論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
要介護高齢者における療養管理指導に関する検討
- AI解説:
- 要介護高齢者の在宅歯科治療において、口腔内の衛生管理と口腔機能の評価は重要な役割を果たしています。特に摂食・嚥下機能の低下は、要介護高齢者における栄養不良の主要な要因となり、全身状態の悪化を引き起こす可能性があります。本研究の目的は、開業歯科医が訪問歯科治療の依頼を受けた要介護高齢者に対して行った、摂食・嚥下機能の維持・向上を目指した療養管理指導の効果と課題を明らかにすることです。
AI解説を見る
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
要介護高齢者における療養管理指導に関する検討
AI解説
- 背景と目的:
-
要介護高齢者の在宅歯科治療において、口腔内の衛生管理と口腔機能の評価は重要な役割を果たしています。特に摂食・嚥下機能の低下は、要介護高齢者における栄養不良の主要な要因となり、全身状態の悪化を引き起こす可能性があります。本研究の目的は、開業歯科医が訪問歯科治療の依頼を受けた要介護高齢者に対して行った、摂食・嚥下機能の維持・向上を目指した療養管理指導の効果と課題を明らかにすることです。
- 主要な発見:
-
研究の結果、20名の対象者について摂食機能および口腔清掃状態の評価を行いましたが、統計的に有意な変化は認められませんでした。しかし、「変化なし」が有意に多く、適切な介入を継続することで、摂食機能を維持することが可能であることが示唆されました。特に、義歯修理・新製の依頼があった対象者は、口腔ケアの依頼があった者よりも要介護度が低く、このことは歯科的介入の重要性を示しています。
- 方法論:
-
対象者は、2008年11月から2009年4月までの間にS市で訪問歯科診療の依頼を受けた要介護高齢者20名です。初診時と3か月後に、要介護度および摂食・嚥下機能に関わる評価を行い、摂食機能評価項目として栄養摂取状況、食事の自立度、洗口能力、舌運動、頬運動、咀嚼運動、嚥下運動、義歯の使用状況、および清掃状況を4点満点で担当歯科医が評価しました。さらに、週1回の訪問時に口腔ケアや摂食機能療法を実施し、主治医や理学療法士との情報交換も行いました。
- 結論と意義:
-
要介護高齢者に対する訪問歯科診療および居宅療養管理指導を3か月間継続した結果、摂食機能および口腔清掃状態に統計的に有意な変化は見られませんでしたが、摂食機能の維持が可能であることが示唆されました。適切な介入の継続は、要介護高齢者の全身状態の維持にも寄与し得ることが示されました。
- 今後の展望:
-
今後は、介入期間を6か月や12か月に延長し、長期間の介入効果を検討する必要があります。また、介護施設や在宅での口腔体操の普及活動を強化し、食生活の確立と経口摂取の改善に向けた連携システムの構築が求められます。さらに、嚥下内視鏡検査などの専門的評価や、介護職員と家族の間での意思疎通を図り、摂食・嚥下障害に対する正しい知識と技術の獲得にも努めるべきです。
- 背景と目的:
-
が自宅で歯の治療を受ける際、口の中の清潔さと食べたり飲み込んだりする機能をチェックすることがとても重要です。特に、食べ物をうまく飲み込めなくなると栄養不足になりやすく、それが体全体の状態を悪化させる原因になります。この研究の目的は、訪問歯科治療を受ける要介護高齢者に対して、食べたり飲み込んだりする機能を維持する方法の効果と課題を調べることです。要介護高齢者 ( 高齢で介護が必要な人のことです。)
- 主要な発見:
-
研究の結果、20人の
について食べる機能と口の清潔さを評価しましたが、統計的に見ると大きな変化は見られませんでした。しかし、「変化がない」人が多く、適切な介入を続けることで食べる機能を維持することができることが示唆されました。特に、要介護高齢者 ( 高齢で介護が必要な人のことです。) (入れ歯)の修理や新しいものを作るよう依頼された人は、義歯 ( 入れ歯のことです。) を依頼された人よりも口腔ケア ( 口の中を清潔に保つためのケアのことです。) が低く、歯科治療の重要性が示されています。要介護度 ( 介護が必要なレベルのことです。レベル2から5まであります。)
- 方法論:
-
対象者は2008年11月から2009年4月までにS市で訪問歯科診療の依頼を受けた
20名です。初診時と3か月後に、要介護高齢者 ( 高齢で介護が必要な人のことです。) や食べる・飲み込む機能について評価しました。評価項目には栄養摂取状況や食事の自立度、口の動きなどがあり、それぞれ4点満点で評価されました。さらに、毎週1回の訪問時に要介護度 ( 介護が必要なレベルのことです。レベル2から5まであります。) や食べる機能のトレーニングを行いました。口腔ケア ( 口の中を清潔に保つためのケアのことです。)
- 結論と意義:
-
3か月間の訪問歯科診療と療養管理の結果、食べる機能や口の清潔さに大きな変化は見られませんでしたが、食べる機能の維持が可能であることがわかりました。適切な介入を続けることで、
の全身状態を維持することができると示されました。要介護高齢者 ( 高齢で介護が必要な人のことです。)
- 今後の展望:
-
今後は、介入期間を6か月や12か月に延ばして、長期間の効果を調べる必要があります。また、介護施設や在宅での口腔体操の普及を進め、食生活を整え、口から食べることを改善するための連携システムを作ることが求められます。さらに、
などの専門的な評価や、介護職員と家族とのコミュニケーションを図り、正しい知識と技術を普及させることが必要です。嚥下内視鏡検査 ( 飲み込む機能を詳しく調べるために内視鏡を使う検査のことです。)
- 何のために?:
-
お
年寄 りが家で歯の を受けるとき、口の中をきれいにすることが大事です。ごはんをうまく治療 ( 治療 とは、病気やけがを治 すための行動や薬のことです。お医者さんが治療 を提供 し、患者 が元気になることを目指します。特 に長期間続 けることで効果 が見られることがあります。) 飲 み込 めないと体の調子が悪くなります。この研究の目的 は、お年寄 りがごはんをちゃんと食べられるかどうかを調べることです。
- 何が分かったの?:
-
研究では20人のお
年寄 りを調べましたが、大きな変化 は見られませんでした。でも、しっかり手当てすることで、ごはんを食べる力を保 てることがわかりました。特 に、 を直したり新しくしたりする人は、口の手入れだけの人より元気でした。入れ歯 ( 入れ歯とは、歯が抜 けた部分に人工の歯を装着 するための器具 です。入れ歯を使うと、食べ物をかみ砕 くことができるようになり、食事を楽しむことができます。お年寄 りが使うことが多いです。)
- どうやったの?:
-
2008年11月から2009年4月までにS市で歯の
