論文詳細
経済科学部
#紀要論文
How are English wh-clefts and it-clefts translated into Japanese?
- AI解説:
- 本論文は、英語の2種類のcleft構文——wh-cleft(pseudo-cleft)とit-cleft——がもつ談話機能の違いが、日本語訳における対応構造の選択にどのように影響するかを検討する。どちらの構文も文中のある要素(「clefted constituent」)を際立たせることができるが、先行研究では語用論的に差があるとされている。すなわち、wh-cleftは「pointing forwards」(今後の話題の予告、トピック導入、転換の標示)というマクロ談話上の重要な役割を担うことが多い一方、it-cleftは談話の方向性に関してより「中立的」で、明示的な対比や、ある要素の特定(specification)が重要な場合に比較的適していると説明されてきた。さらに本研究は、日本語の~のは…だ型(「wa-cleft」)が両方の英語cleftタイプの翻訳としてしばしば用いられるものの、日本語wa-cleftが英語wh-cleftやit-cleftに関連づけられる機能の全体を必ずしも満たすわけではない点も指摘する。以上を踏まえ、本論文の目的は、wh-cleftとit-cleftの談話機能の差が、翻訳者による日本語wa-cleftと各種の非cleft代替表現(noncleft alternatives)との選択にどのように作用するかを明らかにすることである。
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経済科学部
#紀要論文
How are English wh-clefts and it-clefts translated into Japanese?
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、英語の2種類のcleft構文——wh-cleft(pseudo-cleft)とit-cleft——がもつ談話機能の違いが、日本語訳における対応構造の選択にどのように影響するかを検討する。どちらの構文も文中のある要素(「clefted constituent」)を際立たせることができるが、先行研究では語用論的に差があるとされている。すなわち、wh-cleftは「pointing forwards」(今後の話題の予告、トピック導入、転換の標示)というマクロ談話上の重要な役割を担うことが多い一方、it-cleftは談話の方向性に関してより「中立的」で、明示的な対比や、ある要素の特定(specification)が重要な場合に比較的適していると説明されてきた。さらに本研究は、日本語の~のは…だ型(「wa-cleft」)が両方の英語cleftタイプの翻訳としてしばしば用いられるものの、日本語wa-cleftが英語wh-cleftやit-cleftに関連づけられる機能の全体を必ずしも満たすわけではない点も指摘する。以上を踏まえ、本論文の目的は、wh-cleftとit-cleftの談話機能の差が、翻訳者による日本語wa-cleftと各種の非cleft代替表現(noncleft alternatives)との選択にどのように作用するかを明らかにすることである。
- 主要な発見:
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結果は、wh-cleftでは強い機能的効果が見られる一方、it-cleftでは効果がより弱く、構造的要因に媒介されやすいことを示した。明示的に対比を表すwh-cleftでは、日本語訳はwa-cleftが圧倒的に多く(32/40;80.0%)、未特定の要素が述語部で同定されるというspecificational解釈と整合的であった。しかし、wh-cleftが主として「pointing forwards」というマクロ談話機能を担う場合、翻訳者はwa-cleftを大きく避け、非cleftの日本語構造を選ぶ傾向が強かった(34/38;89.5%)。本論文は、このようなforward-pointingなwh-cleftに対する非cleft訳として、反復して現れる3つのパターンを特定している。(i) 英語wh-cleftの非cleft言い換え(noncleft paraphrase)に対応する非cleft文、(ii) 要約を示すなどの日本語の談話整理表現(discourse-organising expression)を明示的に加える非cleft構造、(iii) clefted constituentだけで語用論的に十分な場合に、cleft節(cleft clause)の明示的な訳出を省く非cleft構造、の3つである。
明示的に対比を表すit-cleftでもwa-cleftは多いが、同程度に支配的というほどではなく(57例の約68%)、注目すべきことに約32%は非cleft構造で訳されていた。本論文は、その一因として、it-cleftのclefted constituentが非cleft言い換えにおける主語に対応することが多く、日本語では主語の排他性/対比を助詞(とくにga、場合によってはより制約的なkoso)や、主語側の対比を強める構文によって表現できる点を挙げる。対比を潜在的に表し(covertly express contrast)、かつcleft節が新情報を担うit-cleftでは、翻訳は主として非cleftとなった(30/40;75.0%)。この群には時間・場所をclefted constituentとする例が多く含まれる。少数例ではno da構文が用いられており、説明(explanation)を伝えるためである可能性がある。加えて本論文は未解決の問題も示す。新情報のcleft節をもつit-cleft(specificationよりもproperty assignmentに近いように見えるもの)が、それでもwa-cleftとして訳される例がある(10例)ため、日本語wa-cleftも同様にproperty-assignmentの読みを支えうるのか、という問いが生じるという。
- 方法論:
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本研究は、現代のミステリー小説から手作業で収集した翻訳データに基づく。著者は、過去20年以内に刊行され日本語訳が存在する、イギリスのミステリー5作品とアメリカのミステリー5作品からwh-cleftとit-cleftを抽出した。300ページを超える作品は最初の300ページからデータを取り、短い作品は全体を対象にサンプル化した。it-cleftの集合の比較可能性を保ち、挙動が異なると論じられてきたカテゴリを避けるため、著者は疑問文のit-cleft(例:疑問詞を含むもの)を除外し、明示的なcleft節を含む叙述文のit-cleftのみを含めた。また本論文は、「it + copula + complement」で節を欠くパターンと真のit-cleftとの間に曖昧さがありうることにも触れ、この制限の動機づけとしている。最終データセットはwh-cleft 101例、it-cleft 121例であり、明示的対比使用と非対比使用の件数などを含む分布が表で報告されている。各英語cleft例は日本語訳と対応付けられ、選択された日本語構造(wa-cleftか非cleftタイプか。no daなどの特別な構文を含む)と、推定される談話機能(例:wh-cleftでは明示的対比/specificationalな焦点化かforward-pointingか、it-cleftでは明示的対比か潜在的対比か、および情報状態)によって分類された。分析は質的だが、一般化を支えるために件数と割合による量的要約(counts and percentages)も用いられている。
- 結論と意義:
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本論文は、談話機能が翻訳選択に及ぼす影響はwh-cleftとit-cleftで異なると結論づける。wh-cleftでは、wa-cleftと非cleft日本語構造のどちらを選ぶかが、wh-cleftが主としてspecificationalな焦点化(とくに明示的対比)に用いられているのか、あるいはマクロ談話のsignposting(pointing forwards)に用いられているのかに密接に対応する。これに対しit-cleftでは、日本語wa-cleftへの対応づけは談話機能だけでそれほど厳密には規定されず、clefted constituentのタイプ、とりわけ非cleft言い換えにおける主語位置と一致するかどうかが、wa-cleftを選ぶのか、それとも助詞(例:ga、koso)によって排他性をなお表現できる非cleft代替を選ぶのかを左右する。これらのパターンは、英語のcleftタイプと日本語wa-cleftの間の語用論的な対応関係と不一致を明確化し、談話状況をまたいで両英語形式に一つの日本語構文を一様な等価物として単純に当てることができない理由を示す、と本論文は主張する。さらに著者は、本知見が英語cleft構文とその日本語対応への理解を深めるとともに、表面的には「等価」に見えるcleft形式から翻訳が分岐する談話機能的条件を明示することで、言語教育にも関連性をもつと述べている。
