論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
60 歳代における咀嚼能力とメタボリックシンドローム判定項目との関連
- AI解説:
- 食べ物をバランスよく食べることは、とても大切です。太りすぎや病気を
防 ぐためです。そのためには、健康 な歯とよく噛 む力が必要 です。日本では、おじいちゃんやおばあちゃんが増 えています。だから、病院に行く人が多くなるかもしれません。この研究では、ガムを使って噛 む力を調べました。そして、噛 むことと病気の関係 を見ました。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
60 歳代における咀嚼能力とメタボリックシンドローム判定項目との関連
AI解説
- 背景と目的:
-
バランスの良い食事は肥満予防とメタボリックシンドロームの予防に不可欠であり、そのためには健康な歯と口腔、咀嚼能力の維持が重要である。特に高齢化が進む日本において、医療費の増大が見込まれており、生活習慣病の予防が求められている。メタボリックシンドロームは高血圧、肥満、高血糖、脂質異常といった代謝異常が複合した病態であり、その予防が重要である。この論文の目的は、チューインガムを用いた咀嚼能力判定結果とメタボリックシンドローム判定項目との関連を評価することである。
- 主要な発見:
-
調査の結果、年齢、性別、喫煙経験で調整した後でも、咀嚼能力と腹囲、収縮期血圧、およびHDLコレステロールの間には統計学的に有意な関連が認められた。特に咀嚼能力が低い人は、腹囲が大きく、収縮期血圧が低く、HDLコレステロール濃度が低い傾向が見られた。咀嚼能力の低下がメタボリックシンドロームの発症リスクを高める可能性が示唆された。
- 方法論:
-
対象は新潟県胎内市内の40~74歳の国民健康保険加入者1,104名で、特定健診の集団健診受診者2,295名のうち希望者が参加した。咀嚼能力はロッテ社製の咀嚼力判定ガムを用いて評価し、カラーチャートにより1~5の5段階で判定した。メタボリックシンドロームの評価には、身長、体重、BMI、腹囲、血圧、血清脂質、血糖値などの変数を用い、咀嚼能力との関連を重回帰分析で評価した。
- 結論と意義:
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咀嚼能力の低下が腹囲の増大、収縮期血圧の低下、およびHDLコレステロール濃度の低下と有意に関連していることが示された。このことから、咀嚼能力の低下はメタボリックシンドロームの発症リスクを高める可能性がある。したがって、メタボリックシンドロームの予防には、咀嚼能力の維持が重要であり、歯科保健と連携した総合的なアプローチが必要であることが強調された。
- 今後の展望:
-
今後は、咀嚼能力とメタボリックシンドロームの関連について、さらに詳細な介入研究を行い、経年的変化を評価する必要がある。また、地域住民の健康を維持・増進するためには、健診・指導に関わる職種間の連携と理解が必須である。運動と食事を中心とした現行のガイドラインに加え、咀嚼能力を維持することによる栄養学的な効果を考慮した総合的な健診・指導指針が求められる。これにより、介護予防にもつながり、健やかな生涯を送ることが可能となるだろう。
- 背景と目的:
-
バランスの良い食事は、太りすぎや
を防ぐために大切です。そして、そのためには健康な歯としっかり噛む力が必要です。特に日本では高齢化が進んでおり、医療費が増えることが予想されています。メタボリックシンドロームとは、高血圧や肥満、高血糖、脂質異常などが一緒に起こる状態で、これを予防することが重要です。この研究の目的は、ガムを使って噛む力を調べ、その結果とメタボリックシンドロームの関係を評価することです。メタボリックシンドローム ( 高血圧、肥満、高血糖、脂質異常などが一緒に起こる状態で、生活習慣病の一つです。)
- 主要な発見:
-
調査の結果、年齢、性別、喫煙経験を調整した後でも、噛む力と腹囲、
、収縮期血圧 ( 心臓が収縮したときに血管にかかる圧力のことです。) の間には統計的に有意な関係が見られました。特に噛む力が低い人は、腹囲が大きく、収縮期血圧が低く、HDLコレステロール濃度が低い傾向がありました。噛む力の低下がHDLコレステロール ( 体内の余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをする、いわゆる「善玉コレステロール」です。) のリスクを高める可能性が示されました。メタボリックシンドローム ( 高血圧、肥満、高血糖、脂質異常などが一緒に起こる状態で、生活習慣病の一つです。)
- 方法論:
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新潟県胎内市に住む40~74歳の国民健康保険加入者1,104名が対象で、特定健診を受けた人の中から希望者が参加しました。噛む力は、ロッテ社のガムを使って評価し、カラーチャートで1~5の5段階で判定しました。
