論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
血液透析患者におけるロコモテイブシンドロームの実態とQOLとの関連
- AI解説:
- 慢性腎臓病(CKD)で透析を受けている患者は、透析を受けていない患者に比べて日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)が低いことが多く、著者らはその負担の重要な部分が身体機能の低下に起因すると述べている。さらに、protein–energy wasting、frailty、sarcopenia、骨障害、amyloidosisといったCKD関連の状態が、「locomotive organs」(筋肉・神経・骨・関節)を損なって移動能力や心理的健康を悪化させ得る点を強調している。日本整形外科学会のLocomotive syndrome(LS)の概念は、パフォーマンスに基づくテストと包括的質問票(GLFS-25)により移動機能低下を構造的に評価し、重症度をLocomo stage 1とLocomo stage 2に分類する枠組みを提供する。LSは他集団では転倒、抑うつ、認知機能低下、QOL低下と関連しているが、著者らは透析患者における頻度・重症度・関連因子が記述されていなかったと指摘する。そこで本研究は、維持血液透析患者における(1)LSの有病率と重症度、(2)LSとQOLの関連を明らかにすることを目的とした。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
血液透析患者におけるロコモテイブシンドロームの実態とQOLとの関連
AI解説
- 背景と目的:
-
慢性腎臓病(CKD)で透析を受けている患者は、透析を受けていない患者に比べて日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)が低いことが多く、著者らはその負担の重要な部分が身体機能の低下に起因すると述べている。さらに、protein–energy wasting、frailty、sarcopenia、骨障害、amyloidosisといったCKD関連の状態が、「locomotive organs」(筋肉・神経・骨・関節)を損なって移動能力や心理的健康を悪化させ得る点を強調している。日本整形外科学会のLocomotive syndrome(LS)の概念は、パフォーマンスに基づくテストと包括的質問票(GLFS-25)により移動機能低下を構造的に評価し、重症度をLocomo stage 1とLocomo stage 2に分類する枠組みを提供する。LSは他集団では転倒、抑うつ、認知機能低下、QOL低下と関連しているが、著者らは透析患者における頻度・重症度・関連因子が記述されていなかったと指摘する。そこで本研究は、維持血液透析患者における(1)LSの有病率と重症度、(2)LSとQOLの関連を明らかにすることを目的とした。
- 主要な発見:
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維持血液透析患者76名のうち、LSは極めて高頻度であり、95%がLSの基準を満たした。内訳はLocomo stage 1が25%、Locomo stage 2が70%で、Non-locomoは5%のみだった。LSの重症度は年齢によって異なり、またLS評価の3要素(stand-up test、two-step test、GLFS-25)のすべてで差がみられた。GLFS-25の回答からは、参加者の半数以上が、身体の痛み、階段昇降や歩行の困難、家事ができないこと、スポーツや社会活動の低下、転倒への恐怖といった顕著な問題を報告していた。Locomo stageの悪化に伴い、体組成と関連指標には一貫したパターンがみられ、有意な傾向としてSMIとphase angleの低下、体脂肪の増加、肥満有病率の上昇、ECW/TBWの上昇が認められた。血清creatinineはstage悪化に伴い低下し、calciumは群間で差があった。SF-36 v2®で測定したQOLはstage間で異なり、LSが悪化するほどPF、RP、RE、PCSが有意に低下する傾向を示した。一方でMCSはLocomo stageの悪化とともに有意に上昇する傾向を示し、著者らはこの所見を予想外であり、より大規模研究での確認が必要だとしている。
- 方法論:
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本研究は横断研究であり、日本の2つの血液透析施設で実施された(2018年5月〜2018年11月)。対象は、週3回の血液透析を1年超受けている患者で、重度の呼吸器・心血管疾患、ならびに理解力低下、視覚障害、認知機能障害により質問票の回答が困難な場合は除外された。LSはLocomo test batteryにより評価し、two-step test(two-step length/height)、簡略化したstand-up test(40 cmからの片脚立ち上がりを試み、必要に応じて20 cmからの両脚立ち上がりを行う)、GLFS-25(0–100、過去1か月の痛み、ADL、社会機能、精神健康を評価)を用いた。Locomo stage 1と2は既定の閾値により定義し(例:two-step test < 1.3 / < 1.1、GLFS-25 ≥ 7 / ≥ 16、特定のstand-upの失敗)、重症度分類を行った。透析後の体組成はbioelectrical impedance analysis(In Body S10)で測定し、SMI、体脂肪、ECW/TBW、phase angleを算出した。筋肉量と肥満は、記載された性別ごとのカットオフに基づいて定義した。透析前の採血ではalbumin、C-reactive protein、urea nitrogen、creatinine、calcium(albumin < 4.0 g/dLの場合は補正)、phosphorus、hemoglobinを測定した。栄養状態はMNA®-SFとGNRIで評価した。QOLはSF-36 v2®で評価し(8つの下位尺度と3つのコンポーネントスコアを、日本の一般集団平均50、SD 10に正規化)、群間比較と傾向検定を行った。さらに、Locomo stageとSF-36アウトカムの関連を、年齢・性別・透析歴(dialysis vintage)で調整した重回帰線形モデルで検討した。
- 結論と意義:
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著者らは、維持血液透析患者ではLSの有病率が高く、しばしば重症であり、LS重症度の増大はQOLの身体的側面の悪化と関連すると結論づけている。Locomo test、特にGLFS-25は、運動器(locomotive organ)の機能障害や関節痛を捉えるため、sarcopeniaやfrailtyの評価を超えて臨床的に重要な情報を提供し得ると主張している。Locomo stageの悪化がSF-36の身体機能関連領域(とくにPFとPCS)の低下と結びついていたことから、LSはADLの悪化を介してQOL低下に寄与する可能性があると解釈している。また、ECW/TBW、phase angle、肥満などがLS重症度と関連したことは、この集団ではLSが低栄養よりも脂肪量(adiposity)に関連する変化と強く結びついている可能性があるという著者らの見解と整合するとしている。一方で重要な限界として、Non-locomo群が非常に小さいこと、疲労軽減のため簡略化したstand-up testを用いたこと、QOLの環境要因(例:収入、家族状況)を測定していないこと、認知機能の評価が限定的であること(診断された認知症が少ないにもかかわらず)、全体のサンプルサイズが小さいことを挙げている。これらの制約はあるものの、血液透析患者のADLとQOLの維持を支援するうえで、LSのルーチン評価は有用な臨床実践となり得ると提示している。
- 今後の展望:
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本論文は、サンプルが小さく群サイズの不均衡が推論を制限することを明示したうえで、より大規模なコホートでこれらの所見を確認・拡張する追加研究を求めている。著者らは、Locomo stageの定期的モニタリングが、運動器管理を目的とした介入(運動、栄養、透析療法の調整など)の効果評価に有用となり得る、とくに高齢者や高リスクの血液透析患者で有用である可能性を提案している。さらに、今後検討すべき具体的課題として、血液透析集団におけるLSとsarcopenia・frailtyなど既存概念との直接比較、GLFS-25と客観的およびinstrumental ADL指標との関連のより詳細な検討、そしてMCSがLocomo stageの悪化とともに上昇したという予期せぬパターンの解明(サンプルサイズの問題を反映している可能性があり、より大規模データセットで再検証すべき)を挙げている。総じて著者らは、透析医療における機能障害の理解に向けてLS評価は有望なアプローチである一方、臨床実装を導くためにはより強固なエビデンスが必要だと強調している。
- 背景と目的:
