論文詳細
自然科学系
農学部
#紀要論文
X 線CT の空間統計処理に基づく損傷コンクリートの特性評価
- AI解説:
- 農業水利施設のコンクリート構造は、特に薄い部材と広い表面積を持つ農業用水路において、ひび割れや損傷が発展しやすい。既存の研究では、コンクリートの内部損傷を可視化・定量評価するためのX線技術の適用が進められている。本論文では、農業用水路から採取したコンクリート・コアを対象に、X線CT計測とAcoustic Emission(AE)法を組み合わせて、CT値の分布特性と力学的特性の関係を考察することを目的としている。
AI解説を見る
自然科学系
農学部
#紀要論文
X 線CT の空間統計処理に基づく損傷コンクリートの特性評価
AI解説
- 背景と目的:
-
農業水利施設のコンクリート構造は、特に薄い部材と広い表面積を持つ農業用水路において、ひび割れや損傷が発展しやすい。既存の研究では、コンクリートの内部損傷を可視化・定量評価するためのX線技術の適用が進められている。本論文では、農業用水路から採取したコンクリート・コアを対象に、X線CT計測とAcoustic Emission(AE)法を組み合わせて、CT値の分布特性と力学的特性の関係を考察することを目的としている。
- 主要な発見:
-
コンクリート・コアの力学特性に関する結果では、ひび割れ損傷が顕在化したサンプル(TypeA、TypeB)は、損傷がないサンプル(TypeC)に比べて圧縮強度が著しく低下していることが分かった。また、CT値の分布特性に基づき、ひび割れ損傷が顕著なサンプルは他のサンプルと比較してCT値のばらつきが大きいことが確認された。さらに、損傷度評価指標(λおよびβ)とCT値との関係において、損傷度の増加とともにCT値が低下する傾向が見られた。
- 方法論:
-
本研究では、農業水利施設から採取されたコンクリート・コア30本を対象に、X線CT計測と圧縮強度試験を実施。圧縮強度試験にはAE計測を導入し、微小ひび割れの発生過程を捉えた。CT値はX線CT法により抽出し、CT値の分布特性を推計統計量から評価した。供試体はひび割れ損傷の進行状況に応じてTypeA、TypeB、TypeCの3種類に分類し、各タイプの力学特性とCT値の関係を比較した。
- 結論と意義:
-
本研究により、ひび割れ損傷が顕在化したコンクリート・コアでは圧縮強度が顕著に低下することが確認された。また、X線CT計測により得られたCT値の分布特性から、損傷度の増加に伴ってCT値が低下することが明らかになった。これらの結果は、コンクリートの損傷評価において、非破壊試験としてのX線CT法と圧縮強度試験の組み合わせが有効であることを示している。
- 今後の展望:
-
本研究の結果を基に、X線CT計測とAE技術を用いたコンクリート損傷の評価手法をさらに発展させることが期待される。特に、実際の農業水利施設における現場適用性を検討し、より精度の高い損傷評価システムの開発が望まれる。また、異なる環境条件下でのコンクリート損傷の挙動や、他の非破壊試験技術との組み合わせによる総合的評価手法の確立も今後の課題とされる。
- 背景と目的:
-
農業用の水路に使われるコンクリートは、特に薄くて広い部分が多いので、ひび割れや損傷が起こりやすいです。これを調べるために、X線を使ってコンクリートの内部をチェックする技術が発展しています。この研究では、農業用水路から取ったコンクリートのサンプルを、
とX線CT ( X線を使って物体の内部を詳しく見ることができる技術。CT値は、X線がどれだけ通ったかを数値化したものです。) という方法を使って調べ、その内部の状態と強さの関係を確認することを目的としています。音響エミッション(AE) ( 物体が壊れる時に出る音波を検出して、ひび割れなどの内部損傷を調べる方法です。)
- 主要な発見:
-
コンクリートの強さを調べた結果、ひび割れがあるサンプル(TypeA、TypeB)は、ひび割れがないサンプル(TypeC)よりも圧縮の強さがかなり低いことがわかりました。また、
の結果から、ひび割れが多いサンプルはCT値(X線を通したときの数値)がバラバラであることが確認されました。さらに、損傷が進むとCT値が低くなる傾向があることもわかりました。X線CT ( X線を使って物体の内部を詳しく見ることができる技術。CT値は、X線がどれだけ通ったかを数値化したものです。)
- 方法論:
-
この研究では、農業用の水路から取った30本のコンクリートサンプルを使いました。それらを
とX線CT ( X線を使って物体の内部を詳しく見ることができる技術。CT値は、X線がどれだけ通ったかを数値化したものです。) 試験で調べ、AEという方法を使って微小なひび割れの発生過程を観察しました。サンプルはひび割れの状況に応じて、TypeA、TypeB、TypeCの3種類に分類し、それぞれの強さとCT値の関係を比べました。圧縮強度 ( 物体が押される力にどれだけ耐えられるかを示す強さの指標です。)
- 結論と意義:
-
この研究により、ひび割れがあるコンクリートは
が低いことが確認されました。また、圧縮強度 ( 物体が押される力にどれだけ耐えられるかを示す強さの指標です。) によるCT値の分布から、損傷が進むとCT値が低くなることもわかりました。これらの結果は、コンクリートの損傷を評価する際に、X線CTと圧縮強度試験の組み合わせが有効であることを示しています。X線CT ( X線を使って物体の内部を詳しく見ることができる技術。CT値は、X線がどれだけ通ったかを数値化したものです。)
