論文詳細
医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
新潟大学医歯学総合病院における院内歯科救急対応システムの現況と分析
- AI解説:
- 本研究の背景には、歯科治療中に患者の容態が急変する事態に迅速かつ適切に対応することの重要性がある。多くの歯科医師は救急対応に不慣れであり、その結果、処置が遅れて患者の容態をさらに悪化させるリスクがある。新潟大学歯学部では、こうした課題に対処するために、「コードブルー体制」と「デンタルコール体制」という二つの院内救急対応体制を導入している。本研究の目的は、これらの体制が有効に機能しているかを検証し、デンタルコール体制発足から5年間における救急症例の現状を分析することである。
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医歯学系
大学院医歯学総合研究科(歯)
#紀要論文
新潟大学医歯学総合病院における院内歯科救急対応システムの現況と分析
AI解説
- 背景と目的:
-
本研究の背景には、歯科治療中に患者の容態が急変する事態に迅速かつ適切に対応することの重要性がある。多くの歯科医師は救急対応に不慣れであり、その結果、処置が遅れて患者の容態をさらに悪化させるリスクがある。新潟大学歯学部では、こうした課題に対処するために、「コードブルー体制」と「デンタルコール体制」という二つの院内救急対応体制を導入している。本研究の目的は、これらの体制が有効に機能しているかを検証し、デンタルコール体制発足から5年間における救急症例の現状を分析することである。
- 主要な発見:
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本研究では、2007年から2012年の5年間に新潟大学歯学部で発生した救急症例29例を分析した。そのうち、歯科治療に関連する症例は22例(75.9%)であり、性別では女性がやや多く、年齢層では若年女性や高齢者に多く発生していた。また、発生時間は午前中が多く、発生場所は総合診療部や受付・待合室が多かった。救急処置は迅速に行われ、重篤な後遺症や死亡例はなかったが、院内放送による応援要請が少なかったことが課題として浮き彫りになった。
- 方法論:
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本研究は、2007年4月から2012年3月までの5年間に新潟大学歯学部で発生した救急処置症例について、診療室の出動記録および病院に提出されたインシデントレポートを基に調査を行った。発生症例の性別、年齢、発生時間帯、発生場所、初期対応状況、処置内容など、詳細なデータを収集し分析することで、デンタルコール体制の有効性を評価した。
- 結論と意義:
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デンタルコール体制は、歯科治療中や治療前後に発生する救急事態に対して迅速かつ的確に対応できるシステムであった。しかし、院内放送による機動要請が少なく、体制の認知度や活用率に課題があることが明らかになった。救急処置自体は全ての症例において成功し、重篤な後遺症や死亡例もなかったため、体制の有効性が示されたが、さらに改善の余地があることがわかった。
- 今後の展望:
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今後の展望として、デンタルコール体制のさらなる認知度向上と活用推進が必要である。また、歯科医師、看護師、衛生士だけでなく、病院勤務職員全体や歯学部学生に対しても継続的な救急処置教育と研修を行い、全身管理の知識と技術の向上を図ることが求められる。これにより、緊急事態における対応力を強化し、患者の安全をさらに高めることが期待される。
- 背景と目的:
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この研究の背景には、歯科治療中に患者の体調が急に悪化する場合に迅速で正確な対応が必要だという重要性があります。多くの歯科医師は救急対応に慣れておらず、その結果、対応が遅れて患者の状態が悪化する危険があります。そのため、新潟大学歯学部では「
」と「コードブルー体制 ( 患者の意識がなく、緊急に対応が必要な場合に医療チームが迅速に対応するシステム。) 」という2つの院内緊急対応システムを導入しています。この研究の目的は、これらのシステムがうまく機能しているかを確認し、デンタルコール体制が始まってから5年間の緊急事例を分析することです。デンタルコール体制 ( 患者の意識があるものの体調が悪化した場合に、院内放送を通じて歯科医師や看護師が集まり、迅速に対応するシステム。)
- 主要な発見:
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この研究では、2007年から2012年の5年間で新潟大学歯学部で発生した29件の緊急事例を分析しました。その中で22件(75.9%)が歯科治療に関連しており、患者は女性が少し多く、若い女性や高齢者に多く発生していることがわかりました。緊急事例は午前中に多く、総合診療部や受付・待合室で発生することが多かったです。迅速な
により、重大な後遺症や死亡例はありませんでしたが、院内放送による支援要請が少ないことが問題として浮かび上がりました。救急処置 ( 緊急事態において患者の命を救うために行われる医療行為。)
- 方法論:
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この研究は、2007年4月から2012年3月までの5年間に新潟大学歯学部で発生した緊急事例について調査しました。診療室の出動記録や病院に提出された
を基に、性別、年齢、発生時間、発生場所、初期対応状況、処置内容などの詳細なデータを収集して分析し、インシデントレポート ( 病院内で発生した事故や問題を記録し、報告するための書類。) の有効性を評価しました。デンタルコール体制 ( 患者の意識があるものの体調が悪化した場合に、院内放送を通じて歯科医師や看護師が集まり、迅速に対応するシステム。)