- 今後の展望:
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本論文は、今後の研究課題を複数挙げるが、確定的な結論としてではなく慎重に扱っている。第一に、言語間対応のより広い記述を得るためには、「英語cleft → 日本語訳」だけでなく、本研究では扱っていない「日本語wa-cleft → 英語での対応」を検討する必要がある、と著者は論じる。第二に、it-cleftデータから生じる未解決の分析上の問いとして、新情報を導入するcleft節をもつ英語it-cleft(そのためspecificationよりproperty assignmentとして機能しているように見えるもの)の一部が、それでも日本語wa-cleftで訳されている点を挙げる。wa-cleftがこのような非specificationalでproperty-assigningな寄与を体系的に支えうるのかどうかに答えるには、翻訳結果だけからwa-cleftの意味論を推定するのではなく、日本語テキストから得たデータに基づいてwa-cleftを詳細に検討することが必要だと、著者は明言している。総じて将来研究は、実証的カバレッジの拡大と、日本語側のより広い証拠に照らしてwa-cleftに帰属される機能範囲を改訂すべきかどうかの検証として位置づけられている。
- 背景と目的:
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この論文は、英語の強調表現である2つの
(cleft構文 ( 文の一部を強く目立たせるための英語の言い方です。文を分割して「強調したい部分」を前に出し、その部分が重要だと読者や聞き手に示します。翻訳では、強調の仕方や文の流れへの影響が変わるため重要です。) とwh-cleft ( What S V is Xのような形で、「何が重要か」を示しつつ、次の話題に入る合図としても使われやすい構文です。日本語では~のは…だ型にしやすい場合もありますが、話題の予告として使われると普通の文に訳されやすくなります。) )が、文や会話の流れの中でどんな役割を持つかによって、日本語訳でどんな形が選ばれやすいかを調べた研究です。it-cleft ( It is X that S Vのような形で、特定の要素Xを強調する構文です。対比をはっきり出したいときに使われやすい一方、日本語では助詞などでも対比が表せるため、必ずしも~のは…だ型に訳されません。)
wh-cleftは、これから話す内容を予告したり話題を切り替えたりするなど、文章全体の流れを動かす役割を持つことが多い一方、it-cleftは話の方向づけという点では比較的中立で、 をはっきり示したいときや、ある要素を「それだ」と特定したいときに向きやすいと考えられてきました。対比 ( AではなくBだ、のように、他の候補と比べて強調したい要素をはっきり示すことです。英語ではit-cleftでもwh-cleftでも表せますが、日本語では助詞や言い回しでも表現できるため、訳の形が分かれます。)
英語のどちらのcleftも日本語ではよく~のは…だ型に訳されますが、日本語の~のは…だ型が英語の機能をすべて同じように表せるとは限りません。そこで本論文は、英語のcleftの使われ方の違いが、日本語で~のは…だ型にするのか、それ以外の言い方にするのかという翻訳の選択にどう影響するのかを明らかにすることを目的とします。
- 主要な発見:
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結果として、
はwh-cleft ( What S V is Xのような形で、「何が重要か」を示しつつ、次の話題に入る合図としても使われやすい構文です。日本語では~のは…だ型にしやすい場合もありますが、話題の予告として使われると普通の文に訳されやすくなります。) の違いが日本語訳の形に強く影響し、談話機能 ( 文が会話や文章の流れの中で果たす働きのことです。同じ文法形でも、話題の導入、まとめ、対比など役割が変わり、それが翻訳の形の選択に影響します。) はその影響が比較的弱いことが分かりました。it-cleft ( It is X that S Vのような形で、特定の要素Xを強調する構文です。対比をはっきり出したいときに使われやすい一方、日本語では助詞などでも対比が表せるため、必ずしも~のは…だ型に訳されません。)
