論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
新潟大学医歯学総合病院歯科総合診療部における歯科用ユニットの汚染調査
- AI解説:
- スタンダードプレコーションは、患者と歯科医療従事者の感染を予防することを目的としています。平成19年4月の医療法改正により、歯科診療における医療安全管理が義務付けられ、院内感染予防対策の重要性が増しています。しかし、歯科診療の現場で使用されるエアータービンや超音波スケーラーから発生するミストの飛散が広範囲に及ぶため、ユニットおよびその周囲の汚染度や現在採用されている清掃方法の効果はまだ明らかになっていません。本研究の目的は、診療後のユニットおよびその周囲の汚染度および現在の清掃法の効果を細菌数の変化から検証することです。また、新たな効果的な清掃方法を提案することも試みました。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
新潟大学医歯学総合病院歯科総合診療部における歯科用ユニットの汚染調査
AI解説
- 背景と目的:
-
スタンダードプレコーションは、患者と歯科医療従事者の感染を予防することを目的としています。平成19年4月の医療法改正により、歯科診療における医療安全管理が義務付けられ、院内感染予防対策の重要性が増しています。しかし、歯科診療の現場で使用されるエアータービンや超音波スケーラーから発生するミストの飛散が広範囲に及ぶため、ユニットおよびその周囲の汚染度や現在採用されている清掃方法の効果はまだ明らかになっていません。本研究の目的は、診療後のユニットおよびその周囲の汚染度および現在の清掃法の効果を細菌数の変化から検証することです。また、新たな効果的な清掃方法を提案することも試みました。
- 主要な発見:
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本研究での主要な発見は、診療環境の汚染が広範囲にわたること、特にタッチサーフェスでの細菌の増加が顕著であることです。診療後、特定の部位で細菌数が著しく増加し、特にライトハンドルやタービンホルダー、ユニットボタンが高い細菌数を示しました。さらに、歯科医師らが行う通常の清掃では細菌が完全には除去されていないことが明らかになりました。しかし、80%エタノールによる丁寧な清拭やスプレー噴霧を併用することで、細菌数を効果的に減少させることが可能であることが示されました。
- 方法論:
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本研究では、以下の方法を用いました。まず、歯科診療環境衛生意識調査を行い、新潟大学医歯学総合病院の患者100名と歯科医師20名を対象にアンケート調査を実施しました。その結果を基に、診療後の汚染度調査を行い、歯科用ユニットおよびその周囲の汚染部位を15か所選定しました。これらの部位から細菌を採取し、血液寒天培地に播種して好気培養および嫌気培養を行い、コロニー数(CFU)を計測しました。細菌の採取は診療前後、日常清掃後、80%エタノール使用後、エタノール噴霧後の4種類の時期に行い、それぞれ3回ずつ実施しました。
- 結論と意義:
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本研究の結論は、診療後のユニットおよびその周囲が患者の口腔内由来の細菌で汚染されており、現在行われている清掃方法では完全には除菌できていないことです。80%エタノールによる丁寧な清拭は細菌数を効果的に減少させるため、現行の清掃方法を見直し、より丁寧な清拭が求められます。また、ユニット周囲の壁や複雑な構造物の清掃には、エタノール噴霧の併用が有効であると示されました。これにより、患者や歯科医療従事者の感染リスクを低減し、衛生的な診療環境を維持することが可能となります。
- 今後の展望:
-
今後は、患者の信頼を得るために、さらに効果的な清掃方法の検討が必要です。また、歯科医療従事者が自身を感染から守るためには、防護具の使用を徹底し、適宜交換することが重要です。患者ごとのシールドやエプロンの交換なども考慮する必要があります。さらに、清掃効果を向上させるための新たな技術や方法の開発が期待されます。これにより、より高度な感染対策を実現し、患者および歯科医療従事者の安全を確保することが求められます。
- 背景と目的:
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は、患者と歯科医療従事者が感染するのを防ぐための方法です。平成19年の法律改正で、歯科診療所は院内感染予防対策をしっかりするようになりました。しかし、歯科で使う機械から飛び散るミストで、診療台やその周りがどれだけ汚れているか、または現在使われている清掃方法がどれだけ効果があるのかは、まだはっきりしていません。この研究の目的は、診療後の診療台やその周りの汚れ具合と今の清掃方法の効果を調べ、新しい清掃方法を提案することです。スタンダードプレコーション ( 医療現場で、患者や医療従事者が感染を防ぐための基本的な対策方法です。)
- 主要な発見:
-
この研究でわかったことは、診療台やその周りが広い範囲で汚れていることです。特に、ライトの持ち手やタービンホルダー、
のボタンに細菌が増えていました。また、通常の清掃では細菌を完全に取り除けていませんでしたが、80%のユニット ( 歯科診療台のことです。患者が座る椅子や歯科医が使う機械がついています。) で丁寧に拭いたりスプレーを使うと、細菌が効果的に減少することがわかりました。エタノール ( アルコールの一種で、消毒や清掃に使われる液体です。)
- 方法論:
-
この研究では、まず新潟大学の歯科診療所の患者100名と歯科医師20名にアンケートを行い、診療後の汚れやすい場所を調べました。次に、その場所から細菌を採取して調べました。細菌の採取は、診療前後や日常清掃後、80%
での清掃後、エタノールスプレーを使った後に行い、3回ずつ実施しました。エタノール ( アルコールの一種で、消毒や清掃に使われる液体です。)
- 結論と意義:
-
この研究の結論は、診療後の診療台やその周りが患者の口の中からきた細菌で汚れており、今の清掃方法では完全に細菌を取り除けていないということです。80%
できれいに拭くことで細菌を減らすことができるので、清掃方法を見直し、より丁寧に清掃することが求められます。また、診療台の周りの壁や複雑な部分の清掃には、エタノールスプレーの併用が有効です。これにより、患者や歯科医療従事者の感染リスクを減らし、清潔な診療環境を保つことができます。エタノール ( アルコールの一種で、消毒や清掃に使われる液体です。)
- 今後の展望:
