論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
水蒸気ガス化によるバイオチャーからの高水素含有ガスの生産 : バイオチャーの特性および反応温度、水蒸気供給速度のガス組成と水素収量の与える影響
- AI解説:
- 本論文は、燃料としての水素需要の増大と、化石由来原料の水蒸気改質(steam reforming)による従来型水素製造が多量のCO2を排出するという環境上の欠点を背景に、バイオマスからの水素リッチガス生産を扱う。バイオマスのガス化は再生可能な代替手段として提示され、発電、熱、燃料、合成ガス用途(例:hydro-treating、アンモニア、メタノール、ジメチルエーテル、Fischer–Tropsch液体)に利用可能な多用途のガス混合物を供給できるとされる。しかし著者らは、タール(tar)の生成がバイオマスガス化における主要な技術的障壁であると強調する。タールはガス生成効率を低下させ、設備運転を阻害し、しばしば下流での除去や触媒分解(catalytic cracking)を必要とするためである。
この課題に対し、本研究は「ガス化は熱分解(pyrolysis)の後にチャー(char)のガス化が続き、後者が全体の転化を支配しうる」という考え方を踏まえる。著者らは、炭化(carbonization:char生成)とチャーの水蒸気ガス化(steam gasification)を分離することでタール問題を回避することを意図した二反応器(two-reactor)概念を提案する。目的は、異なる樹種由来のbio-char特性、反応温度、蒸気供給速度、チャー粒径がガス組成と水素リッチガス収率に与える影響を検討し、水蒸気を用いてチャーからより効果的にクリーンな水素ガスを生産する方法を明らかにすることである。
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自然科学系
農学部
#紀要論文
水蒸気ガス化によるバイオチャーからの高水素含有ガスの生産 : バイオチャーの特性および反応温度、水蒸気供給速度のガス組成と水素収量の与える影響
AI解説
- 背景と目的:
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本論文は、燃料としての水素需要の増大と、化石由来原料の水蒸気改質(steam reforming)による従来型水素製造が多量のCO2を排出するという環境上の欠点を背景に、バイオマスからの水素リッチガス生産を扱う。バイオマスのガス化は再生可能な代替手段として提示され、発電、熱、燃料、合成ガス用途(例:hydro-treating、アンモニア、メタノール、ジメチルエーテル、Fischer–Tropsch液体)に利用可能な多用途のガス混合物を供給できるとされる。しかし著者らは、タール(tar)の生成がバイオマスガス化における主要な技術的障壁であると強調する。タールはガス生成効率を低下させ、設備運転を阻害し、しばしば下流での除去や触媒分解(catalytic cracking)を必要とするためである。
この課題に対し、本研究は「ガス化は熱分解(pyrolysis)の後にチャー(char)のガス化が続き、後者が全体の転化を支配しうる」という考え方を踏まえる。著者らは、炭化(carbonization:char生成)とチャーの水蒸気ガス化(steam gasification)を分離することでタール問題を回避することを意図した二反応器(two-reactor)概念を提案する。目的は、異なる樹種由来のbio-char特性、反応温度、蒸気供給速度、チャー粒径がガス組成と水素リッチガス収率に与える影響を検討し、水蒸気を用いてチャーからより効果的にクリーンな水素ガスを生産する方法を明らかにすることである。
- 主要な発見:
-
4樹種(Japanese cedar、Japanese larch、Japanese oak、white birch)から調製したチャーにわたって、生成した「water gas」の組成は概ね類似していると報告され、これらのbio-char間で基本的な水蒸気ガス化機構が概ね一貫していることを示唆した。バイオマス資源タイプに起因する差は小さいと結論づけられた一方で、物理特性、とりわけ密度がガス化速度に一定の影響を与えた。低密度のcedar charはwater-gas反応速度(k1)が高く、著者らはこれをガス化の加速と関連づけた。
