論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
3歳口唇口蓋裂児における乳歯う蝕有病状況の評価
- AI解説:
最近 、日本ではむし歯が減 ってきています。でも、 という病気の子どもたちのむし歯は、まだよくわかっていません。唇顎 口蓋 裂 ( 唇 やあご、口の中が生まれつき裂 けている病気で、食べ物を飲 み込 むことや話すことが難 しくなることがあります。) 唇顎 口蓋 裂 の子どもたちは、口の中が普通 の人と違 います。そのため、特別 なケアが必要 です。新潟大学の予防 歯科では、むし歯を防 ぐプログラムをやっています。この研究では、唇顎 口蓋 裂 の子どもたちのむし歯の様子を調べます。そして、 の予防 プログラム( 病気を未然 に防 ぐために行う計画や方法 のことです。例 えば、歯磨 きやフッ 素 の使用などがあります。) 効果 を見ます。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
3歳口唇口蓋裂児における乳歯う蝕有病状況の評価
AI解説
- 背景と目的:
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近年、日本において全般的にう蝕は減少傾向にあるものの、唇顎口蓋裂児に関してはその変化について明らかではない。また、唇顎口蓋裂児の口腔内は形態的・機能的な障害により特異な環境となり、う蝕の発生に関しても問題があるとされている。特に裂側と健側でう蝕の有病状況に差があると言われている。新潟大学医歯学総合病院の予防歯科診療室では、う蝕予防プログラムを実施しているが、その効果についての評価は行われていない。そこで本研究では、唇顎口蓋裂児の乳歯のう蝕有病状況を調査し、裂側と健側のう蝕有病状況を比較し、さらにう蝕予防プログラムの影響を評価することで、今後の予防方法を明らかにすることを目的とした。
- 主要な発見:
-
調査の結果、対象者のう蝕有病率は23.9%、平均dmf歯数は0.62であり、これは新潟県の平均とほぼ同じかやや少ない傾向にあった。性別や裂型による有病率や平均dmf歯数には統計的に有意な差はなかったが、受診回数が増えるにつれて平均dmf歯数は減少する傾向があり、これは統計的に有意であった。また、裂側のみにう蝕が存在するケースが健側に比べて多く、裂側におけるう蝕のリスクが高いことが示唆された。
- 方法論:
-
本研究では、新潟大学医歯学総合病院の予防歯科診療室に保管されているプロトコールを用いて、2002-2007年に初診で訪れた唇顎口蓋裂児134名の3歳時のデータを解析した。性別、裂型、生年、受診回数に関するう蝕有病状況を分析し、上顎前歯部の裂側と健側の同名対象歯ペアを比較した。統計解析にはカイ二乗検定、t検定、分散分析、回帰分析、McNemar検定を用いた。また、倫理的配慮として保護者に研究計画を通知し、同意を取得した。
- 結論と意義:
-
本研究の結果、唇顎口蓋裂児の乳歯う蝕有病状況は新潟県の平均とほぼ同じかやや少ないことが示された。受診回数が増えるにつれて平均dmf歯数が減少する傾向があり、早期からの予防プログラムの参加が有効であることが確認された。また、裂側のう蝕リスクが健側よりも高いことから、裂部に対する特別な指導や予防処置が必要であることが示唆された。これにより、唇顎口蓋裂児に対するより効果的なう蝕予防策を検討する基礎データを提供することができた。
- 今後の展望:
-
今後の研究では、さらに大規模なデータを収集し、より詳細な解析を行うことで、唇顎口蓋裂児に対するう蝕予防の最適な方法を確立することが重要となる。また、裂側と健側のう蝕予防における具体的なアプローチを開発し、より効果的な指導と処置を実践することが求められる。さらに、家庭での口腔ケアの実践状況や親の理解度など、社会的・家庭的要因も考慮し、包括的な予防プログラムの構築を目指すべきである。
- 背景と目的:
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最近、日本ではむし歯が全体的に減っています。しかし、
