論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
シスプラチンとシラスタチンの併用治療は腎機能障害を抑制することでシスプラチン投与量を増やせ、抗腫瘍効果を増強させる
- AI解説:
- Cisplatin(シスプラチン)は多くのがん種で用いられる高い効果をもつ細胞傷害性の抗がん薬である一方、用量依存性の腎毒性によって臨床上の使用が制約されている。確立された軽減策(例:マグネシウムとmannitolを補充したhydration)を行っても、臨床的に重要な急性腎障害は依然として一般的であり、治療を受けた患者の20–35%に腎機能障害が生じる。著者らは、近位尿細管上皮細胞(PTECs)の頂端膜にあるendocytic receptorであるmegalin(LRP2)が、cisplatinを含む複数の腎毒性薬剤の尿細管再吸収を媒介し、その結果PTEC障害につながることを示した先行研究に基づいている。また、in vitroでcilastatinがmegalinに結合し、cisplatin–megalin相互作用を低下させることも以前に観察していた。そこで本研究は、in vivoでcilastatinがcisplatinの抗腫瘍活性を弱めることなく、cisplatin誘発性腎毒性を抑制できるかを検証することを目的とした。さらに、cilastatinによる腎保護がcisplatinの最大耐量を引き上げ、抗腫瘍効果の改善につながるかどうかを評価するとともに、他の抗がん薬もmegalinに結合し、cilastatinによって競合的に阻害されうるかを調べることも目標とした。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
シスプラチンとシラスタチンの併用治療は腎機能障害を抑制することでシスプラチン投与量を増やせ、抗腫瘍効果を増強させる
AI解説
- 背景と目的:
-
Cisplatin(シスプラチン)は多くのがん種で用いられる高い効果をもつ細胞傷害性の抗がん薬である一方、用量依存性の腎毒性によって臨床上の使用が制約されている。確立された軽減策(例:マグネシウムとmannitolを補充したhydration)を行っても、臨床的に重要な急性腎障害は依然として一般的であり、治療を受けた患者の20–35%に腎機能障害が生じる。著者らは、近位尿細管上皮細胞(PTECs)の頂端膜にあるendocytic receptorであるmegalin(LRP2)が、cisplatinを含む複数の腎毒性薬剤の尿細管再吸収を媒介し、その結果PTEC障害につながることを示した先行研究に基づいている。また、in vitroでcilastatinがmegalinに結合し、cisplatin–megalin相互作用を低下させることも以前に観察していた。そこで本研究は、in vivoでcilastatinがcisplatinの抗腫瘍活性を弱めることなく、cisplatin誘発性腎毒性を抑制できるかを検証することを目的とした。さらに、cilastatinによる腎保護がcisplatinの最大耐量を引き上げ、抗腫瘍効果の改善につながるかどうかを評価するとともに、他の抗がん薬もmegalinに結合し、cilastatinによって競合的に阻害されうるかを調べることも目標とした。
- 主要な発見:
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マウスでは、cisplatin 6 mg/kgでPTECにおけるkidney injury molecule-1(KIM-1)染色が増加し、blood urea nitrogen(BUN)も上昇した一方、3 mg/kgではこれらの変化がみられず、研究条件下では6 mg/kgが最大耐量を超えていたことが示された。6 mg/kg cisplatin投与マウスにcilastatinを併用すると、KIM-1発現が有意に減少し、BUNも低下し、cisplatin腎毒性に対する保護効果が支持された。報告された解析では、cilastatinはcisplatinに関連する末梢血細胞数(白血球・赤血球)を測定可能な範囲で変化させず、cisplatinに伴う体重減少にも影響しなかった。megalin遮断が腫瘍への薬剤取り込みを損なう可能性に対しては、western blottingによりCT26マウス腫瘍細胞および複数のヒト肺がん細胞株でmegalinタンパク質が検出されず、またCCLEのmicroarrayの確認では、検討したがん種間でLRP2発現レベルは同程度で、中央値は肺がんと同程度に低いことが示された。2つのin vivo腫瘍モデルでは、腎毒性を避けるために選定した用量のcisplatinに対し、cilastatinはcisplatinの抗腫瘍効果を低下させなかった。重要な点として、cilastatinを6 mg/kg cisplatinと組み合わせることで、腎機能障害なくより高用量のcisplatin投与が可能となり、低用量cisplatinよりもマウス腫瘍およびヒト腫瘍の増殖を有意に強く抑制した。最後に、quartz crystal microbalance(QCM)実験では、cisplatin、carboplatin、oxaliplatin、pemetrexedが固定化megalinに結合した一方、gemcitabineは結合せず、cilastatinはこれらmegalinと相互作用する薬剤の結合を競合的に阻害した。
- 方法論:
-
本研究は、マウス腎毒性試験、in vivo腫瘍有効性試験、タンパク質発現解析、ならびに生物物理学的結合測定を統合して実施した。承認された動物実験プロトコルの下、雌のC57BL/6J、BALB/cA、C.B-17/Icr-scid(SCID)マウス(8–12週齢)を用いた。腎毒性評価では、BALB/cAマウスに対し、day 0、3、6に指定用量のcisplatinを腹腔内投与し、cilastatin(100 mg/kg)をday 0から6まで1日1回皮下投与した。day 9に腎臓を採取し、avidin–biotin–peroxidase法によるKIM-1免疫組織化学を行った。腎毒性は、腎皮質の無作為に選んだ5領域(400×)を各腎切片で撮像し、Image-Pro Plus v.7.0でKIM-1陽性面積率を算出して定量した。BUNも測定した。western blottingでは、CT26および複数のヒト肺がん細胞株(A549、HCC827、H1975、S2、Lu85)におけるmegalin発現を評価し、腎臓およびHK-2溶解液を陽性対照とした。さらに、CCLE microarrayデータを用いて、がん種間のLRP2発現パターンを検討した。抗腫瘍活性は、皮下CT26腫瘍を有するBALB/cAマウスと、A549 xenograftを有するSCIDマウスで検証した。cisplatin(3–6 mg/kg)をday 2、5、8に腹腔内投与し、cilastatin(100 mg/kg)をday 2から8まで毎日皮下投与する群としない群を比較し、腫瘍面積(mm²)を週3回、ノギスで測定した。薬剤–megalin相互作用は、ラット腎臓から精製したmegalinをセンサー先端に固定化してQCMで評価した。共鳴周波数の変化で結合を定量し、競合阻害は薬剤注入前にcilastatin(10 mg/ml)を前結合させて検証した。統計解析は、腫瘍モデルの群間比較にStudent’s t-testを用い、その他のデータにはBonferroni補正を伴う一元配置ANOVAを用いた(両側P < 0.05)。
- 結論と意義:
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著者らは、cilastatinが近位尿細管刷子縁におけるcisplatinとmegalinの相互作用を遮断することで、in vivoでcisplatin誘発性腎毒性を抑制すると結論づけている。これは、腎毒性を示すcisplatin用量への曝露にもかかわらず、KIM-1染色の低下とBUN低値として反映された。cisplatinでは腎機能障害が用量上限を規定するため、この腎保護は投与可能なcisplatin用量を引き上げる機序として提示される。腫瘍担持マウスでは、cilastatin併用により腎障害を回避しながら2倍高用量のcisplatin(6 mg/kg vs 3 mg/kg)を投与でき、より強い腫瘍増殖抑制が得られた。また、検討した腫瘍細胞株でmegalinタンパク質が検出されなかったこと、ならびに非腎毒性用量のcisplatinにcilastatinを追加してもin vivo抗腫瘍効果が変化しなかったことから、megalin遮断がcisplatinの抗腫瘍活性を弱める可能性は低いと論じている。さらにcisplatin以外でも、carboplatin、oxaliplatin、pemetrexedがmegalinに結合し、cilastatinがこれらの相互作用を競合的に阻害するというQCMの証拠は、cilastatinがmegalin結合性の複数の抗がん薬で腎毒性を低減しうるという、より広い示唆を支持する。総合すると、本研究は、用量制限毒性の主要因である腎毒性を軽減することでcisplatinの投与可能量を拡大し、治療成績の改善につながる可能性のある戦略として、cilastatin併用を位置づけている。
- 今後の展望:
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本論文は、前臨床データが支持的である一方で、cilastatinがcisplatinの抗腫瘍有効性に与える影響は「臨床の場でさらに評価されるべき」であると強調し、ヒトでの検証が必要であることを明確に認めている。著者らは、腎機能悪化リスクのためcisplatinが避けられがちな慢性腎臓病(CKD)患者において、併用療法がcisplatin使用を可能にするかもしれないと提案し、腎毒性が治療中止の要因となるレジメン(例:platinum plus pemetrexed)での潜在的利益も示唆している。さらに、PD-1/PD-L1 blockade therapyは腎炎を起こし得て、platinum-based chemotherapyに追加した場合に腎リスクが増加しうるため、chemoimmunotherapyの文脈でcilastatinが腎毒性を低減できるかを検証する追加研究の動機になるとも述べている。具体的には、非小細胞肺がん患者を対象に、cisplatin plus cilastatinの安全性と薬物動態を評価するphase I試験を実施中であると報告している(UMIN000030363)。
- 背景と目的:
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シスプラチンは、いろいろながんに効きやすい強い抗がん薬ですが、使う量が増えるほど腎臓に強いダメージを与えやすいという問題があります。そのため、十分な効果が期待できる量まで増やしたくても、腎臓への副作用のせいで治療が制限されてしまいます。水分を多く入れる点滴などの対策をしても、治療を受けた人の20から35パーセントで腎機能の低下が起こるとされています。
研究グループは、腎臓の一部の細胞にある という受け取り口が、シスプラチンなどの腎臓に悪い薬を細胞の中に取り込みやすくし、それが腎障害につながることに注目しました。さらに、メガリン ( 近位尿細管上皮細胞の表面にある受け取り口で、体に必要な物質などを細胞内に取り込む働きをします。一部の薬もここから取り込まれて腎障害につながるため、腎毒性を考えるうえで重要です。) という薬がメガリンにくっつくことで、シスプラチンがメガリンに結びつくのを弱められる可能性も示されていました。シラスタチン ( もともと別の抗菌薬と一緒に使われることがある薬で、腎臓での薬の蓄積を減らす働きが知られています。この研究では、メガリンへの結合を利用してシスプラチンの腎毒性を弱める目的で使われました。)
そこでこの研究では、動物の体内で、シラスタチンを一緒に使うことで、シスプラチンのがんへの効果を落とさずに腎障害を減らせるかを確かめました。また、腎障害が減ることでシスプラチンをより高い量まで安全に使えるようになり、結果として抗がん効果が上がるかどうかも調べました。さらに、シスプラチン以外の抗がん薬でもメガリンにくっつくものがあり、シラスタチンでその結びつきを邪魔できるかも確認しました。
- 主要な発見:
-
マウスにシスプラチンを投与すると、3 mg/kgでは腎障害のサインは目立ちませんでしたが、6 mg/kgでは腎臓の細胞が傷ついたことを示す指標が増え、血液検査の値も悪化しました。つまり、この条件では6 mg/kgはマウスにとって負担が大きすぎる量だと考えられました。
ところが、6 mg/kgのシスプラチンに を併用すると、腎障害の指標がはっきり減り、血液検査の値も改善しました。また、血液中の白血球や赤血球の数、体重減少といった他の変化については、シラスタチン併用による大きな悪化は確認されませんでした。シラスタチン ( もともと別の抗菌薬と一緒に使われることがある薬で、腎臓での薬の蓄積を減らす働きが知られています。この研究では、メガリンへの結合を利用してシスプラチンの腎毒性を弱める目的で使われました。)
「 を邪魔すると腫瘍に薬が入りにくくなって効き目が落ちるのでは」という心配については、調べたマウスの腫瘍細胞や複数のヒト肺がん細胞で、メガリンの存在が確認できませんでした。実際に腫瘍を持つマウスで試したところ、腎障害が出ない範囲のシスプラチン量では、シラスタチンを足しても抗がん効果は下がりませんでした。メガリン ( 近位尿細管上皮細胞の表面にある受け取り口で、体に必要な物質などを細胞内に取り込む働きをします。一部の薬もここから取り込まれて腎障害につながるため、腎毒性を考えるうえで重要です。)
さらに重要な点として、シラスタチンを一緒に使うことで、通常なら腎障害が問題になる6 mg/kgのシスプラチンを腎障害なしで使えるようになり、3 mg/kgよりも腫瘍の増殖を強く抑えられました。
また、薬がメガリンにくっつくかどうかを調べる実験では、シスプラチンだけでなくカルボプラチン、オキサリプラチン、ペメトレキセドもメガリンにくっつき、シラスタチンはそれらの結びつきを競争的に邪魔できました。一方で、ゲムシタビンはメガリンにくっつきませんでした。
- 方法論:
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この研究は、腎臓への毒性を調べる試験、腫瘍への効き目を調べる試験、タンパク質の確認、薬と
の結合を測る実験を組み合わせて行いました。メガリン ( 近位尿細管上皮細胞の表面にある受け取り口で、体に必要な物質などを細胞内に取り込む働きをします。一部の薬もここから取り込まれて腎障害につながるため、腎毒性を考えるうえで重要です。)
の評価では、マウスに決められた日程でシスプラチンを注射し、腎毒性 ( 薬などが原因で腎臓が傷つき、働きが低下してしまう性質のことです。腎毒性が強いと、治療を続けられなくなったり、薬の量を減らさざるを得なくなったりします。) を毎日投与する群としない群を比べました。その後、腎臓の組織を染色して腎障害の指標を定量し、あわせて血液検査も行いました。シラスタチン ( もともと別の抗菌薬と一緒に使われることがある薬で、腎臓での薬の蓄積を減らす働きが知られています。この研究では、メガリンへの結合を利用してシスプラチンの腎毒性を弱める目的で使われました。)
また、腫瘍モデルでは、マウスに腫瘍を作り、シスプラチン単独とシラスタチン併用で腫瘍の大きさの変化を比べました。
さらに、腫瘍細胞にメガリンがあるかどうかをタンパク質の検出法で確認し、別の公開データも使って遺伝子の発現傾向を調べました。薬とメガリンがどの程度くっつくかは、専用の測定装置を使って評価し、シラスタチンによる邪魔の効果も確かめました。
- 結論と意義:
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は、腎臓の細胞表面にあるシラスタチン ( もともと別の抗菌薬と一緒に使われることがある薬で、腎臓での薬の蓄積を減らす働きが知られています。この研究では、メガリンへの結合を利用してシスプラチンの腎毒性を弱める目的で使われました。) とシスプラチンの結びつきを邪魔することで、体内でシスプラチンによる腎障害を減らせる可能性が示されました。腎臓への副作用はシスプラチンの「これ以上増やせない量」を決めてしまう大きな原因なので、腎保護ができれば、より高い量のシスプラチンを安全に使える可能性があります。メガリン ( 近位尿細管上皮細胞の表面にある受け取り口で、体に必要な物質などを細胞内に取り込む働きをします。一部の薬もここから取り込まれて腎障害につながるため、腎毒性を考えるうえで重要です。)
腫瘍を持つマウスでは、シラスタチン併用により、腎障害を避けながらシスプラチンをより高用量で使え、その結果として腫瘍の増殖をより強く抑えられました。また、調べた腫瘍細胞でメガリンが見つからなかったことや、低用量では抗がん効果が落ちなかったことから、メガリンを邪魔することがシスプラチンの抗がん効果を弱める可能性は低いと考えられました。
さらに、複数の抗がん薬がメガリンにくっつき、シラスタチンがそれを邪魔できたことから、シスプラチン以外の薬でも を減らせる可能性が示唆されます。腎毒性 ( 薬などが原因で腎臓が傷つき、働きが低下してしまう性質のことです。腎毒性が強いと、治療を続けられなくなったり、薬の量を減らさざるを得なくなったりします。)
- 今後の展望:
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この研究はマウスなどを使った前臨床の結果なので、ヒトの治療でも本当に同じように安全で有効かどうかは、今後の臨床研究で確認する必要があります。特に、腎機能が悪化しやすいためにシスプラチンを使いにくい
の患者さんで役立つ可能性があります。慢性腎臓病 ( 腎機能の低下が長く続く状態です。腎毒性のある薬で悪化しやすく、抗がん薬の選択や量に影響します。)
また、免疫療法を抗がん薬に追加する治療では腎臓の炎症が起きることもあり、腎リスクが高まる可能性があるため、そのような治療の中で が腎障害を減らせるかも今後の課題です。実際に、非小細胞肺がんの患者さんを対象に、シスプラチンとシラスタチン併用の安全性や体内での薬の動きを確かめるシラスタチン ( もともと別の抗菌薬と一緒に使われることがある薬で、腎臓での薬の蓄積を減らす働きが知られています。この研究では、メガリンへの結合を利用してシスプラチンの腎毒性を弱める目的で使われました。) が進められています。第1相試験 ( 新しい治療を人で初めて詳しく試す段階の臨床試験で、主に安全性や体内での薬の動きを確認します。治療として広く使う前の重要なステップです。)
- 何のために?:
-
は、がんの薬の一つです。シスプラチン ( がんを治 すために使う薬の名前です:強い効き目 がある一方で腎臓 を傷 つける副作用 が出ることがあり:安全に使える量 を決めるうえで大事です)
よく効 きますが、 に悪いことがあります。腎臓 ( 血をきれいにして体の中のいらないものを尿 として出す臓器 です:薬の副作用 で傷 つくと体の調子に大きく影響 するため重要 です)
たくさん使うほど、腎臓 が傷 つきやすいです。
だから、増 やしたくても増 やせません。
で水分を入れても、点滴 ( 細い管 を使って体の中に水分や薬をゆっくり入れる方法 です:脱水 を防 いだり薬の副作用 を減 らすために使われます) 腎臓 が弱る人がいます。
20〜35人に1人くらいと考えられます。
腎臓 の細胞 には、 があります。メガリン ( 腎臓 の細胞 の表面にある物を取りこむためのしくみです:薬が細胞 の中に入りやすくなり腎臓 の傷 つきに関係 すると考えられます)
メガリンは、物を取りこむ入り口です。
悪い薬も中に入れやすくする、と考えました。
それが、腎臓 の傷 つきにつながります。
という薬があります。シラスタチン ( 薬の名前でメガリンにくっつくとされます:シスプラチンなどがメガリンにくっつくのをじゃまして腎臓 を守れる可能性 があるため重要 です)
これはメガリンに、くっつくと言われます。
すると、シスプラチンがくっつきにくいかもです。
そこで、一緒 に使う実験 をしました。
がんへの効き目 を、弱めないかも見ます。
腎臓 のダメージが、減 るかを確 かめます。
安全なら、量 を増 やせるかも調べます。
ほかのがんの薬でも、同じかも見ました。
- 何が分かったの?:
-
マウスに
をシスプラチン ( がんを治 すために使う薬の名前です:強い効き目 がある一方で腎臓 を傷 つける副作用 が出ることがあり:安全に使える量 を決めるうえで大事です) 注射 しました。
少ない量 では、 の腎臓 ( 血をきれいにして体の中のいらないものを尿 として出す臓器 です:薬の副作用 で傷 つくと体の調子に大きく影響 するため重要 です) 変化 は小さめでした。
多い量 では、腎臓 が傷 ついたサインが出ました。
血の検査 の数値 も、悪くなりました。
この量 は、マウスにはきついと考えました。
でも、 もシラスタチン ( 薬の名前でメガリンにくっつくとされます:シスプラチンなどがメガリンにくっつくのをじゃまして腎臓 を守れる可能性 があるため重要 です) 一緒 に使いました。
すると、腎臓 の悪いサインが減 りました。
血の検査 の数値 も、よくなりました。
や白血球 ( 体をばい菌 などから守る血の成分 です:薬で減 ると感染 しやすくなるので安全性 の確認 に使われます) は、大きく悪くなりません。赤血球 ( 体に酸素 を運ぶ血の成分 です:薬で減 ると貧血 になりやすいので副作用 の目安になります)