- 結論と意義:
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は、歯科治療中や治療前後に発生する緊急事態に迅速かつ適切に対応できるシステムであることが示されました。しかし、院内放送による支援要請が少なく、この体制の認知度や利用率に課題があることが明らかになりました。デンタルコール体制 ( 患者の意識があるものの体調が悪化した場合に、院内放送を通じて歯科医師や看護師が集まり、迅速に対応するシステム。) 自体はすべての事例で成功し、重大な後遺症や死亡例はありませんでしたが、今後の改善が必要です。救急処置 ( 緊急事態において患者の命を救うために行われる医療行為。)
- 今後の展望:
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今後は、
の認知度をさらに高め、利用を推進することが必要です。また、歯科医師、看護師、衛生士だけでなく、病院勤務職員全体や歯学部の学生に対しても継続的なデンタルコール体制 ( 患者の意識があるものの体調が悪化した場合に、院内放送を通じて歯科医師や看護師が集まり、迅速に対応するシステム。) 教育とトレーニングを行い、緊急事態への対応力を強化し、患者の安全をさらに高めることが期待されています。救急処置 ( 緊急事態において患者の命を救うために行われる医療行為。)
- 何のために?:
-
この研究では、歯医者さんで
治療 中に人が急に具合が悪くなったとき、すぐに対応 することが大切だと考えました。でも、多くの歯医者さんは緊急事態 に慣 れていません。だから、新潟大学では「 」と「コードブルー ( 病院で誰 かが急に具合が悪くなったときに、医師 や看護 師 さんたちがすぐに助けに来るための合図だよ。) 」という仕組みを使っています。この研究のデンタルコール ( 歯医者さんで誰 かが急に具合が悪くなったときに、すぐに助けを呼 ぶためのシステムだよ。) 目的 は、これらの仕組みがうまく動いているかを調べることです。
- 何が分かったの?:
-
2007年から2012年の5年間で、新潟大学で29
件 の緊急事態 がありました。そのうち22件 は歯の治療 中に起きました。多くは女性 やお年寄 りに起こりました。緊急事態 は午前中に多く、待合室や診察室 で起こることが多かったです。早く対応 したおかげで、重いけがや命にかかわることはありませんでした。でも、院内放送で助けを呼 ぶことが少なかったことが問題でした。
- どうやったの?:
-
2007年4月から2012年3月までの5年間に起きた
緊急事態 について調べました。診察室 の記録 や報告書 を元に、性別 や年齢 、時間や場所、初 めにどう対応 したかを詳 しく調べました。そして、「 」の仕組みがうまくデンタルコール ( 歯医者さんで誰 かが急に具合が悪くなったときに、すぐに助けを呼 ぶためのシステムだよ。) 働 いているかを評価 しました。
- 研究のまとめ:
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「
」は、デンタルコール ( 歯医者さんで誰 かが急に具合が悪くなったときに、すぐに助けを呼 ぶためのシステムだよ。) 治療 中やその前後に起きる緊急事態 にすぐに対応 できる仕組みです。でも、院内放送で助けを呼 ぶ人が少なく、この仕組みをもっと知ってもらう必要 があります。緊急 対応 は全てうまくいき、重いけがや命にかかわることはありませんでしたが、もっと改善 が必要 です。
- これからどうする?:
-
今後は、「
」の仕組みをもっと知ってもらうことが大切です。歯医者さんやデンタルコール ( 歯医者さんで誰 かが急に具合が悪くなったときに、すぐに助けを呼 ぶためのシステムだよ。) 看護 師 さんだけでなく、病院で働 く人や学生さんにも緊急 対応 のトレーニングを続 けることが必要 です。これにより、患者 さんの安全をさらに高めることが期待されます。
- 著者名:
- 田中 裕, 照光 真, 弦巻 立, 倉田 行伸, 金丸 博子, 吉川 博之, 小玉 由記, 山崎 麻衣子, 瀬尾 憲司
- 掲載誌名:
- 新潟歯学会雑誌
- 巻:
- 42
- 号:
- 1
- ページ:
- 41 - 49
- 発行日:
- 2012-06
- 著者による要約:
- 新潟大学医歯学総合病院歯科外来診療棟では,患者の緊急の容態変化に対して,コードブルーとデンタルコールという2つの救急対応システムを稼動させている。意識喪失や心停止などの重篤な状態に対しては本学救急部で発足したコードブルー体制を機動することとしている。これに対して意識や反応はあるが不安定な状態であり,その対応に困る容態の変化に対しては,歯科麻酔科を中心に発足した歯科版院内救急対応システム,すなわち「デンタルコール」を行っている。また新潟大学医歯学総合病院は医科診療棟と歯科診療棟が離れているため,不必要なコードブルーの稼動は避けなければならない。今回は本学歯科外来診療棟において存在しているこの2つの救急対応体制を共存させている現況を分析し,デンタルコール体制発足後から現在までの5年間における救急症例について,当診療室における過去の救急症例の報告との比較検討を行った。2007年4月のデンタルコール体制発足後から2012年3月までの5年間で発生した偶発症例は29 例で,そのうち当診療室が救急対応した症例は26 例あった。歯科治療に関連した症例は22 例で,その発生状況は歯科治療前が10 例と最も多く,次いで治療中7例,治療後5例の順であった。発生時間帯は午前が若干多く午前・午後ともに治療開始の時間帯が最も多くみられた。年齢層は20 歳代が7例,次いで50 歳代5例と多くみられ,30歳未満の若年者では女性が多く,65 歳以上の高齢者では男性が多い傾向がみられた。発生場所は総合診療部が6例と最も多くみられたが,受付や廊下などの診療室外での症例も11 例と多くみられた。発生原因は疼痛性ショックが5例と最も多く,次いで過換気症候群,一過性脳虚血発作,てんかん発作がともに3例であった。偶発症の誘因としては,歯科治療中に発症した症例では局所麻酔に関連したものが最も多く,歯科治療以外の症例では全身的合併症の増悪によるものが多数を示した。デンタルコール体制による救急処置自体は全ての症例において比較的迅速かつ的確に行われており重篤な後遺症や死亡症例もなく,有用に機能したと考えられた。しかし依然として院内放送によるデンタルコール機動システムが十分に周知されていないこと,歯科医師の全身管理の知識・技術の未熟さを疑わせる症例があり,今後歯科における院内救急対応システムの改良と歯科医師の緊急に対する意識の向上が必要である。
