論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
2014年における下顎智歯抜歯599歯の臨床的検討 : 下顎智歯抜歯治療体系の現況と考察
- AI解説:
- 下顎智歯抜歯は口腔外科において頻繁に行われる処置であり、症例ごとに難易度や合併症リスクが異なる。そのため、適切な施設での処置が望ましい場合が多い。本研究の目的は、紹介医との情報共有を通じて、患者説明や紹介の判断基準として活用するために、新潟大学医歯学総合病院顎顔面口腔外科における下顎智歯抜歯の現況を調査し、治療体系の要点をまとめることであった。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
2014年における下顎智歯抜歯599歯の臨床的検討 : 下顎智歯抜歯治療体系の現況と考察
AI解説
- 背景と目的:
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下顎智歯抜歯は口腔外科において頻繁に行われる処置であり、症例ごとに難易度や合併症リスクが異なる。そのため、適切な施設での処置が望ましい場合が多い。本研究の目的は、紹介医との情報共有を通じて、患者説明や紹介の判断基準として活用するために、新潟大学医歯学総合病院顎顔面口腔外科における下顎智歯抜歯の現況を調査し、治療体系の要点をまとめることであった。
- 主要な発見:
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調査の結果、下顎智歯抜歯の紹介率は92.9%であり、特に開業歯科医院からの紹介が全体の70%以上を占めていた。パノラマX線では、水平および近心傾斜の歯が多く、これが専門機関への紹介基準に影響している可能性が示された。単純CTの追加撮影はAp2-s以上で多く実施されており、下顎管との接触が深い場合に撮影される傾向が確認された。術後の知覚異常や感染症は比較的低い発生率で管理されていた。
- 方法論:
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2014年に新潟大学医歯学総合病院において施術された下顎智歯抜歯461例599歯を対象に、電子カルテから診療記録を抽出し、患者基本情報、画像情報、手術情報、術後合併症について後方視的に調査を行った。画像情報ではパノラマX線と単純CTを用いて、手術情報では外来手術と中央手術、麻酔方法の選択理由を精査した。術後合併症については知覚異常と手術部位感染を詳細に評価した。
- 結論と意義:
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下顎智歯抜歯の多くは開業歯科医院からの紹介によるもので、パノラマX線や単純CTを用いた詳細な術前評価が行われていた。特にAp2-s以上の症例に対しては追加的なCT撮影を行うことで、術後合併症のリスクを正確に評価し、全身麻酔や入院下での管理を選択することが有効であることが示唆された。この結果を紹介医と共有することで、患者説明や紹介の基準として活用でき、地域医療機関との連携強化に寄与する可能性がある。
- 今後の展望:
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将来的には、術前の詳細な評価基準をさらに精緻化し、特殊な症例に対する対応策を確立することが重要である。また、知覚異常や感染症のリスクを低減するための新たな手法の開発や、術後管理の最適化を目指した研究が求められる。これにより、下顎智歯抜歯の安全性と患者満足度を一層向上させることが期待される。さらに、地域医療機関との情報共有を強化し、連携を深めることで、地域全体の口腔外科医療の質を向上させる取り組みが必要とされる。
- 背景と目的:
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下顎の親知らずを抜く手術は、口の中の外科手術の中でもよく行われるものです。しかし、難しさや合併症のリスクは患者ごとに異なるため、適切な病院で行うことが重要です。この研究の目的は、新潟大学医歯学総合病院での下顎親知らずの抜歯の現状を調べ、その情報を他の医師と共有することです。これにより、患者への説明や紹介の基準に役立てることを目指しています。
- 主要な発見:
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調査の結果、下顎親知らずの抜歯のうち、92.9%が他の歯科医院からの紹介で行われていました。そのうち70%以上が開業している歯科医院からの紹介でした。
という画像検査では、歯が横に寝ているか、前に傾いていることが多く、これが紹介の基準に影響を与えている可能性がありました。また、CTスキャンという詳細な画像検査は、より難しい手術の時に追加で撮影されることが多かったです。手術後のパノラマX線 ( 歯や顎の全体を一度に撮影するレントゲンです。) や知覚異常 ( 感覚が鈍くなる、刺すような痛みを感じるなどの異常な感覚のことです。) の発生率は低く管理されていました。感染症 ( 細菌やウイルスなどが原因で体に起こる病気のことです。)
- 方法論:
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2014年に新潟大学医歯学総合病院で行われた下顎親知らずの抜歯461例599歯を対象に、電子カルテから診療記録を調べました。患者の基本情報、画像情報、手術情報、術後の合併症について詳細に調査しました。画像情報としては
とCTスキャンを使用しました。手術情報としては、外来手術と病院内手術の違いや麻酔方法の理由を検討しました。術後の合併症については、パノラマX線 ( 歯や顎の全体を一度に撮影するレントゲンです。) と手術部位の感染を詳しく評価しました。知覚異常 ( 感覚が鈍くなる、刺すような痛みを感じるなどの異常な感覚のことです。)
- 結論と意義:
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下顎親知らずの抜歯の多くは開業歯科医院からの紹介によるもので、
やCTスキャンを用いた詳細な術前評価が行われていました。特に難しい症例では、追加的なCT撮影を行うことで、術後の合併症のリスクを正確に評価し、パノラマX線 ( 歯や顎の全体を一度に撮影するレントゲンです。) や入院管理を選ぶことが有効であることがわかりました。この情報を他の医師と共有することで、患者への説明や紹介の基準として活用でき、地域医療機関との連携強化に役立つ可能性があります。全身麻酔 ( 意識を完全になくして行う麻酔方法です。)