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で慢性腎臓病 ( 腎臓の働きが長い期間かけて低下していく病気です。進むと体の中の不要なものをうまく排出できなくなり、透析が必要になることがあります。) を受けている人は、透析を受けていない人よりも、日常生活の動き(血液透析 ( 血液を体の外に取り出して機械でろ過し、不要な物質や余分な水分を除く治療です。腎臓の働きが弱い人の体を支えるために行われます。) )や生活の満足度(ADL ( 食事、着替え、入浴、歩行など、毎日の生活で必要な基本的な動作のことです。ADLが下がると自立した生活が難しくなります。) )が下がりやすいことが知られています。著者らは、その大きな原因の1つが、筋肉や骨、関節などの「体を動かすための仕組み」の働きが弱くなることだと考えました。QOL ( 生活の質のことで、体の調子だけでなく、気持ちの状態や日常の満足度なども含めて考えます。医療では治療の効果を考えるうえで重要です。)
また、透析患者では、栄養や筋肉の問題、体の弱り、骨の障害などが起こりやすく、それが歩く力や気持ちの面にも悪い影響を与える可能性があると述べています。
日本整形外科学会が提案した「 (LS)」は、体を動かす機能の低下を、体を使うテストと質問票(ロコモティブシンドローム ( 筋肉、骨、関節、神経などの問題で移動する力が落ち、将来介護が必要になるリスクが高い状態です。歩く力を保つための早期発見に役立ちます。) )で評価し、重さを2段階(GLFS-25 ( 過去1か月の痛みや生活の困りごとを、25個の質問でたずねる質問票です。点数が高いほど、移動機能や生活への支障が大きいと考えます。) 、2)に分ける考え方です。しかし、透析患者でLSがどれくらい多いのか、どれくらい重いのか、QOLとどう関係するのかは十分に整理されていませんでした。Locomo stage 1 ( 移動する力の低下が始まっている段階です。まだ軽めでも、早めに対策をする合図になります。)
そこで本研究は、維持血液透析患者について、LSの多さと重さ、そしてLSとQOLの関係を明らかにすることを目的としました。
- 主要な発見:
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維持
患者76人のうち、95%がLSに当てはまりました。内訳は血液透析 ( 血液を体の外に取り出して機械でろ過し、不要な物質や余分な水分を除く治療です。腎臓の働きが弱い人の体を支えるために行われます。) が25%、Locomo stage 1 ( 移動する力の低下が始まっている段階です。まだ軽めでも、早めに対策をする合図になります。) が70%で、LSではない人は5%しかいませんでした。Locomo stage 2 ( 移動する力の低下が進んでいる段階です。転倒や日常生活の支障が増えやすく、より注意が必要です。)
LSが重い人ほど、 、立ち上がりテスト ( 決められた高さの椅子から片脚または両脚で立てるかを見て、脚の筋力を評価するテストです。立つのが難しいほど移動機能の低下が疑われます。) 、2ステップテスト ( できるだけ大きく2歩進んで距離を測り、身長で割って点数にするテストです。歩く力、脚の筋力、バランス、柔軟性などが関係します。) のすべてで成績が悪く、年齢によっても違いが見られました。GLFS-25では、半数以上の人が、体の痛み、階段や歩行の困難、家事ができない、運動や社会活動が減る、転ぶことへの不安などを強く感じていると答えました。GLFS-25 ( 過去1か月の痛みや生活の困りごとを、25個の質問でたずねる質問票です。点数が高いほど、移動機能や生活への支障が大きいと考えます。)
さらに、LSが重くなるほど、筋肉量の指標( )やSMI ( 骨格筋量を身長の2乗で割った値で、筋肉量の多さを表す指標です。低いと筋肉が少ない可能性があり、動きにくさと関係します。) が下がり、体脂肪が増え、肥満の人が増え、体の水分バランスの指標(phase angle ( 体の細胞の元気さや体内の水分バランスを反映するとされる指標です。低いと筋力低下や栄養状態の悪化と関係することがあります。) )が上がる傾向がありました。血液検査では、ECW/TBW ( 細胞の外の水分量を体全体の水分量で割った比率です。高いと体液の偏りやむくみなどが疑われ、体の状態を考える材料になります。) がLSの悪化とともに低くなる傾向があり、creatinine ( 筋肉から出る物質で、腎臓の働きや筋肉量の目安として使われます。透析患者でも筋肉量が少ないと低く出やすいことがあります。) はグループ間で差がありました。calcium ( 骨や筋肉の働きに関係するミネラルです。腎臓病ではバランスが崩れやすく、骨の問題とも関係します。)