Although there is an in-hospital medical emergency call code blue system in Niigata university medical and dental hospital, we additionally established another in-hospital emergency system which is called dental call in the dental outward patient buildings of this hospital. This system has been prepared for the outward patients to dental treatment and it is activated when a patient became sickness during or prior to dental treatment but remain consciousness, meaning no indication for code blue system in spite of need for medical care. We use these two systems according to emergence conditions. Almost 5 years have passed since these systems were made, it is need to evaluate its usefulness for dentists or hospital staffs and for patients by analyzing the emergency cases involving code blue and dental call. Total 29 cases were nominated for the analyzing. The division of dental anesthesia coped with 26 cases among them. It seems that the causes of 22 cases can be related to the dental treatment. These call wee activated mainly prior to and during dental treatment and most frequently occurred before the lunch time in a day. The distribution of age of these patients was 7 patients in twenties and 5 in fifties of their age, and female were more frequent less than 30 years old and male over 60 years old. As for the locality, the most frequent place was waiting room (6 cases) and many of them occurred at the place out of clinics. The causes were neurogenic shock (5 cases), hyperventilation (3 cases), transient ischemia attack (3 cases), and epilepsy (3 cases). Many of these cases indicated the possibility of some relationship with some treatments using dental local anesthesia and sudden exacerbation of preexisting illness. This investigation showed there were no lethal accident and the prompt and adequate cares were underwent to all of them. Therefore, it is suggested that generally our two medical emergency systems are going well and these two systems were functional and useful, meaning that they can be reconciled together. However, in order to make system more useful we need further improvement of these activation systems, and prevalence and education to all the staffs in this hospital.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/47757