-
今後は、患者の信頼を得るために、さらに効果的な清掃方法を探す必要があります。また、歯科医療従事者が自分を感染から守るために、防護具の使用を徹底し、適宜交換することが重要です。患者ごとにシールドやエプロンを交換することも考える必要があります。さらに、清掃効果を高めるための新しい技術や方法の開発が期待されます。これにより、より高度な感染対策を実現し、患者と歯科医療従事者の安全を確保することが求められます。
- 何のために?:
-
は、けがや病気をうつさないためのスタンダードプレコーション ( けがや病気をうつさないための方法 です。) 方法 です。平成19年の法律 で、歯医者さんは感染 予防 をしっかりするようになりました。でも、歯医者さんで使う機械 のミストがどれくらい汚 れているかはわかっていません。この研究は、 やその診療 台( 患者 さんが座 る椅子 とその周 りの装置 を含 む部分です。) 周 りの汚 れと今の掃除 方法 の効果 を調べることが目的 です。
- 何が分かったの?:
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やその診療 台( 患者 さんが座 る椅子 とその周 りの装置 を含 む部分です。) 周 りが広い範囲 で汚 れていることがわかりました。特 に、ライトの持ち手や 、タービンホルダー ( 歯を削 るための機械 を置 く場所です。) にユニットのボタン ( 診療 台にある、さまざまな機械 や器具 を操作 するためのボタンです。) が多かったです。細菌 ( とても小さな生き物で、病気の原因 になることがあります。) 通常 の掃除 では細菌 を完全 に取 り除 けていませんでした。でも、80%の できれいにエタノール ( 消毒 に使うアルコールの一種 です。) 拭 いたりスプレーを使うと細菌 が少なくなることがわかりました。
- どうやったの?:
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まず、新潟大学の歯科
診療所 で患者 さん100名と歯科医 師 20名にアンケートをしました。次に、汚 れやすい場所から を取り出して調べました。これは、細菌 ( とても小さな生き物で、病気の原因 になることがあります。) 診療 前後や日常 掃除 後、80% でエタノール ( 消毒 に使うアルコールの一種 です。) 掃除 した後、エタノールスプレーを使った後に行いました。これを3回ずつ実施 しました。
- 研究のまとめ:
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やその診療 台( 患者 さんが座 る椅子 とその周 りの装置 を含 む部分です。) 周 りは、患者 さんの口の中からきた で細菌 ( とても小さな生き物で、病気の原因 になることがあります。) 汚 れていました。今の掃除 方法 では完全 に細菌 を取 り除 けません。でも、80% できれいにエタノール ( 消毒 に使うアルコールの一種 です。) 拭 くと細菌 が減 ります。掃除 方法 を見直し、もっと丁寧 に掃除 することが求 められます。診療 台の周 りの壁 や複雑 な部分の掃除 にはエタノールスプレーの併用 が有効 です。これにより、患者 さんや歯科医療 従事者 の感染 リスク を減 らし、清潔 な診療 環境 を保 つことができます。
- これからどうする?:
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これからは、
患者 さんの信頼 を得 るためにもっと効果的 な掃除 方法 を探 す必要 があります。歯科医療 従事者 が自分を守るために防護 具 の使用を徹底 し、適宜 交換 することも大切です。患者 ごとにシールドやエプロンを交換 することも考えます。さらに、掃除 効果 を高めるための新しい技術 や方法 の開発が期待されます。これにより、患者 さんと歯科医療 従事者 の安全を確保 することが求 められます。
- 著者名:
- 野澤 恩美, 塩生 有希, 長澤 麻沙子, 八木 稔, Stegaroiu Roxana, 魚島 勝美
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 43
- 号:
- 1
- ページ:
- 43 - 49
- 発行日:
- 2013-06
- 著者による要約:
- It is known that mist disperses widely with the air turbine, the ultrasonic scalar, and three way syringes which are frequently used in the dental clinic. However, it is unclear how dental unit is polluted. The purpose of this study was to investigate the pollution after dental treatment by investigating the change of the bacteria number in the General Dentistry and Clinical Education Unit at Niigata University Medical and Dental Hospital. Questionnaire surveys on dental treatment environment were administrated to patients and dentists. Also, the surface microorganisms were collected from suspectedly contaminated areas. The patient survey showed, there was no patient anxious about the dental environment cleanness. However, as a result of bacterial culture, there were a lot of microorganisms detected even after routine cleaning. Many microorganisms were also detected on operator
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000487
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