論文詳細

人文社会科学系 経済科学部 #紀要論文

日銀による量的・質的緩和政策の金融市場に対する短期的な効果の検証

AI解説:
この研究の背景には、日本銀行(日銀)が2013年4月4日に実施した「量的・質的緩和政策(日銀が物価を上げるために実施した政策。国債や資産を大量に購入して市場にお金を供給し、金利を低く保つことを目的としています。)」という政策があります。この政策の目的は、物価を毎年2%上昇させることです。日銀の黒田東彦総裁は、政策の効果として、金利の低下や資産価格の上昇、リスク資産への投資の増加などを挙げました。本研究の目的は、この政策が金融市場に与えた短期的な影響を調べることです。
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著者名:
伊藤 隆康
掲載誌名:
新潟大学経済論集
巻:
96
ページ:
149 - 156
発行日:
2014-03
著者による要約:
本稿では日銀が2013年4月4日に導入を決定した量的・質的緩和が,金融市場に与えた短期的な効果を検証した。3カ月後,6カ月後において緩和効果が認められたのが,短期金利と株価,ドル円レートであった。一方,不動産投資信託(REIT)に対する効果は認められなかった。また,中長期ゾーンのイールドカーブ低下効果も認められず,中長期金利は上昇した。日銀は質的・量的緩和の導入に伴って,新発国債発行額の約7割に相当する国債の購入を決めた。しかし,国債市場の需給が引き締まることで,国債の価格は上昇(利回りは低下)するとの見通しは外れた。
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