論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
ドーパミン欠乏マウスの多動に対するクエチアピンおよび5-HT1A受容体作動の治療効果について
- AI解説:
- ドパミン欠乏は大脳基底核回路を乱し、パーキンソニズムを引き起こす。しかしドパミン欠乏状態では、複数の臨床状況における幻覚や、パーキンソン病(PD)における神経精神症状など、精神症状を伴う場合もある。ドパミン欠乏に関連する精神症状(PSDD)の治療には、clozapine、pimavanserin、quetiapine、コリンエステラーゼ阻害薬など複数の薬剤が用いられてきたが、それらの有効性を支える機序は不明確である。チロシン水酸化酵素遺伝子のノックアウトによりドパミンを合成できない一方、標的化したチロシン水酸化酵素発現によってノルエピネフリン/エピネフリンは保たれるドパミン欠乏(DD)マウスは、ドパミン欠乏に伴う行動異常を検討するモデルとなる。DDマウスでドパミン枯渇が極端(検出不能以下)になると、新奇環境で顕著な過活動を示し、これは異常な精神症状様行動として解釈されており、clozapineとdonepezilで改善する。こうしたPSDDとの類似性を踏まえ、本研究は(i)臨床的に関連のある薬剤がDDマウスの過活動を抑制するか、(ii)その機序として、特にquetiapineがセロトニン(5-HT)受容体経路、とりわけ5-HT1A受容体刺激を介して作用するか、を検証することを目的とした。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
ドーパミン欠乏マウスの多動に対するクエチアピンおよび5-HT1A受容体作動の治療効果について
AI解説
- 背景と目的:
-
ドパミン欠乏は大脳基底核回路を乱し、パーキンソニズムを引き起こす。しかしドパミン欠乏状態では、複数の臨床状況における幻覚や、パーキンソン病(PD)における神経精神症状など、精神症状を伴う場合もある。ドパミン欠乏に関連する精神症状(PSDD)の治療には、clozapine、pimavanserin、quetiapine、コリンエステラーゼ阻害薬など複数の薬剤が用いられてきたが、それらの有効性を支える機序は不明確である。チロシン水酸化酵素遺伝子のノックアウトによりドパミンを合成できない一方、標的化したチロシン水酸化酵素発現によってノルエピネフリン/エピネフリンは保たれるドパミン欠乏(DD)マウスは、ドパミン欠乏に伴う行動異常を検討するモデルとなる。DDマウスでドパミン枯渇が極端(検出不能以下)になると、新奇環境で顕著な過活動を示し、これは異常な精神症状様行動として解釈されており、clozapineとdonepezilで改善する。こうしたPSDDとの類似性を踏まえ、本研究は(i)臨床的に関連のある薬剤がDDマウスの過活動を抑制するか、(ii)その機序として、特にquetiapineがセロトニン(5-HT)受容体経路、とりわけ5-HT1A受容体刺激を介して作用するか、を検証することを目的とした。
- 主要な発見:
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quetiapine(20 mg/kg)は、open-field試験においてwildtype(WT)およびDDマウスの双方で自発運動量を有意に抑制し、投与約20分後から効果が現れ、セッションを通して持続した。これに対し、pimavanserin、tandospirone、paroxetine、trihexyphenidylは、同一の実験条件下でいずれの遺伝子型でも自発運動量を有意には変化させなかった。機序として、5-HT1A受容体拮抗薬WAY100635(1 mg/kg)による前処置は、DDマウスにおけるquetiapineの運動抑制効果を部分的に減弱させた一方、ムスカリン拮抗薬scopolamine(0.1 mg/kg)はquetiapineの効果を有意には弱めず、これはquetiapineのムスカリン受容体作用が最小限であることと整合的であった。受容体サブタイプの検討でもセロトニン作動性機序が支持され、5-HT1A作動薬8-OH-DPAT(10 mg/kg)は、5-HT2A拮抗薬EMD281014(10 mg/kg)よりも効果的にDDマウスの過活動を抑制した。神経活動マーカーのレベルでは、過活動状態のDDマウスはmedian raphe nucleus(MRN)におけるFos陽性細胞が増加しており、この上昇はquetiapineで低下し、8-OH-DPATでさらに低下した。rostral linear nucleus(RLi)ではFos陽性細胞は少なく、本研究ではdorsal raphe nucleusでFosは検出されなかった。
- 方法論:
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本研究では、C57BL/6J背景の遺伝子改変DDマウスとWT同腹個体を用いた(DD: n = 10–29、WT: n = 10–21、雌雄両方、10–58週齢)。DDマウスはL-DOPA補充により維持したが、過活動と関連するドパミン欠乏状態を誘導するため、マウスに50 mg/kgのL-DOPA注射を行い、その後L-DOPAを含まないDietGelを3日間与え、既報のとおり脳内ドパミン濃度が検出限界以下となる条件を作った。自発運動量は、照明下の半透明チャンバー(350 mm × 400 mm × 250 mm)における6 hのopen-field testでSupermex装置を用いて定量し、移動量を10分ごとに合算した。3 h経過後に皮下投与で薬剤を投与し、その後さらに3 h活動量を記録した。薬剤効果は、注射後と注射前の活動カウントの差として算出した。評価した薬剤は、quetiapine(10、20、40、80 mg/kg)、pimavanserin(5 mg/kg)、tandospirone(3 mg/kg)、paroxetine(8 mg/kg)、trihexyphenidyl(3 mg/kg)、8-OH-DPAT(10 mg/kg)、EMD281014(10 mg/kg)であった。機序検討では、quetiapine投与30分前にWAY100635(0.2または1 mg/kg)またはscopolamine(0.1 mg/kg)を前処置した。Fosマッピングでは、注射なし群、quetiapine群、8-OH-DPAT群(各群にWTとDD)から、薬剤投与1 h後(open-field test開始4 h後)に脳を採取し、5 μmのパラフィン切片を作製してanti-c-fos抗体で免疫染色し、規定領域(MRN: 400 μm × 100 μm、RLi: 200 μm × 200 μm)でFos陽性細胞を計数した。統計解析はtwo-way ANOVAとScheffeの事後比較を用いた(p < 0.05)。
- 結論と意義:
-
本研究結果は、quetiapineが新奇環境でDDマウスに表れる異常な過剰運動を低減できることを示しており、ドパミン欠乏状態におけるPSDD関連薬理を検討するモデルとして本モデルが有用であることを支持する。薬理学的な切り分けから、quetiapineの過活動改善効果は少なくとも一部が5-HT1A受容体シグナルを介していることが示唆された。すなわち、5-HT1A受容体の拮抗により効果が部分的に弱まり、直接の5-HT1A作動(8-OH-DPAT)が過活動を強力に抑制したためである。一方、ムスカリン受容体の遮断はこのパラダイムにおいてquetiapineの作用を弱めず、DDマウス過活動に対するquetiapineの主要機序としてコリン作動性機序は支持されにくいことを示す。Fosの結果は、過活動がMRN内の神経活動亢進と関連すること、そしてquetiapineと8-OH-DPATの双方がこのMRN活性化を低減することを示し、MRN関連のセロトニン作動性回路が行動表現型と整合することを示した。著者らは、5-HT1A受容体刺激がMRN活動を抑制し、それにより過活動が抑えられるというモデルと整合的だと解釈しており、その経路は5-HT放出の低下および/または他の神経伝達物質系への影響を通じる可能性がある。また本研究は、c-Fosが神経発火の間接的な代理指標にすぎない点を強調し、機序の確実性には限界があることも示している。
- 今後の展望:
-
著者らは、機序の説明を精緻化するための複数の方向性を提案している。第一に、c-Fosはリアルタイムのスパイクではなく下流の活性化を反映するため、神経活動をより直接的かつ精密に特徴づけるにはカルシウムイメージングなどの手法が必要であるとしている。第二に、MRNは主要な5-HT核である一方、GABAやグルタミン酸など他の伝達物質にも関与しうるニューロンを含み、さらにMRNは複数の受容体システムを介して運動活動の調節に関与するとされることから、過活動状態のDDマウスでMRN内のどの特定の神経集団が活性化しているのかを同定する必要性を強調している。第三に、8-OH-DPATとtandospironeを区別する薬理学的結果から、シナプス前5-HT1A自己受容体機能が特に重要である可能性が示唆され、したがってこのドパミン欠乏の行動状態における5-HT1Aのシナプス前/シナプス後の寄与を明確にする今後の研究が示唆される。総じて本論文は、MRN回路における細胞基盤を解明し、5-HT1Aを介した調節がどのようにDDマウスの行動の正常化へとつながるのかをより直接的に検証するために、後続研究が必要であるという枠組みを提示している。
- 背景と目的:
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という脳の物質が不足すると、体の動きを調整するしくみがうまく働かなくなり、パーキンソン症状(動きが遅い、体がこわばるなど)が起こります。しかしドパミンが不足しているときに、幻覚などの精神的な症状が出ることもあります。こうした「ドパミン不足に関係するドパミン ( 脳の神経細胞が使う化学物質で、体の動きの調整ややる気、学習などに関わります。不足すると運動の障害だけでなく、状況によっては精神症状にも関係すると考えられます。) 」は、いくつかの薬で治療されていますが、なぜ効くのか(しくみ)はよく分かっていません。精神症状 ( 幻覚や妄想、興奮、不安、行動の乱れなど、心や行動に表れる問題を指します。神経の働きの変化でも起こりえます。)
そこでこの研究では、ドパミンを作れないようにした特別なマウス( )を使いました。このマウスは、脳内のドパミンがほとんどなくなると、新しい環境で異常に走り回るなどの過活動を示し、これは精神症状に似た行動だと考えられています。研究の目的は、主に次の2つです。DDマウス ( 遺伝子操作によってドパミンを作れないようにしたマウスです。ドパミン不足の状態を安定して作れるため、症状や薬の効果を調べるモデルとして使われます。)
1つ目は、病院で使われる薬がDDマウスの過活動を抑えられるかを確かめることです。
2つ目は、特に が「クエチアピン ( 幻覚などの精神症状に使われる薬の一つで、運動症状を悪化させにくいとされ臨床でも使われます。本研究では過活動を抑える薬として注目されました。) の受容体(特に5-HT1A)」を通して効いているのかを確かめることです。セロトニン ( 脳の神経伝達物質の一つで、気分、睡眠、行動の調整などに関わります。ドパミンとのバランスが崩れると症状に影響する可能性があります。)
- 主要な発見:
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は、普通のマウス(WT)とクエチアピン ( 幻覚などの精神症状に使われる薬の一つで、運動症状を悪化させにくいとされ臨床でも使われます。本研究では過活動を抑える薬として注目されました。) の両方で運動量をはっきり減らし、投与して約20分後から効果が出て、実験終了まで続きました。一方で、ピマバンセリン、タンドスピロン、パロキセチン、トリヘキシフェニジルは、同じ条件では運動量をはっきり変えませんでした。DDマウス ( 遺伝子操作によってドパミンを作れないようにしたマウスです。ドパミン不足の状態を安定して作れるため、症状や薬の効果を調べるモデルとして使われます。)
しくみを調べる実験では、 の働きを邪魔する薬(WAY100635)を先に投与すると、DDマウスでのクエチアピンの「運動を抑える効果」が一部弱まりました。逆に、5-HT1A受容体 ( セロトニンが結合する受け皿の一つで、セロトニンの放出や神経活動を抑える方向に働くことがあります。本研究ではクエチアピンの効果に関係する可能性が示されました。) を邪魔する薬(スコポラミン)では、クエチアピンの効果はあまり変わりませんでした。ムスカリン受容体 ( アセチルコリンという神経伝達物質の受容体の一種で、記憶や注意、運動調節などに関わります。今回の結果ではクエチアピンの主な作用点ではなさそうだと考えられました。)
さらに、5-HT1A受容体を直接刺激する薬(8-OH-DPAT)は、 をブロックする薬(EMD281014)よりも、DDマウスの過活動を強く抑えました。5-HT2A受容体 ( セロトニンの別の受け皿で、興奮性の働きに関わることがあります。薬がここをブロックすると症状が変わる可能性があるため比較対象になりました。)
脳の活動の指標( )を見ると、過活動のDDマウスではFos ( 神経細胞が活発に働いた後に増えやすいタンパク質で、脳のどこが活動したかを推定する目印として使われます。ただし神経の発火を直接測るものではありません。) という部位でFos陽性細胞が増えていましたが、クエチアピンで減り、8-OH-DPATではさらに減りました。MRN ( 脳幹にあるセロトニン神経が多い部位の一つです。行動や運動の調節に関わる可能性があり、本研究では過活動と関連して活動が上がることが示されました。)
- 方法論:
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遺伝子改変した
と、同腹の普通のマウス(WT)を使いました。DDマウスはふだんDDマウス ( 遺伝子操作によってドパミンを作れないようにしたマウスです。ドパミン不足の状態を安定して作れるため、症状や薬の効果を調べるモデルとして使われます。) で状態を保ちますが、過活動が出るほどL-DOPA ( 体内でドパミンに変わる物質で、ドパミン不足を補うために使われます。DDマウスの維持やパーキンソン病治療に重要です。) が減った状態を作るために、手順を工夫して脳内ドパミンが測定できないほど低い条件を作りました。ドパミン ( 脳の神経細胞が使う化学物質で、体の動きの調整ややる気、学習などに関わります。不足すると運動の障害だけでなく、状況によっては精神症状にも関係すると考えられます。)
マウスを新しい箱(open-field)に入れ、6時間の動きをセンサーで測りました。最初の3時間は慣れの時間とし、その後に薬を注射して、さらに3時間の動きを測りました。薬の効果は「注射後の動き」と「注射前の動き」の差で評価しました。しくみの確認では、 の前に受容体に作用する薬を投与して、効果が変わるかを見ました。脳のクエチアピン ( 幻覚などの精神症状に使われる薬の一つで、運動症状を悪化させにくいとされ臨床でも使われます。本研究では過活動を抑える薬として注目されました。) 測定では、薬投与後に脳を取り出して染色し、特定の部位でFos陽性細胞数を数えました。Fos ( 神経細胞が活発に働いた後に増えやすいタンパク質で、脳のどこが活動したかを推定する目印として使われます。ただし神経の発火を直接測るものではありません。)
- 結論と意義:
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は、クエチアピン ( 幻覚などの精神症状に使われる薬の一つで、運動症状を悪化させにくいとされ臨床でも使われます。本研究では過活動を抑える薬として注目されました。) が極端に少ないドパミン ( 脳の神経細胞が使う化学物質で、体の動きの調整ややる気、学習などに関わります。不足すると運動の障害だけでなく、状況によっては精神症状にも関係すると考えられます。) で見られる異常な過活動を抑えられることが分かりました。また、その効果は少なくとも一部がDDマウス ( 遺伝子操作によってドパミンを作れないようにしたマウスです。ドパミン不足の状態を安定して作れるため、症状や薬の効果を調べるモデルとして使われます。) のしくみを通して起きている可能性が高いです。5-HT1A受容体 ( セロトニンが結合する受け皿の一つで、セロトニンの放出や神経活動を抑える方向に働くことがあります。本研究ではクエチアピンの効果に関係する可能性が示されました。) (アセチルコリン系)を止めてもクエチアピンの効果が弱まりにくかったため、この実験条件ではアセチルコリン系が主役とは考えにくいとされました。ムスカリン受容体 ( アセチルコリンという神経伝達物質の受容体の一種で、記憶や注意、運動調節などに関わります。今回の結果ではクエチアピンの主な作用点ではなさそうだと考えられました。)
さらに、過活動と の神経活動上昇が関係し、クエチアピンや8-OH-DPATがMRNの活動上昇を下げることが示されました。ただしMRN ( 脳幹にあるセロトニン神経が多い部位の一つです。行動や運動の調節に関わる可能性があり、本研究では過活動と関連して活動が上がることが示されました。) は神経活動を直接測るものではないため、結論には限界もあります。Fos ( 神経細胞が活発に働いた後に増えやすいタンパク質で、脳のどこが活動したかを推定する目印として使われます。ただし神経の発火を直接測るものではありません。)
- 今後の展望:
-
今後は、
よりも直接的に神経活動を測れる方法(例:Fos ( 神経細胞が活発に働いた後に増えやすいタンパク質で、脳のどこが活動したかを推定する目印として使われます。ただし神経の発火を直接測るものではありません。) )で確かめる必要があるとされています。またカルシウムイメージング ( 神経細胞の活動に伴うカルシウム濃度の変化を可視化して、神経活動をより直接的に測る方法です。Fosより細かい時間の変化を追える点が重要です。) にはMRN ( 脳幹にあるセロトニン神経が多い部位の一つです。行動や運動の調節に関わる可能性があり、本研究では過活動と関連して活動が上がることが示されました。) 以外の物質に関わる神経細胞もあるため、過活動のときにMRNのどの種類の神経細胞が特に働いているのかを特定することが重要です。さらに、セロトニン ( 脳の神経伝達物質の一つで、気分、睡眠、行動の調整などに関わります。ドパミンとのバランスが崩れると症状に影響する可能性があります。) の「神経の手前側(自己受容体)」と「神経の受け取り側(別の細胞にある受容体)」のどちらがより重要なのかをはっきりさせる研究が求められます。5-HT1A受容体 ( セロトニンが結合する受け皿の一つで、セロトニンの放出や神経活動を抑える方向に働くことがあります。本研究ではクエチアピンの効果に関係する可能性が示されました。)
- 何のために?:
-
脳 には、 というものがあります。ドパミン ( 脳 の中で働 く物質 で、体を動かしたり気分を保 ったりするのを助けます。少なくなると動きがゆっくりになったり体がかたくなったりします。薬が何に効 いているかを考えるために大事です。)
ドパミンが少ないと、体が動きにくいです。
たとえば、動きがゆっくりになります。
体がかたくなることもあります。
それを、 のパーキンソン ( ドパミンが少なくなることで起きる病気やその症状 のことです。体が動きにくいなどの説明 に使われます。研究が目指す症状 を示 す大事な言葉です。) 症状 といいます。
ドパミンが少ないと、心の症状 も出ます。
たとえば、ないものが見えることです。
こうした症状 に効 く薬もあります。
でも、なぜ効 くかはよく分かりません。
そこで、特別 なマウスを使いました。
ドパミンを作れない です。DDマウス ( ドパミンを作れないようにした特別 なマウスのことです。人の病気に近い状態 を動物で再現 して調べるために使います。)
DDマウスは、急に走り回ることがあります。
それは、心の症状 ににていると考えます。
この研究の目的 は、2つあります。
1つ目は、薬で走り回りが止まるかです。
2つ目は、 のクエチアピン ( 心の症状 などに使われる薬の名前です。この研究では走り回る行動をへらすか、どう効 くかを調べています。) 働 き方です。
の入口が大事かを見ます。セロトニン ( 脳 の中で働 く物質 で、気分や落ち着きなどに関係 します。クエチアピンの効 き方に関係 するかを調べるために大事です。)
- 何が分かったの?:
-
は、動きをへらしました。クエチアピン ( 心の症状 などに使われる薬の名前です。この研究では走り回る行動をへらすか、どう効 くかを調べています。)
ふつうのマウスでも、DDでも同じです。
注射 して20分くらいで効 きました。
そのあとも、効 きつづけました。
ほかの薬は、動きがあまり変 わりません。
同じやり方では、はっきりしませんでした。
別 の薬で、しくみもたしかめました。
の5-HT1A ( セロトニンが結 びつく入口の一つの名前です。ここを止めたり強く働 かせたりして、薬の効き目 が変 わるか確 かめます。効 き方のしくみを知るために重要 です。) 働 きを止める薬を使いました。
すると、クエチアピンの効き目 が弱まりました。
でも、少しだけ弱まった、という結果 です。
別 の入口を止める薬も使いました。
という入口を止めました。ムスカリン ( 脳 の別 の入口の名前で、別 の物質 が結 びつく場所です。この入口がクエチアピンの効き目 に関係 するかを調べるために出てきます。)
このとき、効き目 はあまり変 わりませんでした。
5-HT1Aを強くはたらかす薬も試 しました。
それは、 の動きをよく止めました。DDマウス ( ドパミンを作れないようにした特別 なマウスのことです。人の病気に近い状態 を動物で再現 して調べるために使います。)
別 の入口を止める薬より、強く止めました。
脳 の中の という目じるしも見ました。Fos ( 脳 の細胞 が活動したときに増 えやすい目じるしとして使われる物質 です。どの場所が動いたかを推測 するのに使いますが、行動そのものを直接 見ているわけではない点が大事です。)
走り回るDDマウスでは、 が上がりました。MRN ( 脳 の中の場所の名前です。走り回るときに活動が上がるか、薬で下がるかを見て、関係 する脳 の部位 を考えるために使います。)
クエチアピンで、MRNは下がりました。
5-HT1Aの薬では、もっと下がりました。
- どうやったの?:
-
