論文詳細

人文社会科学系 経済科学部 #紀要論文

国家的調整に基づく中国高速鉄道産業技術の進化能力構築 : 制度論的・進化論的アプローチ

AI解説:
この論文の目的は、中国の高速鉄道技術がどのように進化してきたかを、制度や進化の観点から明らかにすることです。具体的には、1990年代初期から現代までの技術の進展を分析し、政府の調整の下でどのように技術が発展してきたかを示します。研究は、中央政府が主導する研究開発の組織化と制度化、技術そのものの進化能力の向上という二つの面から行われます。
AI解説を見る
著者名:
厳 成男, 呂 守軍
掲載誌名:
新潟大学経済論集
巻:
96
ページ:
81 - 106
発行日:
2014-03
著者による要約:
本論文では,中国高速鉄道産業の製品開発を含む技術進化の特徴を明らかにすることを目指している。具体的に,1990年代はじめから今日に至る中国高速鉄道技術の発展過程を詳細に検討しながら,「国家的調整」の下,マクロ経済成長と制度変容という外部環境の変化を適応すべく行われた,高速鉄道産業の製品開発にかかわる組織と技術における進化能力の構築プロセスについて,制度論的・進化論的視点から検討している。とりわけ高速鉄道産業の技術開発体制の組織能力,すなわち新製品の構成要素(部品や要素技術)を開発するために産官学連携を中心に組織化された「結合型製品開発能力」の構築過程と,高速鉄道技術の選択 ― 淘汰 ― 開発という段階的な向上プロセスにおける,模倣と創発メカニズムの進化能力構築の過程を明らかにする。
新潟大学学術リポジトリリンク: