論文詳細

人文社会科学系 大学院現代社会文化研究科 #紀要論文

Political Characteristics of a Prime Minister in Taiwan

AI解説:
本論文は、台湾の首相職を、1946年憲法に始まり、1990年代の憲法増修によって大きく再編された憲政上の流れの中に位置づける。憲法設計の起源は、ワイマール憲法の影響を受けた張君勱(Chang Chunmai)による1922年草案にあるとされ、国家元首としての総統(president)と、政府の長として議会に責任を負う首相(prime minister)からなる二元的執行(dual-executive)モデルを志向していたと描かれる。1946年憲法は、リベラル・デモクラティックな志向を持ち、首相を行政府の長として位置づけたものと説明される一方で、著者は、戒厳令と数十年に及ぶ権威主義的統治が、強力な総統指導力への持続的な期待を生み出したと論じる。1986年以降の民主化と、李登輝(Lee Teng-hui)が主導した憲法増修期は、総統優位をさらに強め、1997年の改正で、総統が首相を専属的に任命できる権限を得る一方、議会には不信任(no-confidence)制度が残される形に至った。こうした歴史的・制度的背景のもとで本研究は、首相交代のパターンとキャリア経路を特定し、経路依存(path dependence)と、ときおり生じる「引き金(triggering)」となる政治的出来事によって形作られる半大統領制(semi-presidential)環境の中で首相がどのように機能するのかを帰納的に説明することで、民主化後の台湾における首相の政治的特徴と実務上の役割を明らかにすることを目的とする。
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著者名:
Hong Boye
掲載誌名:
現代社会文化研究
巻:
79
ページ:
143 - 157
発行日:
2024-11
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