- 今後の展望:
-
この研究の結果をもとに、
とAE技術を使ってコンクリートの損傷をさらに詳しく評価する方法が開発されることが期待されます。特に、実際の農業用水路での利用を検討し、より精度の高い損傷評価システムの開発が望まれます。また、異なる環境でのコンクリートの損傷の動きや、他の技術との組み合わせによる評価手法の確立も今後の課題です。X線CT ( X線を使って物体の内部を詳しく見ることができる技術。CT値は、X線がどれだけ通ったかを数値化したものです。)
- 何のために?:
-
農業に使う水路のコンクリートは、
薄 くて広いので、ひび割 れが起こりやすいです。これを調べるために、X線で内部をチェックする技術 があります。この研究では、水路のコンクリートを とX線CT ( X線を使ってコンクリートの内部を詳 しく見る技術 です。) で調べました。内部の音の 技術 ( 音を使って、ひび割 れなどを調べる技術 です。) 状態 と強さを確認 しました。
- 何が分かったの?:
-
ひび
割 れがあるコンクリートは、ないコンクリートよりも強さが弱いです。 のX線CT ( X線を使ってコンクリートの内部を詳 しく見る技術 です。) 結果 では、ひび割 れが多いと数値 がバラバラでした。 が進むと、損傷 ( コンクリートが壊 れたり、ひび割 れたりしている状態 です。) 数値 が低 くなることもわかりました。
- どうやったの?:
-
農業用水路から30本のコンクリートを取りました。それを
で調べ、X線CT ( X線を使ってコンクリートの内部を詳 しく見る技術 です。) をしました。圧縮 強度試験 ( コンクリートの強さを調べる試験 です。) を使って、ひび音の 技術 ( 音を使って、ひび割 れなどを調べる技術 です。) 割 れの様子も見ました。コンクリートは、ひび割 れの状況 によって3種類 に分けました。それぞれの強さと数値 を比 べました。
- 研究のまとめ:
-
ひび
割 れがあるコンクリートは、強さが弱いことがわかりました。 のX線CT ( X線を使ってコンクリートの内部を詳 しく見る技術 です。) 数値 から、 が進むと損傷 ( コンクリートが壊 れたり、ひび割 れたりしている状態 です。) 数値 が低 くなることも確認 しました。この結果 は、コンクリートの損傷 を調べるために、X線CTと強さを調べる試験 が有効 であることを示 しています。
- これからどうする?:
-
この研究の
結果 をもとに、 とX線CT ( X線を使ってコンクリートの内部を詳 しく見る技術 です。) で、もっと音の 技術 ( 音を使って、ひび割 れなどを調べる技術 です。) 詳 しくコンクリートの を調べる損傷 ( コンクリートが壊 れたり、ひび割 れたりしている状態 です。) 方法 が期待されています。特 に、農業用水路での利用 が期待されます。さらに、他の技術 と組み合わせて、もっと精度 の高い評価 システムの開発が望 まれます。
- 著者名:
- 山岸 俊太朗, 鈴木 哲也, 森井 俊広
- 掲載誌名:
- 新潟大学農学部研究報告
- 巻:
- 67
- 号:
- 1
- ページ:
- 77 - 82
- 発行日:
- 2014-09
- 著者による要約:
- 近年、コンクリート構造物では各種環境要因により損傷が進行している。既存の構造物を維持管理する上で材料損傷の定量的評価は不可欠である。本論では、コンクリートの損傷度をX線CT画像の特性量と力学特性の観点から考察する。実験では、X線CT計測とAE(Acoustic Emission)法を用いた圧縮強度試験を実施し、コンクリート損傷を圧縮破壊時に発生する弾性波より評価した。検討の結果、力学特性の低下特性をCT値とAE の関係より評価することが可能であり、損傷の進行とCT値の低下が密接に関係していることが明らかとなった。
In recent years, a large number of concrete structures were damaged by environmental effects. Maintenance of concrete structures, damage evaluation is now in agent demand. In this study, damaged concrete samples were examined based on the mechanical properties and X-ray CT images. In the experiments, concrete damage was evaluated by X-ray CT and acoustic emission (AE). Then, concrete damage is evaluated based on AE parameters due to fracture under compression. It is demonstrated that the decrease in mechanical parameters could be evaluated by comparing CT number and AE rate. A relation between AE and damage parameter is correlated.
- 新潟大学学術リポジトリリンク:
- http://hdl.handle.net/10191/30055
一覧へ戻る
検索ページトップへ戻る