論文詳細

人文社会科学系 人文学部 #紀要論文

Referring to the Face : Dostoevsky’s The Idiot in the History of Physiognomy

AI解説:
本論文は、フョードル・ドストエフスキーの『白痴』は、人間の顔の意味をめぐる持続的な探究として読むことができると主張する。というのも、この小説では、顔に対する強い注視と、顔つきにもとづく素早く重大な判断が繰り返し描かれるからである。論文は典型的な場面から出発する。ムイシュキン公爵がナスターシャ・フィリッポヴナの写真の肖像を初めて見たとき、彼は顔のごく細かな部分から、苦しみ・誇り、そして決定的な「優しさの可能性」を自信をもって推し量る。著者はこの瞬間を、指示(referential)の点でも(ムイシュキンが目の下のどこを正確に指しているのかが不明確である)、語用(pragmatic)の点でも(彼の率直さが社会的に不適切に見える)不可解なものとして扱う。主として宗教的・図像学的に読む立場(例:Kasatkinaの提案)を採らず、本論文の目的は、小説における「顔についての語り」を、顔を解釈する言説・実践としてのphysiognomy(観相学)の歴史の中に位置づけ、顔の徴候が読み取れる(legible)とみなされる度合いに関する歴史的転換を、小説がどのように捉えているかを明らかにすることである。
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著者名:
番場 俊
掲載誌名:
新潟大学言語文化研究
巻:
24
ページ:
1 - 5
発行日:
2022-01
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