論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科における外来および入院患者の臨床統計的観察
- AI解説:
- 新潟大学医歯学総合病院は、2003年に医学部附属病院と歯学部附属病院が統合されて設立され、「患者本位の安全で安心できる医療の提供」を理念として掲げています。特に地域医療との連携に重きを置き、地域住民に高度で質の高い医療を提供することを目指しています。この背景のもと、口腔再建外科の役割を明確化し、特定機能病院として地域医療にどのように貢献しているか、また今後の発展の方向性を探ることを目的に、病院統合後の外来受診患者および入院患者の臨床統計的観察を行いました。
AI解説を見る
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科における外来および入院患者の臨床統計的観察
AI解説
- 背景と目的:
-
新潟大学医歯学総合病院は、2003年に医学部附属病院と歯学部附属病院が統合されて設立され、「患者本位の安全で安心できる医療の提供」を理念として掲げています。特に地域医療との連携に重きを置き、地域住民に高度で質の高い医療を提供することを目指しています。この背景のもと、口腔再建外科の役割を明確化し、特定機能病院として地域医療にどのように貢献しているか、また今後の発展の方向性を探ることを目的に、病院統合後の外来受診患者および入院患者の臨床統計的観察を行いました。
- 主要な発見:
-
今回の研究で、外来新患患者数は10年間で緩やかに増加しており、紹介率も年々上昇していました。特に院外からの紹介が多く、地域医療機関との密接な連携が伺えます。疾患別では、歯の疾患が最も多く、次いで炎症性疾患や粘膜・皮膚疾患が多いことがわかりました。また、入院患者に関しては顎変形症と悪性腫瘍が多く、特に顎変形症は他施設と比較しても高い割合を占めていました。これらの発見は、当科が高度で専門的な医療を提供する機能を十分に果たしていることを示しています。
- 方法論:
-
対象は2003年1月から2012年12月までの10年間に新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科を受診した外来初診患者および、新病棟移転後の2005年1月から2012年12月までの8年間の入院患者です。外来初診患者数や院外歯科・医科からの紹介率、逆紹介率、疾患別症例数、入院患者数および疾患別比率について調査を行いました。疾患名はカルテ記載を元にICD-10分類に従い、歯の疾患から悪性腫瘍まで多岐にわたる疾患に分類して分析しました。
- 結論と意義:
-
当科は特定機能病院として高い紹介率を維持し、地域医療機関との連携を強化していることが明らかになりました。外来患者では歯の疾患が最も多く見られ、入院患者では顎変形症と悪性腫瘍が多いことから、高度で専門的な医療を提供する機関としての役割を果たしていることが示されました。また、逆紹介率が他の歯科分野に比べて高かったものの、さらに改善の余地があることが示唆されました。これにより、地域医療との連携を深化させるための診療体系の構築が重要であると結論づけられました。
- 今後の展望:
-
今後、当科が高次医療提供病院としての機能を維持しながら、逆紹介率の改善に取り組むことが求められます。また、地域医療機関との診療機能の分担をさらに推進し、連携を強化するための具体的な方策を検討する必要があります。さらに、超高齢社会に対応した医療提供や、医科との連携強化による専門的な治療の提供が求められる時代背景を考慮し、持続可能な医療システムの構築を目指すことが重要です。これにより、地域住民に広く高品質な医療を提供し続けることが期待されます。
- 背景と目的:
-
新潟大学医歯学総合病院は、2003年に医学部附属病院と歯学部附属病院が一つになってできました。「患者さんが安心して治療を受けられる医療」を目指しています。また、地域の医療機関と協力して、地域の人々に質の高い医療を提供することを目標としています。今回の研究では、口腔再建外科がどのように地域医療に貢献しているかを調べ、今後の発展の方向性を探るために、外来と入院患者のデータを分析しました。
- 主要な発見:
-
この研究で、外来患者の新規受診者数は10年間で少しずつ増えており、紹介患者の割合も増加していました。特に他の医療機関からの紹介が多く、地域医療機関との連携が強いことがわかりました。疾患ごとに見ると、歯の病気が最も多く、次に炎症性疾患や粘膜・皮膚疾患が多いことがわかりました。入院患者では
(あごの形が変わる病気)と顎変形症 ( あごの形が変わる病気で、手術が必要になることがあります。) (がん)が多く、特に顎変形症の割合が高いことがわかりました。これらの発見は、病院が高度で専門的な医療を提供していることを示しています。悪性腫瘍 ( がんのことです。悪性の細胞が増えて、周りの組織を壊す病気です。)
- 方法論:
-
対象は、2003年から2012年までの10年間に新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科を受診した外来初診患者と、2005年から2012年までの8年間の入院患者です。外来初診患者数、外部歯科・医科からの紹介率、
、疾患別症例数、入院患者数および疾患別比率を調査しました。疾患の名前はカルテに記載されたものを基に逆紹介率 ( 専門的な治療が終わった後、元の医療機関に患者を戻す割合のことです。) で分類しました。ICD-10分類 ( 病気や健康状態を国際的に統一した基準で分類するシステムです。)
- 結論と意義:
-
この研究で、新潟大学医歯学総合病院の口腔再建外科が地域医療機関と連携して、質の高い医療を提供していることがわかりました。外来患者では歯の疾患が多く、入院患者では
や顎変形症 ( あごの形が変わる病気で、手術が必要になることがあります。) が多いことがわかりました。ただし、悪性腫瘍 ( がんのことです。悪性の細胞が増えて、周りの組織を壊す病気です。) が他の歯科分野に比べて高かったものの、さらに改善の余地があることが示唆されました。そのため、地域医療との連携を深めるための診療体制の強化が重要です。逆紹介率 ( 専門的な治療が終わった後、元の医療機関に患者を戻す割合のことです。)
- 今後の展望:
-
今後は、病院が高度な医療を提供し続けるために、
の改善に取り組むことが必要です。また、地域医療機関との役割分担を進め、連携を強化するための具体的な計画を検討することが求められます。さらに、高齢化社会に対応した医療や、医科との連携による専門的な治療の提供が重要です。これにより、地域住民に質の高い医療を提供し続けることが期待されます。逆紹介率 ( 専門的な治療が終わった後、元の医療機関に患者を戻す割合のことです。)
- 何のために?:
-
新潟大学の病院では、2003年に二つの病院が一つになりました。みんなが安心して
治療 を受けられるようにしています。地域 の病院とも協力 して、良 い医療 を提供 しています。この研究では、口の中の病気を治 す方法 が地域 でどう役に立っているかを調べました。 と入院の人のデータを見ました。外来 ( 病院に来て診察 を受けるけれど、その日のうちに家に帰る患者 さん)
- 何が分かったの?:
-
研究で、
に来る新しい外来 ( 病院に来て診察 を受けるけれど、その日のうちに家に帰る患者 さん) 患者 さんが少しずつ増 えていることがわかりました。ほかの病院から される紹介 ( 他の病院や医師 から患者 さんを受け入れること) 患者 さんも増 えていました。歯の病気が一番多く、その次に や炎症 ( 体の一部が赤くなったり、腫 れたりする状態 ) 皮膚 の病気が多いです。入院では、あごの形が変 わる病気とがんが多かったです。これらのことから、病院が専門 の医療 を提供 しているとわかりました。
- どうやったの?:
-
研究の
対象 は、2003年から2012年までの の外来 ( 病院に来て診察 を受けるけれど、その日のうちに家に帰る患者 さん) 初診 ( 初 めて病院に来たときの診察 ) 患者 さんです。入院患者 さんは2005年から2012年までです。外来の患者 さんの数や、他の病院からの の紹介 ( 他の病院や医師 から患者 さんを受け入れること) 割合 を調べました。また、病気ごとの患者 さんの数も調べました。病気の名前は に書かれたものを使いました。カルテ ( 患者 さんの病歴 や治療 内容 が書かれた記録 )
- 研究のまとめ:
-
この研究で、新潟大学の病院が
地域 の病院と協力 して、良 い医療 をしているとわかりました。 では歯の病気が多く、入院ではあごの病気やがんが多いとわかりました。他の病院に外来 ( 病院に来て診察 を受けるけれど、その日のうちに家に帰る患者 さん) 患者 さんを する紹介 ( 他の病院や医師 から患者 さんを受け入れること) 割合 も高かったですが、もっと改善 が必要 です。地域 の病院との協力 をもっと強くすることが大事です。
- これからどうする?:
-
これからも
良 い医療 を続 けるためには、他の病院に する紹介 ( 他の病院や医師 から患者 さんを受け入れること) 割合 を改善 することが必要 です。地域 の病院と役割 を分担 し、協力 をもっと強くする計画が必要 です。高齢化 社会に対応 した医療 や、専門的 な治療 も重要 です。これにより、地域 の人々に良 い医療 を提供 し続 けることが期待されます。
- 著者名:
- 齋藤 直朗, 芳澤 享子, 小田 陽平, 倉部 華奈, 齋藤 大輔, 新美 奏恵, 鈴木 一郎, 小林 正治
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 43
- 号:
- 1
- ページ:
- 37 - 42
- 発行日:
- 2013-06
- 著者による要約:
- Niigata University Medical and Dental Hospital was established in 2003 by integration of the University Medical Hospital and the Dental Hospital. Since the wards have been integrated and regional medical liaison system has been introduced, Niigata University Medical and Dental Hospital has been playing an increasingly important role as an advanced treatment hospital. In recent years, the aging of society in Japan have been progressing, and there is a need to respond to these changes also in dentistry. A university hospital is now required not only to provide advanced medical care and specific education but also to provide high-quality and advanced medical care to local residents and to work closely with the community. We therefore carried out a clinico-statistical survey of outpatients and inpatients in the Department of Oral Reconstructive Surgery after the hospitals and wards had been integrated to clarify the role in the local community. Results of the survey showed that the total number of new patients from 2003 to 2012 was 16.742. Referral rate increased from 68.9% to 87.6%, and the number of patients without referral sharply declined. The reverse referral rate was about 40%, which is lower than the referral rate. General dental disease, inflammatory disease, disease of skin and oral mucosa, and obstructive sleep apnea syndrome (OSAS) occupied high rate in the outpatient. There were high frequencies of malignant tumor and jaw deformity requiring multidisciplinary treatment in the inpatients. These results indicate that, with the high referral rate, our department was functioning as a department providing a high level of medical care, and also was promoting medical cooperation with other clinics. However, the reverse referral rate should be improved and a medical system should be established to promote further cooperation with the local community.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000486
一覧へ戻る
検索ページトップへ戻る