論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
糖尿病患者の透析導入期におけるswept-source 光干渉断層計を用いた脈絡膜構造評価
- AI解説:
- 糖尿病網膜症(diabetic retinopathy: DR)は、従来、網膜血管の異常と結び付けて理解されてきたが、こうした異常は、外網膜に酸素と栄養を供給し、血管のない黄斑(avascular macula)に対する唯一の血液供給源でもある脈絡膜(choroid)にも及ぶ可能性がある。糖尿病における脈絡膜血管障害(diabetic choroidopathy)は、明らかな網膜血管病変があるかどうかにかかわらず、原因が説明しにくい視力低下に寄与しうる要因として提唱されている。末期腎不全(end-stage kidney disease: ESKD)では、体液貯留と、それに対する血液透析(hemodialysis)による補正が、全身の体液量、血圧、浸透圧に関わる力を変化させ得る。先行研究では、こうした変化が脈絡膜厚など複数の眼科パラメータに影響しうることが示されているが、これまでの研究は主として維持透析中の患者に焦点が当てられており、血液透析の*導入*直後の時期に脈絡膜がどのように変化するかについての証拠は不足していた。さらに、脈絡膜は血管(luminal)成分と間質(stromal)成分からなり、血管層も複数に分かれるため、総脈絡膜厚だけでは構造変化を十分に捉えられない可能性がある。そこで本研究は、swept-source optical coherence tomography(SS-OCT)、脈絡膜層の描出(layer delineation)、画像の二値化(image binarization)を用いて、初回血液透析前と導入2週間後の脈絡膜構造変化を定量化し、糖尿病あり(DM)と糖尿病なし(NDM)のESKD患者でそのパターンを比較することを目的とした。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
糖尿病患者の透析導入期におけるswept-source 光干渉断層計を用いた脈絡膜構造評価
AI解説
- 背景と目的:
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糖尿病網膜症(diabetic retinopathy: DR)は、従来、網膜血管の異常と結び付けて理解されてきたが、こうした異常は、外網膜に酸素と栄養を供給し、血管のない黄斑(avascular macula)に対する唯一の血液供給源でもある脈絡膜(choroid)にも及ぶ可能性がある。糖尿病における脈絡膜血管障害(diabetic choroidopathy)は、明らかな網膜血管病変があるかどうかにかかわらず、原因が説明しにくい視力低下に寄与しうる要因として提唱されている。末期腎不全(end-stage kidney disease: ESKD)では、体液貯留と、それに対する血液透析(hemodialysis)による補正が、全身の体液量、血圧、浸透圧に関わる力を変化させ得る。先行研究では、こうした変化が脈絡膜厚など複数の眼科パラメータに影響しうることが示されているが、これまでの研究は主として維持透析中の患者に焦点が当てられており、血液透析の*導入*直後の時期に脈絡膜がどのように変化するかについての証拠は不足していた。さらに、脈絡膜は血管(luminal)成分と間質(stromal)成分からなり、血管層も複数に分かれるため、総脈絡膜厚だけでは構造変化を十分に捉えられない可能性がある。そこで本研究は、swept-source optical coherence tomography(SS-OCT)、脈絡膜層の描出(layer delineation)、画像の二値化(image binarization)を用いて、初回血液透析前と導入2週間後の脈絡膜構造変化を定量化し、糖尿病あり(DM)と糖尿病なし(NDM)のESKD患者でそのパターンを比較することを目的とした。
- 主要な発見:
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全身所見として、約2週間の血液透析導入により、両群で体重が減少し、平均血圧もDM(102.9 ± 12.9 mmHgから94.1 ± 12.4 mmHgへ;p = 0.004)、NDM(106.8 ± 13.9 mmHgから94.5 ± 7.3 mmHgへ;p = 0.003)で低下した。血清浸透圧(serum osmolarity)もDM(307.4 ± 7.5 mOsm/Lから299.4 ± 7.7 mOsm/Lへ;p = 0.024)、NDM(314.6 ± 7.6 mOsm/Lから302.3 ± 5.9 mOsm/Lへ;p = 0.006)で低下した。血漿膠質浸透圧(plasma colloid osmotic pressure)はDMで上昇した(19.9 ± 3.0 mmHgから21.4 ± 2.8 mmHgへ;p = 0.03)。眼科所見として、眼圧はDMで低下した(12.0 ± 3.0 mmHgから11.2 ± 2.7 mmHgへ;p = 0.003)。眼灌流圧(ocular perfusion pressure)はNDMで低下した(61.2 ± 7.9 mmHgから51.7 ± 4.8 mmHgへ;p = 0.001)が、DMでは低下しなかった。中心黄斑厚(central macular thickness)は両群で低下した(DM: 277 ± 51.7 μmから255 ± 17 μmへ;NDM: 276 ± 49 μmから255 ± 20 μmへ)が、群間差は有意ではなかった。
脈絡膜の測定では、血液透析導入後に一貫した減少が示された。中心窩下脈絡膜厚(subfoveal choroidal thickness: SCT)はDM(301.7 ± 70.3 μmから261.6 ± 77.3 μmへ)とNDM(281.8 ± 57.1 μmから259.8 ± 68.3 μmへ)で低下した。脈絡膜大血管層厚(large choroidal vessel layer thickness: LCVLT)もDM(256.8 ± 66.6 μmから217.7 ± 72.6 μmへ)およびNDM(238.8 ± 56.4 μmから216.7 ± 66.0 μmへ)で低下した。一方、脈絡膜毛細血管板〜中血管層厚(choriocapillaris–medium choroidal vessel layer thickness: CC + MCVLT)には有意な群間差はみられなかった。二値化に基づく指標では、中心窩下脈絡膜総面積(total subfoveal choroidal area: SCA)と血管腔面積(luminal area: LA)が両群で減少したのに対し、間質面積(stromal area: SA)は有意な変化を示さなかった。重要な点として、変化率はNDMよりDMで大きかった:SCT −13.3% ± 2.5% vs −9.5% ± 3.1%;LCVLT −14.5% ± 5.2% vs −9.2% ± 3.4%;SCA −21.9% ± 6.5% vs −17.2% ± 5.9%;LA −27.7% ± 8.7% vs −17.7% ± 5.8%。これらは群間差が有意であり、DM群でより大きな減少が示された。
- 方法論:
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本研究は多施設の横断研究であり、Niigata City General HospitalおよびUonuma Kikan Hospitalに、血液透析導入のため入院したESKD患者31名(2016年9月〜2017年10月)を登録した。倫理審査委員会の承認と書面による同意を得た。適格基準は、矯正視力(best-corrected visual acuity)> 20/200、眼軸長(axial length: AL)22.1–25.9 mmとし、画像化や測定に影響しうる眼疾患(例:網膜静脈閉塞、緑内障、加齢黄斑変性(AMD)、ぶどう膜炎)や、3か月以内の眼科手術および/または網膜レーザー治療を除外した。患者は糖尿病性腎症(DM;16名)と非糖尿病性腎症(NDM;15名)に分類し、NDMの原因には高血圧性腎硬化症、IgA腎症、多発性骨髄腫、その他(非DMの原因不明)が含まれた。DM群のDR重症度はETDRS基準(no DR、NPDR、PDR)で病期分類し、PDR眼はいずれも汎網膜光凝固(pan-retinal photocoagulation)を完了していた。
