論文詳細
教育学部
#紀要論文
ブータン音階と琉球音階の微分音程
- AI解説:
- 日本の伝統的な音楽や民族音楽には微妙な音程感覚が存在し、それが私たちの日常生活にも影響を与えていることは広く知られています。これに対して、日本人特有の音程感覚を裏付ける研究や、他の地域の音楽における音程感覚についても多くの研究がなされています。本研究では、異なる地域の民族音楽に共通した音階が使われていることに着目し、「それぞれの民族音楽に見受けられる微分音的な特徴が音階に反映されているとしたら、同じ音階であってもその音程関係は微妙に異なってくる」という仮説を立てました。特に日本の代表的な音階である琉球音階とブータンの音階を比較することで、民族ごとの音程感覚の違いを明確にすることを目的としています。
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教育学部
#紀要論文
ブータン音階と琉球音階の微分音程
AI解説
- 背景と目的:
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日本の伝統的な音楽や民族音楽には微妙な音程感覚が存在し、それが私たちの日常生活にも影響を与えていることは広く知られています。これに対して、日本人特有の音程感覚を裏付ける研究や、他の地域の音楽における音程感覚についても多くの研究がなされています。本研究では、異なる地域の民族音楽に共通した音階が使われていることに着目し、「それぞれの民族音楽に見受けられる微分音的な特徴が音階に反映されているとしたら、同じ音階であってもその音程関係は微妙に異なってくる」という仮説を立てました。特に日本の代表的な音階である琉球音階とブータンの音階を比較することで、民族ごとの音程感覚の違いを明確にすることを目的としています。
- 主要な発見:
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本研究の結果、琉球音階とブータン音階には共通点と相違点がいくつか見られました。共通点として、主音、第3音、第4音は安定した音高で演奏されており、これらの音程感覚は類似していました。一方、第2音と第5音については、音程の多様性が顕著であり、特にブータン音楽では第2音が短3度と長3度の中間の音程、中立音程として演奏される傾向が見られました。また、琉球音楽では二組のテトラコルドが独立して使用されており、その一つである第4音が重要な役割を果たしていることが示唆されました。さらに、ブータン音楽における第5音は西洋音楽的な導音の要素が少ないことも明らかになりました。
- 方法論:
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本研究では、市販のCD音源を使用し、ブータンと琉球の音階を比較分析しました。ブータンの音楽からは“Dranyen Lamdren”という曲を選択し、Daw PenjorとJigme Drukpaによる演奏を分析対象としました。琉球音楽からは宮廷音楽の“首里節”を選びました。音声分析にはMelodyne singletrackとSUGI Speech Analyzerを使用し、各音のcentを計測することで音程の微妙な違いを明らかにしました。さらに、楽句の始まりや終わりの音、次に上下行する音などのパターンに分けて詳細に分析を行いました。
- 結論と意義:
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本研究により、琉球音階とブータン音階の相違点や共通点が明確になりました。完全4度は平均律とほぼ同じ音程感覚で演奏される一方、3度と7度は中立音程に近い音程で演奏される傾向が確認されました。また、琉球音階では二つのテトラコルドが独立して用いられる一方、ブータン音楽では音階全体が一つの単位として捉えられていました。これらの発見は、異なる民族音楽における音程感覚の違いを理解し、それぞれの文化の音楽をより深く理解するための基盤となります。さらに、この研究は伝統的な音楽教育の発展にも寄与し、音楽の多様性を学ぶための具体的な事例を提供します。
- 今後の展望:
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本研究は、ブータンと琉球の音楽における音程感覚の違いを明らかにしましたが、今回の分析結果はあくまで3つの音源に基づくものであり、ブータンと琉球の音楽を総括した特性であるとは断言できません。今後は、異なる音源を用いてさらに多角的な分析を行い、得られた結果を他の音源とも比較することで、より普遍的な結論を導き出す必要があります。また、他の地域の民族音楽との比較研究を行うことで、さらに多様な文化における音程感覚の違いを明らかにし、音楽の多様性を一層深く理解することが期待されます。
- 背景と目的:
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日本の伝統的な音楽や民族音楽には独特の
感覚があります。これは私たちの日常生活にも影響を与えています。この研究では、日本の琉球音階とブータンの音階を比較して、音程感覚の違いを明らかにすることを目的としています。音程 ( 2つの音の高さの差。例えば、ドとミの間の差が音程です。)
- 主要な発見:
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研究の結果、琉球音階とブータン音階には共通点と違いがあることがわかりました。両方の音楽で
、主音 ( 音階の基本となる音。例えば、ドレミファソラシドの「ド」が主音です。) 、第3音 ( 主音から数えて3番目の音。例えば、ドレミファソラシドの「ミ」が第3音です。) は安定した第4音 ( 主音から数えて4番目の音。例えば、ドレミファソラシドの「ファ」が第4音です。) で演奏されていましたが、第2音と第5音は異なる音程が見られました。特にブータン音楽では第2音が独特の音程で演奏される傾向がありました。また、琉球音楽では二組の音階が独立して使われており、特に第4音が重要な役割を果たしていることがわかりました。音程 ( 2つの音の高さの差。例えば、ドとミの間の差が音程です。)
- 方法論:
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市販のCDを使い、ブータンと琉球の音楽を分析しました。ブータン音楽からは“Dranyen Lamdren”という曲を、琉球音楽からは宮廷音楽の“首里節”を選びました。音声分析にはMelodyne singletrackとSUGI Speech Analyzerを使用しました。
- 結論と意義:
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研究により、琉球音階とブータン音階の違いと共通点が明らかになりました。この結果は、異なる文化の音楽を理解するための基盤となります。また、この研究は伝統的な音楽教育の発展にも役立ちます。
- 今後の展望:
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今回の研究は限られた音源を基にしたものであり、より多くの音源を使ったさらなる分析が必要です。他の地域の音楽との比較研究を行うことで、音楽の多様性をより深く理解できることが期待されます。
- 何のために?:
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日本の
伝統的 な音楽や民族 の音楽には、特別 な音の感じ方があります。これは、私 たちの日々の生活にも影響 します。この研究では、日本の とブータンの音階を琉球音階 ( 日本の琉球地方で使われる特別 な音の並 びです。琉球音楽の特徴的 な音の配置 です。) 比 べて、音の感じ方の違 いを調べます。
- 何が分かったの?:
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研究の
結果 、 と琉球音階 ( 日本の琉球地方で使われる特別 な音の並 びです。琉球音楽の特徴的 な音の配置 です。) にはブータン音階 ( ブータンで使われる特別 な音の並 びです。ブータン音楽の特徴的 な音の配置 です。) 共通点 と違 いがあるとわかりました。両方の音楽で、 、主音 ( 音階の基本 の音です。音楽の基礎 となる音です。) 、第3音 ( 音階の3つ目の音です。主音と一緒 に和音を作ります。) は安定した音でした。でも、第4音 ( 音階の4つ目の音です。音階の中心に位置 する音です。) と第2音 ( 音階の2つ目の音です。主音の隣 の音です。) は第5音 ( 音階の5つ目の音です。主音と和音を作る重要 な音です。) 違 う音でした。特 にブータン音楽では、第2音が特別 な音でした。また、琉球音楽では二つの音階が別々 に使われていて、第4音が大事でした。
- どうやったの?:
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市販 のCDを使って、ブータンと琉球の音楽を調べました。ブータン音楽からは「Dranyen Lamdren」という曲を選 びました。琉球音楽からは宮廷 音楽の「首里節 」を選 びました。音声分析 には とMelodyne singletrack ( 音の高さを分析 するためのソフトウェアです。音の調整や解析 に使われます。) を使いました。SUGI Speech Analyzer ( 音声を分析 するためのソフトウェアです。音)
- 研究のまとめ:
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研究により、
と琉球音階 ( 日本の琉球地方で使われる特別 な音の並 びです。琉球音楽の特徴的 な音の配置 です。) のブータン音階 ( ブータンで使われる特別 な音の並 びです。ブータン音楽の特徴的 な音の配置 です。) 違 いと共通点 がわかりました。この結果 は、異 なる文化の音楽を理解 するための基礎 となります。また、この研究は伝統的 な音楽教育の発展 にも役立ちます。
- これからどうする?:
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今回の研究は少ない
音源 で行いました。もっと多くの音源 でさらに分析 が必要 です。他の地域 の音楽とも比 べることで、音楽の多様性 をもっと深く理解 できるでしょう。
- 著者名:
- 鶏冠井 健人, 森下 修次
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編
- 巻:
- 14
- 号:
- 2
- ページ:
- 215 - 223
- 発行日:
- 2022-02
- 著者による要約:
- The Bhutanese folk song
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000388
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