と、ふつうのマウスを使いました。DDマウス ( ドパミンを作れないようにした特別 なマウスのことです。人の病気に近い状態 を動物で再現 して調べるために使います。)
DDマウスは、 がとても少ないです。ドパミン ( 脳 の中で働 く物質 で、体を動かしたり気分を保 ったりするのを助けます。少なくなると動きがゆっくりになったり体がかたくなったりします。薬が何に効 いているかを考えるために大事です。)
研究では、さらに少ない状態 を作りました。
ほとんど測 れないほど少なくしました。
マウスを、新しい箱に入れました。
箱の中での動きを、センサーで見ました。
全部で6時間、動きをはかりました。
最初 の3時間は、ならす時間にしました。
そのあと、薬を注射 しました。
さらに3時間、動きをはかりました。
注射 の前と後のちがいで、効き目 を見ました。
しくみの実験 もしました。
の前に、クエチアピン ( 心の症状 などに使われる薬の名前です。この研究では走り回る行動をへらすか、どう効 くかを調べています。) 別 の薬を入れました。
それで、効き目 が変 わるかを見ました。
を見るときは、Fos ( 脳 の細胞 が活動したときに増 えやすい目じるしとして使われる物質 です。どの場所が動いたかを推測 するのに使いますが、行動そのものを直接 見ているわけではない点が大事です。) 脳 をしらべました。
薬のあとで脳 をとり出しました。
色をつけて、Fosの数を数えました。
- 研究のまとめ:
-
は、走り回りを止めました。クエチアピン ( 心の症状 などに使われる薬の名前です。この研究では走り回る行動をへらすか、どう効 くかを調べています。)
がとても少ないドパミン ( 脳 の中で働 く物質 で、体を動かしたり気分を保 ったりするのを助けます。少なくなると動きがゆっくりになったり体がかたくなったりします。薬が何に効 いているかを考えるために大事です。) でもです。DDマウス ( ドパミンを作れないようにした特別 なマウスのことです。人の病気に近い状態 を動物で再現 して調べるために使います。)
だから、この薬は役に立つかもしれません。
効き目 には、 が5-HT1A ( セロトニンが結 びつく入口の一つの名前です。ここを止めたり強く働 かせたりして、薬の効き目 が変 わるか確 かめます。効 き方のしくみを知るために重要 です。) 関係 しそうです。
その入口をじゃますると、効き目 が弱まりました。
なので、そこが大事な道だと考えられます。
を止めても、あまりムスカリン ( 脳 の別 の入口の名前で、別 の物質 が結 びつく場所です。この入口がクエチアピンの効き目 に関係 するかを調べるために出てきます。) 変 わりません。
この条件 では、そちらは主役ではなさそうです。
のはたらきも、MRN ( 脳 の中の場所の名前です。走り回るときに活動が上がるか、薬で下がるかを見て、関係 する脳 の部位 を考えるために使います。) 関係 がありそうです。
走り回ると、MRNが上がりました。
薬で、その上がり方が下がりました。
でも、 は本当の動きを直に見ません。Fos ( 脳 の細胞 が活動したときに増 えやすい目じるしとして使われる物質 です。どの場所が動いたかを推測 するのに使いますが、行動そのものを直接 見ているわけではない点が大事です。)
だから、言い切れない部分もあります。
- これからどうする?:
-
次は、もっとはっきり
脳 の動きを見ます。
たとえば、 で見るカルシウム ( 脳 の細胞 が活動するときに変化 しやすい物質 で、その変化 を使って脳 の動きをより直接 に見る方法 があります。今後の研究で、はっきり調べるために重要 です。) 方法 があります。
には、いろいろなMRN ( 脳 の中の場所の名前です。走り回るときに活動が上がるか、薬で下がるかを見て、関係 する脳 の部位 を考えるために使います。) 神経 があります。
だけではありません。セロトニン ( 脳 の中で働 く物質 で、気分や落ち着きなどに関係 します。クエチアピンの効 き方に関係 するかを調べるために大事です。)
どの神経 が強く動くかを調べる必要 があります。
にも、場所のちがいがあります。5-HT1A ( セロトニンが結 びつく入口の一つの名前です。ここを止めたり強く働 かせたりして、薬の効き目 が変 わるか確 かめます。効 き方のしくみを知るために重要 です。)
出す側 の入口か、受ける側 の入口かです。
どちらが大事かも、はっきりさせます。
- 著者名:
- 落合 郁紀子
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000964