血液透析は約2週間の入院中に週3〜4回(およそ6回)実施した。測定は初回透析前(“before initiation”)と、退院前の最終透析セッション前(“after initiation”)に行い、日内変動の影響を減らすため、その日の最初の透析セッション(午前9時〜午後1時)に焦点を当てた。SS-OCT撮影は、常にやや暗くした室内で実施した。全身変数(血圧、心拍数、体重、血清浸透圧、タンパク、腎機能マーカー、電解質、ならびに(5.5 × albumin)+(1.4 × globulin)として算出した血漿膠質浸透圧)は透析前15分に測定した。眼科検査は透析前30分に行い、Goldmann圧平眼圧計による眼圧、前房深度(anterior chamber depth: ACD)とAL(機器は施設により異なる)、SS-OCT(DRI OCT Triton)による黄斑ボリュームスキャン(12 mm × 9 mm)を含めた。SCTと中心黄斑厚は、ETDRS内円(半径1 mm)を用いた自動解析ソフトウェアで取得し、follow-up機能により同一部位を再スキャンした。
脈絡膜層解析は中心窩を通る水平・垂直スキャンで手動実施し、100 μmのカットオフで大血管を定義してLCVLTを算出し、CC + MCVLTを(SCT − LCVLT)として求めた。脈絡膜の二値化はImageJを用い、網膜色素上皮から強膜までを含む幅7.5 mmの領域に対してNiblackの局所閾値(local threshold)を適用した。暗い画素と明るい画素からLAとSAを算出し、水平断と垂直断の平均値を用いた。統計解析は、群内比較にWilcoxon符号付順位検定、群間比較にMann–WhitneyのU検定、(脈絡膜厚/面積に対して)generalized linear mixed modelsを用い、有意水準はp < 0.05とした。
- 結論と意義:
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血液透析導入後およそ2週間にわたり、ESKD患者では脈絡膜厚および脈絡膜血管関連指標が低下し、これらの低下は糖尿病のある患者で、ない患者よりも一貫して大きかった。SS-OCTに基づく層分割(layer segmentation)では、SCTと脈絡膜大血管層(LCVLT)で低下が特に明瞭であった。二値化(binarization)では、変化は主として血管(luminal)区画に局在し、SCAとLAが低下した一方で、SAは両群とも有意な変化を示さなかった。著者らは、これらのパターンが、血液透析中の除水と浸透圧変化により、脈絡膜内の血管内、ならびに場合によっては血管外の体液が減少することと整合的であり、糖尿病ではdiabetic choroidopathy(血管透過性の亢進や血管構造の病理が提唱されている)により血管の変化が増幅される可能性がある、と解釈している。著者らが主張する重要な意義は、方法論的かつ時間軸に関する点である。すなわち、本研究は血液透析の*新規導入*前後での脈絡膜構造変化を評価し、層解析と二値化由来の血管腔/間質指標の双方を用いて、糖尿病に関連した有意な差を示した最初の研究である、という位置づけである。また本研究は、推論を制約する限界として、サンプルサイズが小さいこと、観察期間が短いこと(ベースライン vs 約2週間)、汎網膜光凝固既往のある眼を含むこと(脈絡膜循環に影響しうるが、その影響は議論が分かれている)を挙げている。
- 今後の展望:
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著者らは、これらの観察を強化し拡張するために、さらなる研究が必要だと述べている。現行研究はサンプルが小さいため、より大規模な研究が必要であることを明確に指摘している。また、血液透析導入後の脈絡膜変化について、より長い期間(約2週間ではなく1〜3か月など)で評価すれば、追加の、あるいはより大きな変化が明らかになる可能性があるとも示唆している。DM群には汎網膜光凝固既往の患者が含まれ、また光凝固に関連する脈絡膜への影響については報告が一致していないため、将来の研究では、特に総脈絡膜厚、総脈絡膜面積、LCVLT、LAを解釈する際に、血液透析の影響と治療関連変化の影響をより分離できる研究デザインが必要となりうる。最後に著者らは、DRの病期にわたる「脈絡膜の代償機能(choroidal compensatory function)」について、より多くのエビデンスを集めるべきだと提案しており、DR重症度で層別化し、脈絡膜血管の挙動をより詳細に検討することで、糖尿病関連のchoroidopathyが血液透析による全身の体液・浸透圧変化とどのように相互作用するかが明確になる可能性があるとしている。
- 背景と目的:
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は、目の中の糖尿病網膜症 ( 糖尿病によって網膜の血管が傷つき、出血やむくみなどが起こって視力が低下しうる病気です。目の合併症として重要で、進行すると失明につながることもあります。) の血管が傷む病気として知られています。しかし、網膜の外側に酸素や栄養を送る網膜 ( 目の奥にある薄い膜で、光を感じて脳に情報を送る働きをします。ここが傷つくと視力に直結します。) という部分の血管も、糖尿病の影響で傷む可能性があります。この脈絡膜の障害は、網膜の血管の異常がはっきりしなくても、原因がよく分からない視力低下に関係するかもしれないと考えられています。脈絡膜 ( 網膜の外側にあり、血管が多く、網膜の外側へ酸素や栄養を送る組織です。脈絡膜の血流が変わると視機能に影響する可能性があります。)
また、 の人は体に水分がたまりやすく、末期腎不全 ( 腎臓の働きが大きく低下し、体の水分や老廃物を十分に調整できなくなった状態です。透析などの治療が必要になります。) を始めると体の水分量や血圧、血液の濃さのバランスが変わります。これらの変化は目の状態にも影響しうることが知られていますが、これまでの研究は透析を長く続けている人が中心で、透析を始めた直後に脈絡膜がどう変化するかは十分に分かっていませんでした。血液透析 ( 機械を使って血液を体の外に通し、老廃物や余分な水分を取り除いて体液のバランスを整える治療です。体重や血圧などが変化しやすくなります。)
さらに脈絡膜は、血管が多い部分と、それ以外の組織の部分に分かれていて、全体の厚さだけでは「どこがどう変わったのか」を細かく捉えにくいことがあります。そこでこの研究では、特殊なOCT検査画像を使って、透析を始める前と、導入から約2週間後で、脈絡膜の構造がどう変わるかを数値で調べ、糖尿病がある人とない人で違いがあるかを比べました。
- 主要な発見:
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透析を始めて約2週間で、糖尿病がある群もない群も、体重が減り、平均血圧と血清
が下がりました。糖尿病がある群では、浸透圧 ( 水が移動しようとする力の目安で、血液などの液体がどれくらい「濃いか」を表します。体液バランスやむくみに関係します。) が上がり、血漿膠質浸透圧 ( 主に血液中のタンパク質が作る浸透圧で、血管の中に水分を引きとどめる働きがあります。これが変わると血管内外の水分移動が変化します。) も下がりました。一方、目に流れ込む血液の圧力の指標は、糖尿病がない群で下がりました。眼圧 ( 眼球の中の圧力です。高すぎると緑内障などのリスクになり、低すぎても目の状態を反映することがあります。)
目の中心部の の厚さは、両群で少し薄くなりましたが、糖尿病がある群とない群で大きな差はありませんでした。網膜 ( 目の奥にある薄い膜で、光を感じて脳に情報を送る働きをします。ここが傷つくと視力に直結します。)
については、透析導入後に両群で厚さが減りました。特に、中心の下の脈絡膜の厚さと、脈絡膜の太い血管が多い層の厚さが減りました。細い血管が中心の層と中くらいの血管の層を合わせた厚さは、両群で大きな差は見られませんでした。脈絡膜 ( 網膜の外側にあり、血管が多く、網膜の外側へ酸素や栄養を送る組織です。脈絡膜の血流が変わると視機能に影響する可能性があります。)
