論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
ブドウ「ロザリオビアンコ」の長期貯蔵中の果実の品質の変化
- AI解説:
- ブドウ「ロザリオビアンコ」は、1976年に「ロザキ」と「マスカットオブアレキサンドリア」を交配した白ブドウ品種であり、優れた食味と高い糖度が特徴です。しかし、ブドウは貯蔵性が低く、常温では短期間で品質が劣化します。これに対して、CA(Controlled Atmosphere)貯蔵やMA(Modified Atmosphere)包装がブドウの貯蔵期間を延ばす技術として注目されています。本研究の目的は、新潟県産「ロザリオビアンコ」の貯蔵中の特性と品質変化を調査し、新しく開発された機能性包材であるポレハフィルムの影響を評価することです。
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自然科学系
農学部
#紀要論文
ブドウ「ロザリオビアンコ」の長期貯蔵中の果実の品質の変化
AI解説
- 背景と目的:
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ブドウ「ロザリオビアンコ」は、1976年に「ロザキ」と「マスカットオブアレキサンドリア」を交配した白ブドウ品種であり、優れた食味と高い糖度が特徴です。しかし、ブドウは貯蔵性が低く、常温では短期間で品質が劣化します。これに対して、CA(Controlled Atmosphere)貯蔵やMA(Modified Atmosphere)包装がブドウの貯蔵期間を延ばす技術として注目されています。本研究の目的は、新潟県産「ロザリオビアンコ」の貯蔵中の特性と品質変化を調査し、新しく開発された機能性包材であるポレハフィルムの影響を評価することです。
- 主要な発見:
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研究の結果、ポレハフィルムを使用した場合、果実重量の減少が非常に少なく、40日後でも99.9%の重量を保持していました。対照区では40日目には91.8%まで低下しました。また、果肉硬度は両区とも20日目まで顕著に低下しましたが、その後は一定に保たれました。ポレハ区の酸素濃度は約15%、二酸化炭素濃度は1.8%まで上昇し、エチレン生成量も徐々に増加しました。可溶性固形物濃度と酸度は両区ともほぼ一定で、40日間の貯蔵期間中に大きな変動は見られませんでした。
- 方法論:
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本研究では、11月29日に新潟県で収穫された「ロザリオビアンコ」を使用しました。ポレハフィルムを使用した区とフィルムをかけない対照区の2区を設け、それぞれ2房ずつ、破壊調査用にさらに1房ずつ用意しました。貯蔵は3℃・湿度65~85%の恒温恒湿庫内で行い、果実重量、果肉硬度、気体構成、可溶性固形物濃度、酸度を11月30日を0日とし10日おきに40日目まで調査しました。重量はsartorius社の重量計で測定し、果肉硬度はFUDOHレオメーターで計測しました。気体構成は酸素濃度、二酸化炭素濃度、エチレン量をそれぞれ専用の機器で測定しました。
- 結論と意義:
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ポレハフィルムを使用することで、「ロザリオビアンコ」の貯蔵中の品質保持が効果的に行えることが示されました。特に果実重量の保持率が高く、水分ロスが抑えられたことが貯蔵性向上の一因と考えられます。また、果肉硬度や気体構成の変化も観察され、ポレハフィルムがブドウの保存に有効であることが確認されました。これにより、ポレハフィルムが「ロザリオビアンコ」の貯蔵性向上および流通過程での品質保持に大きな貢献を果たすことが期待されます。
- 今後の展望:
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今後の研究では、貯蔵環境の最適化をさらに追求し、特に二酸化炭素濃度を高めた条件での貯蔵試験が必要です。本研究での二酸化炭素濃度は最大1.8%でしたが、これを超える濃度での試験が、より長期間の品質保持に繋がる可能性があります。また、貯蔵期間の延長に伴う糖度の変化にも注目し、さらに詳細な品質評価を行うことが重要です。これにより、「ロザリオビアンコ」の市場価値向上および消費者満足度の向上が期待されます。
- 背景と目的:
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ブドウ「ロザリオビアンコ」は、1976年に「ロザキ」と「マスカットオブアレキサンドリア」を交配して生まれた白ブドウの品種です。このブドウは美味しくて甘いのが特徴ですが、すぐに品質が落ちてしまいます。そこで、ブドウの保存期間を延ばすために、CA(コントロールドアトモスフィア)やMA(モディファイドアトモスフィア)という技術が注目されています。この研究では、新潟県産の「ロザリオビアンコ」がどのように保存中に変化するのか、新しい包装材料である
