論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
著しい長顔を呈する顎変形症患者に対し馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術を施行した1例
- AI解説:
- 顎変形症に伴う長顔症例では、唇の閉鎖困難や上顎歯肉の露出といった問題が生じることがあります。このような症例に対しては、上顎骨を大幅に上方移動させることが求められますが、従来のLe Fort I 型骨切り術では骨や下鼻甲介が障害となり、十分な上方移動が困難です。馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術は、これらの障害を回避しつつ、上顎骨を確実に上方移動させることができるとされています。本研究は、著しい長顔を呈する顎変形症患者にこの手術を施行し、良好な顔貌を得た症例を報告することを目的としています。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
著しい長顔を呈する顎変形症患者に対し馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術を施行した1例
AI解説
- 背景と目的:
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顎変形症に伴う長顔症例では、唇の閉鎖困難や上顎歯肉の露出といった問題が生じることがあります。このような症例に対しては、上顎骨を大幅に上方移動させることが求められますが、従来のLe Fort I 型骨切り術では骨や下鼻甲介が障害となり、十分な上方移動が困難です。馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術は、これらの障害を回避しつつ、上顎骨を確実に上方移動させることができるとされています。本研究は、著しい長顔を呈する顎変形症患者にこの手術を施行し、良好な顔貌を得た症例を報告することを目的としています。
- 主要な発見:
-
本研究で報告された症例は、20歳の女性患者で、術前に口唇の閉鎖が困難な長顔を呈していました。馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術と下顎枝矢状分割法を実施し、上顎骨を8mm上方に移動させました。その後、オトガイ形成術によって下顔面高をさらに5mm短縮しました。術後2年間の経過観察により、前歯部にわずかな開咬が見られたものの、顔貌の改善と口唇の閉鎖が容易になり、患者は結果に満足しました。
- 方法論:
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患者は術前矯正治療を経て、全身麻酔下で馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術を受けました。手術では、上顎骨の前歯部歯肉頬移行部に横切開を加えた後、上顎骨を可動化し、馬蹄形に骨切りしました。その後、歯列骨片と口蓋骨片に分割し、歯列骨片のみを8mm上方に移動させました。手術後は顎間固定を行い、その後の矯正治療により咬合関係を改善しました。6ヶ月後にはオトガイ形成術を行い、さらなる顔面高の短縮を図りました。
- 結論と意義:
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今回の症例報告では、馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術とオトガイ形成術を組み合わせることで、著しい長顔を呈する顎変形症患者に対し、顔面高の短縮と顔貌の改善が成功したことが示されました。この手術アプローチは、従来の方法では達成が難しい大幅な上顎骨の上方移動を実現し、術後の鼻腔狭小化も防止できることが確認されました。これにより、患者の生活の質が向上し、外見に対する満足度も高まりました。
- 今後の展望:
-
今後の研究では、より多くの症例に対して馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術を適用し、その有効性と安全性をさらに確認することが求められます。また、超音波メスの活用により、手術中の周囲組織の損傷を最小限に抑える技術の向上も期待されます。さらに、術後の咬合関係や顔貌の長期的な安定性を評価し、より効果的な術後管理方法の確立を目指すことが重要です。また、患者の心理的な側面にも配慮し、術後の満足度を高めるためのフォローアップ体制の強化も必要です。これらの取り組みによって、顎変形症患者に対する治療の質が向上することが期待されます。
- 背景と目的:
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顎変形症の中には顔が長くなることで唇を閉じるのが難しくなったり、上の歯茎が見えてしまったりすることがあります。こういった問題を解決するために、上あごの骨を上に持ち上げる手術が必要です。しかし、従来の手術では骨や鼻の周りの組織が邪魔をして十分に上に移動させることができませんでした。そこで、新しい「
」と「馬蹄形骨切り ( 上あごの骨を馬のひづめの形に切る手術法で、骨を動かしやすくするための方法です。) 」という手術法を使うことで、上あごの骨を確実に上に移動させることができます。この研究では、この手術を受けた患者さんの例を報告します。Le Fort I型骨切り術 ( 上あごの骨を動かすために、特定の位置で骨を切る手術法です。)
- 主要な発見:
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この研究では、20歳の女性患者さんを報告しています。手術前は唇を閉じるのが難しく、顔が長く見えていました。この患者さんに「
」と「馬蹄形骨切り ( 上あごの骨を馬のひづめの形に切る手術法で、骨を動かしやすくするための方法です。) 」、さらに「Le Fort I型骨切り術 ( 上あごの骨を動かすために、特定の位置で骨を切る手術法です。) 」という手術を行い、上あごの骨を8ミリメートル上に移動させました。その後、あごの形を整える手術をして、顔の長さをさらに5ミリメートル短くしました。手術後2年間の経過を観察したところ、前歯の部分に少し隙間ができたものの、顔の見た目が改善され、唇を閉じるのが楽になり、患者さんは結果に満足しました。下顎枝矢状分割法 ( 下あごの骨を特定の方向に切る手術法で、あごの形やかみ合わせを改善するために使われます。)