(QOL ( 生活の質のことで、体の調子だけでなく、気持ちの状態や日常の満足度なども含めて考えます。医療では治療の効果を考えるうえで重要です。) ®)では、LSが重いほど身体面のスコア(SF-36 v2 ( 健康に関するQOLを質問票で測る方法です。体の動きや痛み、心の状態など複数の面を点数化できます。) 、PF ( SF-36の項目の1つで、歩く、階段を上るなど「体を動かす能力」を表します。低いほど身体機能が落ちていると考えます。) 、RP ( SF-36の項目の1つで、体の不調が原因で仕事や日常の役割がどれだけ制限されるかを表します。) 、RE ( SF-36の項目の1つで、気分の落ち込みなど心の問題が原因で生活上の役割がどれだけ制限されるかを表します。) )が下がる傾向がありました。一方で、心の健康に関する指標(PCS ( SF-36のまとめ指標の1つで、体の健康に関する全体的な点数です。低いほど身体面のQOLが悪いことを示します。) )はLSが重いほど上がる傾向が出ており、著者らは予想外の結果なので、より大人数の研究で確かめる必要があるとしています。MCS ( SF-36のまとめ指標の1つで、心の健康に関する全体的な点数です。気分や精神面の状態を捉えるのに使います。)
- 方法論:
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日本の2つの透析施設で、2018年5月〜11月に行われた
です。対象は、週3回の横断研究 ( ある時点で対象者をまとめて調べ、状態の違いや関係を分析する研究方法です。ただし、原因と結果の順番までは断定しにくい特徴があります。) を1年以上続けている人で、重い呼吸器・心臓血管の病気がある人や、質問票に答えるのが難しい人などは除外されました。血液透析 ( 血液を体の外に取り出して機械でろ過し、不要な物質や余分な水分を除く治療です。腎臓の働きが弱い人の体を支えるために行われます。)
LSの評価は、 、簡略化した2ステップテスト ( できるだけ大きく2歩進んで距離を測り、身長で割って点数にするテストです。歩く力、脚の筋力、バランス、柔軟性などが関係します。) 、立ち上がりテスト ( 決められた高さの椅子から片脚または両脚で立てるかを見て、脚の筋力を評価するテストです。立つのが難しいほど移動機能の低下が疑われます。) を使い、決められた基準でGLFS-25 ( 過去1か月の痛みや生活の困りごとを、25個の質問でたずねる質問票です。点数が高いほど、移動機能や生活への支障が大きいと考えます。) ・2に分類しました。Locomo stage 1 ( 移動する力の低下が始まっている段階です。まだ軽めでも、早めに対策をする合図になります。)
(筋肉量、体脂肪、体組成 ( 体が筋肉や脂肪、水分などでどのようにできているかを示す情報です。筋肉量や体脂肪量を知ると、体の状態をより詳しく理解できます。) 、ECW/TBW ( 細胞の外の水分量を体全体の水分量で割った比率です。高いと体液の偏りやむくみなどが疑われ、体の状態を考える材料になります。) など)は透析後に体組成計(phase angle ( 体の細胞の元気さや体内の水分バランスを反映するとされる指標です。低いと筋力低下や栄養状態の悪化と関係することがあります。) )で測定しました。採血は透析前に行い、albumin、C生体電気インピーダンス法 ( 体に弱い電気を流し、その通りやすさから筋肉量や体脂肪、水分量などを推定する測定方法です。体への負担が少なく、体組成の把握に使われます。) 、urea nitrogen、RP ( SF-36の項目の1つで、体の不調が原因で仕事や日常の役割がどれだけ制限されるかを表します。) 、creatinine ( 筋肉から出る物質で、腎臓の働きや筋肉量の目安として使われます。透析患者でも筋肉量が少ないと低く出やすいことがあります。) 、phosphorus、hemoglobinなどを調べました。栄養状態はMNA-SFとGNRIで評価し、calcium ( 骨や筋肉の働きに関係するミネラルです。腎臓病ではバランスが崩れやすく、骨の問題とも関係します。) はQOL ( 生活の質のことで、体の調子だけでなく、気持ちの状態や日常の満足度なども含めて考えます。医療では治療の効果を考えるうえで重要です。) ®で評価しました。年齢、性別、SF-36 v2 ( 健康に関するQOLを質問票で測る方法です。体の動きや痛み、心の状態など複数の面を点数化できます。) の影響を考慮した解析も行っています。透析歴 ( 透析を始めてからの年数のことです。体の状態や合併症の出やすさに関係することがあります。)
- 結論と意義:
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維持
