論文詳細
人文学部
#紀要論文
A Note on Case and Interpretation of Object NPs
- AI解説:
- 本論文は、日本語の対格標識 **-o** が目的語名詞句(NP)に付く場合と付かない場合とで、その意味解釈がどのように関連するかを検討する。明示的な目的語の格標識(object case-marking)が「強い(strong)」解釈と結びつきやすく、格標識のない目的語は「弱い(weak)」解釈になりやすいという言語横断的観察(例:トルコ語、フィンランド語)を踏まえつつ、本論文の狙いは **Runner (1993, 1998)** による特定の理論提案を検証することである。Runnerの主張は、**Chomsky (1992) のCase-checking**枠組みと **Diesing (1992) のMapping Hypothesis** に基づき、「強い」解釈を必要とする特定のクラスの目的語NPは、対格(Accusative Case)が許可される統語的位置、すなわち **[Spec Agr-oP]** で解釈される、というものである。著者の目的は二つあり、(i) 「強い」目的語NPが明示的な対格標識を要することを示す日本語の証拠を提示すること、(ii) さらに、対格標識付き目的語はCase-checkingのために(少なくともLFで) **[Spec Agr-oP]** へraisingするという主張を支持し、その解釈上の帰結がMapping Hypothesisと結びつくことを示すことである。
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人文学部
#紀要論文
A Note on Case and Interpretation of Object NPs
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、日本語の対格標識 **-o** が目的語名詞句(NP)に付く場合と付かない場合とで、その意味解釈がどのように関連するかを検討する。明示的な目的語の格標識(object case-marking)が「強い(strong)」解釈と結びつきやすく、格標識のない目的語は「弱い(weak)」解釈になりやすいという言語横断的観察(例:トルコ語、フィンランド語)を踏まえつつ、本論文の狙いは **Runner (1993, 1998)** による特定の理論提案を検証することである。Runnerの主張は、**Chomsky (1992) のCase-checking**枠組みと **Diesing (1992) のMapping Hypothesis** に基づき、「強い」解釈を必要とする特定のクラスの目的語NPは、対格(Accusative Case)が許可される統語的位置、すなわち **[Spec Agr-oP]** で解釈される、というものである。著者の目的は二つあり、(i) 「強い」目的語NPが明示的な対格標識を要することを示す日本語の証拠を提示すること、(ii) さらに、対格標識付き目的語はCase-checkingのために(少なくともLFで) **[Spec Agr-oP]** へraisingするという主張を支持し、その解釈上の帰結がMapping Hypothesisと結びつくことを示すことである。
- 主要な発見:
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第一に、日本語では、必然的に「強い」目的語表現の一部が対格削除(Accusative deletion)に抵抗することが示される。とりわけ、全称量化子 **daremo**(「みんな/誰も」)は **-o** を必要とし(*daremo*(-o)*)、必然的に強い量化子は該当する目的語標識なしでは現れられない、という他言語での主張と並行する。本論文はこの点を、談話依存の強い量化的解釈にも拡張する。例えば、定名詞句(definite NP)の **aitura**(「あいつら」)が、浮遊量化子(floating quantifier)の **hotondo**(「ほとんど」)や **hanbun**(「半分」)と組み合わさることで強い量化句(strong QP)となる場合、**-o** の省略が許容されなくなる。**zen’in**(「全員」)を含む一見反例に見える例については、格なしの変種(caseless variants)では束縛変項(bound-variable)の振る舞いが劣化するため、当該の意味での「真の」QPとして振る舞っていないことを示唆し、この一般化を損なわないと論じられる。
