論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
側頭部蜂窩織炎後の瘢痕形成により開口障害が持続した1例
- AI解説:
- 顎顔面口腔領域における炎症性開口障害は通常、消炎に伴い改善されるが、まれに長期間にわたり持続するケースもある。今回の研究では、側頭部蜂窩織炎が原因で形成された瘢痕によって重度の開口障害が持続した症例に対し、瘢痕組織と筋突起の切除を行い、開口障害を改善することができた事例を報告する。この報告は、炎症性開口障害の診断および治療方針を含め、臨床的な対応策を考察するために重要である。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
側頭部蜂窩織炎後の瘢痕形成により開口障害が持続した1例
AI解説
- 背景と目的:
-
顎顔面口腔領域における炎症性開口障害は通常、消炎に伴い改善されるが、まれに長期間にわたり持続するケースもある。今回の研究では、側頭部蜂窩織炎が原因で形成された瘢痕によって重度の開口障害が持続した症例に対し、瘢痕組織と筋突起の切除を行い、開口障害を改善することができた事例を報告する。この報告は、炎症性開口障害の診断および治療方針を含め、臨床的な対応策を考察するために重要である。
- 主要な発見:
-
本症例では、保存的な開口訓練のみでは開口障害の改善が見られず、最終的に外科的手術によって開口量が38mmまで回復した点が主要な発見である。MRI画像にて側頭筋と咬筋に沿った瘢痕が確認され、手術後の開口訓練と赤外線による温罨法の併用が効果的であった。また、開口訓練を術後8か月間継続することで、最終的に開口量が50mmに達し、日常生活への支障がなくなったことも重要な発見である。
- 方法論:
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本症例の治療にはまず保存的な開口訓練を数か月間実施し、その後改善が見られなかったため外科的手術を行った。手術は全身麻酔下で筋突起および瘢痕組織の切除を行い、術後にはバルーン型開口練習器を用いた開口訓練と赤外線による温罨法を開始した。治療経過中にはCTおよびMRIによる画像診断を行い、炎症や瘢痕の状態を詳細にモニタリングした。また、術後も開口訓練を8か月間継続し、赤外線による温熱療法も併用した。
- 結論と意義:
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側頭部蜂窩織炎後の瘢痕性開口障害の治療には、保存的療法が効果を示さない場合、早期に外科的療法を検討することが重要である。本症例では、瘢痕組織の切除が開口障害の改善に有効であり、術後の継続的な開口訓練と温罨法が回復に寄与した。このケースは、開口障害の診断および治療における新たな視点と具体的な治療方針を提供するものであり、他の類似症例にも応用可能な重要な知見を提供している。
- 今後の展望:
-
今後の研究では、開口障害に対する外科的療法の適応時期や基準を明確にするためのデータ蓄積が必要である。また、術後の開口訓練や温罨法の最適な方法や期間についてもさらなる検討が求められる。特に糖尿病などの合併症を持つ患者における炎症性開口障害の管理方法や予防策についても研究が進められるべきである。さらに、画像診断技術の進歩を活用して、早期に瘢痕形成を検出し、より効果的な治療計画を立てることが期待される。
- 背景と目的:
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口が開かなくなる「開口障害」という問題は普通、炎症が収まると治りますが、まれに長く続くことがあります。今回の研究では、こうした特別なケースで手術を行い、開口障害が治った事例を紹介します。この報告は、開口障害の診断や治療方法を考えるうえでとても役立つものです。
- 主要な発見:
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今回のケースでは、保存的な方法(手術ではない治療)だけでは効果がなく、最終的に手術を行って口を38mmまで開けるようになったことが大きな発見です。MRIという医療機器で、
と側頭筋 ( 頭の横にある筋肉で、あごを動かす役割をしています。) に沿った咬筋 ( ほおのあたりにある筋肉で、こちらもあごを動かす役割をしています。) (はんこん)が見つかり、手術後に行った瘢痕 ( 傷あとや手術のあとにできる固くなった組織のことです。これが原因で体の動きが制限されることがあります。) と開口訓練 ( 口を開ける練習のことで、専用の器具を使って行われることが多いです。) がとても効果的だったことがわかりました。手術後8か月間訓練を続けた結果、最終的に50mmまで口を開けられるようになり、日常生活に支障がなくなったことも重要です。赤外線療法 ( 赤外線を使って体を温める治療法で、痛みを和らげたり、筋肉をほぐしたりする効果があります。)
- 方法論:
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まず、数か月間保存的な
を行いましたが効果がなかったため、全身麻酔下で手術を行いました。手術では筋突起と開口訓練 ( 口を開ける練習のことで、専用の器具を使って行われることが多いです。) 組織の切除を行い、その後はバルーン型開口練習器と瘢痕 ( 傷あとや手術のあとにできる固くなった組織のことです。これが原因で体の動きが制限されることがあります。) を併用しました。治療の経過はCTやMRIでの画像診断を用いて詳しく観察しました。術後も8か月間開口訓練を続け、赤外線療法を併用しました。赤外線療法 ( 赤外線を使って体を温める治療法で、痛みを和らげたり、筋肉をほぐしたりする効果があります。)
- 結論と意義:
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もし保存的療法が効果を示さない場合、早めに手術を検討することが重要です。今回のケースでは、
組織の切除が開口障害の改善に有効であり、術後の継続的な瘢痕 ( 傷あとや手術のあとにできる固くなった組織のことです。これが原因で体の動きが制限されることがあります。) と開口訓練 ( 口を開ける練習のことで、専用の器具を使って行われることが多いです。) が回復に役立ちました。この報告は、開口障害の新しい診断や治療方法を提供し、他の同じようなケースにも応用できる重要な情報です。赤外線療法 ( 赤外線を使って体を温める治療法で、痛みを和らげたり、筋肉をほぐしたりする効果があります。)
- 今後の展望:
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今後の研究では、開口障害に対する手術を行うタイミングや基準を明確にするためのデータの蓄積が必要です。また、術後の
や開口訓練 ( 口を開ける練習のことで、専用の器具を使って行われることが多いです。) の最適な方法や期間についても更なる研究が求められます。特に糖尿病のような病気を持つ患者の管理方法や予防策についても研究が進められるべきです。そして、画像診断技術の進歩を活用して、早期に赤外線療法 ( 赤外線を使って体を温める治療法で、痛みを和らげたり、筋肉をほぐしたりする効果があります。) 形成を見つけ、より効果的な治療計画を立てることが期待されます。瘢痕 ( 傷あとや手術のあとにできる固くなった組織のことです。これが原因で体の動きが制限されることがあります。)
- 何のために?:
-
口が開かなくなる「
」という問題があります。この病気は、開口 障害 ( 口が開かなくなる病気) 普通 は治 りますが、長く続 くこともあります。今回の研究では、手術 で開口障害 が治 った人の話をします。この報告 は、開口障害 の治 し方を考えるのに役立ちます。
- 何が分かったの?:
-
今回のケースでは、
手術 をしない治療 では効果 がありませんでした。手術 をして、口を38mmまで開けるようになりました。 というMRI ( 体の中を詳 しく見ることができる機械 ) 機械 で、筋肉 に (はんこん)が見つかりました。瘢痕 ( けがや手術 の跡 にできる固 い組織 ) 手術 後の訓練 と が赤外線 療法 ( 赤外線を使って体を温める治療 ) 効果的 でした。8か月間の訓練 で、口を50mmまで開けられるようになりました。日常生活 に問題がなくなりました。
- どうやったの?:
-
まず、数か月間
手術 をしないで開口訓練 をしました。でも効果 がなかったので、 して全身 麻酔 ( 体全体の感覚 をなくす薬) 手術 をしました。手術 では、筋肉 の突起 と を取りました。その後、瘢痕 ( けがや手術 の跡 にできる固 い組織 ) とバルーン 型 開口練習器 ( 口を開く訓練 に使う風船のような器具 ) を使いました。赤外線 療法 ( 赤外線を使って体を温める治療 ) やCT ( 体の内部を詳 しく見るための画像 診断 技術 ) でMRI ( 体の中を詳 しく見ることができる機械 ) 治療 の様子を詳 しく見ました。8か月間訓練 を続 けました。
- 研究のまとめ:
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手術 をしない治療 が効果 がない場合、早めに手術 を考えることが大事です。今回のケースでは、 を取る瘢痕 ( けがや手術 の跡 にできる固 い組織 ) 手術 が効果的 でした。手術 後の訓練 と が役立ちました。この赤外線 療法 ( 赤外線を使って体を温める治療 ) 報告 は、 の新しい開口 障害 ( 口が開かなくなる病気) 治療 方法 を提供 します。他の同じようなケースにも使えます。
- これからどうする?:
-
今後の研究では、
手術 をするタイミングや基準 を決めるためのデータが必要 です。術後 の訓練 や の赤外線 療法 ( 赤外線を使って体を温める治療 ) 最適 な方法 や期間についても研究が必要 です。特 に糖尿病 の患者 さんの管理 方法 や予防策 についても研究が進められるべきです。画像 診断 技術 の進歩で、早期に を見つけることが期待されます。瘢痕 ( けがや手術 の跡 にできる固 い組織 )
- 著者名:
- 渡部 桃子, 池田 順行, 西山 秀昌, 林 孝文, 髙木 律男
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 46
- 号:
- 2
- ページ:
- 89 - 94
- 発行日:
- 2016-12
- 著者による要約:
- We report a case of severe trismus due to cicatricial contracture along the masticatory muscle after temporal phlegmon was improved. A 62-year-old male visited our hospital with the severe trismus after temporal phlegmon. The trismus was persistent despite continuous mouth-opening training for several months. Clinical characteristics included a
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000556
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