患者ではLSが非常に多く、しかも重い人が多いことがわかりました。また、LSが重いほど、血液透析 ( 血液を体の外に取り出して機械でろ過し、不要な物質や余分な水分を除く治療です。腎臓の働きが弱い人の体を支えるために行われます。) のうち特に「体の健康・動きやすさ」に関する部分が悪くなることと関係していました。QOL ( 生活の質のことで、体の調子だけでなく、気持ちの状態や日常の満足度なども含めて考えます。医療では治療の効果を考えるうえで重要です。)
著者らは、 、とくにロコモテスト ( ロコモティブシンドロームを調べるための検査の組み合わせです。体を動かすテストと質問票で、移動機能の低下を評価します。) は、筋肉量の低下(GLFS-25 ( 過去1か月の痛みや生活の困りごとを、25個の質問でたずねる質問票です。点数が高いほど、移動機能や生活への支障が大きいと考えます。) )や全身の弱り(サルコペニア ( 加齢や病気などで筋肉量や筋力が低下し、動きにくくなる状態です。転倒や生活の不自由につながりやすいです。) )だけでは見えにくい、関節の痛みや運動器の困りごとを把握できる点で役に立つ可能性があると述べています。フレイル ( 年齢や病気などで体力や心の力が落ち、健康な状態と要介護の間にいるような弱りの状態です。早い対策で改善する可能性があります。)
一方で、LSではない人が少なすぎること、 を簡略化したこと、収入や家庭環境などQOLに関わる要因を調べていないこと、認知機能の評価が十分でないこと、人数が少ないことが限界として挙げられています。それでも、透析患者の立ち上がりテスト ( 決められた高さの椅子から片脚または両脚で立てるかを見て、脚の筋力を評価するテストです。立つのが難しいほど移動機能の低下が疑われます。) とQOLを保つために、LSを定期的に評価することは役立つ可能性があるとしています。ADL ( 食事、着替え、入浴、歩行など、毎日の生活で必要な基本的な動作のことです。ADLが下がると自立した生活が難しくなります。)
- 今後の展望:
-
今後は、より多人数の集団で今回の結果が本当に成り立つかを確認する研究が求められます。著者らは、Locomo stageを定期的に追うことで、運動、栄養、透析方法の調整などの取り組みが効果を出しているかを評価しやすくなる可能性があると述べています。
また、透析患者でLSと ・サルコペニア ( 加齢や病気などで筋肉量や筋力が低下し、動きにくくなる状態です。転倒や生活の不自由につながりやすいです。) を直接比べる研究、フレイル ( 年齢や病気などで体力や心の力が落ち、健康な状態と要介護の間にいるような弱りの状態です。早い対策で改善する可能性があります。) と客観的なGLFS-25 ( 過去1か月の痛みや生活の困りごとを、25個の質問でたずねる質問票です。点数が高いほど、移動機能や生活への支障が大きいと考えます。) 指標との関係を詳しく調べる研究、そしてADL ( 食事、着替え、入浴、歩行など、毎日の生活で必要な基本的な動作のことです。ADLが下がると自立した生活が難しくなります。) が上がるという予想外の結果の理由を探る研究が必要だとしています。MCS ( SF-36のまとめ指標の1つで、心の健康に関する全体的な点数です。気分や精神面の状態を捉えるのに使います。)
- 何のために?:
-
血液 のそうせき( )をする人は、透析 ( 病気で弱った腎 ぞうのかわりに きかいで血をきれいにする治療 週に何回か病院で行い 体の調子や生活に大きく関係 するので大切)
毎日の動きがへりやすいです。
生活のまんぞくも、下がりやすいです。
その理由の一つは、
体を動かす力がよわるからです。
たとえば、きん肉や骨 、関節 です。
透析 の人は、えいようが足りにくいです。
きん肉がへったり、体がよわったりします。
それで、歩く力や気持ちにも
わるいえいきょうが出るかもです。
「 」は、体の動きのよわりです。ロコモ ( ロコモティブシンドロームのこと きん肉や骨 や関節 などが弱って 立つ歩くなどの動きがうまくできにくくなる状態 早く気づくと対策 がしやすいので重要 )
テストやしつもんで、しらべます。
よわりの重さは、2だんかいです。
でも、透析 の人にロコモが
どれくらい多いかは不明 でした。
そこで、この研究をしました。
ロコモの多さや重さをしらべます。
そして、生活のまんぞくとの関係 も見ます。
- 何が分かったの?:
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をしている76人をしらべました。透析 ( 病気で弱った腎 ぞうのかわりに きかいで血をきれいにする治療 週に何回か病院で行い 体の調子や生活に大きく関係 するので大切)
そのうち95%が でした。ロコモ ( ロコモティブシンドロームのこと きん肉や骨 や関節 などが弱って 立つ歩くなどの動きがうまくできにくくなる状態 早く気づくと対策 がしやすいので重要 )
ロコモ1は25%でした。
ロコモ2は70%でした。
ロコモではない人は、5%だけでした。
ロコモが重いほど、テストがむずかしいです。
立つテストも、歩くテストも下がりました。
年れいでも、ちがいがありました。
しつもんでは、つらさが多く出ました。
体のいたみがある人が多いです。
かいだんや歩くのが大へんな人も多いです。
家のしごとができない人もいました。
うんどうや外に出ることがへります。
ころぶのがこわい人も多いです。
ロコモが重いほど、きん肉がへりがちです。
体のあぶらがふえがちです。
ふとり気みの人もふえました。
体の もくずれがちでした。水分のバランス ( 体の中の水が多すぎたり少なすぎたりしない状態 くずれると 体がつらくなったり けんさの結果 にもえいきょうが出るので重要 )
血のけんさでも、ちがいが出ました。
生活のまんぞくは、体の点が下がりました。
ロコモが重いほど、体の点が低 いです。
でも、心の元気の点は上がりがちでした。
それはよそう外で、さらに調べるそうです。
- どうやったの?:
-
日本の2つの病院で行いました。
2018年5月から11月の研究です。
を週3回、1年透析 ( 病気で弱った腎 ぞうのかわりに きかいで血をきれいにする治療 週に何回か病院で行い 体の調子や生活に大きく関係 するので大切) 以上 の人が対象 です。
重い心ぞうや肺 の病気の人はのぞきます。
しつもんにこたえにくい人ものぞきます。
は、3つでしらべました。ロコモ ( ロコモティブシンドロームのこと きん肉や骨 や関節 などが弱って 立つ歩くなどの動きがうまくできにくくなる状態 早く気づくと対策 がしやすいので重要 )
をしました。2ステップテスト ( できるだけ大またで2歩歩いて 体の動かしやすさやバランスを調べるテスト ロコモの重さを知るのに使う)
もしました。立ち上がりテスト ( いすなどから立てるかを見て 足の力を調べるテスト 動く力の低下 を見つけるのに大事)
しつもん( )にもこたえます。GLFS-25 ( ロコモのしつもん票 体のいたみや日常 の動きの困 りごとなどをたずねて点数にする 体の状態 を広く知るために重要 )
そのけっかで、ロコモ1か2に分けます。
体の中みもはかりました。
透析 のあとに、体をはかるきかいを使います。
血は、透析 の前にとりました。
えいようや の炎 しょう( 体の中で けがや病気などのときに起きる反応 熱 っぽさやはれなどにつながる 体の弱りやすさや回復 に関係 するので大切) を見ます。目じるし ( 体の状態 を知るための けんさの数ちやサイン えいようや炎 しょうのようすを見分けるのに使う)
生活のまんぞくも、しつもんで見ました。
年れいやせいべつのえいきょうも考えました。
- 研究のまとめ:
-
の人には、透析 ( 病気で弱った腎 ぞうのかわりに きかいで血をきれいにする治療 週に何回か病院で行い 体の調子や生活に大きく関係 するので大切) がとても多いです。ロコモ ( ロコモティブシンドロームのこと きん肉や骨 や関節 などが弱って 立つ歩くなどの動きがうまくできにくくなる状態 早く気づくと対策 がしやすいので重要 )
しかも、重い人がたくさんいました。
ロコモが重いほど、体の元気が下がります。
とくに、動きやすさに関係 していました。
ロコモのしつもんは役に立つかもです。
きん肉だけでは分かりにくいことも見えます。
たとえば、関節 のいたみや困 りごとです。
ただし、この研究にはよわい点もあります。
ロコモではない人が少なすぎました。
立つテストをかんたんにしました。
お金や家のことは調べていません。
ものわすれの力も、十分に見ていません。
人数も少ないです。
それでも、ロコモを定期的 にしらべると、
毎日の動きや生活を守れるかもです。
- これからどうする?:
-
もっと大ぜいで、同じことをしらべます。
今回のけっかが本当か、たしかめます。
のだんかいを、つづけて見ます。ロコモ ( ロコモティブシンドロームのこと きん肉や骨 や関節 などが弱って 立つ歩くなどの動きがうまくできにくくなる状態 早く気づくと対策 がしやすいので重要 )
そうすると、取りくみのこうかが分かります。
うんどうやえいようの工夫 です。
のやり方の調整もふくみます。透析 ( 病気で弱った腎 ぞうのかわりに きかいで血をきれいにする治療 週に何回か病院で行い 体の調子や生活に大きく関係 するので大切)
ロコモと、きん肉のへりも比 べたいです。
体のよわりとも、くらべたいです。
しつもんと、毎日の動きの数ちも調べます。
心の点が上がった理由も、さがします。
- 著者名:
- 北林 紘
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000850
