論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#学位論文
口腔ケラチノサイトの増殖能を評価するための画像解析法を用いた細胞/コロニー運動の非侵襲的測定 : 再生医療用細胞品質管理ツールとして
- AI解説:
- 上皮組織工学(例:表皮および角膜のcell sheet)の進歩により、製造中に治療上重要なkeratinocyteサブ集団が維持されていることを確認できる、堅牢な品質管理(quality control:QC)手法の必要性が高まっている。培養における細胞の「品質」を評価する従来法(定量的polymerase chain reactionやimmunohistochemistryなど)は、事後的かつ破壊的であり、移植を目的とする細胞をリアルタイムかつ無菌的にモニタリングする用途には適さない。そのため製造施設では、標準化が難しく定量性にも欠ける熟練者の目視検査に依存しているのが現状である。口腔keratinocyteはcell sheetを用いた治療や人工的に作製したmucosal constructで臨床使用されているが、規制要件に適合する形で、培養中の増殖能を非侵襲的かつ定量的に評価する確立した指標は存在しない。表皮keratinocyteにおいて、初期のコロニー運動が増殖能を予測しうるという先行知見に基づき、本研究は、time-lapse microscopyから口腔keratinocyteの細胞/コロニー運動をラベル不要(label-free)で定量化する実行可能な手法を開発・検証することを目的とした。具体的には、2つの相補的な画像解析アルゴリズムであるoptical flow(OF)とnormalised cross-correlation(NCC)を実装し、コロニー単位の2つの運動パラメータであるmean motion speed(MMS)とmean dynamic index(MDI)を算出し、これらの指標とコロニーの増殖能との関係を検討した。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#学位論文
口腔ケラチノサイトの増殖能を評価するための画像解析法を用いた細胞/コロニー運動の非侵襲的測定 : 再生医療用細胞品質管理ツールとして
AI解説
- 背景と目的:
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上皮組織工学(例:表皮および角膜のcell sheet)の進歩により、製造中に治療上重要なkeratinocyteサブ集団が維持されていることを確認できる、堅牢な品質管理(quality control:QC)手法の必要性が高まっている。培養における細胞の「品質」を評価する従来法(定量的polymerase chain reactionやimmunohistochemistryなど)は、事後的かつ破壊的であり、移植を目的とする細胞をリアルタイムかつ無菌的にモニタリングする用途には適さない。そのため製造施設では、標準化が難しく定量性にも欠ける熟練者の目視検査に依存しているのが現状である。口腔keratinocyteはcell sheetを用いた治療や人工的に作製したmucosal constructで臨床使用されているが、規制要件に適合する形で、培養中の増殖能を非侵襲的かつ定量的に評価する確立した指標は存在しない。表皮keratinocyteにおいて、初期のコロニー運動が増殖能を予測しうるという先行知見に基づき、本研究は、time-lapse microscopyから口腔keratinocyteの細胞/コロニー運動をラベル不要(label-free)で定量化する実行可能な手法を開発・検証することを目的とした。具体的には、2つの相補的な画像解析アルゴリズムであるoptical flow(OF)とnormalised cross-correlation(NCC)を実装し、コロニー単位の2つの運動パラメータであるmean motion speed(MMS)とmean dynamic index(MDI)を算出し、これらの指標とコロニーの増殖能との関係を検討した。
- 主要な発見:
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ヒト初代口腔keratinocyteコロニーのtime-lapse位相差画像を用い、著者らは2つの定量的な運動指標の算出に成功した。すなわち、OFによりmotion speed(MS)を、NCCによりdynamic index(DI)を算出し、各コロニーについてフレーム全体で要約してMMSおよびMDIとした。代表的な3つのコロニーにおけるMMS(平均±標準偏差)はそれぞれ35.27 ± 10.54、30.42 ± 8.97、27.98 ± 11.64(μm/hour)であり、MDIはそれぞれ0.58 ± 0.11、0.54 ± 0.10、0.40 ± 0.13であった。MMSによるコロニーの順位づけはMDIによる順位づけと一致し、観察期間を通じてMSとDIの時間的パターンも類似しているように見えた。OF由来のMS推定は、3つのコロニーで個々の細胞を手動追跡した結果との比較により検証された(Supplemental material 4に記載)。また著者らは、NCC由来のDIが運動量と整合的に振る舞うと主張し、細胞/コロニーの移動が速いとDIが増加することから、DIが運動に関連した適切なパラメータであることを支持している。コロニーの増殖能をpopulation doublings(PD)で定量化したところ、MMSとMDIはいずれもPDと統計学的に有意な、弱〜中等度の正の線形相関を示した(Pearson相関が有意と報告されているが、本文抜粋にはrの正確な値は示されていない)。総じて、増殖能が高いコロニーほどMMSおよびMDIが高い傾向があり、この条件下ではコロニーの移動性が高いことが増殖能の高さと関連することが示唆された。
- 方法論:
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ヒト口腔粘膜サンプルは、機関承認(Niigata University Medical & Dental Sciences Hospital Internal Review Board, 2015–5018)およびインフォームド・コンセントの下で取得した。初代口腔keratinocyteを樹立し、継代培養を行った。組織は、1.5% Antibiotic-Antimycoticを含む0.025% trypsin/EDTAで室温約16 h処理し、keratinocyteを0.0125% defined trypsin inhibitor中で機械的に解離した後、complete EpiLife® medium(EpiLife Defined Growth Supplementsおよび0.06 mM Ca2+を含む)にて、35 mm dishあたり3.0–4.0 × 10^5 cellsで播種した。播種4日後、温度および5% CO2を制御したチャンバー内でKeyence BZ-X710顕微鏡を用い、time-lapse位相差撮像を実施した。画像は×4 PlanFluor NA0.13 PhL対物レンズを用い、15 minごとに24 h(96フレーム)取得し、その後解析用に動画へ変換した。細胞情報を盲検化した2名の情報科学者が、解析対象コロニーを無作為に選定した。OFでは、Farnebäckアルゴリズム(OpenCV ver.3.4;neighbourhood 5 × 5 pixels;その他はデフォルト)により連続フレーム間のピクセルごとの変位ベクトルを生成した。予備的な背景測定に基づき、MS ≥ 1.00 pixel/frameのピクセルを細胞/コロニー領域として扱った(背景のMS最大0.57 pixels/frame;細胞/コロニーのMS最小1.12 pixels/frame)。MSは、スケール1.875 μm/pixel(100-μm bar = 53.3333 pixels)とフレーム間隔15 min(7.5倍)を用いてμm/hへ換算し、MMSは全フレームにわたるMSの平均とした。NCCでは、template matchingにより手動でマーキングしたコロニー領域をフレーム間で追跡し、DIをフレーム間の非類似度(NCC係数に基づく)から算出し、MDIは全フレームにわたるDIの平均とした。増殖能は、time-lapse終了24 h後(培養合計144 h)に細胞を固定し、dishをスキャンしたうえで、対象コロニーの細胞数をtime-lapse最初のフレームと終点で手動カウントし、PDをlog2(N/N0)として算出した。PDとMMS/MDIのPearson相関係数はExcelで計算した。
- 結論と意義:
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本研究は、口腔keratinocyteの細胞/コロニー運動が、標準的なtime-lapse位相差顕微鏡画像から、カスタムソフトウェアに実装した2つの既存computer-vision手法を用いて非侵襲的に定量化できることを示した。コロニー単位の運動パラメータ(OFからのMMS、NCCからのMDI)を定義することで、培養初期にラベル不要で導出可能な2つの定量指標を提示し、これらが個々のコロニーにおける増殖能(PD)と統計学的に有意な正の関連を示すことを示した。本研究は、破壊的な分子アッセイや標準化されていない技術者判断よりも、再生医療製造の制約に適合したQC手法へ向けた予備的ステップとして位置づけられている。重要な概念的貢献として、感度の異なる2つの相補的アルゴリズムを用い、互いの弱点を補い得る点が挙げられる。すなわちOFは、輪郭が複雑で対象を明確にセグメンテーションできない状況に有利とされる一方、NCCのtemplate matchingは、大きな変位が生じる場合により頑健だが、輪郭変化を伴わない純粋な並進運動には鈍感である可能性が述べられている。著者らは、単一パラメータに依存するよりも両指標を併用することで、より堅牢なモニタリングが可能になると主張し、さらに(本研究で定義した)DIは速度とは異なる運動関連指標として、QC目的のより多面的な評価を可能にするとしている。
- 今後の展望:
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著者らは、QCツールとして臨床導入する前に必要な方向性を複数示している。第一に、過大評価の可能性を減らし、多様な運動様式をよりよく捉えるための技術的改良が必要である。口腔keratinocyteは並進だけでなく回転も起こり得るが、現行手法では細胞輪郭が類似したままの回転運動を定量できない可能性がある。また、細胞分裂の際には一過性に縮小したり運動が停止したりすることがあるため、OFとNCCのいずれも細胞分裂ダイナミクスを精密には捉えられない可能性が指摘されている。第二に、2D位相差画像系列を用いることの大きな限界として、実際の細胞運動は三次元であり、本実装ではz軸方向のダイナミクスを解析できない点が挙げられる。OFとNCCを3D画像系列に対応させることが究極的な目標とされ、細胞追跡のための新興のlabel-free 3D imaging systemsの活用可能性が示されている。第三に、スケーラビリティ上の制約として、培養がconfluentに近づくと個別コロニーのサンプリングと追跡が困難になり、現行のコロニー基盤プロトコルは培養後期に全細胞集団を評価する用途には不適であると認めている。これに対応して、臨床的に現実的なQCワークフローの中で不良な細胞集団を同定・除去できるよう、MMSとMDI(および持続時間、面積、タイミングを組み込んだ関連指標)を用いたvessel-levelの測定プロトコルを開発・検証することが提案されている。最後に、「substandard」な細胞の判定基準は、MMS/MDIを長期増殖や上皮再生能などの機能的keratinocyteアウトカムと結び付けて確立する必要があり、さらに運動と増殖能の間の分子レベルの関連を明らかにする機序研究が必要である、と述べている。
- 背景と目的:
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皮ふや角膜などの上皮を、患者さん自身の細胞から「シート状」に作って移植する医療が進んでいます。こうした治療で効果を出すには、培養している間に、治療に特に重要な細胞(増え続ける力が高い細胞の集団)がきちんと保たれているかを確認する必要があります。そのため、製造中に使える信頼性の高い
が求められています。品質管理 ( 製造している細胞や組織が、決められた品質を満たしているかを確認する仕組みです。安全性と効果を担保するために欠かせません。)
しかし、これまでよく使われてきた細胞の評価法(遺伝子やタンパク質を調べる方法など)は、細胞を壊して調べる必要があるため、移植に使う細胞を無菌のままリアルタイムで見守る目的には向きません。その結果、現場では熟練者の目視チェックに頼りがちですが、これは数値で比べにくく標準化もしにくい問題があります。
そこで本研究は、口の中の上皮細胞である口腔ケラチノサイトについて、 画像だけから、染色などをせずに細胞やコロニーの動きを数値化し、その数値で「増える力(タイムラプス顕微鏡 ( 一定時間ごとに連続撮影して、細胞の動きや変化を動画のように観察する方法です。培養中の変化を追えるのが利点です。) )」を評価できる方法を作り、確かめることを目的にしました。具体的には、画像解析の方法として増殖能 ( 細胞が増えていく能力のことです。治療に使う細胞では、必要な細胞数を確保できるかや、性質の良い細胞が残っているかに関係します。) とoptical flow ( 連続する画像の明るさの変化から、画面上の各点がどの方向にどれだけ動いたかを推定する画像解析法です。形が複雑で境界がはっきりしない対象でも動きを捉えやすい点が重要です。) の2つを使い、コロニーごとの動きの指標であるnormalised cross-correlation ( 2つの画像(または画像の一部)がどれだけ似ているかを数値化する方法です。明るさの変動に強く、追跡や照合に広く使われます。) とMMS ( コロニーの動く速さを表す指標で、複数フレームのmotion speedを平均したものです。培養初期にコロニーの状態を数値で比べるのに役立ちます。) を計算し、これらと増殖能の関係を調べました。MDI ( コロニーの動きによる「見え方の変化」の大きさを表す指標で、dynamic indexを平均したものです。速さとは別の角度から動きを評価できる点が重要です。)
- 主要な発見:
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ヒトの初代口腔ケラチノサイトのコロニーをタイムラプスで撮影した
から、コロニーの動きを表す2つの数値を計算できました。位相差画像 ( 染色しなくても、生きた細胞を見やすくする顕微鏡画像の方式です。細胞を傷つけにくい観察に向きます。) からは動く速さ(optical flow ( 連続する画像の明るさの変化から、画面上の各点がどの方向にどれだけ動いたかを推定する画像解析法です。形が複雑で境界がはっきりしない対象でも動きを捉えやすい点が重要です。) )を、MS ( optical flowで推定した、フレーム間での動きの速さです。コロニーの運動性を直接的に表します。) からは動きの大きさを反映する指標(normalised cross-correlation ( 2つの画像(または画像の一部)がどれだけ似ているかを数値化する方法です。明るさの変動に強く、追跡や照合に広く使われます。) )を求め、各コロニーについて平均したものをそれぞれDI ( normalised cross-correlationにもとづき、連続フレーム間でコロニーがどれだけ変化したか(似ていなさ)を表す値です。移動や形の変化などをまとめて反映し得ます。) とMMS ( コロニーの動く速さを表す指標で、複数フレームのmotion speedを平均したものです。培養初期にコロニーの状態を数値で比べるのに役立ちます。) としました。MDI ( コロニーの動きによる「見え方の変化」の大きさを表す指標で、dynamic indexを平均したものです。速さとは別の角度から動きを評価できる点が重要です。)
3つの代表的なコロニーでは、MMSは約35、30、28 μm/hourで、MDIは約0.58、0.54、0.40でした。MMSが高いコロニーほどMDIも高く、順位づけは一致しました。
また、optical flowで求めた速さは、細胞を手作業で追跡した結果と比べて確かめられました。DIについても、細胞やコロニーの移動が速いほどDIが大きくなる傾向が示され、動きに関係する指標として使えることが支持されました。
さらに、コロニーの をPDで表して比べたところ、MMSとMDIはいずれもPDと「正の相関(高いほど高い)」を示し、統計的にも有意でした。つまり、この条件では、よく動くコロニーほど増える力も高い可能性が示されました。増殖能 ( 細胞が増えていく能力のことです。治療に使う細胞では、必要な細胞数を確保できるかや、性質の良い細胞が残っているかに関係します。)
- 方法論:
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口腔粘膜のサンプルは、倫理審査の承認と本人の同意のもとで入手しました。そこから初代の口腔ケラチノサイトを培養し、継代培養も行いました。
細胞は培養皿に播種し、播種4日後に、温度とCO2濃度を管理できる顕微鏡装置で位相差のタイムラプス撮影を行いました。15分ごとに24時間撮影し、合計96枚の画像を得て動画として解析しました。解析対象のコロニーは、細胞の情報を知らない2名が無作為に選びました。
ではFarnebäck法を使って連続する画像間のピクセルの動きを計算し、そこから速さoptical flow ( 連続する画像の明るさの変化から、画面上の各点がどの方向にどれだけ動いたかを推定する画像解析法です。形が複雑で境界がはっきりしない対象でも動きを捉えやすい点が重要です。) を求め、全時間の平均をMS ( optical flowで推定した、フレーム間での動きの速さです。コロニーの運動性を直接的に表します。) としました。MMS ( コロニーの動く速さを表す指標で、複数フレームのmotion speedを平均したものです。培養初期にコロニーの状態を数値で比べるのに役立ちます。) ではテンプレートマッチングでコロニー領域を追跡し、隣り合うフレーム間での「似ていなさ」からnormalised cross-correlation ( 2つの画像(または画像の一部)がどれだけ似ているかを数値化する方法です。明るさの変動に強く、追跡や照合に広く使われます。) を計算し、その平均をDI ( normalised cross-correlationにもとづき、連続フレーム間でコロニーがどれだけ変化したか(似ていなさ)を表す値です。移動や形の変化などをまとめて反映し得ます。) としました。MDI ( コロニーの動きによる「見え方の変化」の大きさを表す指標で、dynamic indexを平均したものです。速さとは別の角度から動きを評価できる点が重要です。)
は、タイムラプス終了後にコロニーの細胞数を最初と最後で数え、PD = log2(N/N0)で計算しました。PDとMMS/MDIの関係は増殖能 ( 細胞が増えていく能力のことです。治療に使う細胞では、必要な細胞数を確保できるかや、性質の良い細胞が残っているかに関係します。) で評価しました。Pearson相関 ( 2つの数値の関係がどれくらい一直線の傾向を持つかを表す統計指標です。品質指標と増殖能の関係を客観的に評価するのに使います。)
- 結論と意義:
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本研究は、標準的な位相差タイムラプス画像から、染色などをせずに口腔ケラチノサイトの細胞/コロニーの動きを数値化できることを示しました。
によるoptical flow ( 連続する画像の明るさの変化から、画面上の各点がどの方向にどれだけ動いたかを推定する画像解析法です。形が複雑で境界がはっきりしない対象でも動きを捉えやすい点が重要です。) と、MMS ( コロニーの動く速さを表す指標で、複数フレームのmotion speedを平均したものです。培養初期にコロニーの状態を数値で比べるのに役立ちます。) によるnormalised cross-correlation ( 2つの画像(または画像の一部)がどれだけ似ているかを数値化する方法です。明るさの変動に強く、追跡や照合に広く使われます。) という2つの指標は、培養初期に計算でき、しかもコロニーのMDI ( コロニーの動きによる「見え方の変化」の大きさを表す指標で、dynamic indexを平均したものです。速さとは別の角度から動きを評価できる点が重要です。) (PD)と正の関係がありました。増殖能 ( 細胞が増えていく能力のことです。治療に使う細胞では、必要な細胞数を確保できるかや、性質の良い細胞が残っているかに関係します。)
この方法は、細胞を壊して調べる検査や、標準化しにくい目視判断よりも、再生医療の製造現場で求められる「非侵襲で定量的な 」に近い考え方を提供します。さらに、2つの解析法を併用することで、片方の弱点をもう片方が補える可能性があり、より安定したモニタリングにつながると考えられます。また品質管理 ( 製造している細胞や組織が、決められた品質を満たしているかを確認する仕組みです。安全性と効果を担保するために欠かせません。) は「速さ」そのものとは違う情報を出せるため、多面的な評価にも役立つとされています。DI ( normalised cross-correlationにもとづき、連続フレーム間でコロニーがどれだけ変化したか(似ていなさ)を表す値です。移動や形の変化などをまとめて反映し得ます。)
- 今後の展望:
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臨床で
ツールとして使うには、改善すべき点が示されています。品質管理 ( 製造している細胞や組織が、決められた品質を満たしているかを確認する仕組みです。安全性と効果を担保するために欠かせません。)
まず、口腔ケラチノサイトは移動だけでなく回転も起こり得ますが、現在の方法では輪郭があまり変わらない回転運動をうまく数値化できない可能性があります。また、細胞分裂のときは一時的に縮んだり止まったりするため、分裂の動きを正確に捉えにくい点も課題です。
次に、位相差の2次元画像だけでは、実際の細胞運動の3次元性(奥行き方向)を解析できません。将来的には3D画像に対応させることが目標です。
さらに、培養が進んで細胞が密になってくると、個別コロニーを追跡して評価することが難しくなります。そのため、培養容器全体( )で不良な細胞集団を見つけて除外できるような、より現場向けの測定方法の開発が提案されています。最後に、「基準未満の細胞」をどう決めるかは、vessel-level ( 1つ1つのコロニーではなく、培養容器全体を単位として細胞集団の状態を評価する考え方です。臨床製造のような大規模培養で現実的になります。) /MMS ( コロニーの動く速さを表す指標で、複数フレームのmotion speedを平均したものです。培養初期にコロニーの状態を数値で比べるのに役立ちます。) を長期増殖や上皮の再生能力などの機能と結び付けて、基準を作る必要があるとされています。MDI ( コロニーの動きによる「見え方の変化」の大きさを表す指標で、dynamic indexを平均したものです。速さとは別の角度から動きを評価できる点が重要です。)
- 何のために?:
-
けがをした皮ふなどを
治 す があります。医りょう ( けがや病気を治 すためのしくみや手だてのことです。病院で行う治 りょうや薬の使い方などをふくみます。この文章では皮ふを治 す方法 の話なので、何のための研究かを理解 するのに大事です。)
自分の で、うすい細ぼう ( 体を作っているとても小さなつぶのようなものです。分かれてふえることで、体をなおしたり成長 したりします。この研究は細ぼうの元気さやふえる力を調べるので中心になる言葉です。) を作ります。シート ( ここでは、細ぼうで作ったうすい膜 のようなものです。体の治 したい場所にうつして使います。何を作って何に使うのかを示 す大事な言葉です。)
そのシートを、体にうつして使います。
うまく治 すには、大事な細ぼうが必要 です。
大事な細ぼうは、よくふえる力があります。
作っている間、それがあるか見たいです。
でも今の調べ方は、細ぼうをこわします。
そのため、 のまま見つづけにくいです。むきん ( ばいきんが入らないように、きれいにした状態 のことです。細ぼうをそだてるときにばいきんが入ると結果 が変 わるので、とても重要 です。)
だから、目で見て判断 することが多いです。
けれど、人でちがいが出やすいです。
そこで、写真だけで動きを数にしました。
口の中の細ぼうを、ぬらさずに調べます。
動きの数で、ふえる力を見たいです。
- 何が分かったの?:
-
口の中の
を、動画でとりました。細ぼう ( 体を作っているとても小さなつぶのようなものです。分かれてふえることで、体をなおしたり成長 したりします。この研究は細ぼうの元気さやふえる力を調べるので中心になる言葉です。)
その画像 から、動きを表す数を出せました。
1つは、どれくらい速く動くかです。
もう1つは、動きの大きさに近い数です。
よく動く ほど、両方の数が高めです。コロニー ( 細ぼうが集まってふえてできた、かたまりのことです。動きやすさと、どれくらいふえるかを比 べる対象 になります。)
速さの数は、手で追った結果 とも合いました。
動きの大きさの数も、速いと大きくなりました。
そして、よく動くほど、よくふえました。
- どうやったの?:
-
口の中の
は、サンプル ( 調べるために集めた材料 のことです。ここでは口の中から取ったものを指します。何を元に調べたのかをはっきりさせる言葉です。) をえて集めました。同意 ( 説明 を聞いた上で、やってよいと許可 することです。人の体からサンプルを集めるときに必要 で、研究を正しく行うために重要 です。)
そこから を取り、そだてました。細ぼう ( 体を作っているとても小さなつぶのようなものです。分かれてふえることで、体をなおしたり成長 したりします。この研究は細ぼうの元気さやふえる力を調べるので中心になる言葉です。)
4日後、 で動画をとりました。けんびきょう ( とても小さいものを大きく見えるようにする道具です。細ぼうの動画や写真をとるために使います。見えないものを観察 するために必要 です。)
15分ごとに、24時間、写真をとりました。
全部で96まいの画像 をつかいました。
は、2人がコロニー ( 細ぼうが集まってふえてできた、かたまりのことです。動きやすさと、どれくらいふえるかを比 べる対象 になります。) にランダム ( えらび方にかたよりが出ないように、決まりなく選 ぶことです。結果 が公平になりやすいので大事です。) 選 びました。
画像 から、動く速さの数を しました。計算 ( 数や式を使って、値 を出すことです。画像 から動きの数を出す場面で使い、目で見ただけより比 べやすくするために重要 です。)
別 の計算で、動きの大きさの数も出しました。
ふえる力は、前と後の細ぼう数で出しました。
その数と、動きの数の関係 も調べました。
- 研究のまとめ:
-
ふつうの
画像 だけで、動きを数にできました。
色をぬるしけんをしなくても大丈夫 です。
2つの動きの数は、早い時期に出せます。
その数が高いほど、ふえる力も高めでした。
これは、 をこわさずに見守れます。細ぼう ( 体を作っているとても小さなつぶのようなものです。分かれてふえることで、体をなおしたり成長 したりします。この研究は細ぼうの元気さやふえる力を調べるので中心になる言葉です。)
目だけの判断 より、くらべやすくなります。
2つの数を合わせると、弱い所を補 えます。
もう1つの数は、速さとちがう話も出せます。
- これからどうする?:
-
は、回るように動くこともあります。細ぼう ( 体を作っているとても小さなつぶのようなものです。分かれてふえることで、体をなおしたり成長 したりします。この研究は細ぼうの元気さやふえる力を調べるので中心になる言葉です。)
今の方法 では、それをうまく数にできないかもです。
細ぼうが分かれる時、動きが止まりがちです。
その動きも、つかみにくいのが課 だいです。
の写真だけだと、2次元 ( たてとよこだけの平らな広がりのことです。ふつうの写真がこれに当たり、奥行 きが分からないという限界 につながります。) 奥 の動きは見えません。
いつか、 の3D ( たてよこと奥行 きをふくむ、立体の見え方のことです。奥 の動きも見たいという今後の目標 に関係 します。) 画像 でも調べたいです。
細ぼうがぎゅうぎゅうだと、追いにくいです。
そのため、さらに使いやすい方法 が必要 です。
どこからがだめな細ぼうか、きまりも要 ります。
動きの数と、本当の力をつないで決めます。
- 著者名:
- 干川 絵美
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000370
