論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
タイにおける地域歯科保健の取り組み : チェンマイ・タマサート大学訪問を通じて
- AI解説:
- 本研究の背景には、卒前臨床実習を通じて、患者との直接的な関わりを持つ中で、臨床技術だけでなく地域とのコミュニケーション能力や地域理解の重要性を感じるという問題意識があります。従来の地域歯科保健に関する学習は主に講義形式で行われ、実際に地域に赴く機会が少なかったため、学びの深化が求められていました。そこで、2013年8月に「留学生交流支援制度(短期派遣)」に参加し、タイのチェンマイ大学およびタマサート大学の歯学部を訪問し、地域における歯科保健活動についての聞き取り調査と現場の見学を行い、その結果を報告することを目的としました。
AI解説を見る
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
タイにおける地域歯科保健の取り組み : チェンマイ・タマサート大学訪問を通じて
AI解説
- 背景と目的:
-
本研究の背景には、卒前臨床実習を通じて、患者との直接的な関わりを持つ中で、臨床技術だけでなく地域とのコミュニケーション能力や地域理解の重要性を感じるという問題意識があります。従来の地域歯科保健に関する学習は主に講義形式で行われ、実際に地域に赴く機会が少なかったため、学びの深化が求められていました。そこで、2013年8月に「留学生交流支援制度(短期派遣)」に参加し、タイのチェンマイ大学およびタマサート大学の歯学部を訪問し、地域における歯科保健活動についての聞き取り調査と現場の見学を行い、その結果を報告することを目的としました。
- 主要な発見:
-
チェンマイ大学では、地域の小学校で「no sugar and snack at lunch」「no ice-cream day at Wednesday」「teeth brushing after lunch and before go to bed」の三つの保健活動が行われており、カリエスフリー児童の割合が46%でした。一方、身体障害者学校ではカリエスフリー児童が26%と低く、特にセルフプラークコントロールの困難や寄付に依存した食事内容が影響していました。また、地域歯科医の不足を補うためにデンタルナースが治療を行っている状況も見られました。タマサート大学では、浄水器のフッ化物濃度が0.7ppmから5.0ppmとばらつきがあり、重度の歯のフッ素症罹患児童がタイ全体の平均より100倍以上高い地域もありました。この地域では、浄水器管理の問題が指摘されており、学生がPBL形式で問題解決に取り組んでいました。
- 方法論:
-
本研究は、2013年8月に実施された「留学生交流支援制度(短期派遣)」に基づき、タイのチェンマイ大学およびタマサート大学を訪問し、地域歯科保健学講座を通じた現地の聞き取り調査と現場見学を行いました。具体的には、チェンマイ大学ではHangDong地区の小学校や身体障害者学校における歯科保健活動を観察し、タマサート大学ではBan Sai Pa地区の浄水中のフッ化物濃度調査や児童の歯のフッ素症罹患率の調査を実施しました。これにより、現地の歯科保健活動の実態や問題点を明らかにしました。
- 結論と意義:
-
本研究を通じて、地域による社会的背景の違いが歯科保健活動の成果やサービス享受に大きな影響を与えることが明らかになりました。特に、チェンマイでは障害者学校でのう蝕有病率が高く、タマサートでは特定地域でのフッ素症罹患率が異常に高いことが示されました。これらの問題を改善するためには、地域住民への啓蒙活動や適切な管理方法の周知が必要であることが確認されました。また、タイの歯科学生が積極的に地域に出て実践的な能力を養う教育を受けている点や、卒後の地方病院での研修義務化政策に見られる地域歯科保健への取り組みが、日本とは異なる点も示唆されました。
- 今後の展望:
-
今後の展望としては、まずは地域住民への歯科保健に関する正しい知識の普及と啓蒙活動が重要です。さらに、地域ごとの社会背景や現状を踏まえた上で、具体的かつ適切な対策を講じる必要があります。例えば、フッ素症の問題については、浄水器の適切な管理方法を広く伝え、住民が実践できる支援策を講じることが求められます。また、地域歯科医の不足を補うためのデンタルナースの活用や、継続的な教育・研修の充実も重要です。最終的には、地域レベルでの包括的な健康改善を目指し、長期的に持続可能なシステムを構築することが期待されます。
- 背景と目的:
-
この研究は、
を通じて、患者との直接的な関わりを経験する中で、臨床技術だけでなく、地域とのコミュニケーション能力や地域理解が重要であると感じたことから始まりました。従来、地域歯科保健に関する学習は主に講義形式で行われており、実際に地域に行く機会が少なかったため、学びを深める必要がありました。そこで、2013年8月に「留学生交流支援制度(短期派遣)」に参加し、タイのチェンマイ大学およびタマサート大学の歯学部を訪問し、地域での歯科保健活動についての調査と見学を行い、その結果をまとめました。卒前臨床実習 ( 歯科医師になる前に、病院や診療所で行う実習のことです。患者さんと直接関わりながら技術を学びます。)
- 主要な発見:
-
チェンマイ大学では、地域の小学校で「昼食時にお菓子や砂糖を摂らない」「水曜日はアイスクリームを食べない」「昼食後と寝る前に歯を磨く」という3つの保健活動が行われており、虫歯のない子どもの割合が46%でした。一方、身体障害者学校では虫歯のない子どもが26%と少なく、特に自分で歯をきれいにするのが難しいことや、寄付に頼った食事内容が原因となっていました。また、地域の歯科医が不足しているため、
が治療を行っている状況も見られました。タマサート大学では、浄水器のフッ化物濃度が0.7ppmから5.0ppmまでとばらつきがあり、重度の歯のデンタルナース ( 歯科医師を助けるために訓練された看護師です。患者さんのケアや治療の補助を行います。) にかかっている子どもが多い地域もありました。この地域では、浄水器の管理が問題となっており、学生たちが問題解決に取り組んでいました。フッ素症 ( 歯に過剰なフッ素が取り込まれることで、歯に斑点や変色が起こる状態です。浄水器の適切な管理が重要です。)
- 方法論:
-
この研究は、2013年8月に実施された「留学生交流支援制度(短期派遣)」に基づき、タイのチェンマイ大学およびタマサート大学を訪問しました。チェンマイ大学では、HangDong地区の小学校や身体障害者学校での歯科保健活動を観察し、タマサート大学ではBan Sai Pa地区での浄水中のフッ化物濃度調査や児童の歯の
罹患率の調査を行いました。これにより、地域の歯科保健活動の実態や問題点を明らかにしました。フッ素症 ( 歯に過剰なフッ素が取り込まれることで、歯に斑点や変色が起こる状態です。浄水器の適切な管理が重要です。)
- 結論と意義:
-
この研究を通じて、地域ごとの社会的背景の違いが歯科保健活動の成果に大きく影響することがわかりました。特に、チェンマイでは障害者学校で虫歯のある子どもの割合が高く、タマサートでは特定地域での
にかかっている子どもの割合が非常に高かったです。これらの問題を改善するためには、地域住民への教育や適切な管理方法の周知が必要です。また、タイの歯科学生が積極的に地域に出て実践的な教育を受けている点や、卒業後の地方病院での研修義務化政策が日本とは異なる点も示唆されました。フッ素症 ( 歯に過剰なフッ素が取り込まれることで、歯に斑点や変色が起こる状態です。浄水器の適切な管理が重要です。)
- 今後の展望:
-
今後は、地域住民への歯科保健に関する正しい知識の普及と啓蒙活動が重要です。また、地域ごとの背景や現状を踏まえた上で、適切な対策を講じる必要があります。例えば、
の問題については、浄水器の適切な管理方法を広く伝え、住民が実践できる支援策を提供することが求められます。さらに、地域歯科医の不足を補うためのフッ素症 ( 歯に過剰なフッ素が取り込まれることで、歯に斑点や変色が起こる状態です。浄水器の適切な管理が重要です。) の活用や、継続的な教育・研修の充実も重要です。最終的には、地域レベルでの包括的な健康改善を目指し、持続可能なシステムを構築することが期待されます。デンタルナース ( 歯科医師を助けるために訓練された看護師です。患者さんのケアや治療の補助を行います。)
- 何のために?:
-
この研究は、
患者 さんと直接 会うことで、学んだことが大事だと感じたことから始まりました。今までの勉強は教室での授業 が主でした。もっと地域 のことを知るために、2013年8月にタイに行きました。そこで、チェンマイ大学とタマサート大学の歯学部を訪 ねました。
- 何が分かったの?:
-
チェンマイ大学では、小学校で「お
菓子 や砂糖 を食べない」「水曜日はアイスクリームを食べない」「ご飯 のあとと寝 る前に歯を磨 く」活動がありました。そのおかげで、虫歯のない子が46%いました。でも、障害 のある子どもの学校では虫歯のない子が26%でした。これは、歯をきれいにするのが難 しいことや、食べ物が寄付 に頼 っているからです。タマサート大学では、水の中の のフッ 素 ( 歯を強くするために使われる物質 ) 量 がばらばらで、歯に問題がある子どもが多い地域 がありました。そのため、水の管理 が問題でした。
- どうやったの?:
-
2013年8月にタイのチェンマイ大学とタマサート大学を
訪 ねました。チェンマイでは、小学校や障害 のある子の学校での活動を見ました。タマサートでは、水の中の のフッ 素 ( 歯を強くするために使われる物質 ) 濃 さや、子どもの歯の問題を調べました。これで、地域 の歯の健康 の問題を明らかにしました。
- 研究のまとめ:
-
この研究で、
地域 ごとの違 いが歯の健康 に大きく影響 することがわかりました。チェンマイでは、障害 のある子の学校で虫歯の子が多く、タマサートでは、 の問題がある子が多いフッ 素 ( 歯を強くするために使われる物質 ) 地域 がありました。これらの問題を解決 するには、地域 の人々への教育や正しい管理 が必要 です。また、タイの学生が地域 で実習していることや、卒業後 に地方で働 く政策 も日本と違 いました。
- これからどうする?:
-
これからは、
地域 の人々に正しい歯の知識 を広めることが大事です。また、地域 ごとの問題に合った対策 が必要 です。例 えば、 の問題には、正しいフッ 素 ( 歯を強くするために使われる物質 ) 管理 方法 を教えることが重要 です。また、地域 の歯医者さんが少ない場合は、デンタルナースを活用することも大事です。最終的 には、地域 全体で健康 を良 くするシステムを作ることが期待されます。
- 著者名:
- 落合 由奈, 横地 麻衣, 小川 祐司, 宮崎 秀夫
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 43
- 号:
- 2
- ページ:
- 135 - 136
- 発行日:
- 2013-12
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000498
