論文詳細

人文社会科学系 経済科学部 #紀要論文

グリーンシートとディー・ブレイン証券

AI解説:
この論文は、中小企業にエクイティ・ファイナンスの機会を提供するために設立されたグリーンシートと、その主要な担い手であったディー・ブレイン証券の歩みを報告することを目的としています。グリーンシートは未公開株の取引市場として1997年に設立されましたが、期待された成果を上げることなくディー・ブレイン証券は2010年にその名前を消滅させました。本論文は、この間に何が起こったのかを整理し、金融ビッグバンの一部としてのグリーンシートとディー・ブレイン証券の役割を検証することに意義があります。
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著者名:
齋藤 達弘
掲載誌名:
新潟大学経済論集
巻:
97
ページ:
79 - 93
発行日:
2014-09
著者による要約:
この論文では,中小企業にエクイティ・ファイナンスの機会を広げようとした,グリーンシート(未公開株の気配公表銘柄制度)と未公開株取引の専業第一号のディー・ブレイン証券の歩みについて報告する.ディー・ブレイン証券は1997年7月にグリーンシートとともに誕生し,その牽引者として期待された.2010年9月,そのディー・ブレイン証券から創業者の出縄良人が去り,2010年11月,ディー・ブレイン証券はみどり証券と商号を変更し,その名前は消滅した.失敗に終わったと言ってもいいであろうグリーンシートとディー・ブレイン証券の歩みは,金融庁が金融ビッグバンの一部として手がけた十数年にわたる壮大な社会実験だったと位置付けることができよう.
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