の評価には、身長、体重、BMI、腹囲、血圧、血清脂質、血糖値などを用い、噛む力との関係をメタボリックシンドローム ( 高血圧、肥満、高血糖、脂質異常などが一緒に起こる状態で、生活習慣病の一つです。) で評価しました。重回帰分析 ( 複数の変数が結果にどのように影響するかを調べる統計的手法です。)
- 結論と意義:
-
噛む力の低下が腹囲の増大、
の低下、収縮期血圧 ( 心臓が収縮したときに血管にかかる圧力のことです。) 濃度の低下と有意に関連していることが示されました。このことから、噛む力の低下はHDLコレステロール ( 体内の余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをする、いわゆる「善玉コレステロール」です。) のリスクを高める可能性があります。したがって、メタボリックシンドロームの予防には、噛む力の維持が重要であり、歯科保健と連携した総合的なアプローチが必要です。メタボリックシンドローム ( 高血圧、肥満、高血糖、脂質異常などが一緒に起こる状態で、生活習慣病の一つです。)
- 今後の展望:
-
今後は、噛む力と
の関係について、さらに詳細な研究を行い、長期的な変化を評価する必要があります。また、地域住民の健康を守るためには、健診や指導に関わる職種間の連携と理解が不可欠です。運動と食事を中心とした現在のガイドラインに加え、噛む力を維持することによる栄養面での効果を考慮した総合的な指針が求められます。これにより、介護予防にもつながり、健康な生活を送ることができるでしょう。メタボリックシンドローム ( 高血圧、肥満、高血糖、脂質異常などが一緒に起こる状態で、生活習慣病の一つです。)
- 何のために?:
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食べ物をバランスよく食べることは、とても大切です。太りすぎや病気を
防 ぐためです。そのためには、健康 な歯とよく噛 む力が必要 です。日本では、おじいちゃんやおばあちゃんが増 えています。だから、病院に行く人が多くなるかもしれません。この研究では、ガムを使って噛 む力を調べました。そして、噛 むことと病気の関係 を見ました。
- 何が分かったの?:
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調べた
結果 、噛 む力が弱い人は、おなかが出ていることがわかりました。また、 が血圧 ( 血液 が体の中を流れるときに血管 にかかる力のことです。高すぎても低 すぎても健康 に問題があります。) 低 く、良 い も少なかったです。コレステロール ( 体の中にある脂肪 の一種 で、血液 を通して体全体に運ばれます。良 いコレステロールは体に良 い影響 を与 え、悪いコレステロールは健康 に悪い影響 を与 えることがあります。) 噛 む力が弱いと、病気になりやすいことがわかりました。
- どうやったの?:
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新潟県の胎内市に住んでいる40
歳 から74歳 の人が対象 です。1,104人の人が参加 しました。特別 な を受けた人が健康診断 ( 病気がないかどうかを調べるための検査 です。身長、体重、血液 の成分 などを調べます。) 参加 しました。噛 む力は、ロッテ社のガムを使って調べました。噛 む力は、色のチャートで1から5までの段階 で見ました。病気の には、身長、体重、おなかの評価 ( 何かの状態 や価値 を判断 することです。この文章では、噛 む力や病気の状態 を調べることを指します。) 周 り、 、血の中の血圧 ( 血液 が体の中を流れるときに血管 にかかる力のことです。高すぎても低 すぎても健康 に問題があります。) 脂肪 や糖 の量 を使いました。噛 む力との関係 を詳 しく調べました。
- 研究のまとめ:
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噛 む力が弱いと、おなかが出やすく、 が下がり、血圧 ( 血液 が体の中を流れるときに血管 にかかる力のことです。高すぎても低 すぎても健康 に問題があります。) 良 い が少ないことがわかりました。だから、コレステロール ( 体の中にある脂肪 の一種 で、血液 を通して体全体に運ばれます。良 いコレステロールは体に良 い影響 を与 え、悪いコレステロールは健康 に悪い影響 を与 えることがあります。) 噛 む力を大事にすることが必要 です。病気を防 ぐためには、歯の健康 も大切です。全部を一緒 に考えることが大事です。
- これからどうする?:
-
これからは、
噛 む力と病気の関係 をもっと詳 しく調べます。長い時間での変化 も見ます。地域 の人の健康 を守るためには、いろんな職業 の人が協力 することが大事です。運動や食事に加 えて、噛 む力も大切にすることが必要 です。これで、元気に生活することができます。
- 著者名:
- 高橋 純子, 葭原 明弘, 速水 隆
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 42
- 号:
- 1
- ページ:
- 21 - 26
- 発行日:
- 2012-06
