論文詳細
教育学部
#紀要論文
二塩基酸の中和滴定曲線の解析と酸解離定数の測定 : pHメーターを用いた無機分析実験の教材化
- AI解説:
- 本研究は、二塩基酸の中和滴定曲線を解析し、酸解離定数(pKa1, pKa2)を決定することを目的としています。酸・塩基およびpHの基本概念は小中学校で教えられ、高校ではさらに詳細な内容が扱われます。しかし、学生がこれらの概念を深く理解するためには、具体的な実験を通じて学ぶことが重要です。先行研究では一塩基酸を対象としていましたが、本研究ではデータ解析理論のより深い理解やデータ処理技術の向上を目的に、二塩基酸に焦点を当てています。
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教育学部
#紀要論文
二塩基酸の中和滴定曲線の解析と酸解離定数の測定 : pHメーターを用いた無機分析実験の教材化
AI解説
- 背景と目的:
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本研究は、二塩基酸の中和滴定曲線を解析し、酸解離定数(pKa1, pKa2)を決定することを目的としています。酸・塩基およびpHの基本概念は小中学校で教えられ、高校ではさらに詳細な内容が扱われます。しかし、学生がこれらの概念を深く理解するためには、具体的な実験を通じて学ぶことが重要です。先行研究では一塩基酸を対象としていましたが、本研究ではデータ解析理論のより深い理解やデータ処理技術の向上を目的に、二塩基酸に焦点を当てています。
- 主要な発見:
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本研究では、各種の二塩基酸の中和滴定曲線を作成し、それぞれの酸解離定数pKa1, pKa2を正確に決定しました。得られた数値は、市販のpHメーターを使用しても文献値とよく一致することが確認されました。また、各二塩基酸の滴定曲線の形状やpHの高さの違いが視覚的に確認でき、これが異なる二塩基酸の特徴を明確に示すものであると結論づけられました。
- 方法論:
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本研究では、市販の試薬を用いて0.1mol dm-3の二塩基酸試料溶液を調製し、LiOH溶液を用いて滴定を行いました。pHメーターを用いて滴定前と所定量を滴下した後のpHを測定し、これを3回繰り返しました。酸解離定数は、pHとlog([HA]/[H2A]), log([A]/[HA])をプロットし、線形回帰直線の切片から求めました。Excelを使ったデータ解析を行い、各酸解離定数を算出しました。
- 結論と意義:
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酸解離定数pKa1, pKa2の値は、pHメーターの精度範囲内で文献値と一致し、二塩基酸の違いを中和滴定曲線の形状やpH高さで視覚的に捉えることができました。このことから、本研究は学生に酸・塩基の概念をより深く理解させる有効な教材となることを示しました。また、実験操作は基礎的なレベルであり、データ処理も簡単に行えるため、化学専攻学生の無機分析実験の技術向上に適しています。
- 今後の展望:
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本研究の成果を基に、次年度以降の学部3年次の学生実験にこの手法を導入する計画があります。これにより、学生はより実践的なデータ処理技術と深い理論理解を身につけることが期待されます。また、さらなる研究として、異なる濃度条件や他の酸・塩基系に対する適用も検討されるでしょう。これにより、化学教育の一層の充実と実験技術の向上が期待されます。
- 背景と目的:
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この研究の目的は、二塩基酸の
曲線を解析し、中和滴定 ( 酸と塩基が反応して中和するまでの過程を測定し、濃度を求める方法です。) (pKa1、pKa2)を決定することです。酸と塩基、pHの基本概念は小中学校で学びますが、高校ではさらに詳しい内容を扱います。学生がこれらの概念を深く理解するためには、実際に実験を行うことが重要です。これまでの研究は一塩基酸に焦点を当てていましたが、今回はさらに進んで二塩基酸を研究し、データ解析理論やデータ処理技術の向上を目指しています。酸解離定数 ( 酸がどれだけ解離しやすいかを示す指標で、pKaという値で表されます。低いほど強い酸です。)
- 主要な発見:
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この研究では、いくつかの二塩基酸の
曲線を作成し、それぞれの中和滴定 ( 酸と塩基が反応して中和するまでの過程を測定し、濃度を求める方法です。) pKa1、pKa2を正確に決定しました。これにより、市販の酸解離定数 ( 酸がどれだけ解離しやすいかを示す指標で、pKaという値で表されます。低いほど強い酸です。) を使っても文献に載っている値と一致することが確認できました。また、二塩基酸ごとに滴定曲線の形やpHの違いが視覚的に確認でき、これが異なる二塩基酸の特徴を明確に示していることが分かりました。pHメーター ( 水溶液の酸性度(pH)を測定する機器です。)
- 方法論:
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研究では、市販の試薬を使って0.1mol dm-3の二塩基酸試料溶液を作り、LiOH溶液で滴定を行いました。