推定された相対反応速度は、water-gas shift反応がwater-gas反応より遅い(k2/k1 = 0.43–0.48)こと、Boudouard反応はごく小さい(k3/k1 = 0.02–0.04)ことを示し、Boudouard反応がガス組成へ与える影響は小さいと述べられた。生成ガスは水素リッチで、検討条件下のwater gas中のH2含有率は約60%であった。
温度の影響は大きく、800 ℃ではガス化速度が低く(water-gas反応の阻害として解釈)、一方でガスはH2が高くCOが低かった。これは発熱反応であるwater-gas shift反応の促進と整合するとされた。温度が900–1,000 ℃に上がるとガス化速度は増加したがガス収率は低下し、これはk1の増加とk2の低下に起因すると説明された。
蒸気供給も組成を変化させた。蒸気供給を0.025から0.075 g/min/g charに増やすと、water gas収率はほとんど変わらないままガス化速度が増加し、H2とCO2が増え、COが減少し、HHVが低下した。これはwater-gas反応に対するwater-gas shift反応の強化(k2/k1が0.26から0.43へ上昇)と整合するとされた。蒸気供給をさらに0.10 g/min/g charまで増やすとガス化速度は低下し、著者らは、ガス化温度が低下して吸熱のwater-gas反応が抑制され(k1が低下)、一方でk2は増加するためだと説明した。
粒径の影響は直感に反し、cedar charでは粒子が大きいほどガス化速度が増加した一方、収率とHHVは類似していた。著者らは、これはかさ密度/空隙(pore-space)の効果により蒸気とチャーの接触が変化するためであり、固定床(fixed-bed)条件では比表面積が支配的要因ではなかったことを示唆すると論じた。
- 方法論:
-
Bio-charは4樹種(針葉樹2種:Cryptomeria japonica、Larix leptolepis;広葉樹2種:Quercus mongolica、Betula platyphylla)から作製した。木材を乾燥後、約30 mm × 30 mm × 3 mmに切断し、ステンレス製反応器(長さ500 mm、内径80 mm)に400 gを投入して180 minかけて600 ℃まで昇温し、その後180 min保持して炭化した。炭化は3回繰り返して平均し、char収率は100 ×(乾燥char重量)/(乾燥木材重量)として算出した。wood gasの体積を測定し、組成(H2、CO、CH4、CO2)はガスクロマトグラフィー(GC-7000T、活性炭充填カラム、TCD、キャリアガス:アルゴン、オーブン70 ℃)で決定した。高位発熱量(HHV)は、各成分のHHV(H2: 12.75 MJ/Nm3;CO: 12.63 MJ/Nm3;CH4: 39.72 MJ/Nm3)を用いて計算した。チャーは工業分析(proximate analysis、JIS M8812)と元素分析(Micro-corder JM10)を行った。
水蒸気ガス化(steam gasification)では、電気炉内の固定床バッチ式ガス化炉に50 gのチャーを装填し、サイクロン通過後に窒素でパージした。反応器は30 min以内に目標温度へ到達し、その後、ウォーターポンプで蒸気を供給した。ガス化条件は800、900、1,000 ℃、蒸気供給速度は0.025–0.10 g/min/g charとした。多くの試験での標準粒径は5–9 mmとし、粒径効果の検討ではcedar charを1.7–2.0、2–4.0、4–9、9–15 mmに分級した。生成ガスはサイクロンを経てガスホルダーに導入し、ガスメーターで測定し、上記と同様にGCで分析した。ガス化速度は、ガス生成速度が直線的であった初期0–90 minの区間から算出した。反応寄与は3反応(water-gas、water-gas shift、Boudouard)の枠組みで解釈し、ガス組成/体積からm1–m3を導出して見かけの反応速度k1–k3を計算した。SEM(JEOL JSM-5310LV)によりChar800の構造的特徴を観察し、さらにガス化中の組織/細胞壁変化も観察した。
