論文詳細
経済科学部
#紀要論文
Hereditary and Acquired Altruism in an Overlapping Generations Model with Heterogeneous Agents
- AI解説:
- 本論文は、異質な主体を含む2期間の世代重複(overlapping generations: OLG)モデルの枠組みで、世代間利他主義を分析する。動機となっているのは、既存研究の多くに見られる制約である。Barro(1974)およびBecker(1980)以降、利他的なOLGの「王朝(dynasty)」モデルは、OLGモデルと、Ramsey型の無限寿命主体モデルの結果を結び付けるために用いられてきた。より近年の研究では異質性が導入され、通常は利他的な「貯蓄者(savers)」と非利他的な「消費者(spenders)」を区別し、遺産動機や財政政策といった含意が評価されている。しかし、異質主体の研究の多くは、タイプが世襲される(利他的な親は利他的な子をもち、利他性は同一タイプの内部にのみ向けられる)と仮定している。本論文の目的は、この仮定を緩めることである。具体的には、タイプが世襲される環境と、利他的な親が利他的な子と非利他的な子の両方を(外生的に固定された比率で)もち、それぞれのタイプに異なる遺産を残し得る「獲得タイプ(acquired-type)」環境を対比する。中心的な目標は、子のタイプの決まり方としてこの2つを採用した場合に、定常状態(steady state)における遺産行動と、その結果としての利他的主体・非利他的主体それぞれの社会厚生を比較することである。
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経済科学部
#紀要論文
Hereditary and Acquired Altruism in an Overlapping Generations Model with Heterogeneous Agents
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、異質な主体を含む2期間の世代重複(overlapping generations: OLG)モデルの枠組みで、世代間利他主義を分析する。動機となっているのは、既存研究の多くに見られる制約である。Barro(1974)およびBecker(1980)以降、利他的なOLGの「王朝(dynasty)」モデルは、OLGモデルと、Ramsey型の無限寿命主体モデルの結果を結び付けるために用いられてきた。より近年の研究では異質性が導入され、通常は利他的な「貯蓄者(savers)」と非利他的な「消費者(spenders)」を区別し、遺産動機や財政政策といった含意が評価されている。しかし、異質主体の研究の多くは、タイプが世襲される(利他的な親は利他的な子をもち、利他性は同一タイプの内部にのみ向けられる)と仮定している。本論文の目的は、この仮定を緩めることである。具体的には、タイプが世襲される環境と、利他的な親が利他的な子と非利他的な子の両方を(外生的に固定された比率で)もち、それぞれのタイプに異なる遺産を残し得る「獲得タイプ(acquired-type)」環境を対比する。中心的な目標は、子のタイプの決まり方としてこの2つを採用した場合に、定常状態(steady state)における遺産行動と、その結果としての利他的主体・非利他的主体それぞれの社会厚生を比較することである。
- 主要な発見:
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本論文は、利他的主体が正の遺産を残すことを保証するパラメータのもとで、タイプ決定が世襲の場合と獲得の場合の定常状態の結果を導出し、比較する。両ケースとも、定常状態は修正黄金律(modified golden rule)の条件 ( gamma R = 1+n ) を満たし、1人当たり資本 (k) は利他的主体の人口比率 (p) から独立である一方、世代間利他性の度合い ( gamma ) が高いほど (k) は増加する。主要な相違は遺産と厚生に関するものである。