論文詳細
教育学部
#紀要論文
キャリア教育を通して育成する「基礎的・汎用的能力」と学習意欲との関連 : 高校3年生の大学進学内定状況に着目して
- AI解説:
- 本研究の背景には、キャリア教育が若者の社会的・職業的自立や生涯にわたるキャリア形成を支援するために、幼児期から高等教育までの体系的な教育を通じて、「基礎的・汎用的能力」を育成することへの関心がある。また、キャリア教育が学習意欲や学習習慣の向上にも寄与することが期待されているが、その具体的な関連性や実証研究は十分ではない。そこで本研究は、高校3年生を対象に、大学進学内定状況に着目し、「基礎的・汎用的能力」と学習意欲との関連を検討することを目的としている。
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教育学部
#紀要論文
キャリア教育を通して育成する「基礎的・汎用的能力」と学習意欲との関連 : 高校3年生の大学進学内定状況に着目して
AI解説
- 背景と目的:
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本研究の背景には、キャリア教育が若者の社会的・職業的自立や生涯にわたるキャリア形成を支援するために、幼児期から高等教育までの体系的な教育を通じて、「基礎的・汎用的能力」を育成することへの関心がある。また、キャリア教育が学習意欲や学習習慣の向上にも寄与することが期待されているが、その具体的な関連性や実証研究は十分ではない。そこで本研究は、高校3年生を対象に、大学進学内定状況に着目し、「基礎的・汎用的能力」と学習意欲との関連を検討することを目的としている。
- 主要な発見:
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本研究では、大学進学内定者と未内定者の間で自主学習時間や学習意欲に大きな差異が見られた。また、「基礎的・汎用的能力」の4つの能力すべてが平日の自主学習時間および学習意欲に対して有意な関連を持つことが示された。特に、進学内定者では「自己理解・自己管理能力」が、自主学習時間や学習意欲と強い関連を持っていた一方、未内定者では「キャリアプランニング能力」が強く関連していたことが明らかとなった。
- 方法論:
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本研究は、関東地方の私立女子高等学校の3年生163人を対象に質問紙調査を実施した。調査は2018年12月に行われ、進路指導担当教諭およびホームルーム担任を通じて実施された。調査項目には、文部科学省委託調査で用いられた「基礎的・汎用的能力」の自己評価項目(24項目)や学習意欲に関する質問項目(3項目)を含め、自主学習時間や通塾の有無も尋ねた。因子分析や重回帰分析を用いて「基礎的・汎用的能力」と学習意欲の関連を検討した。
- 結論と意義:
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本研究の結果は、キャリア教育を通じて育成される「基礎的・汎用的能力」が高校生の学習意欲向上に寄与する可能性を示した。特に進路先が内定している生徒においては、「自己理解・自己管理能力」が自主学習時間や学習意欲と強い関連を示し、未内定者においては「キャリアプランニング能力」が関連していたことが分かった。これらの結果は、キャリア教育の効果を示す実証的な証拠となり得るものであり、進路指導・キャリア教育の在り方に対する具体的な指導の手掛かりとなる。
- 今後の展望:
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今後の研究では、「基礎的・汎用的能力」を高める具体的なキャリア教育の実践についてさらに検討する必要がある。また、学習意欲の量的側面だけでなく、質的側面を捉える調査や分析も求められる。さらに、一時点における横断調査による分析結果では因果関係を厳密に分析できないため、因果関係を含めた長期的な研究が必要である。これにより、キャリア教育が学習意欲や学習行動に与える影響をより深く理解し、教育現場での実践に役立てることが期待される。
- 背景と目的:
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この研究は、キャリア教育が高校生の学習意欲にどのように関係しているかを調べるために行われました。キャリア教育とは、子どものころから大学までの間に、将来の仕事や社会生活に必要なスキルを身につける教育のことです。この研究では、高校3年生が進学先が決まっているかどうかを見て、キャリア教育で得られるスキルと学習意欲の関係を探りました。
- 主要な発見:
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大学進学が決まっている生徒とそうでない生徒の間では、自主学習時間や学習意欲に大きな違いがありました。大学進学が決まっている生徒は「自己理解・自己管理能力」が強く関連していて、未内定の生徒は「
」が関連していることが分かりました。キャリアプランニング能力 ( 将来どのような仕事をするかや、どのようにキャリアを積んでいくかを計画する能力のことです。)
- 方法論:
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関東地方の私立女子高等学校に通う高校3年生163人を対象に、2018年12月にアンケート調査を行いました。アンケートでは、キャリア教育に関する24の質問と学習意欲に関する3つの質問、自主学習時間や塾通いの有無についても尋ねました。データを
や因子分析 ( データを解析する方法の一つで、複数の質問や項目から共通の要素を見つけ出す手法です。) を使って解析しました。重回帰分析 ( 複数の要因がどのように結果に影響を与えるかを解析する方法です。)
- 結論と意義:
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この研究の結果、キャリア教育で育てられるスキルが高校生の学習意欲を高める可能性があることが分かりました。特に、進学先が決まっている生徒は「自己理解・自己管理能力」が、自主学習時間や学習意欲と強く関連していました。これらの結果は、キャリア教育が効果的であることを示す証拠となり、進路指導やキャリア教育の方法に具体的なヒントを提供します。
- 今後の展望:
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今後の研究では、キャリア教育でどのようにスキルを高めることができるか、さらに詳しく調べる必要があります。また、学習意欲の質についても調査が求められます。横断調査だけでは因果関係を詳しく分析できないため、長期的な研究も必要です。これにより、キャリア教育が学習意欲や学習行動にどのように影響を与えるかをより深く理解し、教育現場で役立てることが期待されます。
- 何のために?:
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この研究は、高校生がどれだけ勉強したいと思うかに、
がどれくらいキャリア教育 ( 将来 の仕事や生活に必要 なことを学ぶ教育) 関係 しているかを調べました。キャリア教育は、将来 の仕事や生活に必要 なことを学ぶ教育です。
- 何が分かったの?:
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大学に進むことが決まっている
生徒 は、勉強を自分で計画する力が強いです。でも、大学に進むことが決まっていない生徒 は、将来 の計画を立てる力が大事でした。
- どうやったの?:
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2018年12月に、関東地方の女子高生163人にアンケートをしました。
や勉強のやる気、自分で勉強する時間などについてキャリア教育 ( 将来 の仕事や生活に必要 なことを学ぶ教育) 質問 しました。データを分析 しました。
- 研究のまとめ:
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が高校生の勉強のやる気を高めることが分かりました。キャリア教育 ( 将来 の仕事や生活に必要 なことを学ぶ教育) 特 に、大学進学が決まっている生徒 は、自分を理解 し、自分を管理 する力が強いです。この結果 は、キャリア教育が大事だという証拠 です。
- これからどうする?:
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これからの研究では、
がどうやってスキルを高めるかをもっと調べます。勉強のやる気のキャリア教育 ( 将来 の仕事や生活に必要 なことを学ぶ教育) 質 も調べます。長い期間をかけて研究することも必要 です。
- 著者名:
- 山田 亮, 松井 賢二
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編
- 巻:
- 15
- 号:
- 1
- ページ:
- 31 - 43
- 発行日:
- 2022-10
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000756
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