wh-cleftがはっきり を表す場合、日本語訳は~のは…だ型がとても多く、内容的にも「未確定だった要素を後ろで特定する」という読み方と合っていました。ところが、wh-cleftが主に「これから大事な話に入る」という予告の役割を持つ場合、翻訳者は~のは…だ型を避けて、~のは…だ型ではない普通の文を選ぶことが多くありました。そのときの訳し方には、よく出てくる3つの型がありました。1つ目は、英語を普通の文に言い換えた形に合わせる訳です。2つ目は、「つまり」などのまとめや整理の表現を日本語で補って訳す方法です。3つ目は、強調したい部分だけで意味が伝わるときに、cleft節にあたる部分を訳に出さない方法です。対比 ( AではなくBだ、のように、他の候補と比べて強調したい要素をはっきり示すことです。英語ではit-cleftでもwh-cleftでも表せますが、日本語では助詞や言い回しでも表現できるため、訳の形が分かれます。)
it-cleftがはっきり対比を表す場合も~のは…だ型は多いですが、wh-cleftほど一方的ではなく、一定数が普通の文で訳されていました。理由の一つとして、it-cleftで強調される部分は、普通の文にしたとき主語になることが多く、日本語では主語を示す助詞(特にga、場合によって )などでも「それが該当する」という強い言い方や対比を表せる点が挙げられます。koso ( 日本語で「まさに~こそ」のように、強い限定や強調を表す語です。gaよりも「これだけだ」という感じが強く、it-cleftの強い特定を普通の文で表したいときに使われることがあります。)
また、対比がはっきり書かれていないタイプで、しかもcleft節が新情報を運ぶit-cleftは、主に普通の文で訳されました。ここには時間や場所を強調する例が多く含まれていました。さらに一部では が使われ、説明する感じを出すためだと考えられます。no da構文 ( 日本語の「~のだ/~んだ」の形で、理由説明や状況の解説のニュアンスを出す構文です。it-cleftの一部がこの形で訳され、説明を強めるためだと考えられます。)
一方で、cleft節が新情報を担うit-cleftでも~のは…だ型で訳される例があり、日本語の~のは…だ型も「特定」だけでなく別の働きをできるのか、という課題が残ることも示されました。
- 方法論:
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研究者は、現代のミステリー小説(イギリス5作品、アメリカ5作品)から、英語の
とwh-cleft ( What S V is Xのような形で、「何が重要か」を示しつつ、次の話題に入る合図としても使われやすい構文です。日本語では~のは…だ型にしやすい場合もありますが、話題の予告として使われると普通の文に訳されやすくなります。) を手作業で集め、日本語訳と対応させて分析しました。300ページを超える作品は最初の300ページまでを対象にし、それより短い作品は全体を対象にしました。it-cleft ( It is X that S Vのような形で、特定の要素Xを強調する構文です。対比をはっきり出したいときに使われやすい一方、日本語では助詞などでも対比が表せるため、必ずしも~のは…だ型に訳されません。)
it-cleftについては、使われ方が違うとされる疑問文の例などを避け、cleft節が明示されている叙述文だけを集めました。最終的なデータはwh-cleftが101例、it-cleftが121例でした。
それぞれの例について、日本語訳が~のは…だ型か、それ以外の文かを分類し、さらに英語側の (談話機能 ( 文が会話や文章の流れの中で果たす働きのことです。同じ文法形でも、話題の導入、まとめ、対比など役割が変わり、それが翻訳の形の選択に影響します。) がはっきりしているか、予告として働いているか、新情報かどうかなど)とも対応づけて整理しました。分析自体は主に内容を丁寧に見る形ですが、件数と割合も示して傾向を分かりやすくしました。対比 ( AではなくBだ、のように、他の候補と比べて強調したい要素をはっきり示すことです。英語ではit-cleftでもwh-cleftでも表せますが、日本語では助詞や言い回しでも表現できるため、訳の形が分かれます。)
- 結論と意義:
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この論文は、
が翻訳に与える影響は談話機能 ( 文が会話や文章の流れの中で果たす働きのことです。同じ文法形でも、話題の導入、まとめ、対比など役割が変わり、それが翻訳の形の選択に影響します。) とwh-cleft ( What S V is Xのような形で、「何が重要か」を示しつつ、次の話題に入る合図としても使われやすい構文です。日本語では~のは…だ型にしやすい場合もありますが、話題の予告として使われると普通の文に訳されやすくなります。) で異なると結論づけます。it-cleft ( It is X that S Vのような形で、特定の要素Xを強調する構文です。対比をはっきり出したいときに使われやすい一方、日本語では助詞などでも対比が表せるため、必ずしも~のは…だ型に訳されません。)
