論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
舌清掃が塩味閾値に与える影響
- AI解説:
- 塩分摂取と血圧の関係は広く認識されており、減塩1gあたり収縮期血圧が1mmHg低下することが期待されるとする報告があります。日本高血圧学会のガイドラインでも、食塩制限が高血圧治療の重要な生活習慣の修正項目として挙げられています。新潟県では脳卒中や胃がんの死亡率が高いため、平成21年度から「にいがた減塩ルネサンス」事業が開始されました。本研究の目的は、舌ブラシを用いた舌清掃が塩味閾値に与える影響を検討することです。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
舌清掃が塩味閾値に与える影響
AI解説
- 背景と目的:
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塩分摂取と血圧の関係は広く認識されており、減塩1gあたり収縮期血圧が1mmHg低下することが期待されるとする報告があります。日本高血圧学会のガイドラインでも、食塩制限が高血圧治療の重要な生活習慣の修正項目として挙げられています。新潟県では脳卒中や胃がんの死亡率が高いため、平成21年度から「にいがた減塩ルネサンス」事業が開始されました。本研究の目的は、舌ブラシを用いた舌清掃が塩味閾値に与える影響を検討することです。
- 主要な発見:
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本研究の結果、舌苔付着範囲、舌苔厚さ、塩味認知閾値、味の感じやすさ、味付けの濃さについて統計学的有意差は認められませんでした。しかし、味覚正常群では12日後の認知閾値が有意に低下しました。このことから、塩味認知閾値10以下の被験者に対しては、舌ブラシを用いた舌清掃が塩味閾値の低下に有効であることが示唆されました。
- 方法論:
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N市内在住の健常女性9名を対象に、舌ブラシを用いた舌清掃の介入前後での比較研究を行いました。評価項目は舌苔の付着範囲と厚さ、塩味認知閾値、味の感じやすさ、料理の味付けの変化、舌ブラシ使用後の痛みの有無です。舌清掃は朝食後に行い、データは匿名化されました。データ解析にはノンパラメトリック検定、Wilcoxonの検定、一元配置分析、χ2検定を使用し、統計的有意差をp < 0.05としました。
- 結論と意義:
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今回の研究では、舌ブラシを用いた舌清掃によって塩味認知閾値が有意に低下するかどうかを検討しました。全体として有意差は認められなかったものの、味覚正常群では塩味認知閾値が有意に低下しました。これは、舌清掃が塩味閾値10以下の人々に対して効果がある可能性を示しています。一方で、舌苔付着範囲や厚さの変化が塩味閾値に影響しないことも確認されました。
- 今後の展望:
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今回の研究では、対象者が8名と少なく、全てが女性であったため、より大規模な地域住民を対象とした介入研究が望まれます。また、舌苔だけでなく舌背上の細菌数や微細な汚れの評価を追加することで、塩味閾値の変化に対する影響をより詳細に明らかにすることが期待されます。将来的には、舌清掃が高血圧や心血管病の予防にどの程度寄与できるかを検討する必要があります。
- 背景と目的:
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塩分をたくさん取ると血圧が上がることはよく知られています。実際に、塩分を1g減らすと血圧が1mmHg下がるという研究結果もあります。日本高血圧学会のガイドラインでも、塩分を減らすことが高血圧の治療に大切だとしています。新潟県では、脳卒中や胃がんで亡くなる人が多いため、平成21年から「にいがた減塩ルネサンス」という取り組みが始まりました。この研究の目的は、舌を掃除することで塩味を感じる力が変わるかどうかを調べることです。
- 主要な発見:
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この研究の結果、舌の汚れの量や塩味を感じる力、お料理の味付けの変化については特に大きな違いは見られませんでした。しかし、塩味を感じる力が正常な人では、12日後にその力が下がることが分かりました。これにより、塩味を感じる力が特に高くない人には、舌を掃除することが効果的かもしれないということです。
- 方法論:
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新潟市に住む健康な女性9人を対象に、舌を掃除する前後での変化を比べました。調べた項目は、舌の汚れの量や厚さ、塩味を感じる力、お料理の味付けの変化、舌ブラシを使った後の痛みなどです。舌掃除は朝ごはんの後に行い、データは匿名で分析しました。データ解析にはいくつかの統計方法を使い、p値が0.05以下を有意差としました。
- 結論と意義:
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研究の結果、舌を掃除しても全体的には大きな変化は見られませんでしたが、塩味を感じる力が正常なグループではその力が下がりました。これにより、塩味を感じる力が特に高くない人には、舌を掃除することが有効かもしれないということです。また、舌の汚れの量や厚さが塩味を感じる力に影響しないことも分かりました。
- 今後の展望:
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この研究は対象者が少なく、全員が女性だったため、もっと多くの人を対象にした研究が必要です。また、舌の汚れだけでなく、舌の細菌や微細な汚れも調べることで、塩味を感じる力への影響をさらに詳しく知ることができるかもしれません。将来的には、舌の掃除が高血圧や心臓病の予防にどのくらい役立つかも調べる必要があります。
- 何のために?:
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しょっぱいものをたくさん食べると、
血圧 が上がることがあります。塩 を少し減 らすと、血圧 も少し下がることがわかっています。新潟県では、 や脳卒中 ( 脳 の血管 が詰 まったり破 れたりして、脳 細胞 が死んでしまう病気です。例 えば、「おじいちゃんは脳卒中 で倒 れた」と言います。健康 に関 する重要 な病気で、特 に高齢者 に多く見られます。) で胃 がん( 胃 の中にできるがんの一種 で、胃 の細胞 が異常 に増 える病気です。例 えば、「おばあちゃんは胃 がんの治療 を受けています」と言います。がんという病気のため、命に関 わる重要 な病気です。) 亡 くなる人が多いです。そこで「にいがた減塩 ルネサンス」という活動が始まりました。この研究では、舌 を掃除 すると塩味 を感じる力が変 わるかどうかを調べました。
- 何が分かったの?:
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研究の