タイプが世襲される場合、利他的親の最適遺産 (xA) は、(p) が増加するほど*減少*する。対応して、利他的主体の定常状態における社会厚生は (p) の増加に伴い低下するが、非利他的主体の厚生は (p) に依存しない(ただし (k) の上昇を通じて ( gamma ) とともに増加する)。タイプが獲得される場合、利他的親は2種類の遺産、すなわち利他的な子への (xAa) と非利他的な子への (xAe) を残し、(xAa > xAe) となる。重要な点として、(xAa) と (xAe) の*両方*が (p) の増加とともに*増加*し、社会厚生も*両タイプ*で (p) および ( gamma ) とともに増加する。体制間の比較では、(xAa < xA) かつ (xAe < xA) が成り立ち、さらに獲得タイプの場合の総遺産 (pxAa+(1-p)xAe) でさえ、世襲タイプの場合の (xA) より小さい。厚生の比較は、非利他的主体について (UE^{ac} > UE^{he}) を含意する一方、利他的主体は世襲タイプを好むこと、すなわち (UA^{he} > UA^{ac}) および (VA^{he} > VA^{ac}) を示す。
- 方法論:
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分析は、一定の純人口成長率 (n) をもつ標準的な2期間OLGモデルを用い、完全競争の企業が、完全減耗(full depreciation)のもとでCobb–Douglas技術 (Y_t = A K_t^{alpha} L_t^{1-alpha}) を用いて生産すると仮定する。賃金 (w_t) と粗利子率 (R_t) は限界生産力により決まり、動学的効率性 (R_t > 1+n) を仮定する。家計は2タイプで、利他的な (A) と非利他的な (E) からなり、人口比率 (pin(0,1)) は一定とする。すべての主体は、時間選好パラメータ (betain(0,1)) をもつ対数・加法分離型(log-separable)のライフサイクル効用をもつ。タイプ (E) は自分自身のライフサイクル効用のみを最大化し、遺産を残さない。タイプ (A) は、ライフサイクル効用に加えて、利他性パラメータ (gammain(0,1)) で重み付けされた子どもの効用の割引現在価値を最大化する((gamma < beta) という制約を課す)。本論文は家計問題を2段階で解く。(i) 受け取る遺産と与える遺産を所与として、最適な消費・貯蓄を導出する。(ii) Bellman方程式/価値関数の議論と包絡条件を用いて、遺産(複数あり得る)を選択する。遷移動学(transition dynamics)では閉形式解が扱いにくいため、本論文は定常状態に焦点を当て、時間添字を省略し、正の遺産を伴う内点解(interior solutions)を保証する十分条件を課す(この条件は、非利他的主体のみからなる経済との比較から導かれる)。世襲ケースでは異タイプの子どもが存在しないと仮定する一方、獲得ケースでは利他的親が比率 (p) と (1-p) で両タイプの子をもち、タイプ別の遺産を選択できると仮定する。定常状態の資本市場均衡条件 ((1+n)k = p s^A + (1-p)s^E) により、家計の選択を総資本に結び付け、遺産と厚生に関する (p) と (gamma) の比較静学を行う。
- 結論と意義:
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本論文は、異質性を生み出す仕組み(タイプが世襲されるか獲得されるか)が、両環境で長期の資本集約度が同じ修正黄金律条件に従うにもかかわらず、遺産のインセンティブと厚生の帰着(welfare incidence)の双方を実質的に変えると結論付ける。世襲タイプのもとでは、利他的家計は非利他的家計の固定的な貯蓄行動を相殺するように自身の貯蓄/遺産行動を調整するため、(p) の上昇が利他的主体の最適遺産を低下させ、利他的主体の厚生を押し下げる一方で、非利他的主体の厚生は (p) の影響を受けないという特徴的な結果が生じる。獲得タイプのもとでは、利他的親がタイプ別の遺産を通じて利他的な子にも非利他的な子にも影響を与えられ、定常状態では子どもの消費水準がタイプ間で等しくなる((cA=cE))。その結果、(p) の増加は両タイプの子への遺産を増やし、両集団の厚生を高める。体制を比較すると、獲得タイプは世襲タイプより(子1人当たりでも総量でも)必要な遺産が小さいにもかかわらず、厚生を非利他的主体へと移転し、利他的主体からは遠ざける。すなわち、非利他的主体は獲得ケースでのみ正の遺産を受け取るため利得する一方、利他的主体は、将来世代で利他的な子が一部にとどまることで遺産の再帰的な王朝価値(recursive dynastic value)が希薄化するため損失を被る。本論文は、「より良い」環境が何であるかは主体のタイプに依存すると強調する。利他的主体は王朝を支える世襲的な伝達を好むのに対し、非利的主体は利他的移転の恩恵を受けられる獲得タイプを好む。
- 今後の展望:
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本論文は主に2つの拡張を提案する。第一に、2つの極端なケース(完全に世襲のタイプ対完全に獲得のタイプ)を超えて、タイプの一部は世襲され、別の一部は獲得されるという、より一般的な設定へ拡張することを提案する。関連して、利他性の獲得は親からの「情動学習(emotional learning)」に依存し得ると論じ、情動学習への親の投資をモデル化して利他性を内生化し、その投資がOLG構造の中で遺産決定とどのように相互作用するかを研究することが、重要な将来課題であるとする。第二に、利他的OLG研究における重要なテーマとして財政政策の有効性を挙げる。現分析は獲得タイプのもとでの定常状態の遺産と厚生に焦点を当て、世襲ベンチマークとの比較を行うが、利他性が世襲ではなく獲得される場合には政策効果が変わり得ると推測する。そのうえで、財政手段の有効性がどのように変容し得るかを検討することを提案しており、具体的な対象として公的債務(public debt)、賦課方式年金(pay-as-you-go pension plans)、相続課税(inheritance taxation)を明示し、子のタイプの決定が利他的親による異質な子への移転を可能にする状況での分析を課題としている。
- 背景と目的:
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この論文は、親世代と子世代が同時に存在する「2期間の
(OLGモデル)」を使って、親が子どもを大切に思い、お金を残す(遺産を残す)行動を調べます。世代重複モデル ( 親世代と子世代のように、異なる世代が同じ時期に同時に生きていると考える経済モデルです。年金や遺産、世代間の助け合いを分析するのに重要です。)
これまでの研究では、多くの場合「利他的な親の子どもも利他的で、利他性は同じタイプの間だけで向けられる」と仮定されてきました(タイプが世襲される考え方です)。
そこで本論文は、この仮定をゆるめます。つまり、利他的な親が、利他的な子どもだけでなく非利他的な子どもも一定の割合で持ち、その子どものタイプに応じて遺産の額を変えられる場合(タイプが獲得される考え方)も考えます。
この2つの考え方を比べて、長期的にどれくらい遺産を残すか、そして利他的な人・非利他的な人それぞれの幸せ( )がどう変わるかを比べるのが目的です。社会厚生 ( 個人の幸せ(効用)をもとに、その集団全体としてどれくらい良い状態かを表した指標です。この論文では利他的タイプと非利他的タイプで別々に比べます。)
- 主要な発見:
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利他的な親が必ずプラスの遺産を残す条件のもとで、
の場合と世襲タイプ ( 親が利他的なら子も利他的、親が非利他的なら子も非利他的、というようにタイプが親から子へ固定的に引き継がれる考え方です。) の場合の長期的な結果(獲得タイプ ( 利他的な親でも利他的な子と非利他的な子の両方を持ちうるように、子どものタイプが固定ではなく決まる考え方です。現実のようにタイプが混ざる社会を表せます。) )を比べました。定常状態 ( 時間がたっても経済の状態(資本の大きさなど)が同じパターンで落ち着いている長期的な状態です。長期的な結論を比べるときに使います。)
共通点として、どちらの場合も「 」という条件を満たし、1人あたりの資本の大きさは利他的な人の割合に左右されません。また、親の利他性が強いほど、1人あたりの資本は増えます。修正黄金律 ( 長期的に「利他性」と「利子率」と「人口成長率」が特定の関係を満たす状態を指します。この条件が成り立つと、定常状態の資本の水準が決まります。)
一方で大きな違いは、遺産と幸せの結果です。
世襲タイプでは、利他的な人の割合が増えるほど、利他的な親が残す遺産は小さくなり、利他的な人の幸せも下がります。非利他的な人の幸せは、利他的な人の割合には左右されません。
獲得タイプでは、利他的な親は「利他的な子への遺産」と「非利他的な子への遺産」を分けて残し、利他的な子への遺産の方が多くなります。そして利他的な人の割合が増えるほど、両方の子への遺産が増え、両タイプの幸せも上がります。
さらに制度を比べると、獲得タイプでは、子ども1人あたりの遺産も、全体としての遺産も、世襲タイプより小さくなります。それでも非利他的な人は獲得タイプの方が得をし、利他的な人は世襲タイプの方が得をします。
- 方法論:
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分析には、人口が一定の割合で増える標準的な2期間OLGモデルを使います。企業は
で、生産はCobb–Douglas型の生産関数に従い、資本は毎期すべて減耗すると仮定します。賃金と利子率は、生産要素の「完全競争 ( 企業や家計が価格を自由に変えられず、市場価格を前提に行動する市場の考え方です。賃金や利子率が理論的に決まりやすくなります。) 」から決まるとします。限界生産力 ( 資本や労働を少し増やしたときに、生産がどれだけ増えるかという考え方です。賃金や利子率を決める基本になります。)
家計は2種類で、利他的なタイプAと非利他的なタイプEがいて、その比率は一定です。両者とも同じ形のライフサイクル効用を持ちますが、タイプEは自分の消費だけを考え、遺産を残しません。タイプAは、自分の効用に加えて子どもの効用も気にし、その重みは利他性の強さを表すパラメータで決まります。
解き方は、まず消費と貯蓄の最適化を行い、その後に (価値関数 ( ある時点から先、最適に行動したときに得られる合計の満足度をまとめた関数です。遺産の最適な決め方を理論的に導くのに使います。) )などを用いて遺産の額を決めます。ただし途中の時間変化は複雑なので、長期的に落ち着いた状態(Bellman方程式 ( 価値関数を使って、いまの選択と将来の価値のつながりを表す式です。何期にもわたる最適化(遺産を残す行動など)を解く道具になります。) )に焦点を当てて結論を出します。定常状態 ( 時間がたっても経済の状態(資本の大きさなど)が同じパターンで落ち着いている長期的な状態です。長期的な結論を比べるときに使います。) では子どもも同じタイプだけ、世襲タイプ ( 親が利他的なら子も利他的、親が非利他的なら子も非利他的、というようにタイプが親から子へ固定的に引き継がれる考え方です。) では利他的な親が両タイプの子を持ち、タイプ別に遺産を選べるとします。獲得タイプ ( 利他的な親でも利他的な子と非利他的な子の両方を持ちうるように、子どものタイプが固定ではなく決まる考え方です。現実のようにタイプが混ざる社会を表せます。)
- 結論と意義:
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この論文が示す重要点は、「人のタイプ(利他的かどうか)がどう決まるか」が、長期的な資本の大きさが同じように決まる場合でも、遺産を残す動機や、誰が得をするか(厚生の帰着)を大きく変えることです。
では、利他的な人が「非利他的な人があまり貯蓄しない分」を埋めるように行動するため、利他的な人の割合が増えると、逆に利他的な親の遺産が減り、利他的な人の幸せが下がります。世襲タイプ ( 親が利他的なら子も利他的、親が非利他的なら子も非利他的、というようにタイプが親から子へ固定的に引き継がれる考え方です。)
では、利他的な親が非利他的な子にも遺産を渡せるため、長期的には子どもの消費水準がタイプ間で同じになり、その結果、利他的な人の割合が増えるほど両方の子への遺産が増え、両タイプの幸せが上がります。獲得タイプ ( 利他的な親でも利他的な子と非利他的な子の両方を持ちうるように、子どものタイプが固定ではなく決まる考え方です。現実のようにタイプが混ざる社会を表せます。)
制度比較では、獲得タイプは必要な遺産の合計が小さいのに、非利他的な人へ利益が移り、利他的な人は損をします。つまり「どちらが良い社会か」は、利他的な人か非利他的な人かによって変わる、という点がこの論文の意義です。
- 今後の展望:
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今後の課題として、主に2つの方向が提案されています。
1つ目は、世襲か獲得かの極端な2択ではなく、「一部は世襲で一部は獲得」というより現実に近い設定へ広げることです。また、利他性が親からの情動学習によって身につく可能性を考え、親がその学習に投資する行動をモデルに入れて、遺産決定とどう結びつくかを研究することが重要だとしています。
2つ目は、財政政策の効果の分析です。タイプが獲得される社会では政策の効き方が変わる可能性があるため、公的債務、賦課方式年金、相続課税などについて、親が異なるタイプの子へ移転できる状況で政策効果を検討することが提案されています。
- 何のために?:
-
この研究は、親と子が同時にいる世界を考えます。
親が子どもを大事に思い、 を財産 ( お金や家や土地など、その人が持っている大切なもののまとめ 文章では親が子どもに残 すものとして使われていて何を「残 す」のかをはっきりさせるために重要 です) 残 すか調べます。
財産 を残 すことを、いさんを残 すと言います。
人には、やさしい人と、そうでない人がいます。
やさしい人は、他の人の幸せも気にします。
今までの研究は、親と子は同じタイプだとしました。
つまり、やさしい親の子も、やさしいと考えました。
でも本研究は、ちがう場合も考えます。
やさしい親でも、そうでない子がいるとします。
親は子のタイプで、いさんの量 を変 えられます。
この2つの考え方で、結果 を比 べるのが目的 です。
どれくらい、いさんが残 るかを見ます。
やさしい人と、そうでない人の幸せも比 べます。
- 何が分かったの?:
-
親が
必 ず、少しは、いさんを残 すとします。
その上で、2つの考え方を比 べました。
どちらでも、 というお金の元は同じ決まり方です。資本 ( お金を生み出すもとになるもの たとえば機械 や工場や道具やそれを買うためのお金のことです 文章では給料 や利子 がどう決まるかに関 わる大事な考え方です)
やさしい人が多いかどうかで、資本 は変 わりません。
親のやさしさが強いほど、資本 は増 えます。
でも、いさんと幸せは、大きくちがいました。
親子が同じタイプの世界では、やさしい人が増 えるほどです。
やさしい親が残 す、いさんが小さくなります。
そして、やさしい人の幸せも下がります。
そうでない人の幸せは、人数にあまり関係 しません。
タイプがまざる世界では、親はいさんを分けます。
やさしい子には多めに、そうでない子には少なめです。
そして、やさしい人が増 えるほど、いさんは増 えます。
その結果 、どちらのタイプも、幸せが上がります。
ただし合計のいさんは、タイプがまざる方が小さめです。
それでも、そうでない人は、まざる方が得 をします。
やさしい人は、同じタイプの方が得 をします。
- どうやったの?:
-
親と子の2
で考える、世代 ( 親や子のように同じ時代に生きる人のまとまり 文章では親と子の二世代で考えると書かれていて話の範囲 を決める重要 な言葉です) を使います。モデル ( 本当の世界をそのままではなく分かりやすくするために決まりを作って表した考え方 文章では研究の方法 として使われていて結果 がどう出るかの土台になります)
毎年、人の数が少しずつ増 えるとします。
会社は同じ で条件 ( 物事が成 り立つために決めておくルールや約束 文章では会社が同じ条件 で競 うなどと使われていて比 べ方を公平にするために重要 です) 競 い、物を作るとします。
お金の元になる機械 などは、毎回なくなるとします。
給料 や は、作る力の大きさで決まります。利子 ( お金を貸 したり借 りたりしたときに元のお金に追加 で増 えたり払 ったりするお金 文章では資本 があると増 えるお金として出てきて結果 の違 いを理解 するのに必要 です)
家は2種類 で、やさしいAと、そうでないEです。
Eは自分のことだけ考え、いさんを残 しません。
Aは自分だけでなく、子の幸せも気にします。
その気にする強さを、数で表して考えます。
まず、使うお金と、ためるお金を決めます。
そのあとで、いさんの量 を決める計算をします。
途中 の動きはむずかしいので、長い目で見ます。
最後 に落ち着く形を、 に調べます。中心 ( 調べるときにいちばん大事に見るポイント 文章では最後 に落ち着く形を中心に調べるとありどこを重点的 に見る研究かを示 します)
同じタイプでは、子も親と同じタイプです。
まざるタイプでは、親が2タイプの子を持ちます。
親は子のタイプごとに、いさんを選 べます。
- 研究のまとめ:
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この研究は、大事なことを
示 しました。
人のタイプが、どう決まるかで結果 が変 わります。
の大きさが同じでも、いさんは資本 ( お金を生み出すもとになるもの たとえば機械 や工場や道具やそれを買うためのお金のことです 文章では給料 や利子 がどう決まるかに関 わる大事な考え方です) 変 わります。
だれが得 をするかも、大きく変 わります。
同じタイプの世界では、やさしい人が助ける形です。
そうでない人が、あまりためない分を埋 めます。
だから、やさしい人が増 えると、いさんが減 ります。
そして、やさしい人の幸せも下がります。
まざるタイプの世界では、親はどの子にも渡 せます。
長い目では、子のくらしの水準 がそろいやすいです。
そのため、やさしい人が増 えるほど、いさんも増 えます。
そして、どちらのタイプも幸せが上がります。
の制度 ( 国や社会が決めているルールやしくみ 文章では国のしくみの効果 として出てきて相続税 などが結果 に影響 する理由を考えるために必要 です) 比 べ方では、まざる方が合計のいさんは小さめです。
でも利益 は、そうでない人により動きます。
やさしい人には、少し損 になることもあります。
どちらがよい社会かは、人のタイプで変 わります。
- これからどうする?:
-
これからの
は、主に2つあります。課題 ( これから解決 したい問題ややるべきこと 文章では今後の課題 として出てきて研究の次の目標 を表します)
1つ目は、もっと本物に近い形にすることです。
全部が 、全部が世襲 ( 親から子へ立場や財産 などが受けつがれること 文章ではタイプの決まり方の例 として出てきて親に似 る部分を説明 するのに重要 です) 、だけではありません。獲得 ( 生まれつきではなくあとから学んだり努力 したりして身につけること 文章では世襲 と対になる言葉として出てきて後から変 わる場合を表します)
少しは親に似 て、少しは学んで変 わる場合もあります。
また、やさしさは、親から学ぶかもしれません。
親が学びに力を入れる形も、入れて調べます。
それが、いさんとどうつながるかを見ます。
2つ目は、国のしくみの効果 を調べることです。
お金を集めて使うやり方で、結果 が変 わるかもしれません。
国の借金 、 、年金 ( 年をとったあとなどに国などから定期的 にもらうお金 文章では国のしくみの例 として出てきてくらしや財産 の残 し方に関 わる可能性 があります) などを考えます。相続税 ( 人が亡 くなったときに財産 を受けつぐ人が国に払 う税金 文章では国のしくみの例 として出てきていさんの量 がどう変 わるかに関 わる重要 な言葉です)
ちがうタイプの子に渡 せる時の影響 を調べます。
- 著者名:
- Hamada Kojun
- 掲載誌名:
- 新潟大学経済論集
- 巻:
- 112
- ページ:
- 1 - 20
- 発行日:
- 2022-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000332