- 結論と意義:
-
著者らは、bio-charの実験室規模の水蒸気ガス化により「タール生成なし(without tar formation)」で水素リッチガスを生成できると結論づけ、炭化段階で生じるタール含有wood gasをcharガス化段階から切り離すという動機と整合すると述べる。char 1トン当たり4000 m3超、HHVが2000 kcal超のガス収率が計算され、またガス化温度と蒸気/char比を調整することでH2/CO比を1.7から5.2まで調節できると報告した。実験範囲内では、バイオマス資源タイプがガス組成に与える影響は小さく、運転条件、特に温度と蒸気供給が、water-gas反応とwater-gas shift反応の相対関係の変化を通じて反応速度、ガス化速度、H2/COバランスに強く影響した。Boudouard反応は無視できると推定された。出口でH2/CO比を可変にできる「クリーンガス(clean gas)」を得られるという報告は、実用性の主張の根拠とされ、著者らは、コージェネレーション燃料用途やメタノール合成原料としてはガス精製や改質(reforming)が不要であると論じた。SEMによる構造観察は、ガス化がリグニンに富む細胞コーナー領域の明瞭な劣化を伴って進行することも支持し、転化中の反応性を木材組織の特徴と結び付けた。
- 今後の展望:
-
本論文は、詳細な研究計画を提示するというより、主としてプロセス最適化を通じた将来の開発経路を示唆している。結果は、H2/CO比(報告範囲1.7–5.2)を設計し、ガス化速度、ガス収率、HHVのバランスを取るうえで、ガス化温度と蒸気/char比の制御が中核であることを示す一方、試験した樹種間の原料選択は、char密度などの物理特性ほど重要ではないことを示唆する。著者らの二反応器概念(炭化とcharガス化の分離、およびタール含有wood gasをガス化炉から迂回させる構成)も応用志向の方向性を示しており、商用プラントでは第1段のwood gasを第2段ガス化の熱源として利用しつつ、charをガス化炉出口でタールなしの水素リッチガスへ転換できる可能性が示される。さらに、蒸気供給に対する性能感度(最大蒸気供給時に温度低下によりガス化速度が低下したという報告を含む)は、将来の運転制御では、吸熱/発熱反応の熱的影響を管理して安定したガス化条件を維持する必要があることを示している。
- 背景と目的:
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近年、水素は燃料としての利用が増えています。しかし、今多く使われている水素の作り方は、天然ガスなど化石燃料を水蒸気と反応させる方法で、CO2をたくさん出してしまうという問題があります。そこでこの研究では、木などの
から水素を多く含むガスを作る方法に注目しました。バイオマス ( 木材や農業残さなど、生物由来の資源のことです。再生可能で、燃やして出るCO2は成長過程で吸収した分と考えられるため、環境負荷を下げる選択肢として注目されます。)
バイオマスを すると、発電や熱利用だけでなく、アンモニアやメタノールなどの化学製品づくりにも使えるガスが得られます。ただし大きな課題として、ガス化 ( 固体の燃料を高温で反応させ、燃えるガスの混合物に変えることです。得られたガスは発電や燃料、化学原料に利用できます。) が発生しやすく、ガスを作る効率が下がったり、装置が詰まったりすることが知られています。タール ( バイオマスを高温で分解したときにできる、ねばつく有機物の混合物です。装置を汚したり詰まらせたりして運転の邪魔になるため、実用化の大きな障害になります。)