体重の減 り方も、ひどくなりませんでした。
「がんに効 かなくなるのでは」と心配です。
そこで、がんの細胞 に があるか見ました。メガリン ( 腎臓 の細胞 の表面にある物を取りこむためのしくみです:薬が細胞 の中に入りやすくなり腎臓 の傷 つきに関係 すると考えられます)
すると、調べたがんの細胞 では見つかりません。
そのため、効き目 が下がりにくいと考えます。
がんのあるマウスでも試 しました。
少ない量 では、効き目 は下がりませんでした。
さらに大事な発見がありました。
多い量 でも、腎臓 を守りながら使えました。
その結果 、がんの大きくなるのを強く止めました。
ほかの薬も、メガリンにくっつくか見ました。
いくつかの薬は、メガリンにくっつきました。
シラスタチンは、そのくっつきを邪魔 できました。
でも、くっつかない薬もありました。
- どうやったの?:
-
この研究は、いくつかの
実験 を組みました。
への悪さを調べる腎臓 ( 血をきれいにして体の中のいらないものを尿 として出す臓器 です:薬の副作用 で傷 つくと体の調子に大きく影響 するため重要 です) 実験 をしました。
がんへの効き目 を調べる実験 もしました。
細胞 に があるかも調べました。メガリン ( 腎臓 の細胞 の表面にある物を取りこむためのしくみです:薬が細胞 の中に入りやすくなり腎臓 の傷 つきに関係 すると考えられます)
薬とメガリンが、くっつく強さも測 りました。
マウスに決まった日に、薬を注射 しました。
を毎日使う組と、使わない組をシラスタチン ( 薬の名前でメガリンにくっつくとされます:シスプラチンなどがメガリンにくっつくのをじゃまして腎臓 を守れる可能性 があるため重要 です) 比 べます。
そのあと、腎臓 を染 めて細かく見ました。
血の検査 もして、体の変化 を調べました。
がんの実験 では、マウスにがんを作ります。
薬だけの組と、一緒 に使う組を比 べました。
がんの大きさが、どう変 わるかを見ました。
- 研究のまとめ:
-
は、シラスタチン ( 薬の名前でメガリンにくっつくとされます:シスプラチンなどがメガリンにくっつくのをじゃまして腎臓 を守れる可能性 があるため重要 です) を守るかもしれません。腎臓 ( 血をきれいにして体の中のいらないものを尿 として出す臓器 です:薬の副作用 で傷 つくと体の調子に大きく影響 するため重要 です)
と薬のメガリン ( 腎臓 の細胞 の表面にある物を取りこむためのしくみです:薬が細胞 の中に入りやすくなり腎臓 の傷 つきに関係 すると考えられます) 結 びつきを、邪魔 するからです。
それで、腎臓 の細胞 に入りにくくします。
腎臓 の は、副作用 ( 薬の目的 とは別 に起きる望 ましくない作用です:治療 の量 や続 け方を決めるうえでとても重要 です) 量 を決める大きな理由です。
守れれば、より多くを安全に使えるかもです。
がんのあるマウスでは、いい結果 でした。
腎臓 を守りながら、多い量 を使えました。
その結果 、がんの増 え方を強く止めました。
がんの細胞 にメガリンが見つからない点も大事です。
だから、効き目 が下がりにくいと考えました。
また、ほかのがんの薬でも同じ可能性 があります。
腎臓 への悪さを、減 らせるかもしれません。
- これからどうする?:
-
これは、主にマウスでの研究です。
人でも同じかは、これから確 かめます。
病院での研究で、安全かどうかを見ます。
が弱い人には、役立つかもしれません。腎臓 ( 血をきれいにして体の中のいらないものを尿 として出す臓器 です:薬の副作用 で傷 つくと体の調子に大きく影響 するため重要 です)
また、別 の治療 で腎臓 が になることもあります。炎症 ( 体の一部が赤くなったりはれたり熱 をもったりする反応 です:治療 や病気で起きることがあり腎臓 を守る必要 につながります)
そんなとき、守れるかも次の課題 です。
今、 の人での肺 がん( 肺 にできるがんです:人での試験 が進んでいる病気として出てきます) 試験 も進んでいます。
安全さや、薬の動き方を調べています。
- 著者名:
- 有田 将史
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000466
