論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
土のキャピラリーバリア機能を利用した節水かんがいシステムの開発 : パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区における適用可能性調査
- AI解説:
- この研究の背景として、砂層とその下部に礫層を重ねた地盤層がキャピラリーバリア(CB)機能を持つことが挙げられます。CB機能により、降雨やかんがいによって浸潤する水が砂層と礫層の境界面上部で保持され、礫層への水分移動が抑制されます。これにより、かんがい水を効率的に植物生育に供することが可能となり、節水効果が得られます。また、CBは下方の地下水からの毛管上昇を遮断するため、塩分集積に対しても有効です。研究の目的は、パレスチナヨルダン川西岸地区でのキャピラリーバリアの機能を実地で検証し、土壌水分の動態を長期的にモニターすることにあります。特に、部分的に礫層を敷設する方法が効果的かどうかを調査することを目指しています。
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自然科学系
農学部
#紀要論文
土のキャピラリーバリア機能を利用した節水かんがいシステムの開発 : パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区における適用可能性調査
AI解説
- 背景と目的:
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この研究の背景として、砂層とその下部に礫層を重ねた地盤層がキャピラリーバリア(CB)機能を持つことが挙げられます。CB機能により、降雨やかんがいによって浸潤する水が砂層と礫層の境界面上部で保持され、礫層への水分移動が抑制されます。これにより、かんがい水を効率的に植物生育に供することが可能となり、節水効果が得られます。また、CBは下方の地下水からの毛管上昇を遮断するため、塩分集積に対しても有効です。研究の目的は、パレスチナヨルダン川西岸地区でのキャピラリーバリアの機能を実地で検証し、土壌水分の動態を長期的にモニターすることにあります。特に、部分的に礫層を敷設する方法が効果的かどうかを調査することを目指しています。
- 主要な発見:
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調査の結果、降雨による土壌浸潤が比較的短時間で土壌水分の上昇応答を示したことから、透水性は高いことが確認されました。また、CB区の深さ28cm位置では、降雨発生時に体積含水率が上昇し保持されることが予想されたものの、そのような傾向は見られませんでした。一方、対照区の深さ35cm位置では体積含水率がやや高くなり、隣接する斜面からの土壌水分の水平流入が示唆されました。これにより、CB機能の発揮には礫層の設置方法や土壌管理が重要であることが示されました。
- 方法論:
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研究は、Ramallah郊外のWadi Al-Fawar谷の南側斜面にCB試験区を設置し、土壌水分動態を長期にわたって計測するものでした。具体的には、120cm×60cmの区画を手掘りし、その半分に礫層を敷設、残り半分を対照区としました。礫層は4.75mmのふるいにかけた中礫分を用い、掘削溝の底面には土壌水分センサーを設置しました。また、気象観測システムを設置し、1時間ごとのデータを収集しました。計測にはDecagon Devices Inc.製の小型土壌水分センサーEC-5を使用し、それぞれの区画に複数のセンサーを配置しました。
- 結論と意義:
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本研究の結論として、部分的な礫層敷設がキャピラリーバリア機能を発揮するためには、設置方法や土壌管理が重要であることが示されました。特に、土壌水分センサーの設置後の確認や、土の埋め戻し時の締固めの均一性が重要であることが明らかになりました。この研究は、半乾燥地や荒蕪地での農業振興に向けた技術的基盤を提供し、水資源が希少な地域での効率的な水利用を可能にします。
- 今後の展望:
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今後の展開として、2015年9月に再度調査訪問を行い、CB試験区を再設営する予定です。具体的には、部分礫層を異なる深さに敷設した複数の試験区画を設け、それぞれに土壌水分センサーを設置します。また、土のふるい分けによる粒度試験や現場飽和透水係数の測定も行う予定です。これにより、信頼性の高いデータを蓄積し、キャピラリーバリアの展開を通じて、半乾燥地や荒蕪地での農業振興に繋げることを目指しています。
- 背景と目的:
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この研究では、砂の層とその下にある砂利の層が「
」という働きをすることに注目しています。CBは、雨やキャピラリーバリア(CB) ( 砂と砂利の境界で水を止める機能のことです。これにより、水を効率よく使えるようになり、水の節約ができます。) の水が砂と砂利の境界で止まり、砂利に入らないようにする機能です。これにより、水を効率よく植物に使えるようになるため、水の節約ができます。また、下からの塩分が上がってくるのも防ぐため、土が塩辛くなるのも防ぎます。この研究の目的は、パレスチナのヨルダン川西岸地区で、このCB機能がどう働くかを調べることです。特に、部分的に砂利を敷く方法が有効かを検討しています。灌漑(かんがい) ( 植物に水を与えることです。農業でよく使われる方法です。)
- 主要な発見:
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調査の結果、雨が降るとすぐに土の中の水分が増えることがわかり、
が高いことが確認されました。しかし、CBを敷いた区画の深さ28cmのところでは、水分が増え続けることはありませんでした。一方、対照区の深さ35cmのところでは、水分がやや高くなり、隣の斜面から水が入ってきている可能性が示されました。これにより、CBをうまく機能させるには、砂利の敷き方や土壌の管理が重要だとわかりました。透水性 ( 水が土の中を通り抜ける能力のことです。透水性が高いと、水がすぐに土の中に入ります。)
- 方法論:
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研究は、パレスチナのRamallah郊外の谷の南側斜面にCB試験区を作り、長期にわたり土壌の水分を計測しました。120cm×60cmの区画を手で掘り、その半分に砂利を敷き、残り半分を対照区としました。砂利はふるいにかけたものを使い、底には
を設置しました。また、気象観測システムを設置し、1時間ごとのデータを収集しました。土壌水分センサー ( 土の中の水分量を測る装置です。)
- 結論と意義:
-
研究の結果、部分的な砂利敷設がCB機能を発揮するためには、設置方法や土壌管理が重要であることがわかりました。特に、
の設置後の確認や、土を埋め戻すときの均一な締固めが重要です。この研究は、水が少ない地域での農業振興に役立ち、効率的な水利用を可能にします。土壌水分センサー ( 土の中の水分量を測る装置です。)
- 今後の展望:
-
今後は、2015年9月に再度調査を行い、CB試験区を再設営する予定です。具体的には、異なる深さに砂利を敷いた試験区を設け、それぞれに
を設置します。また、土の粒度試験や土壌水分センサー ( 土の中の水分量を測る装置です。) の測定も行い、信頼性の高いデータを集める予定です。これにより、水が少ない地域での農業振興に繋げることを目指しています。透水係数 ( 水が土の中をどれだけ速く通るかを示す値のことです。)
- 何のために?:
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この研究では、
砂 とその下にある砂利 が「 」というキャピラリーバリア(CB) ( 砂 と砂利 の間で水を止めて、植物に効率 よく水を使わせる働 き) 働 きをすることに注目しています。CBは、雨や水やりの水が砂 と砂利 の間で止まり、砂利 に入らないようにすることです。これにより、水を効率 よく植物に使えて、水の節約 ができます。また、下からの塩分 が上がるのも防 ぎます。この研究の目的 は、パレスチナのヨルダン川西岸地区で、CBがどう働 くかを調べることです。特 に、部分的 に砂利 を敷 く方法 が有効 かを見ます。
- 何が分かったの?:
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調査 の結果 、雨が降 るとすぐに土の中の水分が増 えることがわかりました。 が高いからです。しかし、CBのある部分の深さ28cmのところでは、水分が透水 性 ( 土や砂利 が水を通しやすい性質 ) 増 え続 けませんでした。一方、 の深さ35cmのところでは、水分が少し対照 区( 実験 で比較 するために使う部分) 増 えました。これは、隣 の斜面 から水が入ってきた可能性 があります。これにより、CBをうまく使うには、砂利 の敷 き方や土の管理 が大切だとわかりました。
- どうやったの?:
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研究は、パレスチナのRamallah
郊外 の谷の南側 斜面 にCB試験 区を作りました。長い期間、土の水分を計測 しました。120cm×60cmの区画を手で掘 り、半分に砂利 を敷 きました。残 り半分は としました。対照 区( 実験 で比較 するために使う部分) 砂利 はふるいにかけたものを使い、底 には を土の水分センサー ( 土の中の水分量 を測 る機器 ) 置 きました。また、 も気象 観測 システム( 天気のデータを集める装置 ) 設置 し、1時間ごとにデータを集めました。
- 研究のまとめ:
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研究の
結果 、部分的 な砂利 敷 きがCB機能 を発揮 するには、設置 方法 や土の管理 が大切だとわかりました。特 に、 の土の水分センサー ( 土の中の水分量 を測 る機器 ) 確認 や、土を埋 め戻 すときに均一 に固 めることが大切です。この研究は、水が少ない地域 での農業に役立ち、水の使い方を上手にできます。
- これからどうする?:
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今後は、2015年9月にさらに
調査 を行います。CB試験 区をもう一度作ります。異 なる深さに砂利 を敷 いた試験 区を作り、 を土の水分センサー ( 土の中の水分量 を測 る機器 ) 設置 します。また、土の粒 の大きさを調べたり、水の通りやすさを測 ったりします。これにより、水が少ない地域 での農業に役立つデータを集めます。
- 著者名:
- 森井 俊広, 藤巻 晴行
- 掲載誌名:
- 新潟大学農学部研究報告
- 巻:
- 68
- ページ:
- 37 - 41
- 発行日:
- 2016-02
- 著者による要約:
- 砂層とその下部に礫層を重ねた地盤層は、互いの水分保持特性の相対的な違いにより、キャピラリーバリア(Capillary barrier: CB)機能を発揮する。降雨あるいは地表面かんがいにより下方浸潤が生じると、この機能により、砂層と礫層の境界面の上部で浸潤水が保持・貯留され、さらに下方の礫層への水分移動が抑制される。かんがい水を不必要に下層へ浸潤させることなく、有効に植物生育に供することができるため、節水の効果をもつ。乾燥地あるいは半乾燥地におけるCB の適用性を探るため、2015年3月20日から25日にかけパレスチナのヨルダン川西岸地区を渡航調査した。Ramallah 市郊外のウォーターハーべスティング試験サイトにキャピラリーバリア試験区を設け、自然気象条件下における土壌水分動態の長期計測を開始した。現地の土からふるい分けにより中礫分サイズの礫を容易に入手できるか、礫層を敷設することにより、非常に降雨量が少ない自然気象条件下でも効果的に土中水分を捕捉できるかどうかについて、土壌水分量の長期モニターにより確認することを、当面の調査目的とした。
A simple soil layer system which constitutes of a finer soil layer underlain by a coarser soil layer shows an excellent characteristic of capillary barrier (CB). Downward percolation of water during infiltration or redistribution ceases where the infiltrated water migrating through the sand layer encounters the gravel layer, and the water accumulates just above an interface between the soil layers with less percolating into the gravel layer lower. As their roots can easily utilize the water retained within the upper soil layer, agricultural plants grow well even under supply of less irrigation water. In order to study feasibility or applicability of the CB system of soil in an arid or semi-arid area, a site investigation was conducted in the West Bank of the Jordan River, Palestine, during 20 to 25 March, 2015. The CB test plot was constructed in the olive orchard near Ramallah City and, since then, the soil moisture contents in the CB system of soil have been monitored in the field. In this paper, the soil moisture contents measured in the CB test plot are plotted during 79 days after 23 march, 2015, and compared with those measured in the orchard soil without the gravel layer.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/39816