- 方法論:
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患者さんは手術前に
を受け、その後全身麻酔で手術を行いました。手術では、上あごの前の部分の歯茎に切れ目を入れて、骨を動かしやすくし、馬蹄形に切りました。その後、歯が並んでいる部分と口の中の骨を分けて、歯が並んでいる部分だけを8ミリメートル上に移動させました。手術後は、あごを固定し、さらに矯正治療でかみ合わせを改善しました。6か月後に、あごの形を整える手術を行い、顔の長さをさらに短くしました。矯正治療 ( 歯並びやかみ合わせを改善するための治療です。)
- 結論と意義:
-
今回のケースでは、「
」と「馬蹄形骨切り ( 上あごの骨を馬のひづめの形に切る手術法で、骨を動かしやすくするための方法です。) 」、さらに「あごの形を整える手術」を組み合わせることで、顔が長い顎変形症の患者さんの顔の長さを短くし、見た目を改善することに成功しました。この手術法は、従来の方法では難しかった上あごの大幅な移動を可能にし、術後の鼻の狭さも防ぐことができることが分かりました。これにより、患者さんの生活の質が向上し、見た目に対する満足度も高まりました。Le Fort I型骨切り術 ( 上あごの骨を動かすために、特定の位置で骨を切る手術法です。)
- 今後の展望:
-
今後の研究では、もっと多くの患者さんに対してこの手術法を試し、その有効性と安全性を確かめることが重要です。また、手術中の周囲の組織を傷つけないようにする技術の向上も期待されます。さらに、手術後のかみ合わせや顔の見た目の長期的な安定性を評価し、より効果的な術後管理方法を確立することが求められます。また、患者さんの心理的な側面にも配慮し、術後の満足度を高めるためのサポート体制の強化も必要です。これらの取り組みによって、顎変形症患者さんに対する治療の質が向上することが期待されます。
- 何のために?:
-
顔が長くなると、くちびるを
閉 じるのが難 しくなります。こうした問題を直すために、上あごの骨 を上にあげる手術 が必要 です。でも、前の手術 では十分に骨 をあげられませんでした。そこで、新しい手術 方法 を使うことにしました。この研究では、その手術 を受けた人の例 を紹介 します。
- 何が分かったの?:
-
この研究では、20
歳 の女性 の例 を紹介 します。手術 前は顔が長く、くちびるを閉 じるのが難 しかったです。「 」と「馬蹄 形骨 切 り( 上あごの骨 を馬蹄 形に切って動かしやすくする手術 です。) 」、そして「Le Fort I 型 骨 切 り術 ( 上あごの骨 を動かして位置 を変 える手術 です。) 」の下顎 枝 矢状 分割 法 ( 下あごの骨 を切って分け、位置 を変 える手術 です。) 手術 を行いました。これで上あごの骨 を8ミリ上に動かしました。その後、あごの形を整えて、顔をさらに短くしました。2年間の経過 を見たところ、顔がきれいになり、くちびるも閉 じやすくなりました。
- どうやったの?:
-
手術 の前に、 を行いました。その後、矯正 治療 ( 歯やあごの位置 を正しくするための治療 です。) をして全身 麻酔 ( 体全体を眠 らせて、痛 みを感じないようにする薬です。) 手術 を行いました。上あごの前の部分に切れ目を入れました。それから骨 を動かしやすくするために、馬蹄 形に切りました。歯が並 んでいる部分だけを8ミリ上に動かしました。手術 後、あごを固定 し、矯正 治療 でかみ合わせを直しました。6か月後に、あごを整える手術 をして顔を短くしました。
- 研究のまとめ:
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今回の
手術 では、顔が長い人の顔を短くすることに成功 しました。新しい手術 法 で、上あごをしっかり上に動かせました。手術 後の も鼻の 狭 さ( 手術 によって鼻が狭 くなる問題のことです。) 防 げました。これにより、患者 さんの生活が楽になり、見た目も良 くなりました。
- これからどうする?:
-
これからの研究では、もっと多くの人にこの
手術 を試 します。その効果 と安全性 を確認 します。また、手術 中に周 りの組織 を傷 つけない技術 も向上させます。かみ合わせや顔の見た目の長期的 な安定性 も評価 します。患者 さんの満足度 を高めるためのサポート体制 も強化します。これによって、 の顎 変形 症 ( 顔やあごの形が変 わってしまう病気です。) 治療 の質 がさらに良 くなることが期待されます。
- 著者名:
- 小島 拓, 加藤 祐介, 船山 昭典, 三上 俊彦, 倉部 華奈, 原 省司, 朝日藤 寿一, 八巻 正樹, 齋藤 功, 小林 正治
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 46
- 号:
- 1
- ページ:
- 21 - 26
- 発行日:
- 2016-07
- 著者による要約:
- 長顔を呈する患者では,口唇の閉鎖が困難となり安静時でも上顎歯肉の露出を伴うことがある。そのような症例において良好な顔貌を獲得するには,上顎骨を上方に大きく移動させる必要があるが,通常のLe Fort I型骨切り術で上顎骨を挙上する場合,下行口蓋動脈周囲の骨や下鼻甲介が障害となり上方移動が困難となることがある。今回われわれは,著しい長顔を呈する顎変形症患者に対し馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術を施行して上顎骨を上方移動することで,良好な顔貌が得られたのでその概要を報告する。患者は20歳の女性で,口唇の閉鎖困難を主訴に当院を受診した。著しい長顔を呈する顎変形症と診断し,上下顎移動術によって上下顎骨を上方移動させ顔面高の短縮を図る方針とした。術前矯正治療終了後に馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術と両側下顎枝矢状分割法を施行し,上顎骨全体を8mm上方に移動させた。その1年後にオトガイ形成術を施行し,下顔面高を5mm短縮させた。初回手術から2年経過時において前歯部でわずかな開咬を認めたが,良好な顔貌が維持され口唇の閉鎖が容易になり患者の満足が得られた。
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000545