第二に、本論文は **focused object NPs(焦点化された目的語NP)** も強いQPと同様のパターンを示すと主張する。質問—回答の対(question–answer pair)において回答の焦点(answer focus)を構成する目的語は **-o** を落とせない。この点は束縛(binding)の診断と結びつけられる。焦点化目的語は(強いQPと同様に)、代名詞(ここでは **pro**)を束縛するために必要な一部の照応関係(anaphoric relations)を、目的語が代名詞を **c-command** する位置を占めない限り許可できず、目的語をより高い位置へscramblingすると束縛変項解釈が改善する。本論文はこれを、焦点化NPが弱い不定名詞句(weak indefinites)ではなく、強いQPと自然なクラスをなす証拠として扱う。
第三に、否定文における **positive polarity items**(正の極性項)の振る舞い、例えば **dokoka-no N**(「どこかのN/あるN」)は、対格標識付き目的語が **[Spec Agr-oP]** へraisingするという主張を支持する。否定環境では **dokoka-no kuni-o** は否定に対して **wide scope** を取らねばならず、決定的に、その環境では目的語が **-o** を省略できない。著者はこれを、対格標識が、否定をc-commandする位置へのraisingを引き起こし、その結果、この極性項が **nai** の作用域内に入ることを防ぐためだと導く。**-o** がない場合、目的語はVP内(VP-internal)に留まり否定の下で解釈されることになり、これは極性要件と両立しない。
- 方法論:
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本論文は、作例による日本語データに基づく理論主導の **統語論・意味論的議論(syntactic and semantic argumentation)** を用い、先行研究で論じられた他言語(特にトルコ語、フィンランド語)の確立したパターンとの比較によって補強する。実証戦略はRunnerの提案が予測する点を検証することであり、(i) 日本語で対格標識 **-o** の削除がいつ許されるか、(ii) その削除が強さ(strength)、焦点(focus)、作用域(scope)に関連する解釈特性とどう相互作用するか、を調べる。著者は「強い」対「弱い」解釈を談話意味論的に操作化し、強いNPは談話で既知の集合(subset/presuppositional)にわたる一方、弱いNPは談話に新しい実体を導入するとする。診断として、必然的に強い量化子における格標識の必須性、目的語焦点と主語焦点の文脈対比、**soituzisin** や **pro** を束縛変項として解釈できるかに関する **binding/c-command** テストが用いられる。さらに、否定下における正の極性項の **scope constraints** を用い、解釈(例:存在量化が **NEG** より広い作用域を取る場合と **NEG** の下に入る場合)を明示的に表し、極性項が否定の作用域に入ることを強制されるかどうかと文法性判断を結びつける。分析は、対格のCase-checkingが **[Spec Agr-oP]** への移動を伴い、解釈はLFにおけるVP内(VP-internal)とVP外(VP-external)の区別というMapping Hypothesisに従う、という構造モデルのもとで提示される。
- 結論と意義:
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本論文は、日本語がRunnerの二部構成の提案を収束的に支持すると結論づける。すなわち、(i) 目的語NPの「強い」解釈は明示的な対格標識の存在と密接に結びつき、(ii) 対格標識付き目的語はCase-checkingのために **[Spec Agr-oP]** へraisingし、その意味的帰結はMapping Hypothesisが予測する、という点である。意義は、形態的格が解釈上の強さと相関し、かつその相関がCaseの許可(licensing)、移動、LF解釈を結ぶ特定の統語アーキテクチャから導けることを示す証拠群に、日本語を加える点にある。焦点化NPに関する事実は、著者の議論にとって特に重要である。というのも、「強さ」は量化力に限られず、束縛配置において強いQPのように振る舞う焦点関連の構造によっても実現されうることを示唆するからである。正の極性データは目的語raisingの直接的な実証的根拠として提示される。否定の平叙文における **dokoka-no N** のwide-scope解釈の必須性と、そこでの対格削除の不可能性は、**-o** が否定より上の位置への移動と相関するとすれば自然に導かれる、とされる。一方で本論文は、日本語では対格標識が、もともと曖昧なQPに対して常に強い読みを強制するわけではないという問題も認めており、基本的なmappingの説明と整合させるために(Runnerに従って)追加の仕組みが必要になる、と述べる。
- 今後の展望:
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本論文は、日本語データが示唆する未解決点と精緻化の方向を指摘する。主要な課題は、**ooku-no hon-o** や **hutari-no otoko-o** のような対格標識付きQPが、強い読みと弱い読みの間で **ambiguous(曖昧)** なままである場合であり、もし対格標識付き目的語がすべて **[Spec Agr-oP]** でのみ強く解釈されるのだとすると、これは予想外である。これに対処するため、著者はRunnerの考えを採用し、**[Spec Agr-oP]** にあるNPはLFでVP内位置へ **optionally lowered(任意にloweringされうる)**(連鎖の上位コピーを削除することとして概念化)とすることで、対格標識があっても弱い解釈を可能にする一方、**daremo-o** のような本来的に強いQPにはこの選択肢を認めない。もう一つの見通しとして、**dareka** や **sannin** のような数詞量化子を用いてCase-dropを診断する際の方法論的注意が挙げられる。裸形(bare forms)は、**pro** によって担われる **floating quantifiers** として分析される可能性があり、また独立の一般化として、浮遊した弱い量化子は弱い読みを強制することが示唆されているからである。したがって今後の課題は、真のCase省略と別の統語構成を切り分けること、そしてoptional lowering、scrambling制約、極性に敏感な作用域相互作用が共同して、日本語で対格標識が意味的にいつ必須となるかをどのように決定するのかを明確化することだと位置づけられる。
- 背景と目的:
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この論文は、日本語の目的語につく「を(-o)」が、付く場合と付かない場合で、意味の受け取り方がどう変わるのかを調べます。ほかの言語でも、目的語に格標識がはっきり付くと「強い」意味になりやすく、付かないと「弱い」意味になりやすいと言われています。
論文の中心の狙いは、Runnerの考えを日本語で確かめることです。Runnerは、目的語に「を」が付くと、その目的語は文の中の特定の位置に移動して格をチェックし、その位置で「強い」意味として解釈されやすくなる、と考えました。著者は、次の2点を示すことを目標にします。
一つ目は、「強い」意味の目的語は「を」を省略できないことがある、という日本語の証拠を出すことです。二つ目は、「を」が付いた目的語が格のチェックのために(少なくとも意味を決める段階で)より高い位置へ移動する、という考えを支持し、その移動が意味の違いにつながることを示すことです。
- 主要な発見:
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第一に、日本語では「必ず強い意味になる」タイプの目的語表現の一部は、「を」を落とせないことが示されます。たとえば、全称の量を表すdaremo(みんな/誰も)は、目的語になるときに「を」が必要です。また、aitura(あいつら)のような定まった集団を指す名詞句でも、hotondo(ほとんど)やhanbun(半分)などと組み合わさって「強い量化表現」になると、「を」を省略できなくなります。いっけん例外に見えるzen’in(全員)を含む形については、「を」がない形だと、ある種の意味の読み方(
の読み)が弱くなるため、本当の意味での強い量化表現としては働いていない可能性がある、と説明します。束縛変項 ( 代名詞などを「ある名詞句に応じて変わる値」として読む解釈です。たとえば「毎回、各生徒は自分の家に帰る」の自分が、各生徒に応じて変わるような読み方です。)
第二に、質問への答えで強調されるような「焦点になっている目的語」も、「強い量化表現」と同じように「を」を落とせないと述べます。質問に対する答えの中で、目的語が情報の中心になると、その目的語は「を」が必須になります。さらに、代名詞の解釈テスト( のテスト)から、束縛 ( ある名詞句が、代名詞や空の代名詞の解釈を決められる関係のことです。束縛できるかどうかが、名詞句の性質(強いか弱いかなど)を調べる手がかりになります。) された目的語は弱い不定表現というより、強い量化表現に近い性質を持つことが示されます。焦点化 ( 文の中で「ここが大事な情報です」と強調される部分になることです。質問への答えで新しく与える情報になっている部分が焦点になりやすいです。)
第三に、否定文でのdokoka-no N(どこかのN/あるN)のふるまいが、目的語が「を」を持つと高い位置へ移動する、という主張を支えるとされます。否定の文では、dokoka-no kuni-oは否定よりも外側の意味(否定より広い範囲)で解釈される必要があり、そのとき「を」を省略できません。著者は、これは「を」が付くと目的語が否定より上の位置に行きやすくなり、その結果、dokoka-no Nが否定の影響を受ける場所に入らないで済むからだ、と考えます。逆に「を」がないと目的語が低い位置に残り、否定の下で解釈されてしまうため、この表現の条件に合わなくなる、という説明です。
- 方法論:
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論文は、日本語の作例を使って、文の形(統語)と意味の対応を理論的に考える方法で進めます。そして、トルコ語やフィンランド語など、ほかの言語で知られている同じタイプの現象と比べて議論を強めます。
調べる中心は、いつ日本語で「を」を省略できるのか、そしてその省略が「強い/弱い」の意味、焦点、 (どの部分に意味がかかるか)とどう関係するかです。著者は「強い」名詞句は会話の流れの中ですでに想定されている集団の一部を指しやすく、「弱い」名詞句は新しい対象を導入しやすい、として区別します。テストとして、必ず強い表現で「を」が必要か、焦点の置き方で違いが出るか、代名詞がその名詞句に結びつく読みが可能かどうか、否定と存在表現の意味のかかり方がどうなるか、などを使います。作用域 ( 否定や量化などの意味が、文のどの部分まで及ぶかという範囲のことです。どの要素がどれより「上」で解釈されるかで意味が変わります。)
- 結論と意義:
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論文は、日本語のデータがRunnerの考えを全体として支持すると結論づけます。つまり、強い意味の目的語は「を」と強く結びつきやすいこと、そして「を」が付いた目的語は格のチェックのために高い位置へ移動し、その位置の違いが意味の違い(強い/弱い)に関係すること、が示されるということです。
意義は、日本語でも「形として見える格(を)」が意味の強さと関係し、その関係が「格の許可」「移動」「意味を決める段階での解釈」という仕組みから説明できる可能性を示した点にあります。特に、 された目的語の事実は、「強さ」が単に量を表す表現だけでなく、文の中での強調や代名詞の結びつき方とも関係しうることを示すものとして重要です。また、否定文でのdokoka-no Nの例は、目的語の移動の証拠として扱われます。焦点化 ( 文の中で「ここが大事な情報です」と強調される部分になることです。質問への答えで新しく与える情報になっている部分が焦点になりやすいです。)
一方で、「を」が付いていても強い読みと弱い読みの両方が可能な表現がある、という問題も認めており、基本の説明だけでは足りないため追加の仕組みが必要だ、と述べます。
- 今後の展望:
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今後の課題として、ooku-no hon-o(多くの本を)やhutari-no otoko-o(二人の男を)のように、「を」が付いているのに強い読みと弱い読みの両方が残る例をどう説明するかが挙げられます。もし「を」が付いた目的語が必ず高い位置で強く解釈されるなら、こうした曖昧さは予想しにくいからです。
著者は対策として、高い位置に移動した目的語が、意味を決める段階で元の低い位置に戻る選択肢もありうる(ただし、daremo-oのように必ず強い表現にはその選択肢を認めない)という考えを採用します。さらに、darekaや数詞 の「格なし」形は、実は格が落ちた目的語ではなく、別の文の作り(量化子 ( みんな、だれか、二人、多くの、半分など、数や範囲を表して名詞句の意味を決める表現です。文の意味の取り方に強く影響します。) としての分析)かもしれないので、真の格省略と別構造をきちんと区別する必要があるとも述べます。最終的には、任意の戻り、語順を動かす操作、極性や否定に敏感な浮遊量化子 ( 名詞のすぐ横ではなく、文の別の位置に出て名詞句の量を表す量化表現です。日本語では「学生が三人来た」の三人のように、名詞から離れて出ることがあります。) のルールが組み合わさって、「を」がいつ意味のために必須になるのかをはっきりさせることが目標になります。作用域 ( 否定や量化などの意味が、文のどの部分まで及ぶかという範囲のことです。どの要素がどれより「上」で解釈されるかで意味が変わります。)
- 何のために?:
-
この研究は、「を」があるときと、
ないときの意味のちがいを調べます。
「を」は、 につくことばです。目的語 ( 文の中で動作の対象 になる名詞 のことです。「なにを」の「なに」にあたります。文の意味を正しくつかむのに大事です)
目的語 は、「なにを」の「なに」です。
ほかの国のことばでも、
しるしがあると意味が強いと言われます。
しるしがないと、意味が弱いと言われます。
研究のねらいは、Runnerさんの考えを、
日本語でたしかめることです。
Runnerさんは、こう考えました。
「を」がある目的語 は、文の中で
上のほうへ動きやすいです。
そして、意味が強くなりやすいです。
この研究は、二つを示 したいです。
一つ目は、強い意味の目的語 は、
「を」をぬけないことがある点です。
二つ目は、「を」があると動くことで、
意味が変 わる点です。
- 何が分かったの?:
-
一つ目の発見があります。
いつも強い意味になる言い方の中に、
「を」をぬけないものがあります。
たとえば「だれも」は、 なら、目的語 ( 文の中で動作の対象 になる名詞 のことです。「なにを」の「なに」にあたります。文の意味を正しくつかむのに大事です)
「を」がいることが分かりました。
「あいつら」も、言い方しだいで、
「を」がいることがあります。
「ほとんど」や「半分」といっしょだと、
強い意味になりやすいからです。
「全員」は、 に見えることがあります。例外 ( 多くの決まりに当てはまらない特別 なケースのことです。ルールを考えるときに何が違 うのかを見つけるために重要 です)
でも「を」がないと、ある が弱くなり、読み方 ( 同じ文でもどういう意味として受け取るかという解釈 のしかたです。「強い読み」「弱い読み」のように意味が変 わるので重要 です)
強い意味にならないこともあるそうです。
二つ目の発見があります。
答えで強く言う目的語 も、
「を」をぬけないことがあります。
会話で、そこがいちばん大事になると、
「を」が必要 になりやすいです。
さらに、 のテストでも、代名詞 ( 人や物の名前の代わりに使うことばです。たとえば「あいつら」などです。文章で同じ名詞 をくり返さずに言えるので重要 です)
強い表現 に近いと分かりました。
三つ目の発見があります。
「どこかの〜」が出る、 の文です。否定 ( 文の内容 を「〜ない」のように打ち消す言い方です。どこまでが「ない」の影響 を受けるかで文の意味が変 わるので大事です)
「〜ない」の文の中で、
「を」がある形は特別 な読み方になります。
そのとき、「を」はぬけません。
理由は、目的語 が文の上へ動いて、
「〜ない」のえいきょうを受けにくいからです。
「を」がないと下にのこり、
「〜ない」の下で読まれてしまいます。
- どうやったの?:
-
この研究は、日本語の
を使います。例文 ( 説明 のために作った文の例 のことです。ことばのしくみや意味のちがいを比 べて確 かめるのに使います)
文の形と、意味のつながりを考えます。
ほかの国のことばとも比 べます。
調べる中心は、いつ「を」をぬけるかです。
そして、意味の強い弱いと、関係 を見るのです。
答えで目立つ言い方かどうかも見ます。
また、意味がどこまで広がるかも見ます。
強い名詞 は、もう話に出ている集団 の、
一部を指しやすいと考えます。
弱い名詞 は、新しいものを出しやすいです。
そのちがいを、いろいろなテストで確 かめます。
- 研究のまとめ:
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この研究は、Runnerさんの考えを、
日本語もだいたい支 えると言います。
強い意味の は、「を」と目的語 ( 文の中で動作の対象 になる名詞 のことです。「なにを」の「なに」にあたります。文の意味を正しくつかむのに大事です) 結 びつきます。
そして「を」があると、目的語 が上へ動き、
それが意味のちがいにつながります。
大事なのは、「を」のように見える形が、
意味の強さと関係 する点です。
また、強さは量 のことばだけでなく、
や強調 ( ある部分を特 に大事だと目立たせて言うことです。強調されると「を」が必要 になりやすいなど、文の形や意味に影響 するので大事です) とも代名詞 ( 人や物の名前の代わりに使うことばです。たとえば「あいつら」などです。文章で同じ名詞 をくり返さずに言えるので重要 です) 関係 しそうです。
「どこかの〜」の例 は、
動くことの証拠 になると考えます。
ただし、問題もあります。
「を」があっても、強い読みと弱い読みの、
どちらもできる言い方があるのです。
そのため、追加 の考え方がいると言います。
- これからどうする?:
-
これからの
課題 があります。
「多くの本を」や「二人の男を」は、
「を」があっても が二つあります。読み方 ( 同じ文でもどういう意味として受け取るかという解釈 のしかたです。「強い読み」「弱い読み」のように意味が変 わるので重要 です)
もし必 ず強くなるなら、ふしぎです。
そこで、こう考える案 を出します。
いったん上へ動いても、意味を決めるとき、
もとの場所にもどることがあるかもしれません。
でも「だれもを」など、必 ず強い表現 は、
もどれないと考えます。
さらに、 がない形は、格 ( 名詞 が文の中でどんな役わりかを示 すしくみのことです。「を」のような形がそれに関係 します。意味の解釈 に関 わるので重要 です)
別 の文の作りかもしれません。
本当の「を」の と、省略 ( 本来あるはずのことばを言わずに省 いて表すことです。「を」を言わない形が本当に省略 なのかを考える必要 があるため重要 です) 別 の形を、
きちんと分ける必要 があります。
さいごは、いくつかのルールを組み合わせて、
いつ「を」が必要 かを、はっきりさせます。
- 著者名:
- Homma Shinsuke
- 掲載誌名:
- 新潟大学言語文化研究
- 巻:
- 12
- ページ:
- 69 - 81
- 発行日:
- 2007-05
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/6004
