論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
早期発症者と長期潜伏後発症者より分離した結核菌北京株のゲノム解析
- AI解説:
- Mycobacterium tuberculosis(Mtb)のBeijing lineage(lineage 2)は、感染が広がりやすい集団発生や薬剤耐性の急速な出現にしばしば関与するため、継続的に懸念されている。Mtbは水平伝播による遺伝子獲得ではなく、主として染色体変異によって進化するため、生体内(in vivo)の変異率は、この系統が宿主環境に適応し耐性を獲得する仕組みを理解するうえで重要である。しかし、Beijing lineage株がヒト感染中に示す変異率について、初期の発症から長期潜伏に至るまでを含めて明確に定量した研究はなかった。そこで著者らは、実際の感染伝播および再発の履歴に沿って採取された分離株を解析し、ヒト感染中のBeijing lineage Mtbにおけるゲノム変異の起こりやすさと速度を推定することを目的とした。具体的には、「rapid-progressor(RP)」(感染後1年以内に発症)と「slow-progressor(SP)」(1年超後に発症または再発)の症例を比較し、さらにこれらの臨床経過の違いによって変異スペクトルが異なるかどうかも検討した。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
早期発症者と長期潜伏後発症者より分離した結核菌北京株のゲノム解析
AI解説
- 背景と目的:
-
Mycobacterium tuberculosis(Mtb)のBeijing lineage(lineage 2)は、感染が広がりやすい集団発生や薬剤耐性の急速な出現にしばしば関与するため、継続的に懸念されている。Mtbは水平伝播による遺伝子獲得ではなく、主として染色体変異によって進化するため、生体内(in vivo)の変異率は、この系統が宿主環境に適応し耐性を獲得する仕組みを理解するうえで重要である。しかし、Beijing lineage株がヒト感染中に示す変異率について、初期の発症から長期潜伏に至るまでを含めて明確に定量した研究はなかった。そこで著者らは、実際の感染伝播および再発の履歴に沿って採取された分離株を解析し、ヒト感染中のBeijing lineage Mtbにおけるゲノム変異の起こりやすさと速度を推定することを目的とした。具体的には、「rapid-progressor(RP)」(感染後1年以内に発症)と「slow-progressor(SP)」(1年超後に発症または再発)の症例を比較し、さらにこれらの臨床経過の違いによって変異スペクトルが異なるかどうかも検討した。
- 主要な発見:
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日本の集団発生由来の分離株では、推定変異率(世代時間を20 hと仮定したμ20)は、RP群(3.5–10.3 × 10–9 mutations/bp/generation)がSP群(1.7–3.8 × 10–10 mutations/bp/generation)より大幅に高かった。同一の世代時間仮定のもとで、世代あたり平均変異率はRPがSPのおよそ10倍であり、両群の95%信頼区間は重ならなかったことから、RPで変異率が高い傾向が支持された。観察された遺伝的変化の速度も、一般に引用される伝播チェーン推定値より著しく高く、RPは年あたり6–18変異、SPは年あたり0.6–1変異であった。lineage 4の集団発生研究やモデルに関する先行報告と比べると、Beijing群の両推定値はいずれも、ニュージーランドの集団発生研究で報告されたlineage 4株より高く、SPの平均(2.8 × 10–10)は、アカゲザルにおけるMtb Erdmanの2.1 × 10–10に近かった。変異スペクトルは群間で異なり、RP分離株では非酸化的パターン(特にAT > GC)が相対的に多かった一方、SP分離株(および再発のSP分離株)では酸化損傷に関連する置換(GC > TAおよびGC > AT)の割合が高かった。GC > TAの割合はRPとSPで有意に異なった(p = 0.026)。耐性に関わる注目すべき事象として、Isolate DでkatGを含む大きな欠失が同定され、INH療法中に観察されたisoniazid(INH)耐性と整合的であった。著者らは、潜伏期間の長さと一貫して関連する特定の遺伝子または遺伝子間領域を、自身のデータと2つの先行研究を通じて同定できず、限定的な重なりはあったものの潜伏期間の長さを説明するものではなかった。