結果 、舌 を掃除 しても塩味 を感じる力はあまり変 わりませんでした。ただし、塩味 を普通 に感じる人では、12日後にその力が少し下がりました。これにより、塩味 を感じる力が強くない人には、舌 を掃除 することがいいかもしれません。
- どうやったの?:
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新潟市に住む元気な
女性 9人を対象 にしました。舌 を掃除 する前後での変化 を比 べました。調べたのは、舌 の汚 れの量 や塩味 を感じる力、お料理 の味の変化 などです。舌 掃除 は朝ごはんの後に行いました。 は名前をデータ ( 研究や調査 で得 られた情報 や数値 のことです。例 えば、「アンケートのデータを分析 する」と言います。研究や分析 において非常 に重要 な要素 です。) 隠 して調べました。
- 研究のまとめ:
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研究の
結果 、舌 を掃除 しても大きな変化 は見られませんでした。でも、塩味 を感じる力が普通 の人では、その力が少し下がりました。これにより、塩味 を感じる力が強くない人には、舌 を掃除 することがいいかもしれません。さらに、舌 の汚 れの量 や厚 さは、塩味 を感じる力に影響 しませんでした。
- これからどうする?:
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この研究では
対象 の人が少なく、全員が女性 でした。もっとたくさんの人で研究する必要 があります。舌 の汚 れだけでなく、 や細かい細菌 ( 肉眼 では見えないとても小さな生物で、一部は病気を引き起こすことがあります。例 えば、「汚 れた手には細菌 がたくさんいる」と言います。健康 や衛生 に関連 する重要 な概念 です。) 汚 れも調べるといいかもしれません。将来的 には、舌 の掃除 が高血圧 や心臓病 の予防 にどのくらい役立つかも調べる必要 があります。
- 著者名:
- 伊藤 加代子, 船山 さおり, 山田 亜紀, 井上 誠
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 42
- 号:
- 1
- ページ:
- 37 - 40
- 発行日:
- 2012-06
- 著者による要約:
- 目的:高血圧患者の塩味閾値は健常者よりも有意に高いことが報告されており,味覚閾値を改善すると塩分の過剰摂取を防止できる可能性がある。しかし,舌清掃による舌苔除去が味覚に与える影響について検討した報告はない。本研究の目的は,舌清掃によって塩味閾値が低下するかどうか検討することである。方法:N 市在住の健常女性9名を対象として,舌清掃介入による前後比較を行った。評価項目は,舌苔付着範囲(4段階),舌苔厚さ(3段階),塩味認知閾値(全口腔法13 段階)とした。また,開始前,6日後,12 日後に,味の感じやすさ(5段階),料理の際の味付けの変化の有無,舌ブラシ使用後の痛みの有無についてアンケートを行った。上記評価項目について味覚正常群(全口腔法10 以下)と,味覚鋭敏群(11 以上)の2群にわけて解析した。結果および考察:舌苔付着範囲,舌苔厚さ,塩味認知閾値のいずれも有意な変化は認められなかった。次に,味覚正常群と,味覚鋭敏群の2群にわけて認知閾値の変化量について解析したところ,味覚正常群の方が有意に低下していた。味覚鋭敏群では,もともと閾値が低いため,舌清掃をしても,それ以上の低下が認められなかったと考えられる。味覚正常群では,舌清掃によって塩味認知閾値が有意に低下していることから,塩味認知閾値が10 以下の場合,舌ブラシを用いた舌清掃が有効であることが示唆された。
Purpose: It has been reported that the salt taste threshold in hypertension patients is significantly higher than in healthy people. The lowering of the taste threshold may prevent excessive intake of salt. The purpose of this study is to consider whether the salt taste threshold may lower by cleaning the tongue. Methods: The salt taste threshold, thickness of the tongue coating and area of tongue coating were compared before and after cleaning the tongue in nine healthy women. In addition, a questionnaire on taste was administered on days 0, 6 and 12. The subjects were divided into two groups: the normal taste group (less than 10 degree in the whole mouth method) and the exquisite taste group (more than 11 degree in the same method) for furtheranalysis. Results and Discussion: There was no significant lowering in the salt taste threshold, thickness of the tongue coating and area of tongue coating. In the analysis of the two taste groups, the salt taste threshold was significantly lower in the normal group. On the other hand, there was no significant lowering in the exquisite taste group. In this group, since the threshold was low from the beginning, the lowering of the threshold due to cleaning the tongue might not be observed. In the normal taste group, the salt threshold lowered after cleaning the tongue. It was suggested that tongue cleaning may lower the salt threshold in the normal taste people with a threshold of less than 10 degree in whole mouth method.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/47754