そこで著者らは、バイオマスのガス化が のあとに熱分解 ( 酸素がほとんどない状態で加熱し、固体がガスや液体成分、固体の炭素分に分かれる現象です。バイオマスのガス化の最初の段階として起こります。) のガス化が続くことに着目し、チャー ( 木材などを炭化したときに残る炭素が多い固体です。水蒸気やCO2と反応して水素や一酸化炭素を作れるため、ガス化の主要な材料になります。) でチャーを作る段階と、そのチャーを水蒸気でガス化する段階を分ける炭化 ( 木材を加熱して揮発成分を飛ばし、チャーを作る工程です。この段階でタールを含むガスが出やすいことがポイントです。) の仕組みを提案しました。こうすることで、タールを多く含むガスをチャーのガス化装置に入れず、タール問題を避ける狙いがあります。研究の目的は、木の種類やチャーの性質、温度、蒸気の量、粒の大きさが、できるガスの成分や水素が多いガスの量にどう影響するかを調べ、よりきれいに水素を作る条件を明らかにすることです。二反応器 ( 炭化する装置とチャーをガス化する装置を分けて運転する考え方です。タールを含むガスをガス化炉に入れずにすむため、タール問題の回避につながります。)
- 主要な発見:
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4種類の木から作った
を比べると、できたガスの成分はだいたい似ており、基本的な反応の進み方は木の種類が違っても大きく変わらないと考えられました。一方で、チャーの密度などの物理的な性質はチャー ( 木材などを炭化したときに残る炭素が多い固体です。水蒸気やCO2と反応して水素や一酸化炭素を作れるため、ガス化の主要な材料になります。) の速さに影響し、密度が低いスギのチャーは反応が速く進みやすいとされました。ガス化 ( 固体の燃料を高温で反応させ、燃えるガスの混合物に変えることです。得られたガスは発電や燃料、化学原料に利用できます。)
反応の速さの見積もりから、水蒸気と炭素が反応してCOとH2を作る反応に比べて、COがCO2とH2に変わる反応は遅めで、CO2からCOを増やす反応の影響はとても小さいと判断されました。得られたガスは水素が多く、条件内では水素が約60%でした。
温度の影響は特に大きく、800℃ではガス化があまり進まず、その代わり水素が多くCOが少ないガスになりました。900〜1000℃に上げるとガス化は速く進みましたが、得られるガスの量は下がる傾向が説明されました。
蒸気の量を増やすと、ある範囲ではガス化が速くなり、H2とCO2が増え、COが減りました。その結果、ガスの発熱量は下がりました。ただし蒸気を増やしすぎると温度が下がり、反応が進みにくくなってガス化速度が落ちることも示されました。
粒の大きさについては、直感と違い、スギのチャーでは粒が大きいほどガス化が速くなる結果でした。これは、粒が細かいと詰まりやすくなり、蒸気が通りにくくなって接触が悪くなるためだと説明されました。
- 方法論:
-
材料は4種類の木(針葉樹2種、広葉樹2種)です。木材を乾燥して切りそろえ、反応器で600℃まで加熱して一定時間保ち、
して炭化 ( 木材を加熱して揮発成分を飛ばし、チャーを作る工程です。この段階でタールを含むガスが出やすいことがポイントです。) を作りました。発生したガスの量を測り、ガスの成分はチャー ( 木材などを炭化したときに残る炭素が多い固体です。水蒸気やCO2と反応して水素や一酸化炭素を作れるため、ガス化の主要な材料になります。) で調べました。ガスクロマトグラフィー ( 混合ガスを成分ごとに分けて量を測る分析方法です。生成ガスのH2やCOなどの割合を正確に調べるために使います。)
次に、 のバッチ式装置にチャー50gを入れ、窒素で空気を追い出してから加熱し、水蒸気を送り込んで固定床 ( 粒状の燃料を容器内に積み上げて固定し、その中にガスを流して反応させる方式です。燃料の詰まりやすさやガスの通りやすさが反応の進み方に影響します。) しました。温度は800、900、1000℃、蒸気の供給量は複数の条件で変えました。主な粒径は5〜9mmで、粒径の影響を見る実験ではスギのチャーをさらに細かく分けました。生成ガスの量と成分を測定し、初期の一定時間のデータからガス化速度を求めました。また、3つの代表的な反応を使って反応の寄与を整理し、見かけの反応速度を計算しました。さらにガス化 ( 固体の燃料を高温で反応させ、燃えるガスの混合物に変えることです。得られたガスは発電や燃料、化学原料に利用できます。) でチャーの構造変化も観察しました。SEM ( 試料表面の細かな形を高倍率で観察できる顕微鏡です。ガス化でチャーの組織がどう変わるかを確かめるのに使います。)
