論文詳細

人文社会科学系 人文学部 #紀要論文

A Note on the Changing Meanings of Fūkei Shashin in Japanese Photography

AI解説:
本論文は、日本写真における、長く用いられてきたジャンル名である *fūkei-shashin*(風景写真)をめぐる用語上・文化上の変化を扱う。現在この語は、自然の風景(例:花、森林、紅葉)の写真を指す意味で一般的に使われているが、著者は、*fūkei-shashin* と「自然」との間に必然的な結びつきはないと論じる。というのも、*fūkei*(風景)は本来「眺め/景色」を意味し、田園だけでなく都市の景観も含みうるためである。そこで本稿は、とりわけアマチュアの文脈において、いつ・どのようにして *fūkei-shashin* が主として自然のランドスケープ写真として扱われるようになったのかを問う。
この問いを立てるために、著者は同語の意味にかつて存在した曖昧さを再構成する。具体的には、明治期に *fūkei* が “landscape” の訳語として採用されたこと、ランドスケープ写真がジャンルとして制度化される度合いが比較的弱かったこと、そして趣味の写真家向けの指導教材において *fūkei-shashin* が歴史的に広い意味で用いられてきたことを含む。中核的な目的は、1980年代以降の概念変化を追跡し、*fūkei-shashin* がアマチュア写真家によって、またアマチュア写真家のために形づくられたカテゴリーとして機能してきたことを論証する点にある。
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著者名:
甲斐 義明
掲載誌名:
人文科学研究
巻:
154
ページ:
Y25 - Y43
発行日:
2024-03
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