- 方法論:
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本研究ではBeijing lineage分離株8株を解析した。内訳は、日本の1999年の中学校における集団発生とその後の伝播に関連する6分離株(A–F)と、再発を起こした単一患者からの2分離株(G–H;1999年の初発と2001年の再発)である。疫学情報に基づき、RPの比較は(A–B、A–C、A–D;1年以内の発症)、SPの比較は(A–E、E–F、G–H;1年超後の発症/再発)と定義した。全ゲノムシーケンスには75 bpのpaired-end Illuminaリードを用いた。リードはusearch(maxee 0.5)で品質フィルタリングし、Mtb H37Rv参照配列にBWAでマッピングし、GATKで変異をコールした。参照バイアスを減らすため、著者らは高品質SNPからIsolate Aのconsensus genomeを構築し、他の分離株をこのconsensusに再マッピングしてSNP/indelを再コールしたうえで、複数のVCFベースの品質フィルタを適用し、PE-PGRS反復領域の変異は除外した。大規模欠失(> 1 kb)はマッピングされない領域を同定して検出し、その後IGVで手動確認した。ゲノム全体での変異位置の偏りは、固定ウィンドウに対するMann–Whitney U-testで検定し、集団発生分離株間の系統関係は最大尤度法(Jukes Cantor距離)で再構成して、疫学的チェーンとの整合性を確認した。変異率はFord et al.の枠組みにより、観測された変異数、PE-PGRSを除いたゲノムサイズ、潜伏期間、世代時間の関数としてμを扱って推定し、μ20は生体内世代時間20 hを仮定した。著者らは世代時間にわたるμの確率分布と95%信頼区間を算出し、RPとSPの変異率をStudent’s t-testで比較(p = 0.029)し、酸化パターン頻度の群間比較にもStudent’s t-testを用いた。
- 結論と意義:
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著者らは、Beijing lineage Mtbはヒト感染中にゲノム変異率が大きく上昇し得ること、特に発症が早い(RP)病態では、長期潜伏(SP)進行に比べて世代あたりの変異率が顕著に高いことを結論づけた。彼らは、RPで高い変異率は活動性疾患における複製に伴うエラーとより整合的である一方、SPで酸化損傷型置換が増えていることは、長期感染中に持続する菌が酸化ストレスを受け、損傷と修復過程を通じて変異を蓄積するというモデルを支持すると解釈した。総合すると、本データは、Beijing lineageが高い適応性を示し、生体内で薬剤耐性を生み出しやすいという性質について、先行のlineage 4推定値と比べたときの、もっともらしい生物学的説明として提示されている。INH単剤治療中のINH耐性に関連するkatG欠失は、選択圧のもとで耐性が生じることと整合する例として議論され、菌が急速に増殖していない場合でも起こり得る可能性が示唆されている。さらに論文では制約として、分離株数が少ないこと、またRP/SPの定義が先行研究と異なるため研究間比較に影響し得ることを強調している。それでも、これらの範囲内では、生体内変異率の上昇は本研究で扱ったBeijing株の特徴であり、耐性出現を抑える取り組みを設計する際に考慮すべきだと著者らは主張している。
- 今後の展望:
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著者らは、結論の検証には、より大規模な研究が必要であり、患者群のより広いサンプリングや、追加のBeijing lineage株、とりわけ流行国由来株を含めることが求められるとしている。また、観察された変異パターンの背後にある機序、特に長期感染で酸化損傷関連置換が増えるように見える点について、その原因解明が必要であり、Beijing株における「unknown error prone repairing system」が関与している可能性があると解釈している。加えて、プログラム上の含意として、データがINH予防投与(preventive therapy)中のINH耐性変異体の選択と整合的である(katG欠失事象で示される)ため、予防および治療レジメンは、Beijing lineage株が耐性を獲得しやすい生物学的傾向を考慮すべきだと示唆している。最後に、議論で指摘された、ヒトに基づく所見とアカゲザルモデルとの不一致を踏まえ、宿主特異的な免疫環境が複製動態、DNA損傷、修復過程にどのように影響し、それが生体内変異率を形作るのかをさらに研究する必要があるとしている。
- 背景と目的:
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結核の原因菌である結核菌の中でも
というタイプは、集団感染が起きやすかったり、薬が効かないBeijing lineage ( 結核菌の系統の一つで、感染が広がりやすく薬剤耐性が出やすい傾向があるとされます) が早く出てきたりすることがあり、問題になっています。薬剤耐性 ( 抗生物質などの薬が効きにくくなる性質で、治療が難しくなり感染が長引く原因になります)
結核菌は、ほかの菌から遺伝子を取り込んで変わることは少なく、主に自分のDNAに起きる変化で進化します。だから、人の体の中でどれくらいの速さでDNAの変化が起こるのかを知ることは、菌が人の体に慣れていったり、薬剤耐性を身につけたりする仕組みを理解するうえで大切です。
しかし、Beijing lineageの結核菌が人に感染している間に、発症が早い場合から長く する場合まで含めて、変化の起こりやすさをはっきり数値で示した研究は十分ではありませんでした。潜伏 ( 感染してもすぐに症状が出ず、体の中に菌が残ったまま長期間たつ状態のことです)
そこでこの研究は、実際の感染の広がり方や再発の経過が分かっている複数の菌を比べて、人の体の中でBeijing lineageの結核菌にどのくらいDNAの変化が起きるか、またその速さを推定しました。特に、感染後1年以内に発症する人と、1年以上たってから発症または再発する人で違いがあるかも調べました。
- 主要な発見:
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日本の集団感染に関係する菌を比べると、感染後1年以内に発症するグループのほうが、1年以上たってから発症または再発するグループより、DNAの変化が起こる速さが大きく高いと推定されました。条件をそろえて比べると、前者は後者の約10倍になり、統計的に見ても差があると考えられました。
また、1年あたりに増える変化の数も、これまでよく言われてきた値よりかなり多く見積もられ、発症が早いグループでは年あたり6から18個、遅いグループでは年あたり0.6から1個程度でした。
DNAの変化の起こり方の種類にも違いがあり、発症が遅いグループでは、体の防御反応などで起きる に関係しそうな変化の割合が高い傾向が見られました。酸化ストレス ( 体の防御反応などで生まれる反応性の高い物質により細胞が傷つく状態で、DNA損傷の原因になります)
に関しては、ある菌で薬剤耐性 ( 抗生物質などの薬が効きにくくなる性質で、治療が難しくなり感染が長引く原因になります) という遺伝子を含む大きなkatG ( INHを効く形に変える酵素に関わる遺伝子で、ここに変化が起きるとINH耐性の原因になりやすいです) が見つかり、その患者でINHが効かなくなったことと一致していました。欠失 ( DNAの一部が失われる変化で、重要な遺伝子が欠けると薬剤耐性などの性質が変わることがあります)
一方で、 期間の長さといつも結びつく特定の遺伝子変化は、この研究と先行研究を合わせて見ても明確には見つかりませんでした。潜伏 ( 感染してもすぐに症状が出ず、体の中に菌が残ったまま長期間たつ状態のことです)
- 方法論:
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この研究では