- 今後の展望:
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将来的には、術前の評価基準をさらに細かくし、特別なケースに対する対応策を確立することが重要です。また、
や知覚異常 ( 感覚が鈍くなる、刺すような痛みを感じるなどの異常な感覚のことです。) のリスクを減らすための新しい方法の開発や、術後管理の最適化を目指した研究が求められます。これにより、下顎親知らずの抜歯の安全性と患者の満足度を向上させることが期待されます。さらに、地域医療機関との情報共有を強化し、連携を深めることで、地域全体の口腔外科医療の質を向上させる努力が必要です。感染症 ( 細菌やウイルスなどが原因で体に起こる病気のことです。)
- 何のために?:
-
下あごの
を親知らず ( 一番奥 にある大人の歯のことです。) 抜 く手術 は、よく行われます。でも、手術 の難 しさや危険 は人それぞれです。なので、ちゃんとした病院で行うことが大切です。この研究は、新潟大学の病院での親知らずの手術 の様子を調べました。そして、その情報 をほかの医師 と共有 することを目的 としています。これにより、患者 さんに説明 したり、紹介 したりする基準 に役立てます。
- 何が分かったの?:
-
調べた
結果 、92.9%の の親知らず ( 一番奥 にある大人の歯のことです。) 手術 がほかの歯医者さんからの紹介 で行われていました。その中で、70%以上 は開業している歯医者さんからの紹介 でした。 というパノラマX線 ( 口全体を映 すX線写真のことです。) 検査 では、親知らずが横向きや前に傾 いていることが多かったです。これが紹介 の基準 に影響 を与 えるかもしれません。また、 というCTスキャン ( 体の中を詳 しく調べる画像 検査 のことです。) 検査 は、難 しい手術 のときに追加 で撮影 されることが多かったです。手術 後の問題や感染 は少なく管理 されていました。
- どうやったの?:
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2014年に新潟大学の病院で行われた、461人の
の親知らず ( 一番奥 にある大人の歯のことです。) 手術 を調べました。患者 さんの情報 、画像 、手術 の情報 、手術 後の問題について詳 しく調査 しました。画像 の情報 には、 とパノラマX線 ( 口全体を映 すX線写真のことです。) を使いました。CTスキャン ( 体の中を詳 しく調べる画像 検査 のことです。) 手術 の情報 には、 での外来 ( 病院に通って診察 や治療 を受けることです。) 手術 と病院内での手術 、 の麻酔 ( 痛 みを感じなくするための薬や方法 です。) 方法 について調べました。手術 後の問題には、 や知覚 異常 ( 触 った感覚 がおかしくなることです。) 感染 を詳 しく評価 しました。
- 研究のまとめ:
-
の親知らず ( 一番奥 にある大人の歯のことです。) 手術 の多くは、ほかの歯医者さんからの紹介 で行われていました。 やパノラマX線 ( 口全体を映 すX線写真のことです。) を使ったCTスキャン ( 体の中を詳 しく調べる画像 検査 のことです。) 詳 しい調べが行われていました。特 に難 しい手術 では、追加 のCTスキャンを使うことで問題のリスクを正確 に評価 できました。そして、 や入院が全身 麻酔 ( 体全体の痛 みを感じなくするための方法 で、手術 中に眠 くなります。) 有効 でした。この情報 をほかの医師 と共有 することで、患者 さんへの説明 や紹介 の基準 に使えます。地域 の医療機関 との連携 を強化することができます。
- これからどうする?:
-
これからは、
手術 前の評価基準 をもっと細かくすることが重要 です。そして、特別 なケースへの対応策 を考えることが必要 です。また、手術 後の問題を減 らすための新しい方法 を研究することも求 められます。これにより、 の親知らず ( 一番奥 にある大人の歯のことです。) 手術 の安全性 と患者 さんの満足度 を高めることが期待されます。さらに、地域 の医療機関 との情報 共有 を強化し、連携 を深めることが大切です。地域 全体の口腔 外科医療 の質 を向上させる努力 が必要 です。
- 著者名:
- 上松 晃也, 児玉 泰光, 勝見 祐二, 木口 哲郎, 西川 敦, 高木 律男
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 45
- 号:
- 2
- ページ:
- 73 - 80
- 発行日:
- 2015-12
- 著者による要約:
- Background: The aim of this study was to create intelligence sharing of the current situations of mandibular third molar extraction (MTMext.) between our department and other medical institutions. Methods: Data of 599 MTMext. teeth in 461 patients who visited our department in 2014 were studied for 1) patient information, 2) X-ray images (panoramic radio graph [PRG],computed tomography [CT]), 3) procedures, and 4) post-operative complications. Results: 1) The 461 patients comprised of 198 males and 263 females. The ratio of referral patients was nearly 93%, of which 73% were referred from dentists in the general practice. 2) Pre-operative diagnosis was mainly performed based on PRG findings. Based on Winter
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000537
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