- 結論と意義:
-
実験室規模の
の水蒸気チャー ( 木材などを炭化したときに残る炭素が多い固体です。水蒸気やCO2と反応して水素や一酸化炭素を作れるため、ガス化の主要な材料になります。) によって、ガス化 ( 固体の燃料を高温で反応させ、燃えるガスの混合物に変えることです。得られたガスは発電や燃料、化学原料に利用できます。) を出さずに水素が多いガスを作れると結論づけられました。これは、タール ( バイオマスを高温で分解したときにできる、ねばつく有機物の混合物です。装置を汚したり詰まらせたりして運転の邪魔になるため、実用化の大きな障害になります。) 段階で出るタールを含むガスを、チャーのガス化段階から分けるという炭化 ( 木材を加熱して揮発成分を飛ばし、チャーを作る工程です。この段階でタールを含むガスが出やすいことがポイントです。) の考え方と一致します。二反応器 ( 炭化する装置とチャーをガス化する装置を分けて運転する考え方です。タールを含むガスをガス化炉に入れずにすむため、タール問題の回避につながります。)
計算上、チャー1トンあたり4000m3を超えるガスが得られ、発熱量も一定以上になるとされました。また温度や蒸気量を調整することで、 を1.7〜5.2の範囲で変えられると報告しました。木の種類そのものよりも、温度や蒸気供給といった運転条件がガスの作られ方を強く左右することが示され、CO2からCOを作る反応の影響は小さいとされました。用途によって望ましいH2/CO比に調整でき、条件によっては追加のガス精製やH2/CO比 ( 生成ガス中の水素と一酸化炭素の割合です。燃料としての使いやすさや、メタノール合成など化学原料としての適性を左右します。) を減らせる可能性がある点が実用上の価値として述べられています。改質 ( ガスの成分を反応で作り替え、目的の組成に整える操作です。必要な改質が少ないほど、装置が簡単になりコストも下がります。)
- 今後の展望:
-
今後は、温度と蒸気と
の比を中心に条件をうまく制御し、チャー ( 木材などを炭化したときに残る炭素が多い固体です。水蒸気やCO2と反応して水素や一酸化炭素を作れるため、ガス化の主要な材料になります。) 速度、得られるガス量、発熱量のバランスを取る最適化が重要になります。また、試した範囲では木の種類の違いは小さく、チャーの密度などの物理的特徴のほうが影響しやすいことが示唆されます。ガス化 ( 固体の燃料を高温で反応させ、燃えるガスの混合物に変えることです。得られたガスは発電や燃料、化学原料に利用できます。)
の考え方を実用化する場合、最初の二反応器 ( 炭化する装置とチャーをガス化する装置を分けて運転する考え方です。タールを含むガスをガス化炉に入れずにすむため、タール問題の回避につながります。) で出る炭化 ( 木材を加熱して揮発成分を飛ばし、チャーを作る工程です。この段階でタールを含むガスが出やすいことがポイントです。) を含むガスは別ルートに回し、二段目のガス化に必要な熱源として使うことも考えられます。さらに、蒸気を増やしすぎると温度が下がって反応が遅くなる可能性があるため、吸熱反応と発熱反応の熱の出入りを意識した安定運転の工夫が必要になります。タール ( バイオマスを高温で分解したときにできる、ねばつく有機物の混合物です。装置を汚したり詰まらせたりして運転の邪魔になるため、実用化の大きな障害になります。)
- 何のために?:
-
は、水素 ( とても軽い気体で、燃 えると水だけができるため、燃料 として注目される 使い方は水素 で車や発電を動かすなどで、二酸化炭素 を減 らす工夫 につながる) 燃料 として使われています。
でも、水素 の作り方によっては、
がたくさん出ます。二酸化炭素 ( 空気中にある気体で、ふえると地球が暑くなりやすい 使い方は温室効果ガスとして説明 するときで、環境 への影響 を考えるうえで重要 )
二酸化炭素 は、地球を暑くします。
そこで、木などから水素 を作る方法 を、
調べることにしました。
木や草などの材料 を、 と言います。バイオマス ( 木や草など、もともと生き物だった材料 のこと 使い方は燃料 や材料 のもととしてで、石油以外 の資源 として役立つ)
バイオマスを熱 してガスにすると、
電気や熱 にも使えます。
薬のもとになる物も作れます。
でも、 というねばねばが出やすいです。タール ( 木などを熱 したときに出やすい、ねばねばした黒い液体 や煙 の成分 使い方は装置 のトラブル原因 としてで、機械 がつまる問題を避 けるため重要 )
それで、機械 がつまることがあります。
ガスも作りにくくなります。
そこで、2つの機械 に分ける方法 を考えました。
まず木を焼 いて、 を作ります。チャー ( 木を焼 いてできる、こげた炭のような固 い物 使い方はこれに水蒸気 を当ててガスを作る材料 としてで、タールを減 らして水素 を作りやすくする鍵 になる)
チャーは、こげた炭みたいな物です。
次にチャーに を当て、ガスにします。水蒸気 ( 水が気体になったもの 使い方はチャーに当ててガスを作るためで、どんなガスがどれだけできるかに強く関係 する)
こうすると、タールをさけられます。
この研究は、何が大事かを調べます。
木のちがい、温度、蒸気 の量 です。
粒 の大きさや、チャーの性質 も見ます。
水素 が多いガスの作り方を見つけます。
- 何が分かったの?:
-
4つの木で作った
をチャー ( 木を焼 いてできる、こげた炭のような固 い物 使い方はこれに水蒸気 を当ててガスを作る材料 としてで、タールを減 らして水素 を作りやすくする鍵 になる) 比 べました。
できたガスの中身は、だいたい同じでした。
木の種類 で、大きくは変 わらなそうです。
でも、チャーのかたさやつまった感じで、
の速さが反応 ( 物どうしが変化 して別 の物になること 使い方はチャーと水蒸気 が変 わってガスができることを説明 するときで、速さや条件 を考えるのに必要 ) 変 わりました。
が密度 ( 同じ大きさの中にどれだけぎゅっと物が入っているかを表す 使い方はチャーのつまった感じを比 べるためで、反応 の速さに関係 する) 低 いスギのチャーは、
反応 が速くなりやすいです。
できたガスは、 が多めでした。水素 ( とても軽い気体で、燃 えると水だけができるため、燃料 として注目される 使い方は水素 で車や発電を動かすなどで、二酸化炭素 を減 らす工夫 につながる)
この実験 では、水素 が約 60%でした。
温度は、とても大事でした。
800℃だと、 は進みにくいです。ガス化 ( 固体 の材料 を熱 などで気体に変 えていくこと 使い方はバイオマスから燃料 ガスを作る工程 としてで、水素 を取り出す中心の考え方になる)
そのかわり、水素 が多くなりました。
900〜1000℃だと、反応 は速く進みました。
でも、ガスの量 は減 りやすいです。
蒸気 をふやすと、ある所までは、
反応 が速くなりました。
水素 と がふえました。二酸化炭素 ( 空気中にある気体で、ふえると地球が暑くなりやすい 使い方は温室効果ガスとして説明 するときで、環境 への影響 を考えるうえで重要 )
はへりました。一酸化炭素 ( 燃 える気体の一つで、毒性 もある 使い方は燃 える力やガスの性質 を表すときで、量 が変 わるとガスの使い道が変 わる)
そのため、燃 える力は下がりました。
でも蒸気 が多すぎると、温度が下がります。
すると、反応 がおそくなりました。
粒 の大きさも調べました。
スギのチャーは、粒 が大きいほど速めでした。
小さい粒 は、つまってしまいがちです。
そのせいで、蒸気 が通りにくいようです。
- どうやったの?:
-
材料 は、4種類 の木です。
木をかわかして、同じ大きさに切りました。
機械 で600℃まで熱 し、しばらく保 ちます。
それで、 を作りました。チャー ( 木を焼 いてできる、こげた炭のような固 い物 使い方はこれに水蒸気 を当ててガスを作る材料 としてで、タールを減 らして水素 を作りやすくする鍵 になる)
出てきたガスの量 をはかりました。
ガスの中身も、機械 で調べました。
