年代初期にかけての米中関係の変遷を分析し、二国間関係の推移における鍵となる特徴を明らかにすることである。特に、1969年に米中が和解に動き始めた事実と、その原因について新たに発見された歴史的資料を活用し、米中間の地政学的な対立の推移と衰退、そして全世界的な闘争の激化などを考察することを目的としている。
AI解説を見る
著者名:
牛 軍, 真水 康樹, 諸橋 邦彦
掲載誌名:
法政理論
巻:
54
号:
2
ページ:
78 - 108
発行日:
2021-12
著者による要約:
20世紀60年代の米中関係は、当初日増しに全面的な対立を深めていたが、最終的には極めて劇的な和解へと向かうことになった。この過程において、米中の地政学的な対立は60年代初めから衰退しはじめるものの、系統だった対立は却って激化し、米中間の敵意をむしろ強めることになった。この状況下での米中の政策決定層は、それぞれ別の理由から、二国間関係を解決しようとしなかったのである。特に緊張緩和を目指すことについては、米中のいずれも、これを重要な政策決定のスケジュールに位置づけようとはしなかった。1969年の半ばになると、国内外の情勢や国家安全保障戦略に対する考慮にもとづいて、両国指導者は二国間関係の膠着状態打開する決定を同時期におこなうことになった。こうしてようやく、米中和解があの歴史的瞬間において可能となったのである。米中関係の歴史には影響の大きな偶然性があるということを証明する事例を、この研究は提供してくれている。この点を理解することは、米中関係を管理するに際し参考とする価値が大いにあるのである。
新潟大学学術リポジトリリンク: