論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
最近10年間の新潟大学医歯学総合病院矯正歯科における歯数異常症例の臨床統計調査
- AI解説:
- 不正咬合は、顎骨と歯列の不調和や先天異常、異常習癖など様々な要因で引き起こされるが、先天性欠如歯や過剰歯といった歯数異常も重要な誘因である。先天性欠如歯(先欠歯)は、対合歯の挺出や隣在歯の傾斜、歯列形態の変形などを引き起こす可能性があり、過剰歯は隣在歯の萌出異常や歯根吸収、嚢胞化、歯の位置異常の原因となりうる。治療計画の立案には慎重さが求められるため、新潟大学医歯学総合病院矯正歯科では、2006年から2015年までの新規登録患者を対象に先欠歯および過剰歯の発現状況を調査し、過去の報告と比較することが目的であった。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
最近10年間の新潟大学医歯学総合病院矯正歯科における歯数異常症例の臨床統計調査
AI解説
- 背景と目的:
-
不正咬合は、顎骨と歯列の不調和や先天異常、異常習癖など様々な要因で引き起こされるが、先天性欠如歯や過剰歯といった歯数異常も重要な誘因である。先天性欠如歯(先欠歯)は、対合歯の挺出や隣在歯の傾斜、歯列形態の変形などを引き起こす可能性があり、過剰歯は隣在歯の萌出異常や歯根吸収、嚢胞化、歯の位置異常の原因となりうる。治療計画の立案には慎重さが求められるため、新潟大学医歯学総合病院矯正歯科では、2006年から2015年までの新規登録患者を対象に先欠歯および過剰歯の発現状況を調査し、過去の報告と比較することが目的であった。
- 主要な発見:
-
調査の結果、先欠歯の発現率は12.5%であり、女性が男性の約1.1倍であった。一方、過剰歯の発現率は3.4%であり、男性の発現頻度が女性の約2.5倍であった。先欠歯の歯数別発現状況では、1歯欠如が46.1%、2歯欠如が32.3%を占め、発現部位は下顎第二小臼歯が最も多かった。過剰歯では1歯発現が85.2%で、上顎前歯部が88.7%と大多数を占めた。6歯以上の先天性部分(性)無歯症患者の割合は過去の報告と比較して増加しており、保険適応の影響が示唆された。
- 方法論:
-
対象は2006年1月から2015年12月までの10年間に新潟大学医歯学総合病院矯正歯科に新規登録を行った一般矯正患者1,571名(男性585名、女性986名)で、顎変形症および口唇裂・口蓋裂症例は除外された。これらの症例について、診療録、エックス線写真、研究用模型を用いて歯数異常の発現頻度、歯数別発現状況、発現部位について調査を行った。第三大臼歯は調査対象から除外され、6歯以上の先天性部分(性)無歯症患者については調査年度ごとの来院状況と来院経路も調査された。
- 結論と意義:
-
本研究では、2006年1月から2015年12月までの新潟大学医歯学総合病院矯正歯科の新規登録患者を対象に歯数異常の発現頻度を調査し、過去と比較検討した結果、歯数異常の発現頻度は過去の報告と比較して増加していた。特に6歯以上の先天性部分(性)無歯症患者の増加が顕著であり、これは2012年4月からの保険適応が影響していると考えられる。これらの結果は、歯数異常患者の治療計画立案や矯正治療の重要性を再認識させるものであり、今後の臨床実践においても有用な知見となる。
- 今後の展望:
-
今後、先天性欠如歯や過剰歯に関する発現頻度や治療の傾向を継続的に調査することが重要である。また、保険適応に関する情報がさらに浸透することで、矯正歯科を受診する患者数の増加が予想されるため、その動向を把握し、適切な対応が求められる。加えて、遺伝学的手法や環境要因の影響についてもさらなる研究が必要であり、それによって原因の解明や効果的な治療法の開発が期待される。
- 背景と目的:
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(歯並びや噛み合わせの問題)は、顎の骨や歯の並びがうまく合わなかったり、生まれつきの異常や悪い癖によって引き起こされます。その中でも、歯が生まれつき足りない不正咬合 ( 歯並びや噛み合わせに問題がある状態のことです。) や、普通より多い先天性欠如歯 ( 生まれつき歯が足りない状態です。) は重要な原因です。この研究では、新潟大学医歯学総合病院矯正歯科に2006年から2015年までに来た患者を対象に、先天性欠如歯と過剰歯の発現状況を調べ、過去のデータと比較しました。過剰歯 ( 普通よりも多く歯が生えている状態です。)
- 主要な発見:
-
調査の結果、
の発現率は12.5%で、女性が男性の約1.1倍でした。先天性欠如歯 ( 生まれつき歯が足りない状態です。) の発現率は3.4%で、男性が女性の約2.5倍でした。先天性欠如歯は1本欠けている人が46.1%、2本欠けている人が32.3%で、下の奥から2番目の歯がもっとも多く欠けていました。過剰歯は1本多い人が85.2%で、上の前歯が最も多く見られました。特に6本以上の歯が欠けている人が増えており、これは2012年4月から保険が適用された影響があると考えられます。過剰歯 ( 普通よりも多く歯が生えている状態です。)
- 方法論:
-
対象は、2006年1月から2015年12月までの10年間に新潟大学医歯学総合病院矯正歯科に新規登録した1,571名の一般矯正患者です。顎の変形や口唇裂・口蓋裂の患者は除外されました。これらの患者について、診療記録、エックス線写真、研究用模型を使って、歯の数の異常を調べました。また、第3大臼歯(親知らず)は調査対象外とし、6本以上の歯が欠けている患者については、来院した年や紹介元も調査しました。
- 結論と意義:
-
この研究では、2006年から2015年までの新潟大学医歯学総合病院矯正歯科に新規登録した患者の歯の数の異常を調べました。その結果、歯の数の異常が過去と比べて増えていることが分かりました。特に6本以上の歯が欠けている患者が増えており、これは2012年4月から保険が適用された影響があると考えられます。これらの結果は、歯の数の異常を持つ患者の治療計画を立てる際に役立ち、今後の治療においても重要な知見となります。
- 今後の展望:
-
今後も、
や先天性欠如歯 ( 生まれつき歯が足りない状態です。) の発現頻度や治療の傾向を継続的に調査することが重要です。また、保険適用に関する情報が広がることで、矯正歯科を受診する患者が増えると考えられるため、その動向を把握し、適切な対応が求められます。さらに、遺伝や環境の影響についても研究が必要で、それによって原因の解明や効果的な治療法の開発が期待されます。過剰歯 ( 普通よりも多く歯が生えている状態です。)
- 何のために?:
-
歯並 びが悪くなる原因 には、いろいろあります。たとえば、生まれつき歯が少ない人や、歯が多い人がいます。この研究では、新潟大学の病院に来た人を調べました。2006年から2015年までのデータを使いました。
- 何が分かったの?:
-
調べた
結果 、歯が生まれつき少ない人は12.5%いました。女性 の方が男性 より少し多かったです。歯が多い人は3.4%いて、男性 の方が女性 より多かったです。歯が少ない人の46.1%は1本だけ足りませんでした。歯が多い人の85.2%は1本だけ多かったです。特 に、6本以上 歯が足りない人が増 えていました。これは、2012年から保険 が使えるようになったことが関係 しているかもしれません。
- どうやったの?:
-
対象 にしたのは、2006年から2015年までに新潟大学の病院に来た1,571人の患者 です。 や口の中の顎 の変形 ( 顎 の形が普通 と違 う状態 のことです。) 特別 な問題がある人は除外 しました。 や診療 記録 ( 病院での診察 や治療 の記録 です。) を使って調べました。親知らずはエックス線写真 ( 体の内部を写す特別 な写真。骨 や歯などの状態 を見るために使います。) 調査 しませんでした。6本以上 歯が足りない人については、来た年や紹介 された理由も調べました。
- 研究のまとめ:
-
この研究で、歯の数が
普通 と違 う人が増 えていることがわかりました。特 に、6本以上 歯が足りない人が増 えています。これは、保険 が使えるようになったことが関係 しているかもしれません。この結果 は、歯の治療 計画を作るときに役立ちます。
- これからどうする?:
-
これからも、歯が少ない人や多い人について調べることが大切です。
保険 が使えることを知った人が増 えて、矯正歯科 に来る人も増 えるかもしれません。さらに、遺伝 や環境 が歯にどのように影響 するかも研究する必要 があります。
- 著者名:
- 坂上 馨, 高橋 功次朗, 丹原 惇, 森田 修一, 齋藤 功
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 46
- 号:
- 2
- ページ:
- 83 - 88
- 発行日:
- 2016-12
- 著者による要約:
- 今回,最近10年間に新潟大学医歯学総合病院矯正歯科(以下,当院矯正歯科)に来院した患者の先天性欠如歯および過剰歯について調査を行った。対象は,2006年1月から2015年12月までの10年間における当院矯正歯科の新規登録患者のうち,顎変形症および口唇裂・口蓋裂症例を除外した一般矯正患者1,571名(男性585名,女性986名)とした。これらの症例について,治療のために採得した資料(診療録,エックス線写真,研究用模型)を用いて,調査・分析を行った。その結果,先天性欠如歯の発現率は12.5%で,女性が男性の約1.1倍であった。これに対し,過剰歯の発現率は3.4%であり,男性の発現頻度が女性の約2.5倍であった。先天性欠如を歯数別でみると,1歯発現が46.1%,2歯32.3%,3歯6.2%,4歯3.1%,5歯2.6%,6歯以上が9.7%,過剰歯では,1歯発現が85.2%,2歯14.8%であった。発現部位について先天性欠如歯では,下顎第二小臼歯25.8%,下顎側切歯15.9%,上顎側切歯11.4%,上顎第二小臼歯11.2%,上顎第一小臼歯6.9%の順であった。過剰歯では上顎前歯が88.7%と大多数を占めた。これらの結果は,過去の報告と類似していたが,6歯以上の先天性部分(性)無歯症患者については過去の文献と比較し増加傾向を示し,矯正歯科治療の保険適応が影響していると推察された。
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000555