を受けた20人のお治療 ( 治療 とは、病気やけがを治 すための行動や薬のことです。お医者さんが治療 を提供 し、患者 が元気になることを目指します。特 に長期間続 けることで効果 が見られることがあります。) 年寄 りを調べました。初 めての と3か月後に、どれだけ自分でごはんが食べられるかを調べました。毎週1回、口の手入れやごはんを食べる練習もしました。診察 ( 診察 とは、医者が患者 の体の状態 を調べることです。診察 を受けることで、どのような病気や問題があるかを知ることができます。最初 の診察 とその後の診察 で体の変化 を確認 します。)
- 研究のまとめ:
-
3か月間の
の治療 ( 治療 とは、病気やけがを治 すための行動や薬のことです。お医者さんが治療 を提供 し、患者 が元気になることを目指します。特 に長期間続 けることで効果 が見られることがあります。) 結果 、大きな変化 はありませんでした。でも、しっかり手当てを続 けると、ごはんを食べる力を保 てることがわかりました。
- これからどうする?:
-
これからは、もっと長い間
を治療 ( 治療 とは、病気やけがを治 すための行動や薬のことです。お医者さんが治療 を提供 し、患者 が元気になることを目指します。特 に長期間続 けることで効果 が見られることがあります。) 続 けて、効果 を調べる必要 があります。また、 や家でも介護 施設 ( 介護 施設 は、お年寄 りや体の不自由 な人が住んでいる場所です。ここでは、専門 のスタッフが日常生活 をサポートし、必要 なケアを提供 します。施設 内 では口の手入れや食事のサポートも行われます。) を広めて、ごはんをちゃんと食べられるようにする仕組みを作ることが大事です。口の 体操 ( 口の体操 は、口や舌 を動かして筋肉 を鍛 える運動のことです。これを行うことで、ごはんを飲 み込 む力や話す力を保 つことができます。特 にお年寄 りには大切な運動です。) 専門 の検査 や、介護 する人と家族がもっと話し合うことも必要 です。
- 著者名:
- 近藤 匡晴, 伊藤 加代子, 辻村 恭憲, 堀 一浩, 井上 誠
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 42
- 号:
- 2
- ページ:
- 89 - 96
- 発行日:
- 2012-12
- 著者による要約:
- 【目的】居宅療養管理指導では,口腔内の衛生管理と口腔機能の評価が義務付けられている。今回,居宅療養管理指導の実施が対象者にもたらした効果について検討した。【対象と方法】S 市在住で訪問診療の希望があった20 名(82.2±8.0 歳)を対象とした。訪問歯科診療および居宅療養管理指導を継続し,初診時と3か月後の要介護度,摂食機能評価(栄養摂取状況,経口摂取状態,洗口能力,舌運動,頬運動,口輪筋運動,咀嚼運動,嚥下運動,義歯使用状況),口腔清掃状況の各項目を比較し,それぞれ4段階で評価した。また,改善度について 3段階で評価した。【結果】往診依頼内容は歯科治療8例,義歯治療7例,口腔ケア・摂食機能療法5例で,義歯治療依頼における要介護度が有意に低かった。摂食機能に関わる各項目を介入前後で比較したところ,いずれの項目についても統計学的に有意な変化は認められなかった。一方,改善度に関する解析では,いずれの項目も「変化なし」が有意に多かった。【考察】居宅療養管理指導を行うことで口腔衛生面,摂食に関わる機能の維持は可能だった。しかし,食事形態や経口摂取状況が低下したケースが認められたのは,予防的措置あるいは摂食機能以外の要因によると考えられる。本研究の結果,要介護高齢者であっても適切な歯科治療および療養管理指導を行うことで,要介護度の悪化防止と摂食機能の維持が可能なことが示唆された。
The evaluation of oral care status and feeding function are duty for home care management. This study discusses how home care management including not only visiting dental treatment but also oral and feeding function therapy performed by dentists impacts subjects at elderly care facilities and at home. The subjects were 20 patients who lived in S city and requested visiting dental treatments. Required treatments were dental treatment, denture treatment, and oral care management. The feeding functions were compared during the initial visit with those three months later. The feeding functions and the status of oral hygiene were evaluated in four levels. In addition, the improvement of the feeding functions and the status of oral care were evaluated in three levels. The numbers of patient were 8 for dental treatment, 7 for denture treatment, and 5 for oral care management. Significant differences were observed in the care levels among the 3 groups in that it was the lowest in denture treatment group. In the comparison of feeding functions before and after the interventions, no changes were noted in oral and feeding functions. This result shows that the feeding function and oral care status were maintained by home care management in the dependent elderly.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/50519