を使って調べました。ポレハフィルム ( 新しく開発された特殊な包装材料で、食品の保存性を高める効果があります。)
- 主要な発見:
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研究の結果、
を使うと、ブドウの重さがほとんど減らず、40日後でもほとんど同じ重さを保っていました。一方、普通に保存した場合は、40日後には重さが結構減りました。また、ブドウの硬さは、どちらの方法でも最初の20日間で柔らかくなりましたが、その後は一定に保たれました。ポレハフィルムを使った場合、酸素の濃度が15%くらい、二酸化炭素の濃度が1.8%くらいまで上がり、エチレンというガスも少しずつ増えました。砂糖の量や酸っぱさは、どちらの方法でもあまり変わりませんでした。ポレハフィルム ( 新しく開発された特殊な包装材料で、食品の保存性を高める効果があります。)
- 方法論:
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この研究では、11月29日に新潟県で収穫された「ロザリオビアンコ」を使いました。
を使った保存方法と、使わない普通の保存方法の2つを比較しました。それぞれ2房ずつ用意し、さらに1房ずつ詳しく調べるために使いました。保存は温度3℃、湿度65~85%の条件で行い、果実の重さ、硬さ、気体の成分、砂糖の濃さ、酸っぱさを10日ごとに40日間調べました。ポレハフィルム ( 新しく開発された特殊な包装材料で、食品の保存性を高める効果があります。)
- 結論と意義:
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を使うことで、「ロザリオビアンコ」を長期間良い状態で保存できることがわかりました。特に、重さがほとんど減らなかったので、水分が保たれたことがわかります。このフィルムを使うことで、ブドウの保存がもっと良くなり、流通の過程でも品質が保てるようになります。ポレハフィルム ( 新しく開発された特殊な包装材料で、食品の保存性を高める効果があります。)
- 今後の展望:
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今後の研究では、もっと良い保存環境を見つけるために、二酸化炭素の濃度をさらに高くして保存する実験が必要です。また、保存期間が長くなると砂糖の量がどう変わるかも詳しく調べることが重要です。これにより、「ロザリオビアンコ」の市場価値や消費者満足度がさらに高くなることが期待されます。
- 何のために?:
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ブドウ「ロザリオビアンコ」は、1976年に「ロザキ」と「マスカットオブアレキサンドリア」をかけあわせてできました。このブドウは
甘 くておいしいですが、すぐに質 が落ちます。そこで、ブドウを長持ちさせるために、特別 な が使われています。この研究では、保存 方法 ( 物を長い間新鮮 なまま保 つための方法 。この研究ではブドウを長持ちさせるために使われました。) の「ロザリオビアンコ」を新しい新潟県 ( 日本の地方の一つで、ブドウ「ロザリオビアンコ」が育てられました。) 包装 で保存 して、どう変 わるか調べました。
- 何が分かったの?:
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調べた
結果 、新しい包装 を使うと、ブドウの重さがほとんど減 りませんでした。普通 に保存 した場合は、重さがどんどん減 りました。また、ブドウはどちらの方法 でも最初 の20日間で柔 らかくなりましたが、その後は同じ硬 さを保 ちました。新しい包装 を使うと、酸素 と の二酸化炭素 ( 空気の一部で、ブドウの保存 に影響 を与 える気体。この研究では新しい包装 で二酸化炭素 の量 が増 えることがわかりました。) 量 が増 えました。砂糖 の量 や酸 っぱさは、どちらの方法 でもあまり変 わりませんでした。
- どうやったの?:
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この研究では、11月29日に
でとれた「ロザリオビアンコ」を使いました。新しい新潟県 ( 日本の地方の一つで、ブドウ「ロザリオビアンコ」が育てられました。) 包装 方法 と普通 の の二つをくらべました。それぞれ2つのブドウの保存 方法 ( 物を長い間新鮮 なまま保 つための方法 。この研究ではブドウを長持ちさせるために使われました。) 房 を用意し、1つずつ詳 しく調べました。保存 は温度3℃、湿度 65~85%の条件 で、10日ごとに や果実 の重さ( 果物 の重さのことです。ブドウが新しい包装 で保存 されると重さがほとんど減 らないことがわかりました。) 硬 さ、 、気体の 成分 ( 空気の中に含 まれる物質 のことです。この研究では酸素 と二酸化炭素 が増 えることがわかりました。) 砂糖 の濃 さ、酸 っぱさを調べました。
- 研究のまとめ:
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新しい
包装 を使うと、「ロザリオビアンコ」を長い間良 い状態 で保存 できることがわかりました。特 に、重さが減 らないので、水分が保 たれていることがわかります。この方法 を使うと、ブドウの質 を保 ちながら運ぶことができます。
- これからどうする?:
-
これからの研究では、もっと
良 い を見つけるために、保存 方法 ( 物を長い間新鮮 なまま保 つための方法 。この研究ではブドウを長持ちさせるために使われました。) をもっと二酸化炭素 ( 空気の一部で、ブドウの保存 に影響 を与 える気体。この研究では新しい包装 で二酸化炭素 の量 が増 えることがわかりました。) 増 やす実験 が必要 です。また、長い間保存 すると砂糖 の量 がどう変 わるかも調べます。これにより、「ロザリオビアンコ」の価値 がもっと上がり、みんながもっと喜 ぶことが期待されます。
- 著者名:
- 藤石 里紗, 近藤 将来, 児島 清秀
- 掲載誌名:
- 新潟大学農学部研究報告
- 巻:
- 70
- ページ:
- 25 - 28
- 発行日:
- 2018-02
- 著者による要約:
- 「ロザリオビアンコ」のMA 包装による貯蔵中の特性と品質の調査を目的とした。非破壊硬度計を用いて、弾性指標による熟度評価を行った。果皮色・果実重量・フィルム内気体構成などから「ロザリオビアンコ」の貯蔵に適したMA フィルムを選択した。ポレハ区では、果実重量は水分量がほとんど減少しなかったが40日目には91.8%まで低下した。果実硬度は低下したが、有意な差はなかった。ポレハ区の気体組成は酸素濃度が低く、15%前後で推移した。二酸化炭素濃度は20%程度と高かった。エチレンの生成量は上昇し、40日目には0.004μl・kgFW^<-1>・hr^<-1>となった。 40日間の貯蔵では可溶性固形物濃度(両区画とも約23%)と酸度(両区画とも約4.2%)の変化は少なかった。ポレハフィルムは対照区より商品価値を保った。「ロザリオビアンコ」はポレハ区より更に低酸素・高濃度の二酸化炭素の環境で貯蔵性が向上すると考えられる。
We aimed to investigate characteristics and quality during storage by MA packaging of Rosario Bianco. Maturity evaluation by elasticity index was carried out using a nondestructive hardness tester. We selected the MA film suitable for storage of Rosario Bianco from pericarior color, fruit weight, gas composition inside the film and so on. In Poreha film, fruit weight did not decrease much moisture but decreased to 91.8% on 40th day. Fruit hardness decreased, but there was no significant difference. The gas composition in Poreha district has low oxygen concentration, and it remained around 15%. Carbon dioxide concentration was as high as 20%. The amount of ethylene produced increased, and on the 40th day it became 0.004 μl ・ kg FW- ・h・h・ran. In 40 days of storage, the change in soluble solids concentration( about 23% in both plots) and acidity( about 4.2% in both plots) was small. Poreha film retained its commercial value from the control. Rosario Bianco is considered to be more storable in the environment of low oxygen / high concentration carbon dioxide than Poreha.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/49932
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