- 著者による要約:
- 咀嚼能力とメタボリックシンドロームに代表される全身の健康との関連については情報が乏しい。本調査の目的は,チューインガムを用いた咀嚼能力判定結果とメタボリックシンドローム判定項目との関連を分析し,健康施策策定のための基礎情報を得ることである。新潟県胎内市内の40 ~ 74 歳の国民健康保険への加入者で,平成20年の特定健診の集団健診受診者2,295 名のうち,咀嚼能力判定試験を受けた1,104 名から受診者の多かった60 歳代798名を調査対象とした。平均年齢±標準偏差は,65.1±2.7 歳である。咀嚼能力判定には,ロッテ社製の咀嚼力判定ガムを用いた。2分間噛んでもらったあとにカラーチャートにより咀嚼能力を5段階で評価した。メタボリックシンドローム判定項目と咀嚼能力との関連を重回帰分析により評価した。従属変数として腹囲,収縮期血圧,拡張期血圧,血清中HDL コレステロールレベル,および血清中HbA1C を採用した。それぞれの従属変数に対して,咀嚼能力,喫煙歴,年齢,および性別を独立変数として採用した。喫煙経験,年齢,および性別で調整した後,咀嚼能力と有意だったのは腹囲(標準偏回帰係数(β)=−0.09,p=0.011),収縮期血圧(β=0.07,p=0.047),およびHDL コレステロール(β=0.08,p=0.019)であった。このことは,年齢,性別,および喫煙経験で調整した後であっても,咀嚼能力の値と腹囲の値,収縮期血圧および血清中HDL コレステロールとは統計学的に有意な関連があることを示している。咀嚼能力が低下するとにより摂取食品や栄養素に影響を与え,その結果,メタボリックシンドロームが発症し易くなると考えられた。
There was a lack of information between masticatory ability and a metabolic syndrome. The purpose of this study was to evaluate the relationship between masticatory ability using a chewing gum and the several factors which are associated with a metabolic syndrome. We selected 798 subjects aged from 60 to 69 who participated in general health examination. We obtained the information about the masticatory ability according to the findings by the chewing judgment gum made by Lotte company. To evaluate the relationship between masticatory ability using a chewing gum and the several factors which are associated with a metabolic syndrome, we conduct the multiple regression analysis. We selected abdominal circumference, systolic blood pressure, diastolic pressure, serum HDL level and serum HbA1C as dependent variables. In addition, we selected the masticatory ability by a chewing gum, smoking habits, age and gender as independent variables for each dependent variable.u3000The masticatory ability was significantly associated with abdominal circumference (β=−0.09, p=0.011), systolic blood pressure (β= 0.07, p = 0.047), and serum HDL (β=0.08, p = 0.019) after controlling smoking habits, age and gender. These findings indicate the decrease of the masticatory ability influence the intake of amount of diets and nutrition, which might be associated with the occurrence of a metabolic syndrome.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/47751
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