論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
小脳橋角部髄膜腫摘出術後に嚥下障害を認めた一例
- AI解説:
- 小脳橋角部は多数の脳神経が通過する重要な部位であり、ここに髄膜腫が発生すると、その摘出手術後に嚥下障害が生じることがあります。この症例報告では、小脳橋角部髄膜腫摘出術後に嚥下障害を呈した57歳女性について述べています。嚥下機能の評価とリハビリテーションを通じて、経口摂取を再獲得し、自宅退院に至るまでの経過を詳細に記録しています。本報告の目的は、同様の症例に対する効果的なリハビリテーション方法を示すことにあります。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
小脳橋角部髄膜腫摘出術後に嚥下障害を認めた一例
AI解説
- 背景と目的:
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小脳橋角部は多数の脳神経が通過する重要な部位であり、ここに髄膜腫が発生すると、その摘出手術後に嚥下障害が生じることがあります。この症例報告では、小脳橋角部髄膜腫摘出術後に嚥下障害を呈した57歳女性について述べています。嚥下機能の評価とリハビリテーションを通じて、経口摂取を再獲得し、自宅退院に至るまでの経過を詳細に記録しています。本報告の目的は、同様の症例に対する効果的なリハビリテーション方法を示すことにあります。
- 主要な発見:
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本症例では、術後に顕著な嚥下障害を呈し、初回評価時には反復唾液嚥下テストが0回、0.5mlの水摂取でもむせが生じました。適切な口腔ケア、呼吸訓練、直接訓練、および新しい義歯の装着を通じて、嚥下機能が徐々に改善しました。嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査により、適切な姿勢調整と食形態の選定が嚥下機能の回復に寄与しました。最終的には、米飯や軟々菜食の摂取が可能となり、術後86日目に自宅退院を果たしました。
- 方法論:
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本症例報告では、嚥下機能評価とリハビリテーションを実施しました。術後4日目に初回評価を行い、口腔内の状況、嚥下テスト、嚥下内視鏡検査などを通じて、嚥下機能の状態を詳細に把握しました。その後、口腔ケアや呼吸訓練を開始し、嚥下機能の改善に向けた直接訓練も行いました。また、嚥下造影検査を用いて適切な食形態や姿勢を再検討し、経口摂取を再開するための基礎情報を収集しました。
- 結論と意義:
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この症例報告は、小脳橋角部髄膜腫摘出術後の嚥下障害に対する適切な評価とリハビリテーションが、経口摂取の再獲得に有効であることを示しました。口腔ケアや呼吸訓練、直接訓練、新義歯の装着など、多角的なアプローチが嚥下機能の回復に寄与しました。また、姿勢調整や食形態の調整が誤嚥リスクを軽減し、安全な食事摂取を可能にしました。歯科的介入の重要性も強調されており、口腔衛生管理や補綴学的治療が嚥下機能の改善につながることが示されています。
- 今後の展望:
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本症例を通じて、術前からのリハビリテーション介入が術後の嚥下機能障害の予防・改善に有効である可能性が示唆されました。今後は、医科と歯科の連携を強化し、術前から患者のリハビリテーション計画を立てることが望まれます。また、嚥下障害に対するリハビリテーションの標準化や最適化を図るための研究が求められます。適切な評価方法とリハビリテーション技術の普及により、患者のQOL(生活の質)の向上に寄与することが期待されます。
- 背景と目的:
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小脳橋角部という脳の重要な部分には、多くの神経が通っています。ここに「
」という腫瘍ができると、その手術後に「髄膜腫 ( 脳や脊髄を包む膜(髄膜)に発生する腫瘍で、一般的には良性でゆっくりと成長します。) (食べ物を飲み込むことが難しくなること)」が起こることがあります。この報告書では、小脳橋角部髄膜腫の手術後に嚥下障害となった57歳の女性の例について述べています。この患者さんが再び口で食べ物を食べられるようになる過程を記録し、同じような症例に役立つリハビリテーション方法を示すことを目的としています。嚥下障害 ( 食べ物や飲み物をうまく飲み込むことができない状態で、むせたり誤嚥したりすることが多いです。)
- 主要な発見:
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この患者さんは手術後、食べ物を飲み込むのがとても難しくなり、唾液を飲み込むこともできませんでした。0.5ミリリットルの水を飲むだけでもむせていました。しかし、適切な口のケアや呼吸訓練、直接的なリハビリ訓練、新しい
の装着を通じて、食べ物を飲み込む力がだんだんと改善しました。最終的には、米飯や柔らかい野菜を食べられるようになり、術後86日目に自宅に退院することができました。義歯 ( 歯が抜けた部分を補うために使用する人工の歯です。)
- 方法論:
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この報告書では、嚥下機能の評価とリハビリテーションを行いました。手術の4日後に初めての評価を行い、口の中の状況や嚥下テスト、内視鏡検査などを実施しました。その後、口のケアや呼吸訓練、直接訓練を開始しました。また、
を用いて適切な食べ物の形や姿勢を再検討し、再び口で食べ物を食べるための基礎情報を集めました。嚥下造影検査 ( 造影剤を使ってX線で食べ物や液体が喉や食道を通る様子を観察する検査です。)
- 結論と意義:
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この報告書は、小脳橋角部
の手術後に髄膜腫 ( 脳や脊髄を包む膜(髄膜)に発生する腫瘍で、一般的には良性でゆっくりと成長します。) がある場合、適切な評価と多角的なリハビリテーションによって、再び口で食べ物を食べることが可能になることを示しました。口のケアや呼吸訓練、直接訓練、新しい嚥下障害 ( 食べ物や飲み物をうまく飲み込むことができない状態で、むせたり誤嚥したりすることが多いです。) の装着などが嚥下機能の回復に役立ちました。また、姿勢や食べ物の形を調整することで、飲み込む時のリスクを減らし、安全に食事をすることができました。歯科による介入も重要であり、口の衛生管理や義歯の治療が嚥下機能の改善に役立つことが分かりました。義歯 ( 歯が抜けた部分を補うために使用する人工の歯です。)
- 今後の展望:
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この報告書を通じて、手術前からのリハビリテーションが、手術後の嚥下機能障害の予防や改善に役立つ可能性が示されました。今後は、医師と歯科医師が連携し、手術前からリハビリテーション計画を立てることが望まれます。また、
に対するリハビリテーションの標準化や最適化を目指すための研究が必要です。適切な評価方法とリハビリテーション技術の普及により、患者さんの生活の質を向上させることが期待されます。嚥下障害 ( 食べ物や飲み物をうまく飲み込むことができない状態で、むせたり誤嚥したりすることが多いです。)
- 何のために?:
-
脳 の大切なところに「 」という部分があります。そこに「しょうのうきょうかくぶ ( 脳 の中にある、大切な部分。) 」というできものができると、ずいまくしゅ ( 脳 にできる、悪いできもの。) 手術 のあとに食べ物を飲 み込 むのが難 しくなることがあります。このお話では、手術 後にこうなった57歳 の女性 が、どうやってまた食べられるようになったかをお話します。そして、同じような人たちに役立つ方法 を紹介 します。
- 何が分かったの?:
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この
女性 は手術 のあと、食べ物を飲 み込 むのがとても難 しくなりました。少しの水でもむせてしまいました。でも、口の中をきれいにしたり、呼吸 の練習をしたり、 をしたり、新しいリハビリ ( 体の機能 を元に戻 すための練習や治療 。) をつけたりしました。その入れ歯 ( 失 った歯の代わりに使う人工の歯。) 結果 、少しずつ食べ物を飲 み込 む力が戻 ってきました。最終的 に、ごはんややわらかい野菜 を食べられるようになり、手術 から86日後に家に帰れました。
- どうやったの?:
-
このお話では、食べる力を調べて
をしました。リハビリ ( 体の機能 を元に戻 すための練習や治療 。) 手術 の4日後に初 めての調べをして、口の中の様子や飲 み込 むテスト、 もしました。それから、口の中をきれいにしたり、内視鏡 検査 ( カメラを使って体の中を調べること。) 呼吸 の練習を始めました。また、どの食べ物や姿勢 がいいかを調べました。
- 研究のまとめ:
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このお話は、
手術 のあとに食べ物を飲 み込 むのが難 しくなっても、 と適切 な評価 ( 状態 を正しく見て、合った方法 を考えること。) でまた食べられるようになることをリハビリ ( 体の機能 を元に戻 すための練習や治療 。) 示 しました。口のケアや呼吸 の練習、新しい が役立ちました。入れ歯 ( 失 った歯の代わりに使う人工の歯。) 姿勢 や食べ物の形を工夫 することで、安全に食べられるようになりました。歯医者さんの助けも大事で、口の中をきれいにすることや入れ歯の治療 が役立ちました。
- これからどうする?:
-
このお話から、
手術 の前から が役立つことが分かりました。これからは、医者と歯医者がリハビリ ( 体の機能 を元に戻 すための練習や治療 。) 一緒 に手術 前からプランを立てることが大事です。また、リハビリの方法 をもっと良 くするための研究が必要 です。適切 な方法 を広めることで、患者 さんの生活が良 くなることが期待されます。
- 著者名:
- 鈴木 拓, 神田 知佳, 辻村 恭憲, 堀 一浩, 井上 誠
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 45
- 号:
- 2
- ページ:
- 81 - 85
- 発行日:
- 2015-12
- 著者による要約:
- We report a case of dysphagia following resection of cerebellopontine angle meningioma in a 57-years old woman. She underwent an operation on January 9th, 2015 in our hospital. Results of swallowing functional evaluation at first visit (January 13th) showed insufficient oral hygiene, loss of occlusal support, impairment of respiratory force and symptoms of the cranial nerve (Ⅴ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ and Ⅻ) palsy on the left side. Repetitive saliva swallowing test score was 0 and cough reflex was observed after swallowing 0.5 ml water, diagnosed as dysphagia with oral and oropharyngeal disorders. We started oral care and indirect therapy. On videoendoscopic examination on the 18th day after the operation, we found that swallowing function was improved, in that obvious aspiration was not observed although pharyngeal residue remained after swallowing. We started direct therapy using paste and jelly foods. We found that right lateral decubitus with head rotation to the left was a safe posture at meal by videofluoroscopic examination on the 27th day, a meal started. Food form was changed several times depending on the functions. In addition, wearing denture contributed to the recovery of oral and chewing function and she could take steamed rice and soft side dishes on neutral position. Finally, she was discharged on the 86th day.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000538