画像を白黒に分けて面積を測る方法では、脈絡膜全体の面積と血管の空間の面積が減りましたが、血管以外の組織の面積は大きく変わりませんでした。さらに、これらの減少の割合は、糖尿病がある群のほうが糖尿病がない群より大きいことが示されました。
- 方法論:
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この研究は、2つの病院で行われ、
を新しく始めるために入院した血液透析 ( 機械を使って血液を体の外に通し、老廃物や余分な水分を取り除いて体液のバランスを整える治療です。体重や血圧などが変化しやすくなります。) の患者31人を対象にしました。視力や眼の長さなどの条件を満たし、測定に影響する可能性がある目の病気や最近の目の手術、レーザー治療がある人は除外しました。末期腎不全 ( 腎臓の働きが大きく低下し、体の水分や老廃物を十分に調整できなくなった状態です。透析などの治療が必要になります。)
患者は、糖尿病性腎症の群と、糖尿病が原因ではない腎不全の群に分けました。糖尿病がある群では、 の重さも決められ、重いタイプの人はすでに糖尿病網膜症 ( 糖尿病によって網膜の血管が傷つき、出血やむくみなどが起こって視力が低下しうる病気です。目の合併症として重要で、進行すると失明につながることもあります。) のレーザー治療を終えていました。網膜 ( 目の奥にある薄い膜で、光を感じて脳に情報を送る働きをします。ここが傷つくと視力に直結します。)
透析は入院中の約2週間に週3〜4回行われ、測定は初回透析の前と、退院前の最後の透析の前に実施しました。目の検査は透析の前に行い、 でSS-OCT ( 光を使って網膜や脈絡膜を断面画像として撮影する検査機器の一種で、深い部分まで比較的はっきり見える特徴があります。脈絡膜の評価に役立ちます。) 付近を撮影して、黄斑 ( 網膜の中心にある、細かいものを見るのに重要な部分です。視力の質を左右します。) の厚さを測りました。さらに、脈絡膜を層ごとに分けて厚さを測る方法や、画像を白黒に分けて血管の部分とそれ以外の部分の面積を計算する方法も使いました。脈絡膜 ( 網膜の外側にあり、血管が多く、網膜の外側へ酸素や栄養を送る組織です。脈絡膜の血流が変わると視機能に影響する可能性があります。)
- 結論と意義:
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を始めて約2週間で、血液透析 ( 機械を使って血液を体の外に通し、老廃物や余分な水分を取り除いて体液のバランスを整える治療です。体重や血圧などが変化しやすくなります。) の患者では末期腎不全 ( 腎臓の働きが大きく低下し、体の水分や老廃物を十分に調整できなくなった状態です。透析などの治療が必要になります。) の厚さや、脈絡膜の血管に関係する指標が下がりました。そして、その下がり方は、糖尿病がある患者のほうが一貫して大きいことが分かりました。脈絡膜 ( 網膜の外側にあり、血管が多く、網膜の外側へ酸素や栄養を送る組織です。脈絡膜の血流が変わると視機能に影響する可能性があります。)
層ごとの解析では、脈絡膜全体の厚さと、太い血管が多い層の厚さの減少が特に目立ちました。白黒画像を使った解析では、主に血管の空間が減っており、血管以外の組織の面積はあまり変わりませんでした。
研究者は、透析で体の余分な水分が除かれ、血液の濃さのバランスも変わることで、脈絡膜の血管の中の水分などが減り、脈絡膜が薄くなった可能性があると考えています。糖尿病がある場合は、糖尿病による脈絡膜の血管の弱りやすさが加わって、変化がより大きくなった可能性があると解釈しています。この研究の重要点は、透析を始めた直後という時期に注目し、脈絡膜を「層」と「血管部分とそれ以外の面積」の両面から調べて、糖尿病の有無による差を示した点にあります。
- 今後の展望:
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この研究は対象人数が少なく、観察期間も約2週間と短いので、より多くの患者を対象にし、1〜3か月など長い期間で調べる研究が必要だとされています。