(しんがくこうがいれつ)という特殊な病気を持つ子どもたちのむし歯の状況については、まだよくわかっていません。唇顎口蓋裂の子どもたちは、口の中の形や機能が普通の人と違うため、特別なケアが必要です。新潟大学の予防歯科では、むし歯を予防するプログラムを行っていますが、その効果はまだ十分に評価されていません。そこで、この研究では、唇顎口蓋裂の子どもたちのむし歯の状況を調べ、特に裂側(裂けている部分)と健側(健康な部分)での違いを比較し、さらに予防プログラムの効果を評価することを目指しました。唇顎口蓋裂 ( 唇から上あご、口蓋(口の中の天井)にかけて裂けている状態を指します。先天的な病気で、手術や特別なケアが必要です。)
- 主要な発見:
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調査の結果、対象者のむし歯の割合は23.9%、平均むし歯の数(
)は0.62でした。これは新潟県の平均とほぼ同じか、それより少し少ないくらいでした。性別や裂の種類による違いは統計的に大きな差はありませんでしたが、病院に来た回数が多いほど平均むし歯の数は減る傾向がありました。この傾向は統計的に意味がありました。また、裂側にむし歯があるケースが健側より多いことがわかり、裂側のむし歯リスクが高いことが示されました。dmf歯数 ( むし歯のある歯(decayed)、抜けた歯(missing)、詰めた歯(filled)の数を合わせたものです。むし歯の経験を示す指標として使われます。)
- 方法論:
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この研究では、新潟大学医歯学総合病院の予防歯科に保管されているデータを使いました。2002年から2007年に初めて病院を訪れた
の子ども134名の3歳時点のデータを解析しました。性別、裂の種類、生まれた年、受診回数に関するむし歯の状況を調べ、上顎前歯(前の歯)の裂側と健側のむし歯の数を比較しました。統計解析にはカイ二乗検定、t検定、分散分析、回帰分析、McNemar検定を使いました。また、倫理的配慮として保護者に研究計画を通知し、同意を得ました。唇顎口蓋裂 ( 唇から上あご、口蓋(口の中の天井)にかけて裂けている状態を指します。先天的な病気で、手術や特別なケアが必要です。)
- 結論と意義:
-
この研究の結果、
の子どもたちのむし歯の状況は新潟県の平均とほぼ同じか、少し少ないことがわかりました。また、病院に来る回数が多いほど、むし歯の数が減ることが示され、早期からの予防プログラムの参加が有効であることが確認されました。さらに、裂側のむし歯リスクが健側よりも高いことから、裂側に対する特別なケアや予防が必要であることが示唆されました。この研究は、唇顎口蓋裂の子どもたちに対するより良いむし歯予防策を考えるための基礎データを提供しました。唇顎口蓋裂 ( 唇から上あご、口蓋(口の中の天井)にかけて裂けている状態を指します。先天的な病気で、手術や特別なケアが必要です。)
- 今後の展望:
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今後の研究では、さらに大規模なデータを集めて、詳しい解析を行うことが重要です。
の子どもたちに最適なむし歯予防方法を見つけるために、裂側と健側のむし歯予防の具体的なアプローチを開発することも求められます。また、家庭での口のケアや親の理解度など、社会的・家庭的な要因も考慮して、包括的な予防プログラムを作ることが目指されます。唇顎口蓋裂 ( 唇から上あご、口蓋(口の中の天井)にかけて裂けている状態を指します。先天的な病気で、手術や特別なケアが必要です。)
- 何のために?:
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最近 、日本ではむし歯が減 ってきています。でも、 という病気の子どもたちのむし歯は、まだよくわかっていません。唇顎 口蓋 裂 ( 唇 やあご、口の中が生まれつき裂 けている病気で、食べ物を飲 み込 むことや話すことが難 しくなることがあります。) 唇顎 口蓋 裂 の子どもたちは、口の中が普通 の人と違 います。そのため、特別 なケアが必要 です。新潟大学の予防 歯科では、むし歯を防 ぐプログラムをやっています。この研究では、唇顎 口蓋 裂 の子どもたちのむし歯の様子を調べます。そして、 の予防 プログラム( 病気を未然 に防 ぐために行う計画や方法 のことです。例 えば、歯磨 きやフッ 素 の使用などがあります。) 効果 を見ます。
- 何が分かったの?:
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調査 の結果 、対象 の子どもたちのむし歯の割合 は23.9%でした。平均 むし歯の数は0.62でした。これは新潟県の平均 とほぼ同じか、少し少ないくらいでした。性別 や裂 の種類 による差 は大きくありませんでした。でも、病院に来る回数が多いほど、むし歯の数が減 ることがわかりました。また、 にむし歯がある子が多かったです。そのため、裂 側 ( 唇 やあご、口の中で裂 けている部分のことです。特 にケアが必要 な部分です。) 裂 側 のむし歯リスクが高いことがわかりました。
- どうやったの?:
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この研究では、新潟大学医歯学
総合 病院のデータを使いました。2002年から2007年に病院に初 めて来た の子ども134名の3唇顎 口蓋 裂 ( 唇 やあご、口の中が生まれつき裂 けている病気で、食べ物を飲 み込 むことや話すことが難 しくなることがあります。) 歳 時点のデータを調べました。性別 や裂 の種類 、生まれた年、病院に来た回数などのむし歯の状況 を調べました。上あごの前の歯で、 と裂 側 ( 唇 やあご、口の中で裂 けている部分のことです。特 にケアが必要 な部分です。) のむし歯の数を健側 ( 唇 やあご、口の中で健康 な部分のことです。裂 側 に比 べてリスクが少ない部分です。) 比 べました。 には統計 解析 ( データを使って、現象 や傾向 を調べる方法 です。研究や実験 の結果 を理解 するために使われます。) 、カイ二乗 検定 ( データが偶然 によるものかどうかを調べるための統計的 な方法 です。) 、t 検定 ( 2つのグループの平均値 を比較 して、その差 が偶然 かどうかを確認 するため) 分散 分析 、回帰分析 、McNemar検定 を使いました。保護者 に研究計画を知らせ、同意を得 ました。
- 研究のまとめ:
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この研究でわかったことは、
の子どもたちのむし歯の唇顎 口蓋 裂 ( 唇 やあご、口の中が生まれつき裂 けている病気で、食べ物を飲 み込 むことや話すことが難 しくなることがあります。) 割合 は、新潟県の平均 と同じか少し少ないということです。また、病院に来る回数が多いほど、むし歯が減 ることがわかりました。これにより、早くから に予防 プログラム( 病気を未然 に防 ぐために行う計画や方法 のことです。例 えば、歯磨 きやフッ 素 の使用などがあります。) 参加 することが大事だとわかりました。さらに、 のむし歯リスクが高いので、裂 側 ( 唇 やあご、口の中で裂 けている部分のことです。特 にケアが必要 な部分です。) 裂 側 に対する特別 なケアが必要 です。この研究は、唇顎 口蓋 裂 の子どもたちのむし歯予防 のための大切なデータを提供 しました。
- これからどうする?:
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今後の研究では、もっと多くのデータを集めることが大事です。
の子どもたちに唇顎 口蓋 裂 ( 唇 やあご、口の中が生まれつき裂 けている病気で、食べ物を飲 み込 むことや話すことが難 しくなることがあります。) 最適 なむし歯予防 方法 を見つけることが必要 です。 と裂 側 ( 唇 やあご、口の中で裂 けている部分のことです。特 にケアが必要 な部分です。) のむし歯健側 ( 唇 やあご、口の中で健康 な部分のことです。裂 側 に比 べてリスクが少ない部分です。) 予防 の具体的 な方法 を作ることも求 められます。家庭での口のケアや親の理解度 も考えて、包括的 な を作ることが目指されます。予防 プログラム( 病気を未然 に防 ぐために行う計画や方法 のことです。例 えば、歯磨 きやフッ 素 の使用などがあります。)
- 著者名:
- 手嶋 謡子
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 43
- 号:
- 2
- ページ:
- 143 - 144
- 発行日:
- 2013-12
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000502
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