論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
頬粘膜扁平上皮癌を契機に発見された重複癌の1例
- AI解説:
- 近年の患者の高齢化や診断技術の進歩により、異なる臓器に別々の癌が発生する重複癌の症例が増加しています。特に口腔癌の治療が進歩して腫瘍制御率が向上することで、重複癌による多病死例が増加しており、重複癌の早期発見と包括的な治療方針の立案が重要となります。本報告では、頬粘膜扁平上皮癌の治療中に第二癌の骨転移を発見し、その原発巣の同定に難渋した一例を紹介します。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
頬粘膜扁平上皮癌を契機に発見された重複癌の1例
AI解説
- 背景と目的:
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近年の患者の高齢化や診断技術の進歩により、異なる臓器に別々の癌が発生する重複癌の症例が増加しています。特に口腔癌の治療が進歩して腫瘍制御率が向上することで、重複癌による多病死例が増加しており、重複癌の早期発見と包括的な治療方針の立案が重要となります。本報告では、頬粘膜扁平上皮癌の治療中に第二癌の骨転移を発見し、その原発巣の同定に難渋した一例を紹介します。
- 主要な発見:
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この症例では、79歳の女性が左側頬粘膜扁平上皮癌の術後に頸部リンパ節転移と仙骨への骨転移が疑われました。仙骨の針生検で腺癌の骨転移と診断され、胸部CTで左側肺上葉に陰影が見つかり、気管支鏡下生検で肺腺癌の確定診断が得られました。これにより、重複癌の存在が確認され、肺腺癌に対する化学療法が開始されました。結果として、肺腺癌は縮小し、頬粘膜扁平上皮癌も再発なく良好な経過をたどりました。
- 方法論:
-
本症例の診断には、FDG PET/CT、胸部CT、超音波ガイド下針生検、気管支鏡下生検などの多岐にわたる画像診断と病理組織学的検査が用いられました。特に、FDG PET/CTは癌のスクリーニングに有用でしたが、腺癌の原発巣特定には限界があり、追加の精密検査が必要でした。また、腺癌の原発巣を特定するために、CK7、CK20、TTF-1などの免疫組織化学的染色が行われました。
- 結論と意義:
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この症例報告は、重複癌の早期発見と原発巣の特定が治療成功に重要であることを示しています。特にFDG PET/CTの初期スクリーニングと、後続の精密な画像診断および病理組織学的検査が効果的であることが確認されました。これにより、患者の予後が大きく改善され、適切な治療方針を立案する重要性が強調されました。また、複数の診療科の連携が不可欠であることも明らかになりました。
- 今後の展望:
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今後、さらに高齢化が進む中で、重複癌の症例が増加することが予想されます。そのため、重複癌の早期発見と原発巣の特定には、より高度な診断技術と多職種連携が必要となります。特に、PET/CTや免疫組織化学的染色の技術を駆使して、精度の高い診断が求められます。また、新しい治療法や診断法の開発、及び臓器横断的なアプローチによる包括的な治療方針の確立が期待されます。
- 背景と目的:
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最近、医療技術の進歩により、高齢の患者さんで複数の臓器に別々の癌が発生することが増えています。特に口の中の癌(口腔癌)の治療技術が向上したことで、別の場所に新たな癌ができるケースが増えました。このため、早期に新しい癌を発見し、総合的な治療計画を立てることが重要です。この報告では、79歳の女性患者さんの事例を紹介します。この患者さんは左の頬の内側にできた癌(頬粘膜扁平上皮癌)の治療中に、別の癌が骨に転移していることが見つかり、その元の場所を特定するのに苦労しました。
- 主要な発見:
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79歳の女性患者さんは、左の頬の内側にできた癌の手術後に、首のリンパ節と仙骨という骨に転移した疑いがありました。仙骨の検査で新たに
の骨転移が見つかりました。胸のCTスキャンで左肺に影が見つかり、気管支の検査で肺腺癌と確定されました。これにより、複数の癌があることが確認され、肺腺癌に対する化学療法が始まりました。その結果、肺腺癌は小さくなり、頬の癌も再発せずに順調に回復しました。腺癌 ( 体の粘膜や腺組織から発生する癌の一種で、例えば肺や消化管、乳腺などに多く見られます。)
- 方法論:
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この患者さんの診断には、
、胸部CT、FDG PET/CT ( 癌を見つけるための画像診断技術で、体に注射した薬剤(FDG)が癌細胞に集まる様子をPETスキャンで撮影し、CTスキャンで正確な位置を特定します。) 、超音波ガイド下針生検 ( 超音波で見ながら針を使って組織を採取する方法で、癌の診断に使います。) など、様々な画像診断と病理組織学的検査が使用されました。特に、FDG PET/CTは癌のスクリーニングに役立ちましたが、気管支鏡下生検 ( 気管支鏡という細い管を使って気道の中を観察し、必要な部位から組織を採取する方法です。) の元の場所を特定するには限界があり、追加の詳しい検査が必要でした。また、腺癌の元の場所を特定するために、腺癌 ( 体の粘膜や腺組織から発生する癌の一種で、例えば肺や消化管、乳腺などに多く見られます。) 、CK7、CK20 ( 癌の種類を特定するために使うタンパク質の一種で、免疫染色によって確認します。) などの免疫組織化学的染色が行われました。TTF-1 ( 特定の癌、特に肺腺癌や甲状腺癌を見つけるために使うタンパク質です。)
- 結論と意義:
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この事例報告は、複数の癌を早期に発見し、その元の場所を特定することが治療の成功に重要であることを示しています。特に
による初期スクリーニングと、詳しい画像診断や病理検査が効果的であることが確認されました。これにより、患者さんの予後が大きく改善され、適切な治療方針を立てることの重要性が示されました。また、複数の診療科が連携することの重要性も明らかになりました。FDG PET/CT ( 癌を見つけるための画像診断技術で、体に注射した薬剤(FDG)が癌細胞に集まる様子をPETスキャンで撮影し、CTスキャンで正確な位置を特定します。)
- 今後の展望:
-
これからもっと高齢化が進むと、複数の癌の症例が増えることが予想されます。そのため、早期に発見し、元の場所を特定するには、より高度な診断技術と多職種の連携が必要です。特に、PET/CTや免疫組織化学的染色の技術を駆使して、正確な診断が求められます。また、新しい治療法や診断法の開発、臓器を超えた総合的な治療方針の確立が期待されます。
- 何のために?:
-
最近 、お医者さんの技術 が進歩しています。そのため、おじいちゃんやおばあちゃんに、いろいろな場所に ができることが癌 (がん)( 体の中の細胞 が変 わって、悪いものになった病気です。治 すのが難 しいことがあります。) 増 えています。特 に、口の中の癌 (こうくうがん)の治療 がうまくいくようになりました。だから、新しい場所に癌 ができることが多くなりました。早く見つけて治 すことが大事です。この記事では、79歳 の女の人のお話を紹介 します。この人は、左の頬 の内側 に癌 ができました。でも、他の場所にも癌 が見つかって大変 でした。
- 何が分かったの?:
-
79
歳 の女の人は、左の頬 の内側 に癌 ができました。その後、首や仙骨 という骨 に癌 がうつったかもしれないと言われました。仙骨 を調べたら、別 の癌 が見つかりました。胸 のCTスキャンで左の肺 に影 がありました。気管 支 を調べたら、肺 の癌 と分かりました。複数 の癌 があることが分かりました。肺 の癌 を治 すために薬を使いました。すると、肺 の癌 は小さくなりました。頬 の癌 も再発 しませんでした。
- どうやったの?:
-
この人の病気を見つけるために、いろいろな
検査 をしました。 やFDG PET/CT ( 体の中を詳 しく見るための特別 な機械 です。癌 を見つけるのに役立ちます。) などの胸部 CT( 胸 の中を見るための機械 です。肺 などを詳 しく調べます。) 画像 で調べました。超音波 で細かく調べたり、気管 支 を調べたりしました。特 に、FDG PET/CTは癌 を見つけるのに役立ちました。でも、詳 しく調べるためには他の検査 も必要 でした。腺癌 の元の場所を調べるために、CK7、CK20、TTF-1という特別 な染色 をしました。
- 研究のまとめ:
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このお話から、たくさんの
癌 を早く見つけることが大事だと分かりました。 で早く見つけて、他のFDG PET/CT ( 体の中を詳 しく見るための特別 な機械 です。癌 を見つけるのに役立ちます。) 詳 しい検査 も必要 です。そうすると、患者 さんの病気が良 くなります。たくさんのお医者さんが協力 することも大事です。
- これからどうする?:
-
これからもっと
高齢 の人が増 えます。だから、たくさんの癌 が見つかるかもしれません。早く見つけるために、もっと良 い技術 が必要 です。特 に、PET/CTや特別 な染色 の技術 が役立ちます。新しい治療 法 や診断 法 も必要 です。みんなで協力 して、しっかり治 すことが大切です。
- 著者名:
- 柴田 哲伸, 宮本 一也, 橋詰 正夫, 細尾 麻衣, 五島 秀樹, 清水 武
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 46
- 号:
- 1
- ページ:
- 27 - 32
- 発行日:
- 2016-07
- 著者による要約:
- It is common to encounter patients with multiple primary cancers nowadays. Multiple primary cancers are cancers present in different organs and developing independently from each other, for reasons of increased patient aging and improving diagnostic techniques. We report a case of a patient with a secondary bone metastasis and struggled to find its primary site. The patient was a 79-year-old woman. We performed surgery for the squamous cell carcinoma on the left side of the buccal mucosa. After surgery, she developed a lymph node metastasis in the neck. In that time, a fluorodeoxyglucose (FDG) PET/CT scan was taken for staging. It revealed that there has been integrated FDG in the neck and sacrum bone, thereby leading us to believe that there was a bone metastasis. We speculated that she had another cancer because the tumor was diagnosed as a bone metastasis of adenocarcinoma when she underwent needle biopsy in the sacrum bone. We could not find the cancer in the FDG PET/CT scan. Her chest CT scan revealed a tumor in the left upper lobe of the lung, which was diagnosed as adenocarcinoma by biopsy with bronchoscope. The squamous cell carcinoma in the buccal mucosa has not recurred in the oral cavity and neck, and the adenocarcinoma is reducing through the chemotherapy.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000546