また、糖尿病がある群には レーザー治療を受けた人が含まれており、その治療が網膜 ( 目の奥にある薄い膜で、光を感じて脳に情報を送る働きをします。ここが傷つくと視力に直結します。) に与える影響については研究結果が一致していません。今後は、透析の影響と治療の影響をできるだけ分けて考えられる研究デザインが求められます。脈絡膜 ( 網膜の外側にあり、血管が多く、網膜の外側へ酸素や栄養を送る組織です。脈絡膜の血流が変わると視機能に影響する可能性があります。)
さらに、 の重さによって脈絡膜がどのように「補う働き」をしているのかも、もっと詳しく調べるべきだと提案されています。糖尿病網膜症 ( 糖尿病によって網膜の血管が傷つき、出血やむくみなどが起こって視力が低下しうる病気です。目の合併症として重要で、進行すると失明につながることもあります。)
- 何のために?:
-
は、目の中の病気です。糖尿病網膜症 ( 糖尿病 が原因 で目のうしろの血管 がこわれてしまい見えにくくなる病気の名前です:糖尿病 の人の目の病気として出てきます:放っておくと視力 に関 わるので大事です)
目のうしろの血管 が、こわれます。
目には、 という大事なところがあります。網膜 ( 目のうしろ側 にあるうすい膜 で光を感じて物を見るために必要 な場所です:目の中心の網膜 がうすくなるなどの説明 で使います:見えるしくみに直結 する大事な部分です)
網膜 は、ものを見るために必要 です。
網膜 の外にも、 という場所があります。脈絡膜 ( 網膜 の外側 にあり血管 がたくさんあって酸素 やえいようを送る場所です:透析 でうすくなるかを調べる中心の場所として使います:網膜 を支 える働 きがあるので重要 です)
脈絡膜 は、酸素 やえいようを送ります。
糖尿病 だと、そこもこわれるかもしれません。
そのせいで、見えにくくなることがあります。
でも、まだよく分かっていません。
が悪い人は、水がたまりやすいです。腎 ぞう( 体の中のいらない水やごみを血からこして尿 を作る臓器 です:腎 ぞうが悪いと水がたまりやすいという話で使います:透析 が必要 になる理由につながります)
は、体の水をへらす血液透析 ( 機械 を使って血をきれいにし体の余分 な水分もへらす治 りょうです:週に何回行うかや始めた直後の変化 の説明 で使います:体の水分や血圧 が変 わり目にも影響 するため重要 です) 治 りょうです。
透析 を始めると、 などが血圧 ( 血が血管 の中を流れるとき血管 の壁 をおす強さのことです:透析 で下がる変化 として出てきます:血管 の状態 や目の血の流れに関係 します) 変 わります。
その変化 は、目にもえいきょうします。
ただ、始めた直後のことは不明 でした。
脈絡膜 には、太い血管 と細い血管 があります。
全体の厚 さだけでは、違 いが分かりにくいです。
そこで、特別 な目の写真で調べました。
透析 の前と、2週間後を比 べました。
糖尿病 がある人と、ない人も比 べました。
- 何が分かったの?:
-
透析 を始めて2週間で、体重がへりました。
も、下がりました。血圧 ( 血が血管 の中を流れるとき血管 の壁 をおす強さのことです:透析 で下がる変化 として出てきます:血管 の状態 や目の血の流れに関係 します)
血の中の水のバランスも変 わりました。
糖尿病 がある人は、 が下がりました。眼圧 ( 目の中の圧力 で目の形を保 つための力です:糖尿病 がある人で下がったという結果 に出てきます:高すぎても低 すぎても目の状態 に関係 します)
糖尿病 がない人は、目の血の圧 が下がりました。
目の中心の は、少しうすくなりました。網膜 ( 目のうしろ側 にあるうすい膜 で光を感じて物を見るために必要 な場所です:目の中心の網膜 がうすくなるなどの説明 で使います:見えるしくみに直結 する大事な部分です)
でも、2つのグループで大差 はなかったです。
は、2つのグループでうすくなりました。脈絡膜 ( 網膜 の外側 にあり血管 がたくさんあって酸素 やえいようを送る場所です:透析 でうすくなるかを調べる中心の場所として使います:網膜 を支 える働 きがあるので重要 です)
とくに、中心の下がうすくなりました。
