論文詳細

人文社会科学系 経済科学部 #紀要論文

小千谷市民による地域・コミュニティ評価に関する分析 : 地域ブランドの「資産-価値評価モデル」から

AI解説:
本研究は、地域ブランド研究の「資産-価値評価モデル」を用いて、新潟県小千谷市民が持つ地域ブランド資産の評価に影響を与える要因を明らかにすることを目的としています。小千谷市は人口減少や高齢化、地域コミュニティの再構築などの課題に直面している地方小都市です。地域ブランドの構築は、地域の価値を高め、持続可能な地域社会を目指すための重要な手段とされています。特に市民がどのように地域資産を評価しているかを把握することが、地域ブランドの形成において重要なステップとなります。
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著者名:
山崎 義広, 鷲見 英司, 長尾 雅信
掲載誌名:
新潟大学経済論集
巻:
99
ページ:
143 - 158
発行日:
2015-09
著者による要約:
本研究は,地域ブランド研究における「資産-価値評価モデル」を用い,新潟県小千谷市民が持つ地域ブランド資産評価の規定要因を定量的に明らかにすることを目的とする。そこで先行した調査を基に,地域ブランド資産指標を被説明変数とした市民の個人属性,人間関係や地域差が与える影響について分析を行った。その結果,「歴史文化資産」,「経済インフラ資産」,「食文化資産」,「コミュニティ資産」,「自然資産」の5つの地域ブランド資産の回帰モデルの妥当性が統計的に示された。さらに地域住民の地域ブランド資産の評価には,個人の属性と個人を取り巻く人間関係や社会参加の程度が影響することが明らかになった。人間関係については,地域内の人間関係や地縁活動やボランティア活動,娯楽活動などの社会参加が地域ブランド資産の形成に影響する可能性が示唆された。また,個人属性や人間関係等の影響を除いてもなお,地域ブランド資産の評価に地区による差が残ることが明らかになった。特に地域差については地域外の交流の重要性が示唆されるものであった。
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