論文詳細

医歯学系 大学院医歯学総合研究科(歯) #紀要論文

著しい長顔を呈する顎変形症患者に対し馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術を施行した1例

AI解説:
顎変形症に伴う長顔症例では、唇の閉鎖困難や上顎歯肉の露出といった問題が生じることがあります。このような症例に対しては、上顎骨を大幅に上方移動させることが求められますが、従来のLe Fort I 型骨切り術では骨や下鼻甲介が障害となり、十分な上方移動が困難です。馬蹄形骨切り併用Le Fort I 型骨切り術は、これらの障害を回避しつつ、上顎骨を確実に上方移動させることができるとされています。本研究は、著しい長顔を呈する顎変形症患者にこの手術を施行し、良好な顔貌を得た症例を報告することを目的としています。
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著者名:
小島 拓, 加藤 祐介, 船山 昭典, 三上 俊彦, 倉部 華奈, 原 省司, 朝日藤 寿一, 八巻 正樹, 齋藤 功, 小林 正治
掲載誌名:
新潟歯学会雑誌
巻:
46
号:
1
ページ:
21 - 26
発行日:
2016-07
著者による要約:
長顔を呈する患者では,口唇の閉鎖が困難となり安静時でも上顎歯肉の露出を伴うことがある。そのような症例において良好な顔貌を獲得するには,上顎骨を上方に大きく移動させる必要があるが,通常のLe Fort I型骨切り術で上顎骨を挙上する場合,下行口蓋動脈周囲の骨や下鼻甲介が障害となり上方移動が困難となることがある。今回われわれは,著しい長顔を呈する顎変形症患者に対し馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術を施行して上顎骨を上方移動することで,良好な顔貌が得られたのでその概要を報告する。患者は20歳の女性で,口唇の閉鎖困難を主訴に当院を受診した。著しい長顔を呈する顎変形症と診断し,上下顎移動術によって上下顎骨を上方移動させ顔面高の短縮を図る方針とした。術前矯正治療終了後に馬蹄形骨切り併用Le Fort I型骨切り術と両側下顎枝矢状分割法を施行し,上顎骨全体を8mm上方に移動させた。その1年後にオトガイ形成術を施行し,下顔面高を5mm短縮させた。初回手術から2年経過時において前歯部でわずかな開咬を認めたが,良好な顔貌が維持され口唇の閉鎖が容易になり患者の満足が得られた。
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