太い血管 が多い層 も、うすくなりました。
細い血管 の層 は、大きくは変 わりませんでした。
白黒に分けて面積 もはかりました。
脈絡膜 ぜんたいの面積 がへりました。
血管 のすきまの面積 もへりました。
血管 ではない部分は、あまり変 わりません。
へり方は、糖尿病 の人のほうが大きいです。
- どうやったの?:
-
この研究は、2つの病院で行いました。
透析 を新しく始める人、31人が対象 です。
目の病気がある人などは、のぞきました。
最近 、目の手術 をした人ものぞきました。
人を2つのグループに分けました。
糖尿病 が原因 の人と、ちがう人です。
糖尿病 の人は、網膜 ( 目のうしろ側 にあるうすい膜 で光を感じて物を見るために必要 な場所です:目の中心の網膜 がうすくなるなどの説明 で使います:見えるしくみに直結 する大事な部分です) 症 の重さも決めました。
重い人は、 がすんでいました。レーザー 治 りょう( 強い光を当てて目の中の悪い血管 などを治 す治 りょうです:重い網膜症 の人が受けている治 りょうとして出てきます:研究の結果 に影響 するかもしれないため重要 です)
透析 は、2週間で週3〜4回しました。
目の検査 は、透析 の前に行いました。
はじめの透析 の前にも、目を見ました。
さいごの透析 の前にも、目を見ました。
というSS-OCT ( 目の中を光でスキャンして断面 の写真をとり厚 さなどをはかれる検査 の名前です:脈絡膜 の厚 さや層 ごとの厚 さを調べるために使います:目の中をこわさずくわしく見られるので重要 です) 検査 で、目の中を写しました。
それで、 の脈絡膜 ( 網膜 の外側 にあり血管 がたくさんあって酸素 やえいようを送る場所です:透析 でうすくなるかを調べる中心の場所として使います:網膜 を支 える働 きがあるので重要 です) 厚 さをはかりました。
層 ごとの厚 さも、くわしくはかりました。
血管 とそれ以外 の面積 も計算しました。
- 研究のまとめ:
-
透析 を始めて2週間で、 がうすくなります。脈絡膜 ( 網膜 の外側 にあり血管 がたくさんあって酸素 やえいようを送る場所です:透析 でうすくなるかを調べる中心の場所として使います:網膜 を支 える働 きがあるので重要 です)
脈絡膜 の血管 に関係 する数も下がりました。
下がり方は、糖尿病 の人が大きいです。
層 ごとに見ると、太い血管 の層 がへりました。
白黒の調べ方では、血管 のすきまがへりました。
血管 ではない部分は、あまり変 わりません。
研究者は、こう考えています。
透析 で、体の余分 な水がぬけます。
すると、血管 の中の水もへります。
そのため、脈絡膜 がうすくなるかもしれません。
糖尿病 だと、血管 がよわりやすいです。
だから、変化 がもっと大きいかもしれません。
始めた直後に調べた点が、大事です。
層 と面積 の両方で見た点も、大事です。
- これからどうする?:
-
今回は、人の数が少ないです。
見た期間も、2週間と短いです。
もっと多い人数で、長く調べる必要 があります。
1〜3か月などでも、見たいです。
糖尿病 の人には、 の人がいます。レーザー 治 りょう( 強い光を当てて目の中の悪い血管 などを治 す治 りょうです:重い網膜症 の人が受けている治 りょうとして出てきます:研究の結果 に影響 するかもしれないため重要 です)
そのえいきょうは、まだはっきりしません。
透析 のえいきょうと分けて調べる工夫 がいります。
網膜 ( 目のうしろ側 にあるうすい膜 で光を感じて物を見るために必要 な場所です:目の中心の網膜 がうすくなるなどの説明 で使います:見えるしくみに直結 する大事な部分です) 症 の重さで、 がどう助けるかも大切です。脈絡膜 ( 網膜 の外側 にあり血管 がたくさんあって酸素 やえいようを送る場所です:透析 でうすくなるかを調べる中心の場所として使います:網膜 を支 える働 きがあるので重要 です)
これから、もっとくわしく調べるべきです。
- 著者名:
- 中野 英之
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000299