次に、チャー50gを別 の機械 に入れました。
まず で、空気を追い出します。窒素 ( 空気に多くふくまれる、燃 えにくい気体 使い方は機械 の中の空気を追い出して安全に実験 するためで、余計 な燃 え方を防 ぐのに重要 )
そのあと熱 して、 を入れます。水蒸気 ( 水が気体になったもの 使い方はチャーに当ててガスを作るためで、どんなガスがどれだけできるかに強く関係 する)
温度は800℃、900℃、1000℃です。
蒸気 の量 も、いくつか変 えました。
粒 の大きさは、主に5〜9mmです。
粒 のちがいを見るときは、
スギのチャーをもっと分けました。
できたガスの量 と中身をはかりました。
はじめの時間のデータから、速さを出しました。
また、 を3つに分けて考えました。反応 ( 物どうしが変化 して別 の物になること 使い方はチャーと水蒸気 が変 わってガスができることを説明 するときで、速さや条件 を考えるのに必要 )
チャーの形の変化 も、よく見ました。
- 研究のまとめ:
-
をチャー ( 木を焼 いてできる、こげた炭のような固 い物 使い方はこれに水蒸気 を当ててガスを作る材料 としてで、タールを減 らして水素 を作りやすくする鍵 になる) でガスにすると、水蒸気 ( 水が気体になったもの 使い方はチャーに当ててガスを作るためで、どんなガスがどれだけできるかに強く関係 する)
なしで、タール ( 木などを熱 したときに出やすい、ねばねばした黒い液体 や煙 の成分 使い方は装置 のトラブル原因 としてで、機械 がつまる問題を避 けるため重要 ) が多いガスが作れました。水素 ( とても軽い気体で、燃 えると水だけができるため、燃料 として注目される 使い方は水素 で車や発電を動かすなどで、二酸化炭素 を減 らす工夫 につながる)
2つの機械 に分ける考え方が、役立ちます。
計算では、チャー1トンから、
とても多いガスが取れる見こみです。
温度や蒸気 の量 で、
水素 と の一酸化炭素 ( 燃 える気体の一つで、毒性 もある 使い方は燃 える力やガスの性質 を表すときで、量 が変 わるとガスの使い道が変 わる) 比 も変 えられます。
木の種類 より、 のしかたが大事でした。運転 ( 機械 をどんな条件 で動かすかということ 使い方は温度や蒸気 量 の決め方をまとめて言うときで、結果 をよくするために重要 )
使い道に合わせて、ガスをととのえられます。
ガスをきれいにする手間が、
へるかもしれません。
- これからどうする?:
-
これからは、温度と
蒸気 の量 をうまく決めます。
の速さ、ガスの反応 ( 物どうしが変化 して別 の物になること 使い方はチャーと水蒸気 が変 わってガスができることを説明 するときで、速さや条件 を考えるのに必要 ) 量 、燃 える力を、
バランスよくすることが大事です。
木のちがいは小さそうでした。
それより、 のチャー ( 木を焼 いてできる、こげた炭のような固 い物 使い方はこれに水蒸気 を当ててガスを作る材料 としてで、タールを減 らして水素 を作りやすくする鍵 になる) などが密度 ( 同じ大きさの中にどれだけぎゅっと物が入っているかを表す 使い方はチャーのつまった感じを比 べるためで、反応 の速さに関係 する) 効 きそうです。
2つの機械 を使うときは、
最初 に出る のガスをタール ( 木などを熱 したときに出やすい、ねばねばした黒い液体 や煙 の成分 使い方は装置 のトラブル原因 としてで、機械 がつまる問題を避 けるため重要 ) 別 にします。
そのガスを、熱 を作るために使う案 もあります。
蒸気 を入れすぎると、温度が下がります。
すると反応 が弱くなります。
熱 の出入りを考えて、安定させる工夫 が必要 です。
- 著者名:
- Kato Yoshiaki, Kojima Yasuo, Yoon Seung-Lak
- 掲載誌名:
- 新潟大学農学部研究報告
- 巻:
- 67
- 号:
- 2
- ページ:
- 117 - 124
- 発行日:
- 2015-03
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/32050