wh-cleftでは、 して特定するための使い方なのか、それとも「これから重要な話をする」という予告や話題転換のための使い方なのかによって、日本語で~のは…だ型にするか普通の文にするかがはっきり分かれます。対比 ( AではなくBだ、のように、他の候補と比べて強調したい要素をはっきり示すことです。英語ではit-cleftでもwh-cleftでも表せますが、日本語では助詞や言い回しでも表現できるため、訳の形が分かれます。)
一方it-cleftでは、談話機能だけでは訳の形がそこまで決まりきらず、強調される部分のタイプ、特に普通の文にしたとき主語になるかどうかが、~のは…だ型にするか、助詞などで対比を表した普通の文にするかを左右します。
これにより、英語の2種類のcleftを日本語の1つの型にいつも同じように当てはめられない理由が、会話や文章の流れの中での役割の違いとして説明できるようになります。英語学習や翻訳教育でも、見た目が似た強調表現でも使い方によって訳し分けが必要だと理解する助けになります。
- 今後の展望:
-
今後の課題として、英語のcleftから日本語への対応だけでなく、日本語の~のは…だ型が英語でどう表されるかも調べる必要があると述べています。
また、cleft節が新情報を担う が~のは…だ型で訳される例があることから、日本語の~のは…だ型が「特定」以外の働きも持てるのかという問題が残ります。これに答えるには、翻訳データだけで判断するのではなく、日本語の文章そのものから集めた例で~のは…だ型を詳しく調べる必要があるとしています。it-cleft ( It is X that S Vのような形で、特定の要素Xを強調する構文です。対比をはっきり出したいときに使われやすい一方、日本語では助詞などでも対比が表せるため、必ずしも~のは…だ型に訳されません。)
- 何のために?:
-
この研究は、
英語 の強調の言い方です。
「 」という形を調べます。クレフト ( 英語 である部分を強く言うための文の形です。ふつうの語順 とはちがう形にして、何が大事かをはっきりさせます。翻訳 するときに日本語の言い方がいくつも考えられるので重要 です。)
クレフトには、2つの形があります。
1つは です。wh-cleft ( 疑問詞 の形を使うクレフトで what や who などが出てきます。文の中で何をくらべたいのかや次に何を言うかで、日本語訳 が変 わりやすいので大事です。)
もう1つは です。it-cleft ( it を使うクレフトで ある部分だけを強調する形です。どの部分を強く言っているかを見ないと、日本語でどう訳 すか決めにくいので重要 です。)
英語 を日本語にするとき、言い方が変 わります。
よく「〜のは…だ」と訳 します。
でも、いつも同じでいいとは限 りません。
そこで、どんなときに、どの訳 になるかを調べます。
- 何が分かったの?:
-
は、使い方でwh-cleft ( 疑問詞 の形を使うクレフトで what や who などが出てきます。文の中で何をくらべたいのかや次に何を言うかで、日本語訳 が変 わりやすいので大事です。) 訳 が変 わりやすいです。
は、そのit-cleft ( it を使うクレフトで ある部分だけを強調する形です。どの部分を強く言っているかを見ないと、日本語でどう訳 すか決めにくいので重要 です。) 変 わり方が少ないです。
wh-cleftでくらべる気持ちが強いときです。
そのときは、「〜のは…だ」が多いです。
まだ分からないものを、あとで決めます。
そんな読み方と合いました。
wh-cleftが「これから大事な話だよ」です。
このときは、「〜のは…だ」をよくさけます。
ふつうの文で訳 すことが多いです。
その訳 には、よくある形が3つあります。
1つ目は、ふつうの文に言いかえる訳 です。
2つ目は、「つまり」などを足す訳 です。
3つ目は、一部を訳 さない方法 です。
それでも意味が伝 わるときにします。
it-cleftでも、くらべると「〜のは…だ」が多いです。
でも、wh-cleftほどかたよりません。
ふつうの文の訳 も、ある程度 ありました。
日本語は で、強く言えるからです。助詞 ( 日本語で名詞 のうしろにつく短い言葉で が や は を などです。文の中での役わりや強調を表せて、英語 の強調表現 を日本語でどう言うかに関 わるので重要 です。)
たとえば「が」でも、はっきり言えます。
「こそ」を使うこともあります。
また、it-cleftで新しい情報 が大事なときです。
そのときは、ふつうの文が多いです。