の結核菌8株の全Beijing lineage ( 結核菌の系統の一つで、感染が広がりやすく薬剤耐性が出やすい傾向があるとされます) を解析しました。内訳は、日本の中学校で起きた集団感染とその後の感染の広がりに関わる6株と、同じ患者で初発と再発のときに採取された2株です。ゲノム ( 生物がもつDNA情報の全体のことで、菌の性質や薬の効きやすさに関わる情報が入っています)
感染後1年以内に発症した組み合わせを 、1年以上後に発症または再発した組み合わせをrapid-progressor ( 感染してから1年以内に結核を発症した人のグループを指し、この研究では発症が早いケースとして扱います) として比較しました。slow-progressor ( 感染から1年以上たって発症したり再発したりした人のグループを指し、長期潜伏に近いケースとして扱います)
菌のDNAを次世代シーケンサーで読み取り、参照となる結核菌ゲノムに合わせて、 やSNP ( DNAの1文字だけが別の文字に変わるタイプの変化で、菌同士の違いを調べる基本情報になります) などの変化を検出しました。誤差を減らす工夫として、最初の患者由来の菌の配列をもとにindel ( DNAの一部が入り込む挿入や抜ける欠失のことで、遺伝子の働きに大きく影響することがあります) を作り直して、もう一度読み取りデータを当て直す手順も行いました。参照配列 ( 読み取ったDNA配列を比べるための基準となる配列で、どこが変化したかを決める土台になります)
さらに、大きな も調べ、統計手法を使って変化の偏りやグループ差を検定しました。欠失 ( DNAの一部が失われる変化で、重要な遺伝子が欠けると薬剤耐性などの性質が変わることがあります) は、観察された変化の数、ゲノムの長さ、変異率 ( DNAの変化がどれくらいの頻度で起きるかを示す指標で、進化や薬剤耐性の出やすさを考える基礎になります) 期間、潜伏 ( 感染してもすぐに症状が出ず、体の中に菌が残ったまま長期間たつ状態のことです) などを使って推定しました。世代時間 ( 細菌が1回増えて分裂するまでにかかる時間で、変異率を計算するときの基準になります)
- 結論と意義:
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の結核菌は、人の体の中でDNAの変化が起こる速さが大きく上がり得ること、特に発症が早い場合には、長くBeijing lineage ( 結核菌の系統の一つで、感染が広がりやすく薬剤耐性が出やすい傾向があるとされます) してから発症する場合よりも潜伏 ( 感染してもすぐに症状が出ず、体の中に菌が残ったまま長期間たつ状態のことです) が高いことが示されました。変異率 ( DNAの変化がどれくらいの頻度で起きるかを示す指標で、進化や薬剤耐性の出やすさを考える基礎になります)
発症が早い場合の高い変異率は、菌が活発に増えるときに起こるDNA複製のミスが増えることで説明しやすい一方、長く潜伏する場合に に関係する変化が増えることは、体の中で生き残る菌が長期間ストレスを受け、その影響や修復の過程で変化がたまるという考え方を支持します。酸化ストレス ( 体の防御反応などで生まれる反応性の高い物質により細胞が傷つく状態で、DNA損傷の原因になります)
また、INHの予防投与や治療の途中でINH耐性に関係する が見つかったことから、菌が急激に増えていないような状況でも、薬の影響で耐性菌が選ばれて増える可能性があることも示唆されました。欠失 ( DNAの一部が失われる変化で、重要な遺伝子が欠けると薬剤耐性などの性質が変わることがあります)
ただし、解析した菌の数が少ないことや、グループ分けの基準が他研究と完全に同じではないことは限界として述べられています。
- 今後の展望:
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結論をより確かなものにするため、より多くの患者や、別の地域由来の
株も含めた大規模研究が必要だとしています。Beijing lineage ( 結核菌の系統の一つで、感染が広がりやすく薬剤耐性が出やすい傾向があるとされます)
また、長期 で潜伏 ( 感染してもすぐに症状が出ず、体の中に菌が残ったまま長期間たつ状態のことです) に関係する変化が増える理由を、菌のDNA修復の仕組みなどから詳しく調べる必要があります。酸化ストレス ( 体の防御反応などで生まれる反応性の高い物質により細胞が傷つく状態で、DNA損傷の原因になります)
さらに、INHの予防投与や治療の方法を考えるときに、Beijing lineageが耐性を得やすい可能性を前提にした設計が重要だと示唆しています。加えて、人と動物モデルで結果が一致しない点もあるため、宿主の免疫環境の違いが菌の増え方やDNA損傷にどう影響するかも今後の課題です。
- 何のために?:
-
は、結核 ( 結核菌 というばい菌 が原因 でうつる病気です。せきなどで人に広がることがあり、早く見つけて治 すことが大切です。) というばい結核菌 ( 結核 を起こすばい菌 です。体の中で増 えると病気になり、人にうつす原因 になります。) 菌 でうつります。
結核菌 には、いろいろなタイプがあります。
その中に、 というタイプがあります。Beijing 型 ( 結核菌 の「タイプの名前」です。ほかのタイプより広がりやすかったり、薬がききにくくなったりすることがあり、注意が必要 です。)
このタイプは、みんなに広がりやすいです。
それに、薬がききにくくなることもあります。
だから、問題になっています。
結核菌 は、 というDNA ( 生き物の体の作り方が書いてある情報 で、よく「設計図 」にたとえられます。少し変 わると菌 の性質 が変 わり、薬のきき方などに関係 します。) 設計図 を持ちます。
このDNAは、ときどき少し変 わります。
その変 わり方で、菌 は少しずつ変化 します。
体の中で、どれくらい早く変 わるかが大事です。
それで、薬に強くなる理由がわかります。
でも、はっきりした数で調べた研究は少ないです。
特 に、早く する人も、長くかくれる人もです。発病 ( 菌 が体に入っているだけではなく、実際 に症状 が出て病気としてあらわれることです。うつったあと、いつ発病するかが研究のポイントになります。)
そこで、この研究でくわしく比 べました。
体の中でDNAがどれくらい変 わるか調べました。
早く発病する人と、遅 い人の違 いも見ました。
- 何が分かったの?:
-
日本の
に集団感染 ( 学校などで、一度に多くの人に感染 が広がることです。広がり方を知ると、止める方法 を考えやすくなります。) 関係 する菌 を比 べました。
すると、早く するほうが発病 ( 菌 が体に入っているだけではなく、実際 に症状 が出て病気としてあらわれることです。うつったあと、いつ発病するかが研究のポイントになります。) 変化 が速いです。
条件 をそろえると、約 10倍と考えられました。
数字の上でも、ちがいがあると言えそうです。
1年で増 える変化 の数も、今までより多めでした。
早いグループは、1年に6から18こでした。
遅 いグループは、1年に0.6から1こほどでした。
変化 のしかたにも、ちがいがありました。
遅 いグループは、体の守りの力の影響 が強そうです。
たとえば、強い で起きるストレス ( 体に負担 がかかることです。負担 で傷 が増 えると、菌 のDNAが変 わりやすくなることがあり、変化 の理由を考える手がかりになります。) 変化 が多めでした。
また、ある菌 で大きな のぬけが見つかりました。DNA ( 生き物の体の作り方が書いてある情報 で、よく「設計図 」にたとえられます。少し変 わると菌 の性質 が変 わり、薬のきき方などに関係 します。)
というkatG ( 結核菌 の遺伝子 の名前です。これがないと、ある薬がききにくくなることがあり、薬を選 ぶうえで大切です。) が、ぬけていました。遺伝子 ( DNAの中にある、体のはたらきや性質 に関係 する情報 の部分です。菌 では、薬への強さなどに関係 することがあります。)
その人では、 という薬がきかなくなりました。INH ( 結核 の治療 で使う薬の名前で、イソニアジドとも呼 ばれます。きかなくなると治療 がむずかしくなるため重要 です。)
ただし、長くかくれる原因 の変化 は見つかりません。
ほかの研究も合わせても、はっきりしませんでした。
- どうやったの?:
-
この研究は、
