論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
脊髄くも膜下麻酔後の2%メピバカインの硬膜外投与は、帝王切開術中の嘔気・嘔吐の発生を予防しない : 前向き二重盲検無作為化比較試験
- AI解説:
- 区域麻酔下で行われる帝王切開(cesarean section: CS)では、術中悪心・嘔吐(intraoperative nausea and vomiting: IONV)が頻繁で苦痛の大きい合併症であり、先行研究ではプラセボ群の30%〜70%に報告されている。IONVは強い不快感をもたらし、患者の急な体動を通じて手術リスクを高める可能性もあるため、IONVの予防は麻酔の質と患者安全の観点から重要と考えられている。IONVの要因は多岐にわたり、低血圧、内臓刺激(例:子宮の体外挙上)、子宮収縮薬などが寄与する。Neuraxial opioids(特にintrathecal fentanyl)はIONVの軽減と麻酔の質の向上のため広く用いられている一方、opioidsは有害事象(例:掻痒)などの問題も起こし得るため、opioid-sparingまたはopioid-freeのアプローチへの関心が高まっている。日本では、CSにcombined spinal and epidural anesthesia(CSEA)が一般的に用いられる。著者らは、脊髄くも膜下麻酔後に時間経過とともに局所麻酔薬の脳脊髄液中濃度が低下し、手術後半で内臓痛が再燃し得ることから、術中に硬膜外へ局所麻酔薬をボーラス投与してneuraxial blockadeを「追加(top up)」すればIONVを減らせるのではないかと仮説を立てた。本試験では、CSEA下の予定CSにおいて、脊髄くも膜下麻酔20分後に硬膜外から2% mepivacaine 5 mLを投与することが、生理食塩水プラセボと比べてIONVを減少させるかを検証した。
AI解説を見る
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(医)
#学位論文
脊髄くも膜下麻酔後の2%メピバカインの硬膜外投与は、帝王切開術中の嘔気・嘔吐の発生を予防しない : 前向き二重盲検無作為化比較試験
AI解説
- 背景と目的:
-
区域麻酔下で行われる帝王切開(cesarean section: CS)では、術中悪心・嘔吐(intraoperative nausea and vomiting: IONV)が頻繁で苦痛の大きい合併症であり、先行研究ではプラセボ群の30%〜70%に報告されている。IONVは強い不快感をもたらし、患者の急な体動を通じて手術リスクを高める可能性もあるため、IONVの予防は麻酔の質と患者安全の観点から重要と考えられている。IONVの要因は多岐にわたり、低血圧、内臓刺激(例:子宮の体外挙上)、子宮収縮薬などが寄与する。Neuraxial opioids(特にintrathecal fentanyl)はIONVの軽減と麻酔の質の向上のため広く用いられている一方、opioidsは有害事象(例:掻痒)などの問題も起こし得るため、opioid-sparingまたはopioid-freeのアプローチへの関心が高まっている。日本では、CSにcombined spinal and epidural anesthesia(CSEA)が一般的に用いられる。著者らは、脊髄くも膜下麻酔後に時間経過とともに局所麻酔薬の脳脊髄液中濃度が低下し、手術後半で内臓痛が再燃し得ることから、術中に硬膜外へ局所麻酔薬をボーラス投与してneuraxial blockadeを「追加(top up)」すればIONVを減らせるのではないかと仮説を立てた。本試験では、CSEA下の予定CSにおいて、脊髄くも膜下麻酔20分後に硬膜外から2% mepivacaine 5 mLを投与することが、生理食塩水プラセボと比べてIONVを減少させるかを検証した。
- 主要な発見:
-
本研究では、術中に硬膜外から2% mepivacaine 5 mLを投与してもIONVを予防する根拠は得られなかった。IONVの発生率は両群で同程度であった(mepivacaine群58% vs 生理食塩水群61%;P = .82)。同様に、悪心の重症度(numerical rating scale: NRSで評価)、rescue antiemeticsの使用、嘔吐(各群1名)についても群間の有意差はなかった。一方で、硬膜外mepivacaineは術中鎮痛を改善し、術中の腹痛の発生率と重症度はいずれも生理食塩水より有意に低かった。これに対応して、mepivacaine群ではrescue epidural analgesicsを要した患者が少なく、fentanyl(18% vs 47%)および追加のmepivacaine(2.3% vs 25%)の使用も少なかった。運動遮断(Bromage scores)および術前・術後の感覚遮断レベルは、群間で有意差がなかった。術後は、生理食塩水群に有利な結果であり、術後悪心の発生率と重症度はmepivacaine群で有意に高く、patient-controlled epidural analgesia(PCA)の作動頻度もmepivacaine群で高かった一方、術後疼痛の強さ、追加鎮痛薬の使用、患者満足度スコアは有意差がなかった。
- 方法論:
-
本研究は、2019年1月から2020年12月に新潟県南魚沼市の魚沼基幹病院で実施された、前向き・二重盲検・無作為化比較試験である。倫理承認(30-036)と試験登録(JMA-IIA00398)を得た。対象はCSEA予定の予定CS患者で、除外基準はAmerican Society of Anesthesiologists身体状態分類≥3、緊急CS、neuraxial anesthesiaの禁忌、凝固障害または抗血栓療法、BMI > 35 kg/m2、特定の神経学的または脊椎の異常などであった。90名をコンピュータ生成のブロック無作為化(ブロックサイズ:10)で1:1に割り付け、硬膜外mepivacaine(M群)または生理食塩水(S群)を投与した。解析対象は87名(43名 vs 44名)であった。硬膜外カテーテルをT11–12またはT12–L1に傍正中アプローチで留置し、その後L2–3またはL3–4から0.5%高比重bupivacaine 10 mg(2 mL)で脊髄くも膜下麻酔を行った。循環動態管理は標準化され、予防的昇圧薬(心拍数<80回/分ではephedrine 4 mg、心拍数≥80回/分ではphenylephrine 0.05 mg)により収縮期血圧をベースラインの≥80%かつ≥90 mm Hg、平均血圧を≥60 mm Hgに維持し、6% hydroxyethyl starch 130/0.4を含む輸液を行った。脊髄くも膜下麻酔20分後に、硬膜外カテーテルから2% mepivacaine 5 mLまたは生理食塩水5 mLを投与した。IONVと疼痛は、盲検化された看護師が手術直後に0–10のNRSで評価し、悪心は主要評価項目(IONV発生)としてNRS > 0と定義した。悪心に対するrescue治療は標準化され(metoclopramide 10 mg静注、必要時droperidol 1 mg静注)、rescue鎮痛(硬膜外mepivacaineまたはfentanyl)は麻酔科医の裁量で投与した。感覚遮断と運動遮断はそれぞれアイスパックとBromage scoreで評価した。術後1日目の評価項目は、悪心と疼痛、PCA頻度、鎮痛薬使用、満足度であった。統計解析は、割合にFisher正確検定、順序尺度にMann–Whitney U検定、遮断レベル/Bromage scoreにカイ二乗検定、パラメトリックデータにt検定を用い、有意水準はP < .05とした。
- 結論と意義:
-
著者らは、脊髄くも膜下麻酔20分後に硬膜外から2% mepivacaine 5 mLを投与しても、CSEA下の帝王切開におけるIONVは減少しないと結論づけた。一方で、術中の疼痛コントロールは改善し、rescueの硬膜外fentanyl必要性は低下した。プラセボ対照・二重盲検・無作為化という設計により、10 mg高比重bupivacaineによる標準的な脊髄くも膜下麻酔にこの硬膜外局所麻酔薬の「top-up」戦略を追加しても、IONV予防にはつながりにくいことを比較的強い根拠で示すとしている。臨床的には、このプロトコルでは鎮痛の改善だけではIONV率の低下に結びつかなかったため、硬膜外カテーテルが留置されていてもIONV予防のために低用量のneuraxial opioidsを継続使用することを支持する結果だと述べている。同時に、鎮痛上の利益とrescue fentanylの減少は、硬膜外mepivacaineが術中疼痛管理に寄与し、opioid曝露とopioid関連有害事象の低減に役立つ可能性を示唆するとした。さらに、局所麻酔薬を高用量化してIONV予防を試みる場合、低血圧や術後の運動麻痺といったリスク(低血圧自体もIONVの要因)により制約され得る点を強調している。解釈にあたっては限界も認めており、担当麻酔科医が盲検化されていないことによるバイアスの可能性、および(特に生理食塩水群で)rescueの硬膜外fentanylがIONVに影響した可能性を挙げている。
- 今後の展望:
-
本論文は、限界と考察から示唆される複数の方向性を述べている。第一に、硬膜外局所麻酔薬の投与量(2% mepivacaine 5 mL)が内臓性侵害受容をIONVに影響する程度まで抑えるには不十分だった可能性があり、硬膜外局所麻酔薬単独でIONVを減らせるかを検証するには、より高用量(濃度、容量、または力価の増加)が必要かもしれないが、高用量化はIONVの要因でもある低血圧リスクを高め得ることも認めている。第二に、本研究ではCS直後にアウトカムを測定したため術中のリアルタイム評価を行っておらず、今後は術中の実時間測定を伴う研究が因果解釈を強める可能性があるとしている。第三に、教育機関という背景から手術時間が長くなり、mepivacaineの効果が減弱し得た可能性があるため、今後は手術時間や投与タイミングを考慮する必要があると示唆している。第四に、IONVの既知の患者リスク因子(例:乗り物酔い、妊娠前の月経前症候群、妊娠初期の悪心)を考慮していないため、将来の試験ではリスク層別化や調整を組み込めるとしている。最後に、担当麻酔科医が非盲検であり、rescue鎮痛(特に硬膜外fentanyl)の判断が悪心アウトカムに影響し得ることから、CSEA下でIONV予防のopioid-sparing戦略を評価する将来の試験では、バイアスをさらに最小化し、rescue opioids曝露をより適切にコントロールすべきだと示唆している。
- 背景と目的:
-
を、体の一部だけの感覚をまひさせる麻酔で行うと、手術中に吐き気や嘔吐が起こりやすいことが知られています。これは患者さんにとってつらいだけでなく、急に体が動いてしまうことで手術の危険が高まる可能性もあるため、予防が大切です。帝王切開 ( 赤ちゃんをおなかと子宮を切って取り出す出産方法で、予定して行う場合も緊急で行う場合もあります。)
吐き気や嘔吐の原因には、血圧が下がること、手術で内臓が刺激されること、子宮を収縮させる薬など、いくつもの要素があります。
一方で、吐き気を減らすために麻酔で (強い鎮痛薬)を使うことがありますが、かゆみなどの副作用が問題になることもあります。そのため、オピオイドをなるべく使わない方法への関心も高まっています。オピオイド ( 強い痛み止めの薬のグループで、よく効く一方、かゆみなどの副作用が出ることがあります。)
日本でよく使われる麻酔法である (CSEA ( 脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔を組み合わせる方法で、手術中と手術後の痛み管理を両方ねらえます。) と脊髄くも膜下麻酔 ( 脳脊髄液がある場所に麻酔薬を入れて、下半身の感覚を強くまひさせる方法です。) の組み合わせ)では、時間がたつと麻酔薬の効きが弱くなり、手術の後半におなかの痛み(内臓の痛み)が出てくることがあります。そこで研究者たちは、脊髄くも膜下麻酔の20分後に、硬膜外から硬膜外麻酔 ( 脊髄の外側の「硬膜外腔」にカテーテルを入れ、そこから麻酔薬を追加できる方法です。) (局所麻酔薬 ( 神経の働きを一時的に止めて痛みを感じにくくする薬で、メピバカインやブピバカインなどがあります。) )を追加で入れれば、痛みを抑えて吐き気も減るのではないかと考えました。メピバカイン ( 局所麻酔薬の一つで、効き始めが比較的早く、硬膜外麻酔などで使われます。)
この研究は、硬膜外から2%メピバカイン5mLを入れる方法が、 (生理食塩水 ( 体液に近い濃さの食塩水で、薬の効果がない比較用(プラセボ)として使われます。) )より手術中の吐き気・嘔吐を減らせるかを調べました。プラセボ ( 見た目は同じでも効果のないものを使い、本当の薬と比べて効果を確かめるための方法です。)
- 主要な発見:
-
硬膜外から2%
5mLを投与しても、手術中の吐き気・嘔吐(メピバカイン ( 局所麻酔薬の一つで、効き始めが比較的早く、硬膜外麻酔などで使われます。) )は減りませんでした。発生率は両グループでほぼ同じでした(メピバカイン群58%、IONV ( 手術中に起こる吐き気や嘔吐のことで、帝王切開では比較的よく見られ、患者さんの負担や手術の安全に関わります。) 群61%)。吐き気の強さ、吐き気止めの追加使用、嘔吐の人数も差はありませんでした。生理食塩水 ( 体液に近い濃さの食塩水で、薬の効果がない比較用(プラセボ)として使われます。)
しかし、手術中のおなかの痛みは、メピバカイン群のほうが明らかに少なく、痛みの程度も軽くなりました。その結果、追加の鎮痛(痛み止め)が必要になった人が少なく、特にフェンタニルなどの追加使用が減りました。
一方で手術後は、メピバカイン群のほうが吐き気が多く、PCA(自分で押して追加鎮痛する仕組み)の使用回数も多くなりました。ただし、手術後の痛みの強さや追加の痛み止めの使用、満足度は大きく変わりませんでした。
- 方法論:
-
この研究は、前向きに計画して行う「
」で、患者さんや評価する看護師などがどちらの薬を使ったか分からない「無作為化比較試験 ( 参加者をランダムに2群以上に分けて比べる研究で、治療の効果を確かめる信頼性が高い方法です。) 」で実施されました。2019年から2020年に病院で行われ、対象は予定二重盲検 ( 参加者も評価者もどちらの治療を受けたか分からないようにして、公平に比較しやすくする方法です。) で帝王切開 ( 赤ちゃんをおなかと子宮を切って取り出す出産方法で、予定して行う場合も緊急で行う場合もあります。) を受ける患者さんです。CSEA ( 脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔を組み合わせる方法で、手術中と手術後の痛み管理を両方ねらえます。)
90人を2つのグループにランダムに分け、最終的に87人を解析しました。全員に として脊髄くも膜下麻酔 ( 脳脊髄液がある場所に麻酔薬を入れて、下半身の感覚を強くまひさせる方法です。) を使い、その20分後に、硬膜外カテーテルからブピバカイン ( 局所麻酔薬の一つで、脊髄くも膜下麻酔などでよく使われ、しっかりした麻酔効果が得られます。) 5mLまたはメピバカイン ( 局所麻酔薬の一つで、効き始めが比較的早く、硬膜外麻酔などで使われます。) 5mLを投与しました。生理食塩水 ( 体液に近い濃さの食塩水で、薬の効果がない比較用(プラセボ)として使われます。)
手術中の吐き気や痛みは (0〜10点)で評価し、吐き気は「0点より大きい」場合に起きたと判定しました。吐き気止めの追加方法や血圧管理も、できるだけ同じルールになるように決めて行いました。NRS ( 0から10の数字で症状の強さを表す方法で、0が「全くない」、10が「最悪」です。)
- 結論と意義:
-
の20分後に、硬膜外から2%脊髄くも膜下麻酔 ( 脳脊髄液がある場所に麻酔薬を入れて、下半身の感覚を強くまひさせる方法です。) 5mLを追加しても、メピバカイン ( 局所麻酔薬の一つで、効き始めが比較的早く、硬膜外麻酔などで使われます。) 中の吐き気・嘔吐は減りませんでした。帝王切開 ( 赤ちゃんをおなかと子宮を切って取り出す出産方法で、予定して行う場合も緊急で行う場合もあります。)
ただし、手術中の痛みは改善し、追加でフェンタニルを使う必要が減りました。つまり、この方法は「吐き気対策」には効果が確認できませんでしたが、「手術中の痛みを減らす」点では役立つ可能性があります。
また、 を増やして吐き気を減らそうとしても、血圧低下や足の動かしにくさなどの問題が起きやすくなるため、簡単ではないことも示されています。研究の弱点として、担当の麻酔科医だけは割り付けを知っていた点や、追加で使ったフェンタニルが吐き気に影響した可能性が挙げられています。局所麻酔薬 ( 神経の働きを一時的に止めて痛みを感じにくくする薬で、メピバカインやブピバカインなどがあります。)
- 今後の展望:
-
今後の研究では、次のような点が課題になります。
1つ目は、今回の 量では足りなかった可能性があるため、量や濃度を変えて検証することです。ただし増量すると血圧低下が起きやすくなるため注意が必要です。メピバカイン ( 局所麻酔薬の一つで、効き始めが比較的早く、硬膜外麻酔などで使われます。)
2つ目は、今回は手術直後にまとめて評価したため、手術中にリアルタイムで測る研究ができれば、原因と結果の関係をよりはっきりさせられる可能性があります。
3つ目は、病院の事情で手術時間が長く、薬の効果が後半に弱くなった可能性があるため、投与タイミングや手術時間を考慮することです。
4つ目は、乗り物酔いしやすいなどの「吐き気が起こりやすい体質」を考慮していなかったため、今後はリスク別に分けて分析することが求められます。
5つ目は、追加鎮痛薬(特にフェンタニル)の使い方が結果に影響しうるため、より公平に評価できる研究デザインを工夫する必要があります。
- 何のために?:
-
は、おなかの赤ちゃんを出す帝王切開 ( おなかを切って、子宮の中の赤ちゃんを取り出す手術 のことです。赤ちゃんやお母さんの安全のために行われます) 手術 です。
体の下だけをしびれさせる があります。麻酔 ( 痛 みを感じにくくするための薬や方法 のことです。手術 を安全に行うために大切です)
この麻酔 だと、手術 中に気もち悪い人がいます。
はきそうになったり、はいたりします。
それはとてもつらいことです。
急に体が動くと、手術 が危 なくなります。
だから、あらかじめ防 ぐことが大切です。
気もち悪くなる理由はいくつもあります。
血の力が下がることがあります。