時間や場所を強く言う例 が多いです。
説明 する感じで「のだ」を使うこともあります。
それでも「〜のは…だ」の例 もありました。
「〜のは…だ」に、別 のはたらきがあるかもです。
- どうやったの?:
-
研究者は、
を使いました。ミステリー小説 ( なぞを解 く話が中心の小説 の種類 です。この研究では例文 を集める材料 として使われ、どんな文が出るかに影響 するので重要 です。)
イギリスの本が5さつです。
アメリカの本が5さつです。
そこから を手で集めました。例文 ( 説明 や研究のために取り出した文の例 です。実際 の文をもとに考えることで、言い方のちがいを確 かめられるので重要 です。)
英語 と日本語訳 を、組にしました。
本が長いときは、最初 の300ページです。
短い本は、ぜんぶを見ました。
は、しつもん文などをのぞきました。it-cleft ( it を使うクレフトで ある部分だけを強調する形です。どの部分を強く言っているかを見ないと、日本語でどう訳 すか決めにくいので重要 です。)
文の中で形が見えるものだけにしました。
集まった数は、 が101こです。wh-cleft ( 疑問詞 の形を使うクレフトで what や who などが出てきます。文の中で何をくらべたいのかや次に何を言うかで、日本語訳 が変 わりやすいので大事です。)
it-cleftが121こです。
日本語訳 が「〜のは…だ」かを分けました。
そして、英語 の役わりも分けました。
くらべるのか、 なのか、予告 ( このあと大事なことを言うと知らせるはたらきです。文の役わりとして予告 かどうかで、日本語訳 が 〜のは だ になりにくいなど訳 し分けに関 わるので重要 です。) かです。新 情報 ( 読み手や聞き手がまだ知らない、ここで初 めて出てくる内容 です。新情報 をどこで強く言うかで、クレフトにするかふつうの文にするかが変 わるので重要 です。)
数や割合 も出して、わかりやすくしました。
- 研究のまとめ:
-
英語 の2つの は、クレフト ( 英語 である部分を強く言うための文の形です。ふつうの語順 とはちがう形にして、何が大事かをはっきりさせます。翻訳 するときに日本語の言い方がいくつも考えられるので重要 です。) 訳 が同じになりません。
その理由は、文の流れでの役わりのちがいです。
は、役わりでwh-cleft ( 疑問詞 の形を使うクレフトで what や who などが出てきます。文の中で何をくらべたいのかや次に何を言うかで、日本語訳 が変 わりやすいので大事です。) 訳 がはっきり分かれます。
くらべて決めるなら、「〜のは…だ」です。
や話題の切りかえなら、ふつうの文です。予告 ( このあと大事なことを言うと知らせるはたらきです。文の役わりとして予告 かどうかで、日本語訳 が 〜のは だ になりにくいなど訳 し分けに関 わるので重要 です。)
は、役わりだけでは決まりません。it-cleft ( it を使うクレフトで ある部分だけを強調する形です。どの部分を強く言っているかを見ないと、日本語でどう訳 すか決めにくいので重要 です。)
強調する部分が、 になるかが大事です。主語 ( だれが 何が のように、文の中心になる言葉です。英語 では主語にするかどうかで強調の形が変 わり、訳 し方にも影響 するので重要 です。)
「〜のは…だ」にするかが変 わります。
でくらべる、ふつうの文にもできます。助詞 ( 日本語で名詞 のうしろにつく短い言葉で が や は を などです。文の中での役わりや強調を表せて、英語 の強調表現 を日本語でどう言うかに関 わるので重要 です。)
英語 のべんきょうや の学びに役立ちます。翻訳 ( ある言語の文を、別 の言語の文に直すことです。同じ意味でも言い方が変 わるので、どんな形を選 ぶかが大事です。)
見た目が似 ても、訳 し分けが大事です。
- これからどうする?:
-
今後は、反対向きも調べる
必要 があります。
日本語の「〜のは…だ」を英語 でどう言うかです。
また、「〜のは…だ」の役わりも課題 です。
「 」特定 ( たくさんある中から それ だと決めて指すことです。 〜のは だ の役わりとして特定 以外 もあるのかが研究の課題 になっていて重要 です。) 以外 もできるのかを考えます。
そのために、日本語の文そのものも集めます。
そして「〜のは…だ」をくわしく調べます。
- 著者名:
- Yamada Yoko
- 掲載誌名:
- 新潟大学経済論集
- 巻:
- 100
- ページ:
- 231 - 250
- 発行日:
- 2016-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/40014