を8こ集めて調べました。結核菌 ( 結核 を起こすばい菌 です。体の中で増 えると病気になり、人にうつす原因 になります。)
どれも のBeijing 型 ( 結核菌 の「タイプの名前」です。ほかのタイプより広がりやすかったり、薬がききにくくなったりすることがあり、注意が必要 です。) 結核菌 です。
6こは、中学校の に集団感染 ( 学校などで、一度に多くの人に感染 が広がることです。広がり方を知ると、止める方法 を考えやすくなります。) 関係 していました。
2こは、同じ人の初 めてと のときの再発 ( いったんよくなったあとに、また同じ病気になることです。菌 が残 っていたり、別 の原因 があったりするため、治療 や予防 で重要 です。) 菌 です。
うつって1年以内 に病気になった組を早い組としました。
1年以上 たって病気や再発 になった組を遅 い組としました。
この2つを比 べました。
機械 で菌 の を読み取りました。DNA ( 生き物の体の作り方が書いてある情報 で、よく「設計図 」にたとえられます。少し変 わると菌 の性質 が変 わり、薬のきき方などに関係 します。)
そして、どこが変 わったかを見つけました。
読み取りのまちがいを減 らす工夫 もしました。
大きなDNAのぬけも調べました。
数字の方法 で、ちがいがあるかたしかめました。
変化 の速さも、いくつかの情報 から計算しました。
- 研究のまとめ:
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のBeijing 型 ( 結核菌 の「タイプの名前」です。ほかのタイプより広がりやすかったり、薬がききにくくなったりすることがあり、注意が必要 です。) は、体の中で結核菌 ( 結核 を起こすばい菌 です。体の中で増 えると病気になり、人にうつす原因 になります。) 変 わりやすいです。
特 に、早く する場合は発病 ( 菌 が体に入っているだけではなく、実際 に症状 が出て病気としてあらわれることです。うつったあと、いつ発病するかが研究のポイントになります。) 変化 が多いです。
長くかくれてから発病する場合より高いです。
早く発病するときは、菌 がよく増 えます。
増 えるとき、 の写しDNA ( 生き物の体の作り方が書いてある情報 で、よく「設計図 」にたとえられます。少し変 わると菌 の性質 が変 わり、薬のきき方などに関係 します。) 間違 いが増 えそうです。
それで、変化 が多くなると考えられます。
遅 いグループでは、 のストレス ( 体に負担 がかかることです。負担 で傷 が増 えると、菌 のDNAが変 わりやすくなることがあり、変化 の理由を考える手がかりになります。) 影響 が強そうです。
体の中で長く生きる間に、ダメージがたまります。
直す途中 でも、変化 が増 えるかもしれません。
また、薬の途中 で薬に強い菌 が選 ばれる可能性 があります。
菌 が急に増 えていなくても、起こるかもしれません。
ただし、調べた菌 の数は多くありません。
グループ分けも、ほかの研究と少しちがいます。
そこは、この研究の弱いところです。
- これからどうする?:
-
もっとたくさんの人の
菌 で調べる必要 があります。
別 の地域 の のBeijing 型 ( 結核菌 の「タイプの名前」です。ほかのタイプより広がりやすかったり、薬がききにくくなったりすることがあり、注意が必要 です。) 菌 も入れるべきです。
長くかくれると変化 が増 える理由も調べます。
を直すしくみも、くわしく見るDNA ( 生き物の体の作り方が書いてある情報 で、よく「設計図 」にたとえられます。少し変 わると菌 の性質 が変 わり、薬のきき方などに関係 します。) 必要 があります。
という薬の使い方も、考え直す大切さが出ました。INH ( 結核 の治療 で使う薬の名前で、イソニアジドとも呼 ばれます。きかなくなると治療 がむずかしくなるため重要 です。)
Beijing型 は薬に強くなりやすいかもしれません。
人と動物で結果 がちがう点もあります。
体の守りのちがいが、どうきくかも課題 です。
- 著者名:
- 袴田 真理子
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000306
