論文詳細

医歯学系 大学院医歯学総合研究科(医) #学位論文

日本の高齢者における地域環境と睡眠の質との関連 : JAGES2010 横断研究

AI解説:
本論文では、睡眠を高齢期における中核的な健康関連行動として位置づけ、睡眠不良が生活習慣病、精神疾患(うつ病を含む)、さらに高齢者では認知機能低下や認知症と関連することを述べている。著者らは、日本では睡眠問題が一般的で、加齢とともに増加する一方、睡眠が浅く断片化しやすいこと、早朝覚醒、それに伴う日中の眠気や活動性の低下により、睡眠の質が悪化しがちである点を強調する。さらに睡眠を「健康の社会的決定要因(social determinants of health)」という枠組みの中に置き、健康に影響する要因の中には個人の努力だけでは変えにくいものがあり、「Health in All Policies」や高齢者にやさしいコミュニティづくりの取り組みと整合する、地域・政策レベルのアプローチが必要になり得ると論じている。これまでの睡眠研究は主に個人属性(例:年齢、性別、収入、教育)に焦点が当てられてきた一方で、治安やsocial capitalのような地域条件を検討した研究は比較的少なく、また(著者らによれば)睡眠の質と近隣の物理的環境との関連をmultilevel analysisで検証した研究は存在しない。高齢者は居住地域で過ごす時間が長く、近隣環境の影響を受けやすい可能性があることから、本研究はmultilevel analysisを用いて、日本における近隣の社会・物理環境が自己評価による睡眠の質とどのように関連するかを検討し、同時に睡眠とうつの強い関連にも対処することを目的とした。
AI解説を見る
著者名:
渡邉 路子
新潟大学学術リポジトリリンク: