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《実践報告》過疎地域における広域自治体連携とデジタルアーカイブ構築 : 奥会津デジタルアーカイブ構想の現状と課題 (特集 : 地域と観光)

AI解説:
福島県南西部に位置する奥会津地域は、過疎・中山間地域として知られています。この地域では、地域文化資源を集約・公開するデジタルアーカイブ(DA)を構築する「奥会津デジタルアーカイブ構想」が進行中です。この構想は、地域文化資源の管理体制を強化し、「奥会津らしさ」を再検討・確立することを目的としています。地域の歴史や文化を記録し、観光や地域経済の活性化を図ることが期待されています。
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著者名:
榎本 千賀子, 櫻澤 孝佑
掲載誌名:
創生ジャーナルHuman and Society
巻:
6
ページ:
59 - 70
発行日:
2023-03
著者による要約:
日本国内では90年代中頃よりデジタルアーカイブ(DA)をめぐる実践・研究が活発化し、近年では国の主導によりDA社会実現に向けた環境整備が進められている。本稿では、こうした全国的な状況を踏まえつつ、福島県南西部・奥会津地域で2020年に公表された奥会津デジタルアーカイブ(奥会津DA)構想の現状と課題を報告する。奥会津DA構想とは、奥会津7町村が連携し、地域文化資源の集約・公開を行うDAを構築・運営する計画である。奥会津DAは、地域文化資源の管理体制を強化し、地域資料の新たな解釈と活用の可能性をひらくことにより、地域アイデンティティの再検討・確立に寄与するものと期待されている。また、奥会津DAは、小規模自治体連携によるDA構築の先駆的試みとしても注目される。しかし現在の奥会津DA構想は、具体的実現方法の定まらないまま大幅な計画の遅れに直面している。構想実現のためには、①参加機関および内外協力者を交えた議論の場の再構築、②連携機関の合意に基づく運営・資料収集方針の明確化、以上2つの課題の早期解決が必要である。
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