おなかの中がさわられて、びっくりします。
をちぢめる薬も子宮 ( 赤ちゃんが大きくなる、お母さんの体の中の場所のことです。出産 や帝王切開 と関係 します) 関係 します。
痛 みをへらす強い薬を使うことがあります。
でも、かゆくなることもあります。
なので、その薬をへらす工夫 が考えられます。
この病院では、2つの麻酔 を組み合わせます。
時間がたつと、しびれが弱くなることがあります。
すると後半に、おなかが痛 む人がいます。
そこで、追加 のしびれ薬を入れる案 が出ました。
それで痛 みと気もち悪さがへるかを調べました。
- 何が分かったの?:
-
追加 のしびれ薬を入れても、
手術 中の吐 き気や はへりませんでした。嘔吐 ( 食べたものなどが口から出てしまうことです。手術 中に起きるとつらく、急に体が動く原因 にもなります)
起きた人の数は、両方で同じくらいです。
気もち悪さの強さも、大きく変 わりません。
吐 き気止めを足す回数も、差 がありません。
はいた人の数も、差 がありませんでした。
でも、手術 中のおなかの痛 みはへりました。
しびれ薬を足した が楽でした。グループ ( 比 べるために分けた人たちの集まりのことです。薬ややり方のちがいを見るために使います)
痛 み止めを追加 する人も少なくなりました。
とくに、強い痛 み止めがへりました。
手術 のあとでは、別 の変化 もありました。
しびれ薬を足したほうが、吐 き気が多めでした。
自分で痛 み止めを足す回数も多めでした。
ただし、痛 みの強さは大きく変 わりません。
手術 の も、大きく満足度 ( どれくらい「よかった」と思ったかの度合いのことです。治療 や手術 の評価 に使われます) 変 わりませんでした。
- どうやったの?:
-
これは、ていねいに
比 べる研究です。
人を2つの に分けました。グループ ( 比 べるために分けた人たちの集まりのことです。薬ややり方のちがいを見るために使います)
どの薬かは、本人にも看護師 にも内緒 です。
2019年から2020年に病院で行いました。
予定の の人が帝王切開 ( おなかを切って、子宮の中の赤ちゃんを取り出す手術 のことです。赤ちゃんやお母さんの安全のために行われます) 参加 しました。
90人を 。くじのように分けました ( 参加 した人を運まかせでグループ分けすることです。公平に比 べるために重要 です)
最後 は87人の結果 を使いました。
みんなに、まず同じしびれ薬を使いました。
20分後に、細い管 から薬を入れました。
1つは、しびれ薬を少し入れます。
もう1つは、 を入れます。食塩水 ( 塩 をとかした水で、医療 で体に入れることがあります。薬の代わりとして比 べる実験 で使われることがあります)
吐 き気と痛 みは、0から10で点をつけました。
吐 き気は、1点以上 なら「あり」にしました。
吐 き気止めの使い方も、ルールをそろえました。
血の力の守り方も、できるだけ同じにしました。
- 研究のまとめ:
-
20分後に、しびれ薬を足しても、
中の帝王切開 ( おなかを切って、子宮の中の赤ちゃんを取り出す手術 のことです。赤ちゃんやお母さんの安全のために行われます) 吐 き気や はへりません。嘔吐 ( 食べたものなどが口から出てしまうことです。手術 中に起きるとつらく、急に体が動く原因 にもなります)
でも、手術 中の痛 みはへりました。
強い痛 み止めを足す人もへりました。
つまり、この方法 は吐 き気にはききにくいです。
でも、手術 中の痛 みには役立つかもしれません。
ただ、しびれ薬をふやすのは簡単 ではありません。
血の力が下がる心配があるからです。
足が動かしにくくなる心配もあります。
研究にも、少し弱いところがありました。
担当 の先生だけは、薬を知っていました。
強い痛 み止めが、吐 き気に関係 したかもです。
- これからどうする?:
-
次は、しびれ薬の
量 を変 えて調べます。
でも、ふやすと血の力が下がりやすいです。
だから、注意が必要 です。
手術 中に、その場で何度も測 る方法 も考えます。
そうすると、原因 が分かりやすくなります。
手術 が長いと、薬が後半に弱くなるかもです。
入れるタイミングも、考える必要 があります。
乗り物よいしやすい人もいます。
そういう体のちがいも分けて調べたいです。
強い痛 み止めの使い方も、結果 にひびきます。
もっと やり方が公平に 比 べられる( どちらかに有利 にならないように条件 をそろえて比 べることです。正しい結論 のために大切です) 必要 です。
- 著者名:
- 喜多 学之
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/0002000971