を使って滴定前と所定量を加えた後のpHを測定し、これを3回繰り返しました。pHメーター ( 水溶液の酸性度(pH)を測定する機器です。) は、pHとlog([HA]/[H2A]), log([A]/[HA])をプロットし、酸解離定数 ( 酸がどれだけ解離しやすいかを示す指標で、pKaという値で表されます。低いほど強い酸です。) 直線の切片から求めました。データ解析はExcelを使って行い、各酸解離定数を算出しました。線形回帰 ( データの傾向を直線で近似し、その関係を数式で表す方法です。)
- 結論と意義:
-
pKa1、pKa2の値は、酸解離定数 ( 酸がどれだけ解離しやすいかを示す指標で、pKaという値で表されます。低いほど強い酸です。) の精度範囲内で文献値と一致しました。そのため、二塩基酸の違いをpHメーター ( 水溶液の酸性度(pH)を測定する機器です。) 曲線の形やpHの高さで視覚的に理解することができました。この研究は、学生が酸・塩基の概念を深く理解するのに役立つ教材となることを示しています。また、実験操作は基礎的なレベルであり、データ処理も簡単なので、化学専攻の学生の実験技術向上に適しています。中和滴定 ( 酸と塩基が反応して中和するまでの過程を測定し、濃度を求める方法です。)
- 今後の展望:
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この研究の成果をもとに、次年度以降の学生実験にこの手法を導入する計画があります。これにより、学生は実践的なデータ処理技術と深い理論理解を身につけることが期待されます。また、異なる濃度条件や他の酸・塩基系に対する適用も検討され、化学教育のさらなる充実と実験技術の向上が期待されます。
- 何のために?:
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この研究の
目的 は、二種類 の酸 について調べることです。酸 がどう反応 するかを見て、特別 な数字( )を決めます。pKa ( 酸 の強さを示 す特別 な数字で、酸 がどれだけ簡単 に水素 イオンを放出できるかを表します。pKaの値 が低 いほど、酸 は強いです。) 酸 と塩基 、pHは学校で学びますが、実験 をするともっとよくわかります。これまでの研究は一種類 の酸 だけを見ていましたが、今回はもっと難 しい二種類 の酸 を調べます。
- 何が分かったの?:
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この研究では、二
種類 の酸 の反応 のグラフを作りました。そして、それぞれの特別 な数字( )をpKa ( 酸 の強さを示 す特別 な数字で、酸 がどれだけ簡単 に水素 イオンを放出できるかを表します。pKaの値 が低 いほど、酸 は強いです。) 正確 に決めました。市販 の でも、本にpHメーター ( 液体 の酸性度 (pH)を測定 する道具です。7が中性 、7未満 が酸性 、7以上 がアルカリ 性 を示 します。) 載 っている数字と一緒 だとわかりました。また、二種類 の酸 それぞれで、反応 のグラフが違 うことが見てわかりました。
- どうやったの?:
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研究では、
市販 の薬を使って酸 の水を作りました。そして、 という薬をLiOH ( リチウム水酸化 物 という薬品で、強い塩基 です。酸 と反応 して中和反応 を行います。) 加 えました。 で、薬をpHメーター ( 液体 の酸性度 (pH)を測定 する道具です。7が中性 、7未満 が酸性 、7以上 がアルカリ 性 を示 します。) 加 える前と後のpHを測 りました。これを3回繰 り返 しました。特別 な数字( )は、グラフを作って計算しました。データの計算はpKa ( 酸 の強さを示 す特別 な数字で、酸 がどれだけ簡単 に水素 イオンを放出できるかを表します。pKaの値 が低 いほど、酸 は強いです。) というソフトを使いました。Excel ( Microsoft社が提供 する表計算ソフトで、データの整理、計算、グラフ作成 などに使われます。)
- 研究のまとめ:
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特別 な数字( )は、本の数字と同じでした。そのため、二pKa ( 酸 の強さを示 す特別 な数字で、酸 がどれだけ簡単 に水素 イオンを放出できるかを表します。pKaの値 が低 いほど、酸 は強いです。) 種類 の酸 の違 いがグラフとpHの高さで見てわかりました。この研究は、学生が酸 と塩基 をよく理解 するのに役立ちます。実験 は簡単 で、化学を専攻 する学生の技術 向上に適 しています。
- これからどうする?:
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この研究の
成果 をもとに、次の年の学生実験 にこの方法 を使います。これにより、学生は実践的 なデータ処理 技術 を身につけます。また、違 う濃度 や他の酸 ・塩基 系 についても調べます。これにより、化学教育と実験 技術 がさらに良 くなります。
- 著者名:
- 五十嵐 智志
- 掲載誌名:
- 新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編
- 巻:
- 10
- 号:
- 2
- ページ:
- 135 - 143
- 発行日:
- 2018-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49738
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