論文詳細

人文社会科学系 経済科学部 #紀要論文

日本的雇用システムを支える企業主義的レギュラシオンの衰退とフレキシキュリテイ

AI解説:
日本の雇用システムは1990年代から大きく変わり始めました。特に、長期間同じ会社で働く「終身雇用」や、年を取るにつれて給料が上がる「年功序列」のような慣行が揺らぎました。本論文では、これらの変化が日本の雇用にどのような影響を与えたのか、また新しい雇用戦略として「フレキシキュリティ(雇用の柔軟性(フレキシビリティ)と安全性(セキュリティ)を同時に高めることを目指す戦略です。欧州では、この戦略により雇用の安定と経済成長を両立させた成功例があります。)」の可能性について検討しています。
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著者名:
厳 成男
掲載誌名:
新潟大学経済論集
巻:
97
ページ:
1 - 24
発行日:
2014-09
著者による要約:
本論文では,日本企業の高い内的フレキシビリティを支えてきた日本的雇用システムの核心である長期安定雇用慣行が,1990年代以降の長期停滞と労働市場の構造変化の中で変容した背景には,日本の企業主義的レギュラシオンの衰退があることを説明する。具体的に,企業のコーポレートガバナンスの変容と雇用慣行の変化を中心に企業主義的レギュラシオンの衰退を明らかにしながら,雇用システムの柔軟化がもたらした社会経済的帰結を整理する。そして,衰退しつつも確固たる存在として維持されている企業主義的レギュラシオンとそれに基づく日本的雇用システムを補完しうる新しい雇用戦略として,社会単位の制度的調整に基づくフレキシキュリティの可能性を検討する。
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